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過去ログ495 2016/6/5 10:20

☆関西人
ダイアゴナル
続きね。

ブルガリア戦でひとつ気になったのが、右サイド小林悠の起用である。
明らかに本田とは違うキャラだ。
じゃ、なぜ彼が右サイドで起用されたのかというと、早い話がフロンターレでもそのポジションをやってるから。
いわば、専門である。

このポジションで起用される選手って、いわゆる「ウィング」、ドリブルでサイドを突破してからセンタリングを上げるようなイメージが湧く。
だけど、小林はそういうタイプでもないだろう。
ザック時代の右サイド、岡崎もまたそうだった。
岡崎も小林もドリブラーというよりは、裏を狙う系のFW。
オンザボールのスキル以上に、球を触る以前、オフザボールの時点で勝負を70%ぐらい決めちゃうようなスキルがあるタイプなんだ。
動き出しの速さ等で。
そういう彼らを敢えてサイドに配置してることにこそ、この戦術の醍醐味があると思う。

ひとつに、ダイアゴナルランというFWの動き方がある。
斜めに走るやつね。
この走り方に一体何の意味があるかというと、これはDFする側として非常に困るのよ。
だってさ、たとえば守る側がゾーンDFを敷いてたとして、そこを斜めにグイグイ走られたらマークの受け渡しをするにも混乱をきたすから。
基本、守備ゾーンというのはスクエアの形状。
それはタテに強くとも、斜め方向の負荷には妙な脆さが出ちゃうワケよ。

で、岡崎や小林をサイドに使うことの最大の狙いは、そこにある。
決してサイド突破が主眼じゃないんだ。
だからブルガリア戦の後半、浅野を右サイドに置いたことに対しても、「ハリル、分かってね〜な〜。浅野を使うならサイドじゃなくセンターだろ?」と思った人はいるだろうが、狙いを分かってなければ確かにそう感じるよね。
あの場合、浅野の役割はサイド突破というよりはダイアゴナルランだったと思う。
たとえば、左で宇佐美が仕掛けてラストパスを放り込んだところに、金崎がニアで敵を引き付け、もう一方で死角となったファーからダイアゴナルに浅野がエリア侵入しちゃうワケよ。
自慢のスピードで。

仮に右が本田なら、あまりそういうのは期待できない。
私は、こういう攻め方は面白いと思うけどな。
別に、右に限った話じゃないんだ。
仮に右で本田が起点を作る場合は、逆にダイアゴナルFWを左で配置してみるのも悪くないかと。
大体さ、考えてみてよ。
岡崎って最近でこそセンターで起用されるようになってきたけど、少し前まではずっとサイドが定位置だったじゃん?
それでいて、代表での通算ゴール数は歴代3位だよ(近いうち2位になるはず)。
いかに、ポジションがサイドからでもゴールを狙えるかということだ。

今は、どのチームも堅固なブロックで守備をしてくる時代。
ただ足が速いからって、あるいはドリブルが上手いからって、あるいは繋ぎが上手いからって、そう簡単にブロックを崩せるもんでもないのよ。
やはり虚を衝く、みたいな形でないとなかなか得点をできないもんさ。

私はボスニア戦、もう一回小林悠にチャンスあげてほしいなぁ。
ブルガリア戦では、彼の本領をあまり見れなかったからね。
かつてザックは、彼を本大会23名枠に入れる予定でいたらしい。
もともとFW岡崎の動き方を高く評価していたザックだけに、その岡崎のリザーブとして筆頭候補が小林だったんだそうだ。
結局、怪我で頓挫したけど。
なんか知らんけど、いつも彼は怪我で代表から離れるイメージ。
そんな彼が、皮肉にも今回は怪我の本田の代わって先発に入ったワケね。
このレアな流れ、大事にしてほしい。
それこそ武藤嘉紀に対する武藤藤雄樹みたいなもんで、小林悠もまた、今後は「じゃない方の小林」として存在感を発揮してほしいよね(笑)。
2016/6/5(日)10:20

☆関西人
ブルガリア戦A
ブルガリア戦、最も良かった選手の一人が清武だった。
そこは、きっと誰も異存ないはず。
ポイントは、彼が左サイド起用だったこと。
あれ?右じゃないんだ、と。
彼は右利きゆえ、ホントは右に配置した方がクロスを上げやすい。
実際、ロンドン五輪の時は右サイドだったよね?
まぁ、彼はどっちもできるんだけど。

ただ、彼が左で機能したことの意味は大きい。
なぜって彼の位置が左なら、仮に本田が帰ってきても

・・・岡崎
清武・香川・本田

という形で、清武はベンチに戻らなくても済むんだから。
一度、↑を試してみてほしいね。
興味あるんだよ。
昨日清武が輝いたのは、やはり本田がいないことが大きかったと思うから。
右に本田がいると、どうしてもそこに球が集まってしまう。
トップ下の香川も、どっちかというとそっちへ寄ってしまう。
すると必然として、左はある程度球を触る機会が制限されちゃうんだ。
今回でいえば、小林悠(彼の場合は右なんだけど)がその憂き目に遭ったといえる。
あっちサイドで清武と香川でコンビネーション作っちゃうと、どうしても小林は蚊帳の外になっちゃうのよ。
これは、別に小林が悪いワケではない。
純粋にメカニズムの問題なんだから。

思えば、昔からそうなんだよな。
たとえばザック時代。
あの当時は本田がトップ下で、香川が左サイド。
そこに長友のオーバーラップが絡むワケで、どうしてもビルドアップは【左>右】になる。
問題は右。
ザックは、主に岡崎をその右で使った。
というのも、岡崎は当時からオフザボールの動きに定評があり、たとえ球を触る回数を制限されても持ち味を出せるタイプだったから。
一方で、ザックは清武をそこで使うこともあった。
しかし悲しいかな、清武はオフザボール型ではなくオンザボール型の選手。
正直、岡崎ほどそこで輝くことはできなかったよね。

だから、今でも

・・・岡崎
清武・香川・本田

にしちゃえば、やはり香川は球が集まる本田のサイドに寄ってしまい、左サイドの清武は孤立しちゃうかもしれない。
消える時間が増える。
で、皆から「やっぱ清武ダメじゃん?」とか、「先日のは、たまたまブルガリアが弱すぎただけじゃん」とか普通に言われちゃうワケよ。

このへんを整理するのは、やはり監督の役割だろう。
簡単な話、トップ下の香川に「右へは寄るな。左には寄ってもイイ」と指示すればイイんだ。
となると、逆に本田が孤立する?
…別にイイじゃん。
本田は孤立に耐えられる選手だろうよ。ミランを見る限り。
彼にそういう負担を強いてまで、香川+清武のコンビネーションは見る価値があると私は思うんだ。

これまでハリルは、

・・・岡崎
ウサミ・・香川・本田

という形をよく使っていた。
この場合だと宇佐美が孤立するように思えるが、意外と宇佐美は自力でドリブル突破できる選手ゆえ、たとえ香川とのコンビネーションがなくとも自己完結をできてしまう。
清武は、宇佐美のようなタイプではない。
誰かと絡んで、球を何回も触ってナンボの選手さ。

