塩見 鮮一郎公式WEB 掲示板

過去ログ3167 2017/8/7 2:42

▼世話係
むかし噺
半世紀以前、母の兄が老いて、いまの私よりも老いて、
終日、寝ていました。
やせて背の高い男でした。
わたしの母は、兄はとても賢いといいました。
すこし不思議に思い、ずっと10代のわたしは観察していましたが、
ごくおとなしい人物でしかなかった。

いまでも、疑問のままです。母のほうが慧眼なのか、
われは、鈍(どん)なのか。

その伯父が、晩年、いつもサントリーの安酒を飲んでいた。
そのことを、とてもなつかしく思いながら、
わたしも安酒を毎晩、飲んでいます。
8/7 2:42

▼世話係
むかし噺
半世紀以前、母の兄が老いて、いまの私よりも老いて、
終日、寝ていました。
やせて背の高い男でした。
わたしの母は、兄はとても賢いといいました。
すこし不思議に思い、ずっと10代のわたしは観察していましたが、
ごくおとなしい人物でしかなかつた。

いまでも、疑問のままです。母の方が慧眼なのか、
われは鈍なのか。

その伯父か、晩年、いつもサントリーの安酒を飲んでいたのを、
とてもなつかとく思いながら、わたしも安酒を毎晩、飲んでいます。
8/7 2:36

▼世話係
読書⑷
「須磨」「明石」のしつらえは、『伊勢物語』に倣っただけではなく、
20代の後半にむかう源氏を、鍛錬して、
もう一回り大きい男に成長さすために必要だった。

たぶん式部は、須磨も明石も見たことはない。宮中で話に聞き、
それらの土地で詠まれた歌から想像をふくらませたのだろう。

なかなかの野心であった。
ずっと通して『物語』読んできて、文体のゆるぎもない。
いっぱいちりばめられている和歌も、
その平易さへの配慮など、式部ひとりの筆になる。
8/7 1:29

▼世話係
読書⑶
以下の結果、天皇は母の意見を裏切り、源氏を京に呼びもどした。
明石にいる源氏は、入道の娘の高い教養と琴の音に魅せられて、
ついに片時も離れない関係になり、懐妊させてしまう。

京にもどる源氏に、女も父の入道も泣きくれる。
源氏もまた後ろ髪を引かれながらも、一刻も早く上京し、
二条の屋敷で寂しがっている紫の上を抱きたい。

京に着くと、異母兄弟の朱雀帝に会い、親しくかたりあう。
この兄の天皇は気が弱く、弟の源氏を頼みにしている。
あの朧月夜(おぼろづきよ)の女を愛しているのに、
女が源氏を心の底に秘しているのに気づいている。
かわいそうな人なのだ。
うまいキャラではある。
8/7 1:11

▼世話係
読書⑵
嵐は京都でも続いていて、
源氏の異母兄の天皇(朱雀院(すざくいん))の枕頭にも出現し、
源氏のことを頼んでおいたのに、
真逆の結果ではないか。
天皇は眼病になり、源氏追放のおおもとの天皇の母は体調を崩した。

ストーリーはいくらでも、飛躍する。
明石に迎えられた源氏は
入道から破格の厚遇を得ながらも、
京を懐かしみ、こんなド田舎で暮らす自分に涙している。

そのうえ、明石の入道は、大切に育てた娘を貢ぐ計画で、
そうすることで、天皇の子・源氏とつながりたい。
坊主もまたアンビシャスを抱く。
8/7 0:53

▼世話係
読書㈠
「明石」 了

「須磨」から「明石」にかけて風雨はいつまでもやまず、
浜に打ち付ける高波もすごい。
ハムレットのように、先帝の亡霊があらわれて、源氏に須磨から逃げるように告げる。
明石を支配するボスのほうにもメッセージがあって、
須磨に源氏を迎えに行けという。
明石の入道が舟を送ると、その間だけ、波は静まり、風はおさまる。
いまの日本のコミックみたいな話だ。

それにしても、風光明媚な須磨が厄(やく)を背負わされ、
明石はにぎやかに富んでいる。ちょっと、傾いでいますね。
8/7 0:40

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