塩見 鮮一郎公式WEB 掲示板

過去ログ3163 2017/8/4 1:40

▼世話係
読書4
併読している『細雪』も、阪神間の大雨の場面で、
谷崎が須磨の場面を意識しているのは当然で、

「六甲の山奥から溢れ出した山津波(やまつなみ)なので、
真っ白な波頭を立てた怒涛が飛沫を上げながら後から後からと
押し寄せて来つつあって、あたかも全体が沸々と
煮えくり返る湯のように見える」
谷崎の勝ちですね。
8/4 1:40

▼世話係
読書3
「須磨」の巻の終わりは暴風です。
海は荒れ狂い、雷鳴はとどろき、
漁師たちは、津波がきて、家も道具もさらって行く恐怖を語ります。
「にはかに風吹き出でて空もかきくれぬ。
肘笠雨(ひじかさあめ)とか降りきて、いとあわただしけれ」

急に雨が降りだしたので、思わず肘をあげて笠にして雨を防いだ。
「肘笠雨」はもう死語だろうが、おもしろい言葉だ。
8/4 1:40

▼世話係
読書2
だが、残念なことに、源氏の君はなかなか京都から離れません。
しがみついています。
政敵によって、すべての官職を奪われ、身に危険が迫っていても、
女たちとの涙の別れの日夜です。
須磨に着いてからも女たちと交換した歌がならびます。

実際の描写はほとんどなく、泣く場面が多いです。
「沖より舟どもの歌ひののしりて漕ぎ行くなども聞こゆ」
などの文がめずらしいほどです。

ひそかに「頭(とう)の中将」が訪ねてきても、京の話題ばかりです。
なにも須磨でなくてもいい、どこにでも通じる土地の描写です、残念。
8/4 1:13

▼世話係
読書1
12卷「須磨」 了。

「むかし、男ありけり、京や住み憂(う)かりけむ、あづまの方に行きて
住み所もとむとて」
式部は『伊勢物語』に倣います。
行く先は関東ではなくて、須磨(すま)ですが、これとて
在原業平の兄の在原行平(ありわらのゆきひら)の歌、

「わくらばに(たまたま)問う人あれば須磨の浦に
藻塩(もしお)たれつつ、侘(わ)ぶと答へよ」
からきている。

つぎの巻、「明石」とともに、源氏の人生での二年数か月の「どん底」が描かれます。
8/4 0:53

▼世話係
また、ですね。
『西遊記』博多篇を書いていると、ぐらり。
8/3 14:37

▼世話係
TVドキュメント
最近、いじめで死んだ子の親とか、
交通事故で小学生の子を失ったとか、
誘拐にあって死んでしまったとか、
そういうドキュメントが多いですね。

親が泣いている姿を写したいのですか。

Nが好きな「密着取材」とか、
テーマの周辺の取材に、映像屋さんはのめりこみ、
テーマが雲散霧消していませんか。

カメラをまわしていればなにかが写っているだろうという、
軟弱そのものの生活者ですか。
8/3 2:00

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