もうひとつ、別の考え方。
もしボスニア戦に本田が間に合わないなら、私は

・・・金崎
清武・香川・岡崎

も悪くないかな、と思っている。
だって岡崎にとっては、かつて慣れ親しんだ右サイドである。
仮に逆サイドで清武と香川がイチャイチャしてたところで、岡崎はただ黙々とオフザボールの仕事を全うするだけのこと。
敵の注意が逆サイドに寄り、彼にとっては大好物のスペースがそのへんにゴロゴロしてるワケだから。
しめしめ、である。
一方金崎のセンターは、ブルガリア戦でも十分に機能することが伺えた。
岡崎とタイプは違うが、あれはあれで全然良いと思う。

こうして考えると、本田不在時に「ポスト本田」を使わずとも、ハリル代表の前線は意外に何とかなりそうな感じ。
話題の小林祐には悪いけどね。

問題は前線よりむしろ、ボランチの方さ。
長谷部がまだ元気なうちに、「ポスト長谷部」を探しておきたい。
柏木のところは今後柴崎や大島を交えてシノギを削るとして、長谷部のところはまだ候補者が少ない。
遠藤航?
彼は、JリーグではCBの選手だ。
あとハリルは、原口のボランチコンバートも度々口にしている。
思うに、彼の中ではJリーグにおける既製ボランチより、誰か別のポジションからコンバートした方が話が早い、と考えてるのかと。

日本の既製ボランチ達よ、ここは怒るべきところですよ?
2016/6/4(土)15:04

☆関西人
ブルガリア戦
7ー2って、凄いスコアだなぁ。
たとえアジアの弱小相手でも、7ゴールはなかなか取れないもんだよ。
しかも、主軸の本田を欠いてたのに。
「別に、相手が本気じゃなかっただけの話だろ…」と素直に喜ばないファンは多いだろうが、でもさ、ブルガリアにとって7失点はかなりの屈辱だよ?
彼らも9月にはW杯予選本番を控えてるというのに、この時期に意図した手抜きなんて絶対に有り得ない話なんだ。
ちょっとは日本を誉めようよ(笑)。

で、今回はハリルが公言してた通りに、香川と清武の共演が珍しく実現したワケです。
いつもの日向くんがいなくて、代わりに岬くんが入った感じ?
案の定、翼岬コンビは悪くなかったよ。
なんせ、セレッソのエースナンバーGを香川から継承した清武である。
この二人、合うと思う。
彼らに加えて前に岡崎、後ろに柏木というカルテットは重量感こそ欠けるものの、創造力はMAX。
ただ、それが予想以上に機能して大量点リードしちゃったもんだから、後半のハリルは完全に実験モードへ入ってしまった。
コンセプトは、それこそ180度真逆の方向へ。

【先発】
・・・岡崎
清武・香川・小林

【終盤】
・・・金崎
ウサミ・・原口・浅野

この終盤の組み合わせ、エゴ強いわぁ(笑)。
華麗な連携の先発に対して、ゴリゴリ個人技の終盤、といったところか。
これは意図だったの?
もちろんバランスとしては、ふたつを足して2で割った方がイイんだけどね。
そういうコクとキレの絶妙ブレンドは、次戦を待つとしようか。

課題は、やはり守備である。
ブルガリアも後半からは立て直してきて、日本のプレスが機能しない場面も増えてきた。
こっちが二人がかりで寄せてるのに、球を奪えず、なぜか剥がされたりしたワケよ。
あれ、何でだろうね?
ちゃんと寄せることはできてても、肝心の奪うところまではいかない。
この奪える奪えないは、やはりセンスの差なのかもしれない。
日本は全員が頑張って守備をするんだけど、意外とボール奪取に長けた選手はほんのひと握りしかいないワケさ。

見てて、柏木なんかは一長一短あるんだ。
攻撃の組み立ては素晴らしい。
でも守備は、かなり頑張ってるんだけど少し怖いのも事実。
長谷部だって、中盤全域をカバーできるワケじゃないんだし。
じゃ、2ボランチは【長谷部+遠藤航】や【長谷部+山口蛍】にした方がイイのか?
いや、それはそれで今度は組み立ての方に不安が出てくるのよ。
…難しいよね〜。攻撃的な選手に守備を頑張らせることって。
といいつつ、逆に守備的な選手に攻撃を頑張らせることの方が、実はもっと難しいんだけど。

ところで、今回はベストメンバーだったのか?
それは違うだろう。
故障で本田はいなかったし、前半のうちに香川まで負傷退場という飛車角落ちである。
さらにいうと、クラブで出場機会にあまり恵まれてない選手が先発に使われている。
川島、吉田、酒井宏がそうである。
吉田はともかくとして、川島と酒井宏の起用は少し意外だった。
ところが、この二人とも頑張ったんだよな〜。
いつになく酒井は何度もサイドをエグり、質の高いクロスを連発。
やっぱ、右サイドが本田じゃないと動きやすいの(笑)?
あと、川島もPKを止めるなどビッグセーブを連発。
思ったほど錆びてないじゃん?
ドヤ顔と雄叫びは昔より少なかったけど。
つけ加えると、吉田は2ゴールを決めるなど攻撃面での大活躍。
おそらくハリルの配慮として「実戦勘を取り戻しなさい」的起用の3人だったと思うが、その危機感のせいか、逆にこうして頑張るものなんだね。
あと、ガンバでは全然点を取れなくなってる宇佐美。
意外にも代表ではキレキレで、ブルガリアは全く彼を抑えられていなかった。
ハリルは「彼ほど才能ある選手はいない」とし、敢えて「我慢」の召集を公言するほどの完全特別待遇だ。
必ずしも、クラブで調子良い選手を起用するというスタンスじゃないんだろう。
もうひとつ、選手のポテンシャルというのを見ている。

あぁ、そうそう。
ポテンシャルといえば、原口かまたアウトサイドではなくインサイドだったね。
彼にはそこに適性がある、と見てるんだろう。
これもまた、「我慢」の起用っぽいね。
彼の場合、まだハマってるとは思えなかったけど…。

あと、一人だけ変な注目をされてたのが長友。
みんな、アモーレアモーレ言いすぎ(笑)。
TVカメラも、しっかり観客席のアモーレを映していた。
ところで、アギーレは元気だろうか(笑)?
あとTVカメラは、観客席にいる浅野のご家族(子だくさん)も映していた。
浅野がPKを蹴る際、お母さんがずっと目を閉じて祈ってるシーン(敢えてシュートを見てない)が印象的だったね。
なんか久しぶりに、私はグッときたよ。
泣きそうになった。
彼は間違いなく好感度ランキング上位にきてる選手なんだけど、だからこそ、早いことジャガーポーズの改善に着手してほしいわ〜。
感動のゴールの後、あのジャガーポーズは感動を少しばかり萎えさせる効果があるよ。
2016/6/4(土)10:06

☆関西人
バイクとフェラーリ
欧州CLは、レアルマドリードの優勝で幕を閉じた。
私は、迂闊にも途中で寝落ちしてしまった…。
だからこの試合を多く語ることはできないんだが、ただレアルもアトレティコも守備の堅いチームだということは理解できたよ。
あれを崩すのは、お互い大変な作業だっただろう。

こういう堅い守備に対して、いかにうまいことビルドアップしていくべきか、というのが現代サッカーの大きなテーマ。
トゥーロン国際でも、日本はそこに手を焼いたよね〜。
それとCLを見比べて何となく思い出したのは、ハリルの「(日本と欧州は)スピードがバイクとフェラーリほど差がある」という言葉。
確かに、なんか日本ってノロイし。
レアルやアトレティコを見る限り、やっぱ向こうは速いわ。

