塩見 鮮一郎公式WEB 掲示板
過去ログ3239
2017/11/10 0:39
▼世話係読書 壱『源氏物語』 了。
7月1日から読み始めたから、4か月と少しか。
この間、たぶん『細雪』『弾左衛門』『ハイド』など、
ここには紹介しなかったいまの作家の本も読んだ。
脳内にしのびこんで、熱を発したのは、『源氏物語』だけだ。
原文で、通して読んだのがよかった。
だれでも、細切れの知識はあたえられている。
それでは、よさはわからない。
緻密な構成、平安時代が初期から中期に至る時期の、政治と儀式と
文化と建物と仏教と物忌みと風俗と、男女の在りかた。
よく書いている。
11/10 0:39
▼世話係読書Cわたしも蛇足を書き足せば、
この「手習」からひとつづきの話に、
なぜ、式部は「夢浮橋」と、章替えをしたのか。
それも、考えてみたほうがいい。
現代の注釈によれば、
これは、
「世の中は夢の渡りの浮橋か、うちわたりつつものをこそ思へ」
に依るという。
確かにこの最後の帖は、「うち渡りつつ、ものをこそ思え」
という内容になっている。
薫も浮舟も、世の中がいかに、はかなかろうと、(蜻蛉のような世だろうと)、
生き続けて、生きつづけながら、一生懸命に考えるのがいい。
11/9 1:40
▼世話係読書Bもう、結論だけでいい。
浮舟は、小君にも会わなかったし、
薫の手紙にも、返事はなかった。
数珠の球がつづかなかった。
終わるしかない。
ただ、式部は未練たらしく、薫の心情によりそい、
「もしかして、浮舟の背後にだれか男がいるのではないか」と、
疑わせる。
蛇足もいいとこだ。
11/9 1:07
▼世話係読書A薫はいきなり、小野の浮舟の家に行くのをちゅうちょする。
その身分からして、いかにお忍びで訪れようと、
パパラッチに見つかる危険がある。
比叡山の横川(よかわ)の僧都に面会して、仲介を頼むのがいいだろう。
(読者も納得する判断だ)。
しかし、僧都は仲介をことわった。
手紙を書くことで妥協したい。
薫も地位を利用して叱りつけたりはしない。
自分がつれてきた「小君」に、自分の手紙ももたせて挨拶に向かわせる。
小君は、浮舟の弟になる。
再婚した母が生んだ男の子だ。
11/9 1:01
▼世話係読書@54巻「夢浮橋(ゆめのうきはし)」 了。
最後の巻はみじかい。
ここまで読んで、冊子を投げだす読者はいない。
源氏の子ということで、薫は右大臣になっているが、本当の子ではない。
母が密通して作った子だ。
精神にわだかまりをいだき、出家のことも考える。
浮舟も、ちゃんとした子ではない。母がもてあそばれて捨てられたとき、
みごもっていた子だ。母が再婚した男に、「連れ子」としてつれない扱いを受けた。
このふたりの愛の行く末はどうなりますか。
このおおきな物語に見合った結末を描き切れますか。
11/9 0:45
▼世話係 読書『レーニンの誤りを見抜いた人々』鈴木肇
サブタイトルが、
「ロシア革命百年、悪夢は続く」
です。
ポトレソフ、アクセリロードなど、「ロシア社民主義者」。
プレハーノフ、リャザーノフ、ニコラエフスキーなどなど。
知らない人のほうが多い。略歴と思想の対立点がスケッチされる。
わたしたちは、ソ連邦時代に作られた「ロシア革命史」の影響下に
いまだあり、
その弊が指摘される。
もっともなご意見で、日本の研究者に奮起してもらいたい。
著者は、2000年からつづくプーチンの政治を、
「強権専制統治」と位置付ける。
11/8 16:16