塩見 鮮一郎公式WEB 掲示板

過去ログ3241 2017/11/12 0:39

▼SYUPO
朱日記
読んでいただき、ありがとうございます。
11月4日は鏡花の生誕日でした。

*18日の花園神社・二の酉では、大寅興行社の見世物小屋が出るそうですよ。鏡花の世界にも相通じるものがあると思います。
11/12 0:39

▼世話係
読書
泉鏡花『朱日記(しゅにっき)』 了
短編。
ときどき鏡花を読みたくなる。すこしで満足する。
これは、赤いサルの群れや、茱萸(グミ)の実、朱色で書いた日記、
そして金沢大火。
でもね、おもしろいのは文体で、
日本の「言語革命者」の才の遺憾のない発揮。

校門の色まで描写したのも、伏線であったか。
11/12 0:21

▼世話係
読書2
『源氏物語』の現代語訳はくりかえされる。
古く与謝野晶子は生活に追われてであっただろう。
いまも、いくつか刊行されているが、
出版社側の事情もあるのだろう。
巻数も多いし、安定した読者層が望めるのか。

谷崎もまた生活費のこともあっただろうし、中央公論社からの
つよい要望もあっただろう。
しかし、どの訳者よりも作品をよく理解し、好いている。
『細雪』の視点の移動は、源氏から学んだものだ。
「前栽(せんざい)」という語は、両者に頻出する。
『伊勢物語』にもあるか。
11/11 1:02

▼世話係
読書1
『源氏物語』落穂拾い。
物語の中に、実在の物語がしきりに出てきた。
『竹取物語』と『伊勢物語』がとくにおおい。
前者からは求婚談に見られるテーマの切り方、まったく別個の話を
つないでも、物語は成立すること。
後者からは、いなかに住む美女。むかしの都、奈良に行くと、
「その里に、いとなまめいたる女はらから住みけり」
これ、宇治十帖の冒頭とシチュエーションは同じだ。
ほかにも、夕顔がいたのも陋屋だし、紫の上は鞍馬の山寺で見つかる。
式部の固定観念になっている。
11/11 0:50

▼茶利
山本有三の坂崎出羽守
抜けられないじみじみとくる作品でしたので、今日は娘を連れて、二回目見に行きます。
劇場がガラガラでもったいないです。
お時間のある方、お勧めです。
11/10 11:23

▼世話係
読書 陸
日本の古典の賞揚はむずかしい。
1940年代、「日本浪漫派」の作家たちが宣伝し、
それが10代の青年を「特攻隊」に志願させた。
『万葉集』や『古事記』を、作家は利用した。

戦後になって、「文学者の争責任」という言葉で、
こんどは、浪漫派を批判するのが通用になった。
だが、浪漫派批判は妥当だとしても、両者の立ち位置は、おなじ基盤ではないだろうか。
表と裏で、いつでも変わる。小池派はすぐに、反小池派になる。

そのような思想的レベルで、『源氏』も『平家』も『太平記』も
語ってほしくない。
これらの作品は、「論ずるに値する日本の思想の原点」に通底している。
11/10 7:59

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