ひとつに、パスの組み立ての差かな?
日本の場合はパスを組み立てるのに、常に敵ブロックの薄い所、安全なコースを一生懸命探してる感じ。
危険があればバックパス、あるいは敵がいないスペースへとパスをヨコに流す。
「簡単にボールを失いたくない」とする安全志向なんだと思う。
悪くいえば、チキンさ(笑)。
一方、欧州を見てると傍に敵マークが付いてる選手へも普通にパスを出す。
それでもパスが通って球を失わないんだから、そこは凄いと思う。

いや、もちろん日本人でもそういうパスを出すことは皆無というワケではない。
ただ、日本人はその場合に周囲選手が必ず援護で寄る。
よって、そこにひとつの密集が生まれて、ショートパスが連鎖するんだね。
昔からよくある、日本の形。
これの弊害をひとつ言うなら、こっちが密集するから敵もそこに密集してきて、なんかダンゴ状態の膠着になっちゃうこと。
一方、欧州はどうか?
私が見た感じ、欧州って意外とこのへんの援護が雑というか、妙にアバウトだったりするのよ。
ある意味冷たいというか、親切さに欠ける。
やっぱ、欧州は個人主義?
とにかく、日本ほどには「密集」にならないワケね。
選手は個々にバラけていて、そこを繋いでいくがゆえ球の前進するスピードが明らかに日本より速い。

それが羨ましいなら、日本もそういう組み立てをすりゃイイじゃん?と思うところだが、そこが実は難しいところ。
まず必要なのは、パスのレンジを今より長くすること。
そしてその長いパス(強度あるパス)をちゃんとトラップして、足下におさめること。
さらに味方の援護がなくとも個でキープし、球を失わないこと。
その3点をクリアしなくては、話は始まらないんだ。
今までの日本はビルドアップするのに、まず後方からクサビのパスを出す選手がいて、次にそれをポストで落とす選手がいて、さらに三人目の選手がそれを拾う、というトリプルの連鎖が必須だったワケね。
だけどそれより効率良いのは、三人目の選手を使うより、そのクサビを受けた選手が球をキープしながら自力で反転し、前を向くことである。
これができるだけで、日本の攻撃スピードはだいぶ速くなるだろう。

もちろん、こういうプレーは球をロストする可能性を少し上げてしまうだろうし、あくまで安全運転を奨励する日本サッカーではなかなか根付きにくい文化かもしれん。
でも、敢えて取り組むべきだろう。
安全運転は、解釈を少し変えればチキンのドライブだよ。
今のチキンのままでは、おそらく劇的にスピードを上げることはできない。
…難しい選択だよね。
あくまで安全運転をして、スピードではなくコントロールの領域で世界と対峙するべきなのか。
それとも、世界と対峙できるだけのスピードを手に入れるところから始めるべきなのか。
日本は今、それこそ岐路に立ってるのかもね。
2016/5/30(月)21:25

☆関西人
ノリ
A代表の合宿がスタートしている。
そこで早速、ルーキー浅野が洗礼を受けたっぽい。
夜の食事会での話、浅野は椅子の上に立たされ、ハリルに「何かやれ」とムチャブリをされたとやら。
今の時代、これはパワハラに該当するよね(笑)。
ゆとり世代にはキツい洗礼だろう。
しかし、予想外に浅野はハートの強い奴だ。
その場で手倉森監督のモノマネという一発芸で対応し、拍手喝采を受けたらしい。
ストライカーらしく、素晴らしいメンタルだと思う。

敢えて手倉森さんをネタにするあたり、浅野は極めて頭の良い奴だね。
一発芸でモノマネをするにしても、日本の芸能人なんかをネタにしてもハリルには伝わない恐れがある。
だけど手倉森さんならハリルもよく知る人物であり、大いに笑うことができるだろう。
センスあるネタチョイスだ。
ほら、たとえばカラオケなんかでも上司(50代)から「お前なんか歌え」と新入社員が強要され、普通にセカオワとかの曲をチョイスする馬鹿に遭遇することがたまにあるでしょ?
仲間内の飲み会じゃないっつーの。
こういう奴、絶対出世しないだろう。
その点、浅野には出世できそうな賢さを感じる。
今後うまいこと、A代表に定着していきそうだ。
むしろ心配なのは、↓にも書いた大島なんだけど…。

いやいや、そんなことしなくてもサッカーで結果を出せば普通に出世できますよ、と言いたい人もいるだろう。
十中八九、そう考える人は「ゆとり」だ。
体育会系って、今も昔もそんな甘い世界じゃないと思う。
事実、ハリルとよく似たタイプでトルシエという代表監督が過去にいたんだが、彼は明らかに「ノリの悪い奴」を冷遇する傾向にあった。
ロッカールームで皆が肩を組み歌を唄うようなノリを愛した監督で、そのノリについてこれないシャイな選手は辛かっただろうねぇ…。
トルシエは俊輔のような明らかな「戦力」を外してまで、W杯本番には中山・秋田をメンバー入りさせた。
これもまた、ノリを重視したチョイスだったんだと思うよ。
当時のコーチ・山本昌邦は著書の中で明かしているが、トルシエは中田英すら本気でスタメンから外す気だったらしい。
周囲のスタッフが必死で制止したらしいけど。

で、現ハリル代表でノリの中核を担ってるのが槙野らしい。
記事によると、上記のようなハリルのムチャブリは最終的に槙野が収拾するのが毎回のパターンなんだそうだ。
きっと、ハリルは槙野のキャラを高く評価してるだろう。
その槙野のキャラを育んだのはもちろん前所属の広島であり、その広島の現ルーキー浅野が今回ムチャブリにキチンと応えたのは、納得といえば納得である。

で、ハリルはその槙野を今回左SBで起用することを明言している。
えぇっ?結局、槙野は評価されてねーじゃん、と思った人も多いかと。
それは違うぞ。
評価されてなければ、そもそも召集をされてない。
今回のポイントは、CB丸山の召集である。
槙野は、今まで常にCBの左側で起用されてきた。
私が思うに、ハリルはその位置で一度丸山をテストしてみたいのかと。
この選手は、CBの中では珍しいレフティである。
監督なら誰しも、CBの右側は右利き、左側は左利きという配置を理想とするもんさ。
現代サッカーはCBからのフィードが生命線である以上、フィードする選手の利き足は外角にするのが当たり前のセオリーだから。
実際、前述のトルシエもCBの左は必ず中田浩か服部にしてたでしょ?
で、今回は丸山に白羽の矢が立ったワケです。

利き足って、そんな重要?
そのへんは監督によって考え方は異なるが、少なくともハリルはそこを重視してると思う。
全サッカー選手の中で、左利きが占める割合は僅か10%にすぎない。
だけどハリルは本田・柏木・小林祐・丸山・西川など、結構レフティを呼んでるんだ。
今回は正規の25名以外に予備登録された選手たちもいて、そこには藤春・太田・家長という3名のレフティも入ってるし。
やっぱ、左利きが欲しいんだろう。
というか、左SB本職の藤春と太田が予備登録に回ってて、何で本職じゃない槙野が正規の左SB(といっても長友の控えだろうけど)に回るのか?
そこはハリルも「サイドに高さが欲しい」とか理由をつけてるけど、そんなことより単に槙野をチームのムードメイカーとして外したくなかっただけなんじゃないの?
なんかさ、やっぱハリルはトルシエに似てるよ。
ベンチを温めるメンバーにこそ、ノリが必要なんだ、と。
まさに、02年W杯における中山・秋田の役割を槙野に期待してる感じ。

つまり、こういう生き残り方もあるということさ。
皆さんも自分の職場を見てりゃ分かると思うが、必ずしも能力の良し悪しが出世の全てではない。
ノリ、およびキャラとしての上司のウケは大事な要素だと思うし、そこは代表も会社も同じことだと私は思うけど。
2016/5/28(土)23:46

☆関西人
トゥーロン終了
はい。順当に負けました。
グループ4位で予選敗退。
大会前に手倉森さんは「優勝を狙う」と言っていたが、彼なりのオヤジギャグだったんだろう。
おそらく、本大会の敵国はこのトゥーロンの試合を日本研究の参考資料にすると思う。
そういう意味じゃ、油断させるトラップ効果は大いに期待できるかもね(笑)。

で、今度は三浦弦が故障ですか…。
岩波の全治は6週間と発表されたし、本来ならCBが売りのこの世代が、さすがにこれはマズイだろう。
餃子の王将に行ったのに、「すみません。今日は餃子が切れてるんです」と店員に言われた時の心境だ(実際、私はそういう経験があるんだよ)。
植田はひとり、孤独感を味わってるだろう。
いきなり相棒がボランチの喜田になったり、SBの際が連携ミスを連発したり、今大会でストレスはかなり溜まったと思う。
そのへんの苛立ちは、試合後のコメントからも伺うことができた。
「こんなんじゃ五輪は戦えないと思う」ってね。
…確かに、そりゃそうだ。
でもさ、今大会はミスによる失点が多かったけど、DFラインそのものが力負けしたシーンって案外少ないのよ。
植田自身は、かなり頑張ってたと思うけど。
むしろ今大会で、植田はワンアップしたと思う。

で、イングランド戦のポイントは喜田のCB起用だった。
これは「テスト」というより、やむなくそうせざるを得なかっただけの話である。
確かに彼は期待以上の働きを見せてくれたけど、しかしイングランドが仮に本気で来てたら、普通に高さの穴である喜田のところで空中戦仕掛けてくるよ。
敢えてそういうのしてこなかったというのは、普通にイングランドは抜いてたんだろうな、と思う。
まぁ、彼らは次戦こそが大事だからね。
日本戦は無理せず、省エネでイイんだ。

一方、日本の場合は省エネじゃないにせよ、さすがに中1日の4試合目ということで、こっちも疲労は深刻だったかと。
それを言い訳にしちゃダメだが、普段以上にパスミスが多かったし。
そんな中、個人的に頑張ってるな〜、と思ったのが井手口。
起用として目立ったのはCB喜田だったかもしれんが、地味に井手口の方だって頑張ってたんだよ。
最初こそ本職のボランチだったが、次は3ボランチに変わってアンカーを務め、最後には左SBまで務めた。
確か前にも3ボランチをやったけど、その時は原川アンカーで井手口はインサイドハーフ。
しかし今回は逆で、井手口アンカーの原川インサイドハーフ。
このへんの微妙な調整を見るに、井手口は戦術駒として使える選手なんだと感じる。

あと、目を引いたのが南野だね。
いつもはサイド起用の彼が、今回は真ん中の起用だった。
そして、FWとしても使えることを証明していた。
こういうポジションの微調整を試された選手こそ、いかにも手倉森さんが本番を想定してる感じ。
逆に、起用のされ方が特定ポジションに固定されてたような選手は、最終の18名入り難しいんじゃないかな、と思う。
たとえば、鎌田とか…。

ところでこの試合、キャプテンマークを付けたのはまた大島だったね。
聞けば、この年代は主将→遠藤航、副主将→大島+岩波、という体制らしい。
つまり今大会、もともと遠藤航は不在で岩波は負傷離脱、どう考えてもチームリーダーは大島がやらなきゃならなかったのよ。
A代表召集で浅野が既にチームを離れたのに、大島が残らざるを得なかったのはそういう事情もあっただろう。
しかし、果たして彼にリーダーの資質はあるのか?

昨日、スポーツ報知が大島のキャラをこう書いている。

【口数が少なく、高校時代のアダ名は「もじもじ君」】

【合宿で憲剛から風呂に誘われ、あまりの緊張で「大丈夫です」と固辞】

【オフも単独行動を好み、神社巡りに夢中だ】

こんなリーダー、大丈夫なのか(笑)?
早速ハリルから「パスも技術も素晴らしいが、挨拶をしない」とコメントされてるし…。
イングランド戦後のインタビュー、彼の表情からは悔しさが全く見えなかったし…。
まず間違いなく、彼のA代表召集は技術委員会主導の「研修」だと思われる。
彼とよく似たタイプ、私は過去に知ってるよ?
二川という、ガンバのI番なんだけど(笑)。
彼もまた、過去にトルシエの下でイジられまくってたよなぁ…。
きっと大島も同じ運命さ。
ハリルの下、辱しめを受けるだろう。
あるいは槙野らによって、ムリヤリ合コンをセッティングされるかもしれん。
それでも耐えろ、大島。
お前がひと皮剥ければ、このチームも必ずひと皮剥ける。
2016/5/28(土)14:34

☆関西人
プログラム
ハリルは会見で、日本サッカーの伸び悩みを指摘していた。
ACLでJリーグ勢がベスト16で全滅したことに触れ、「今は日本サッカーがデリケートな時期にある」と。
「過去、(あなた方はアジアで)日本が一番強いと思っていたと思うが、この5年、本田や香川を超える選手が出たか?」とも語っている。
欧州のリーグとJとの比較においては、「スピードがバイクとフェラーリぐらい違う」と一刀両断。
辛辣だね〜。
でも、ちゃんとJ視察をしてる彼が言うんだから、反論はできまい。

過去にザックなんかは割と「誉めて伸ばす」タイプで、こういう話し方は絶対しなかった。
そういや、彼は中国のクラブでクビになったんだよね?
きっと、中国人に対しても誉めて伸ばそうとしたんだろう(笑)。
一方、ハリルはもっと本音をぶつけてくる感じ。
お前らは、まだまだレベル低い、と。
全く嘘がなく、分かりやすいっちゃ分かりやすいけど。

しかし何で日本人って、なかなかサッカー上手くならないのかね?
官民一丸となって、こんなに頑張ってるのに。
もともと運動に適さない民族?
いやいや、そんなことないよ。
たとえば男子体操なんて、内村航平はダントツの世界王者じゃん。
あと、男子フィギュアの羽生弦もダントツの世界王者だ。

しかしひとつ言えるのは、体操にしてもフィギュアにしても、どっちもが「特定のプログラムをいかにノーミスで再現するか」という競技だ。
そう、日本人は「型の再現」という分野なら得意なんだよ。
昔から精密機械工業の分野など、海外テクノロジーの模倣が丁寧で上手いとも言われてきたしね。

じゃ、こういう考え方もできないか?
実はサッカーでも、日本人は「型の再現」をしようとしてしまうんだ、と。
つまり、戦術を「プログラム」にしてしまう。
だからプログラムしてないシチュエーションに遭遇すると、すぐにエラーを起こしてしまう。
いわば監督はプログラマーで、選手はソフトなのか?
…いやいや違うだろ、と。
サッカーはそういう無機的なモノでなく、もっと有機的なモノだ。
ナマの人間がやるモノだ。
そんなこと、我々だって分かっている。

だけどさ、こういう考え方にも最近は変化が出てきてるのも事実なんだよね。
それこそ昔は、【コンピューターvs棋士】の勝負は圧倒的に棋士の勝利だった。
機械(プログラム)が人間に勝てるワケないだろ、ってね。
ところが最近、違ってきてるだろ?
皆さんご存じの通り、人間がプログラムに敗れる事態に直面してきている。
プログラム開発の進化は、恐ろしい…。

でさ、私はそこにこそ日本サッカーの一発逆転の活路を求めたいんだ。
今さら同じ人間として、日本人が欧州南米人に追い付き追い抜くのは難しいワケで、ならば我々はプログラム開発を徹底した方がイイんじゃないか、と。
監督はプログラマー、選手はソフト、というとまるで人間の尊厳を損なった表現に思えるかもしれんが、私から見れば内村くんも羽生くんも、プログラムに忠実なソフトだよ。
あれをサッカーで再現するという発想は、さほど悪いと思えない。

いまや、人工知能の時代だ。
機械ですら、自律して思索する時代なんだ。
【ロボット=意思を持たない奴隷】なんて、もはや時代遅れの認識だろう。
じゃ、もっとサッカーにおいてもプログラミングを重視してイイんじゃない?

あれ?
ひょっとして私、凄く恐いこと言ってるのかな…(笑)。
2016/5/27(金)11:42

☆関西人
キリン杯メンバー
来月早々にキリン杯があるので、それのA代表メンバーが発表されている。
顔ぶれはいつもと大体同じだが、今トゥーロンにいる大島や浅野も呼ばれている。
早速、浅野はトゥーロンを途中離脱するという。
明日のイングランド戦、出ないんだね…。
このへんは、おそらくハリルと手倉森さんの間で合意できてるんだろう。

思うんだが、中1日の連戦だったトゥーロンからメンバーを召集するのって、疲労度を考慮しても戦力としての実効性はさほどないよね?
ぶっちゃけ、大島にしても浅野にしても、無理して呼ぶほどのニーズはないワケだ。
だって、多分ハリル的にはスタメン起用じゃないでしょ?
だけど、わざわざ二人を呼んだ。
これは、どっちかっつーと技術委員会側の要望からきてるんじゃないの?
大島や浅野、そして遠藤航もだが、リオで軸になる選手たちには、少しでも高いレベルの経験を積んでもらいたい、って意味で。

まぁでもさ、こうしてA代表で若手のシェアを上げていくこと自体は悪いことじゃないよ。
目先優先でベテラン・中堅ばかり召集してたら、チーム全体の延びしろが小さくなっちゃうから。
「A代表は育成の場じゃない」は正論にせよ、こうして下の世代が入ることで上の世代もまた自分の立ち位置を見つめ直すもんさ。
どっちかっつーと「平社員」的意識だった中堅メンバーも、若手が下にくることで「主任」「係長」クラスの意識を持たなきゃならないからね。
若い奴らの手前、彼らにナメられるようなプレーはできない。

見た感じ、プラチナ世代である「花の92年組」が増えたみたいだな?
この学年は92年4月〜93年3月の生まれで、ここから今回召集されてるのは宇佐美・小林祐・遠藤航・大島・昌子。
あと、呼ばれてないところでは柴崎や武藤や伊東純もいるワケで、かなり粒揃いの学年だと思う。
今回の要注目は、小林祐かな。
彼は名前が小林悠とカブり気味で少しややこしいんだけど、遂に出てきた身長182cmの大型レフティである。
本田の後継者?
何よりレフティのレジェンド、あの名波に司令塔として育てられてるというだけで、もはや大器を確信せざるを得ないよ(笑)。

こういうのが出てくると、油断できなくなるのが同じくレフティの柏木だね。
今のチームでレフティの長兄が本田だとして、次男は柏木、そして新たに末っ子として小林祐が加わったことになる。
それぞれポジションは微妙に異なるかもしれんが、お互い意識はするだろう。
特に、末っ子というのは意外と恐ろしいもんさ。
ケンシロウを見りゃ、分かるだろ?

そうそう、先日にTVで「海街diary」やってたのを見てたんだ。
この映画には、美人四姉妹が出てくる。
長女が綾瀬はるか、次女が長澤まさみ、三女が夏帆、末っ子が広瀬すず。
で、やはりオイシイ役どころは末っ子のすずちゃんである。
末っ子って、カワイイ〜。
一方、長女・次女はオトナゆえの色香があり、これはこれでタマラン〜。
綾瀬さんのフェロモンと長澤さんのフェロモンは各々微妙にタイプが異なり、実に甲乙つけがたいモノだった。
で、問題は三女だ。
夏帆さんだけは、正直あまりかわいくなかった…。
これは三女という中途半端な役柄的にしようがないんだけど、上の綾瀬さんや長澤さんほどには色香を出せず、下のすずちゃんほどには初々しい透明感を出せない。
…そういや昔、夏帆さんはCMで美人三姉妹の末っ子役をやってたよね?
確か、長女が山田優で次女が蒼井優。
あの頃は、末っ子の夏帆さんが一番初々しい役どころだったのに…。

で、私は思うワケよ。
仮に今回入ってきた小林祐がフレッシュな広瀬すずだとして、上に君臨し続ける本田が仮に綾瀬はるかor長澤まさみだとして、立ち位置として柏木はどうしても夏帆になっちゃうんじゃないかな、と。
…いや、夏帆は夏帆で別にイイじゃん、という人もいるだろうが、ごめんなさい、私は個人的に夏帆さんでは勃たないんでね(笑)。
あしからず。
2016/5/27(金)1:00

☆関西人
ギニア戦
勝つことは勝った。
でも、内容はビミョーだったよね。

たとえばファンウェルメスケルケン際、なんか最後は可哀想にさえ思えてきた。
確かに、彼のミスは酷い。
だけどミスをいうなら、他の選手だってたくさんやっている。
それでも際のミスだけは、やたらと目立つんだ。
そのまんま、失点に結びついたから。
今回だけじゃなく、前回も。
時々は好プレーを見せるんだけど、つまらんミスでそれを全部帳消しにしてしまう。
オッチョコチョイな人なのか?
それとも、単に連携の浅さの問題?
仮に連携の浅さが問題だというなら、このポジションにオーバーエイジを使うことにも躊躇してしまう。
せっかく経験豊富な選手を入れて、でも「入って日が浅かったので連携がうまくいきませんでした」、そうやってミスを連発されちゃ全く意味がないからね。

で、際は途中で下げられた。
ベンチにはSBなんて誰もいなかったのに、である。
際の代わりはボランチの喜田。彼は本職じゃない。
これ、際としちゃ一番屈辱の交替だよ。
本職じゃない奴だろうが、お前がこのままプレーするよりはマシだ、って采配でしょ?
…私なら、昨夜は宿舎でひと晩中泣くね。
で、問題はそこからだよ。
これで自信を失い、負のスパイラルに陥るか?
それとも、もうこれ以上評価が落ちることはないと開き直り、一回死の淵を見た者として、今後誰よりも命を削るプレーを見せていくか、だ。
私は彼が後者であってほしいし、手倉森さんには最後にもう一度だけ、イングランド戦で彼にチャンスを与えてあげてほしい。
それで何も変わってないようなら、際はサヨナラでイイと思うけど。

ここまで3戦をやって、それなりに手倉森さんの評価が見えてきたと思う。
信頼という意味では、やはり「年長組」優位かな。
キャプテンは日替わり制になってるようで、ここまで矢島・大島・原川の3人が各々務めていた。
ま、遠藤航が不在だからね。
だけど上記の3人、やはり手倉森さんの信頼を得てるってことなんじゃない?
彼らは、18名入りをする気がする。

一方、難しいのは「年少組」の方だ。
たとえば、鎌田を皆さんはどう見た?
確かに、ギニア戦で彼のセンスの良さが伺えたのは事実。
彼のパスは、明らかに前線のアクセントになっていた。
だけど、トータルで見るとプラスマイナスある選手だね。
「全員守備・全員攻撃」がチームコンセプトの中で、鎌田の守備意識は正直ちょっとどうかな、と。
そりゃ、上記の矢島・大島・原川にしたって、本質はそれほど守備が得意なワケでもない。
それでも、ちゃんと守備してるじゃん?
これはポテンシャルでなく、意識と戦術理解の問題である。

鎌田はユーティリティ枠でなく常にトップ下起用されてるし、きっと競合が中島翔ということになるんだろう。
中島は、かなり守備意識高いよ?
体は小さいけど、当たりも強いし。
そういう中島の能力の高さは、既に皆が分かってること。
ただ、中島が活躍したのはあくまでアジアの舞台だ、ということを忘れちゃならんのよ。
実際、この遠征でも「いつもなら抜けるのに…」という場面で攻撃が引っ掛かってしまう例が多く見受けられるでしょ?
そこを単純に「日本人の技術の低さ、身体能力の低さ」と解釈してる人もいるけど、私は違うと思う。
そこは、アジアと非アジアのリーチの違いなんだよ。
もちろん本大会は非アジアの舞台だから、これまでの戦いとは違うリーチで戦術を組み立てなきゃならん。
で、実は一番不安なのが中島。
私は、彼のリーチが引っ掛かる可能性は結構高いと思うんだわ。
だからこそ、この遠征にはぜひ彼に来てほしかったし、特にリーチの違う鎌田との比較検証をしておきたかったんだけど…。

その点、欧州でプレーしてる選手は非アジアのリーチを理解してる感じ。
南野とか、体は小さいけど大丈夫だと思った。
アジア舞台ではイマイチだった彼も、逆に本大会ではイケるような気がする。
きっと久保もイケるだろう。
オーバーエイジもまた、そういう観点が必要かと。

ん?
同じく欧州でプレーをする、ファンウェルメスケルケン際は…?
2016/5/26(木)12:58

☆関西人
ベクトル
続きね。

もう少し、98年大会日本代表のことを思い出してみよう。
私はこの第一次岡田ジャパンこそ、日本がどうやって世界の強豪と戦うかを真剣に考え抜いた、初めての本格的テキストだと思うからね。
このチームが、今に至る日本サッカーの原点だと言ってイイ。

まずこのチームには、4人のFWがいた。
先発の中山&城。
ジョーカーには、↓に書いた岡野。
そしてあともう一人、呂比須がいたんだ。
問題は、この呂比須である。
実はこの四人の中で、最も技術的に巧いのは間違いなく呂比須だったんだ。
じゃ、なぜ先発じゃなかったのか?
おそらく、それは守備戦術による判断だろう。
中山&城は運動量が多く、前線からの守備に適したタイプだった。
一方、呂比須はそういうタイプじゃない。
直前に外されたカズもそうだが、「決定力はあるけど走れない」と意味で冷遇されたんだね。

かと言って、呂比須は岡野のようなジョーカータイプでもなかった。
ヘッドが巧いので空中戦のジョーカーと見られることもあったが、彼の本分はそれよりもむしろ足下の技術である。
懐が深く、抜群のキープ力があった。
しかし岡田さんは、彼のキープ力を生かすような戦術を組み立てなかった。
もちろん頭の良い彼のこと、それをシミュレーションしなかったワケはない。
彼なりに考えて、その結論として前線にはキープ力でなく、運動量と裏に抜ける動きを優先したんだろう。
遅攻でなく速攻、と言った方が解りやすいかな。
とにかく、中田英寿の「キラーパス」に全てを賭けたということ。

しかし、それはうまくいかなかった。
中田から中山への超絶パスは実際あったんだけど、中山はそれを決めきれない。
結局、日本唯一の得点は呂比須のヘッドが起点(中山がそれを無理矢理押し込んだ)になったのは皮肉だよね…。
日本の攻撃が速攻に傾かざるを得ないのは十分理解できたにせよ、一方で速攻というのは決定力あるFWがいないと成功しない、という壁にブチ当たったワケです。

さて、次なるテキストはトルシエジャパンだ。
ここでは、FWのニーズが98年の時と少し違う。
たとえば、西澤。
彼は、明らかに98年でいうところの呂比須タイプだった。
彼が前線の起点となり、後ろのMFらのシュートを喚起していく。
彼自身はゴールに背を向けた状態で球をキープし、ゴールに向かって前を向いたMFらに球を配る。
明らかに、98年とは違う攻撃の形だった。
速攻か遅攻かといわれれば、どっちかというと遅攻だったかもしれない。
やや時間がかかる分、その間に敵がブロックを整えてしまうという壁にはブチ当たったんだけどね…。

以上、このふたつのテキスト。
今もなお、日本サッカーはこのふたつのジレンマに悩み続けている。
前五輪代表、関塚さんは1TOPを【大迫or永井】という選択に悩んでいたと思う。
結論だけをいうと、関塚さんはアジアを大迫で結果を出し、本大会は永井で結果を出した。
なるほど、という感じだな。

一方、手倉森さんはどうか?
彼は、2TOPでトゥーロンに臨んでいる。
一方が浅野、もう一方がオナイウ(冨樫)。
狙いを割ってるワケね。
考えようによっては、どっちも色気を出してて中途半端だ。
それは、攻撃的MFにもいえる。
たとえば矢島と野津田、二人を共存させようとしてて狙いが中途半端なんだよね。
懐を深くして、どっちにも行ける柔軟性を持たせたいのかと。
だけど、そういうので強豪に勝てるのかな?
ぶっちゃけ日本は、そこまでトータルな戦い方をできるほど強者の立場にあるとは思えない。
私は、もっと「ベクトル」をハッキリさせるべきじゃないか、と最近思うんだけどね。
2016/5/25(水)16:21

☆関西人
頑張れ!野津田!
ここにきて、評価が難しくなってきてるのが野津田である。
コイツ、どんだけ決定機を外すのよ?
しかし考えようによっては、あれだけ惜しいシーンに絡むのは良い動きをしてることの裏返しでもある。
確かに、シュート意識は高い。
そのくせ、シュートがヘタ(笑)。
これで決定力さえあれば、確実に最終メンバー18名入りをできるんだけど…。

思えば、かつての彼は無慈悲世代の看板選手だった。
【無慈悲=野津田世代】と解釈してた人も多い。
それが、ここにきてちょっと伸び悩んでるよね。
広島じゃ出場機会がないから新潟に移籍したらしいが、その新潟でも出場機会はない。
つーか、「広島じゃ無理でも新潟なら出れるかも」って、同じJ1の新潟に対して失礼だと思うけど?

一方、彼の同期である浅野はというと、いまや広島で背番号Iを背負うまでに成長を遂げている。
昨年は新人王も獲った。
完全に差をつけられたね。
もともとは浅野にしても野津田にしても、どっちも一点豪華主義の典型だったと思う。
浅野は50m5秒台という足の速さ、そして野津田はその強力な左足の破壊力である。

こういう二人を見てると、私は1998年フランスW杯に出場した時の日本代表を思い出すんだ。
あの頃の岡田ジャパンには、二人の若き「ジョーカー」がいた。
一人目は、言わずと知れた野人・岡野。
彼は元祖50m5秒台の駿足FWで、犬に追いかけられた時も持ち前の駿足で引き離したという伝説がある。
おそらく、今の浅野と比較しても互角の駿足だっただろう。
そして二人目は、平野孝である。
彼はレフティだった。
レフティといえば、名波とか俊輔とか柏木とか家長とかテクニカルなイメージがあるもんだが、平野の場合はそっち系ではなく、キャノン砲系である。
その左足から放たれる、弾丸ミドルが彼の代名詞でもあった。
彼が所属したグランパスは後に同系統のレフティ本田を輩出したが、その元祖は明らかに平野だったワケね。
小倉いわく、元祖レフティモンスターは俺だということだが…。

で、98年の岡田さんは、その岡野と平野の二人を日本代表の切り札として重用したのよ。
岡野のことは、皆さんよく覚えてるだろう。
司令塔・中田英が放つFW泣かせの「キラーパス」に対し、岡野だけはその駿足で追いつくことができた。
ただ悲しいかな、彼には決定力がなかったんだよなぁ…。
これで決定力さえあれば、彼は中田中心のチーム作りの中で、あるいはスタメンを獲ることもできただろうに。

そして、平野孝。
彼は左サイドの相馬に代わって、ラスト何分かだけプレーする役割だった。
どうしても1点が欲しい局面で、ひと振りで状況を変える彼の左足に期待が集まるワケよ。
弾丸ミドルなんて、そんな簡単に決まるモノじゃないんだけどさ…。

そして平野の投入は、代わりに相馬を下げなきゃならない意味で苦渋の采配でもあったのね。
というのも、このチームでは相馬⇔名波の熟練コンビネーションがひとつの生命線だったから。
事実、フランス大会の相馬は海外メディアで最も高く評価された日本選手の一人だったワケよ。
その相馬を下げて、平野投入。
特にコンビネーションがあるワケでなく、あくまで非ユニットの単品としての平野投入。
結果として、彼の左足が状況を一変することは決してなかった…。

で、私が何を言いたいかというと、今の野津田って【岡野+平野】なのさ。
つまり岡野の決定力の無さと、平野の単品性(非ユニット)というマイナスをハイブリッドした感じになってしまっている。
岡野も平野も、その持ってる武器は一瞬で劣勢を引っくり返すほどの大きな破壊力があるんだが、とにかく成功率が低くて安定しない。
問題は、そこなのよ。

野津田は、まずそこを何とかしなくちゃなるまい。
最悪、「ジョーカー」という単品ならそれでもイイのよ。
でも彼は、普通にスタメンを狙ってるんだろ?
このままでは、新天地の新潟でも「ジョーカー」扱いさ。
もちろん、手倉森ジャパンでも同じく。
考えてみりゃ、同期の浅野は決定力を身に付けることで、早くも「岡野」のステージから脱してるんだからね?

今のU23を見てて、野津田と全く逆のところにいるのが矢島だと思う。
矢島には、単品として野津田ほどの破壊力はない。
だけど不思議と、ユニットにうまくハマることによって野津田以上の成果をあげている。
どっちかっつーと、相馬系?
思うに、アタッカーとしてのポテンシャルは【野津田>矢島】なんだ。
覚醒次第で、野津田は世界を狙える素材だと思う。
しかし現時点、ユニットで評価すれば、【野津田<矢島】と言わざるをえない。
2016/5/25(水)12:55

☆関西人
U23ポルトガル戦
また負けた…。
割と日本はポゼッションできてたんだけどね。
しかしポルトガルのブロック守備がなかなか堅固で、クロスはことごとく跳ね返されるし、パスワークで中央突破しようにもことごとく潰されてしまっていた。

ひとつに、あれだけ風が強ければやりにくいのは間違いない。
そこに山なりのハイクロスを上げれば、そりゃ軌道は狂うよ。
なのに、三丸も際もただ単純に放り込むのが私は歯痒かった。
あれじゃダメだって。
ただでさえゴール前の制空権を押さえられてるところに、山なりのハイクロスって…。
もうひとつ、工夫が必要だったと思う。

多分、サイドからいくやり方自体は間違いじゃなかったのよ。
真ん中は締められて、中央突破は完全に封じられてたから。
だから問題は、サイドからセンターへのアプローチ方法だったんだ。
私は、こういう時こそドリブラーが必要だと思ったけどな。
それも、タテのドリブルでなくヨコのドリブル。
普通、堅い盾にまっすぐタテに突いても歯が立たないでしょ。
この場合、やっぱヨコなのよ。
つまり、エリアにヨコから侵入するドリブルが必要だったと思う。
そうしてブロックを横ズレさせ、タテの隙間を作る。
そこで初めてクロス、でしょ。

そう考えると、布陣にWGが必要だったんだと思う。
442でやると、アウトサイドの南野も矢島も(野津田も)大体センターに入ってきてしまう。
だから終盤に4231にして、1トップ+トップ下+WGという形にしたのは考え方として正しい。
ただ、システム変更が遅くてあまりにも時間がなく、ヨコから侵入する動きに至らなかったのは残念だったけど…。

守備に関しては、まぁまぁだったと思うのよ。
失点はしたものの、それほど酷い出来ではなかったと思う。
岩波・亀川不在でも、最終ラインは何とかなってたし。
というか、最終ラインの四人は今回の出来が良かろうが悪かろうが、次戦もまたスタメンが確約されてるワケよ。
だって、この四人以外、もうDFはいないんでしょ?
もし誰かが一人でも傷んでしまったら、一体どうなるのか…。
たとえば、両SBのうちどちらかが傷んだ場合。
これは、まだやりようがある。
実際、有事に備えて一部MFがSBの練習をしてるらしい。
だけど問題は、CBの方だ。
ここだけはMFから人材を回そうにも、圧倒的にサイズが足りない(今回、遠藤も橋本拳も呼んでないから…)。
考えられるところでは、やはりFWオナイウぐらいか。
意外とCBの才能、開花したりして…(笑)。

じゃ極端だけど、植田・三浦・際・三丸の四人ともが次戦で全滅(笑)、という事態を想定してみよう。
すると、↓になる。

・・・冨樫
南野・・・野津田
・矢島・・大島
・・・原川
前田・・・井手口
・オナイウ・・喜田
・・・中村

MFのCBコンバートは難しいが、喜田はマンマーク強いので意外に何とかなるかも、と思う。
高さはオナイウで補完する。
でも不安があるので、中盤は3ボランチの構成。
一応、ベンチにはジョーカーとして浅野と鎌田を温存している。
その狙いは勝負所でこの二人を同時投入し、足が止まる時間帯でスルーパス→裏狙いに特化するワケね。
意外と、悪くないと思う。

…なんて、くだらない妄想でもして楽しまなきゃ、正直やってられないトゥーロンだよね。
次こそ、勝てよ。
2016/5/24(火)13:54

☆関西人
年功序列
パラグアイ戦、私が見たいと思っていた選手に最後まで出番はなかった。
…鎌田のことである。

手倉森さんは攻撃の駒としてまずオナイウを入れ、その後には前田を入れた。
その前田の投入の仕方なんて、つい先日のガーナ戦と全く同じである。
彼を右サイドに入れて野津田を左サイドに回し、左サイドの矢島をボランチに落とす。
これ、手倉森さんは定型パターンにしようとしてるのか?
その割に、ガーナ戦でもパラグアイ戦でも機能が見えなかったけど…(笑)。
あの時、「前田より鎌田が見たい!」と思ったのは、きっと私だけじゃないだろう。

思うに、もともと鎌田は不利な立場である。
なぜなら、彼はこのチームで「年少組」なんだ。
U23はカテゴリーとしてひとまとめに考えられがちだけど、実は手倉森ジャパンって5つの学年で構成されてるのね。
じゃ、その構成をざっと見てみよう。

【1992年組(1993年1月〜1993年3月)】
この学年は本来ロンドン五輪世代だが、早生まれ(93年1月〜3月)の者だけはリオ世代に入る。
これに該当するのは、大島と櫛引。
今回召集されてないけど、遠藤航もそうだね。

【1993年組(1993年4月〜1994年3月)】
この学年も↑と同様、「年長組」と捉えてイイだろう。
該当するのは、原川・矢島・亀川・奈良・冨樫・三丸など。
今回召集されてないけど、久保・武蔵・山中・橋本拳・伊東幸もここに当たる。

【1994年組(1994年4月〜1995年3月)】
ここは「中堅組」。
該当するのは、植田・岩波・中村航・野津田・浅野・南野・喜田・前田・三浦・際などなど。
あと、今回召集されてないけど中島や室屋、豊川もここに入る。
いわゆる、「無慈悲世代」ですな。

【1995年組(1995年4月〜1996年3月)】
ここから「年少組」である。
該当するのは、オナイウ。
あとは、呼ばれてないけど関根とか。
とにかく、このへんから一気に召集が減ってくる…。

【1996年組(1996年4月〜12月)】
この学年の中でも「早生まれ(1997年1月〜3月)」の者は、次の東京五輪世代に入る。
で、この学年の「早生まれ」じゃない奴らがリオ世代における「最年少組」になるワケね。
ある意味、一番損してる立場?
該当するのは、鎌田と井手口。
この「最年少組」は、主将の遠藤航らと比較すれば4学年下の世代ということになる。
遠藤が高3の時、彼らは中2。
遠藤が中3の時、彼らは小5。
これだけ世代が離れてて、同じ「リオ世代」とひとまとめにされるのは正直辛いよな…。

サッカーは実力の世界だから年齢なんて関係ねぇよ、と言いたいところなんだけど、でも一概に、そうとも言えない。
そりゃね、4歳ぐらいの年齢差は94歳と90歳ならほとんど同じみたいなもんだけど、23歳と19歳になるとちょっと違うと思うのよ。
かたや成人、かたや未成年。
手倉森さんにも、少しそのへんの感覚はあると思う。
先日のパラグアイ戦、私はJでの実戦勘からしてGKの先発は中村航になるとばかり思ってたんだ。
ところがフタを開けてみると、先発は櫛引。
…あぁ、やはり「年長組」優先なのか、と。

意外と「年少組」にとって、「年長組」は大きな壁さ。
シドニーの時、小野も小笠原もヤットも「年少組」として、その壁を越えることはできなかった。
だからリオ世代でも、鎌田や井手口は苦しい立場だと思う。
ボランチには上に遠藤航・大島・原川・橋本拳らがいて、攻撃的MFには上に中島・矢島・野津田・南野らがいる。
彼らは、厚い壁だよ。
皆からずっと期待されてた関根にしても、やはり「年少組」ゆえ、あまり今までチャンスを与えられなかった現実があるワケでしょ?
きっと扱いは、鎌田や井手口にしても同じだと思うんだ。

とはいえ、このトゥーロンに限っては必ず彼らにもチャンスはある。
だって、中1日の4連戦なんだし。
今夜のポルトガル戦、意外と出番あるんじゃないだろうか?
仮に鎌田を使うなら、既存の442でアウトサイドをやらせるより、システムを4231か4312にして、トップ下をやらせてあげてほしい。
やはり彼の本分は、そこだと思うから。
その出来次第では、一発逆転もあり得る。
矢島超え、野津田超え、南野超え、中島超え、という序列破壊も十分あり得る話さ。
…期待してますよ!
2016/5/23(月)23:08

☆関西人
U23パラグアイ戦
なんか、ダメだったね…。
負けたこと以上に、このチームの生命線でもあるボール奪取がうまく機能しなかったことが気になる。
今回中盤に配置した喜田は、世代の中でも守備力高いMFゆえハマると思ったんだけどなぁ…。
守備は、明らかに敵が一枚上手だった。
こっちが球を持つと効果的にプレスをかけ、堪らず球を後ろに下げたところを逆に狙ってきたりする。
敵陣どころか、自陣で球を失うシーンが何度も見られた。

なんかさ、これは試合会場の都合かもしれないけど、普通の試合より中継カメラのアングルが妙に低かったんだよな?
いつもならもう少し上から俯瞰する角度なのが、今回はフラットに近くベンチから見てるかのような感じ。
よって、妙にピッチが狭く見えた。
まるでフットサルの試合。
なんかスペースがない。
というか、実際にあのピッチは狭かったんじゃないの?
それに加えてパラグアイのプレスがかなりフォアにくるし、全く球を前に運べる感覚がなかったよ…。

個人的には、もう少し原川が中盤で頑張るべきだったかと思う。
どう見てもプレス網の中でキープできるのは喜田でなく原川の方だったし、もっと彼が明確にセンターの起点になるべきだったんだ。
ひとつ剥がせば、必ずどこかにスペースはあるはずなんだし。
しかし実際は、センターからすぐサイドに散らすビルドアップが多く、そのサイド(特にSB)を狙われて球を奪われるシーンが実に多かった。

また、その原川を後半途中で下げるとますますダメになったように思う。
その采配は先日のガーナ戦と同じく、ドリブラー前田を2列目に投入して、代わりに2列目の矢島をボランチに下げるというポジションチェンジ。
ただ、これはガーナ戦の時も思ったことだけど、矢島ってボランチになると妙に消えるよね(攻撃的MFとしては素晴らしいのに)。
守備の保障で喜田を残さなきゃならないから、原川を下げた意図は解るにせよ、あれだったら普通に【矢島→前田】にした方がマシだったんじゃないの?
ちゃんとセンターでキープできる原川って、パラグアイのような相手にこそ重要な駒だったと思うけど。
個人的には、原川とオナイウが同時にピッチにいた時間帯が、日本にとって一番マシな機能だったように感じたよ。

あと、そのオナイウ。
意外にも良かったね。
彼って、ストライカーではないように思う。
どっちかというと、「スラムダンク」でいうところの桜木花道みたいな役回りだよ。
だって流川(浅野)みたいなキレはないし、宮城(矢島)みたいな司令塔じゃないし、三井(野津田)のスリーポイントみたいな飛び道具があるワケでもない。
しかし、桜木(オナイウ)には有り余る身体能力とガッツがあり、狙うべきは「リバウンド王」。
今回は、そこをやってくれていた。
きっちり敵陣で体を張り、クサビを受け、深いところでマイボールにしてくれたからね。
ノビシロあるし、コイツは使える奴だよ。
大会途中で、「背中が痛い…」とか言わないでね(笑)。

あと、心配なのが岩波の負傷である。
長年このチームで守備の大黒柱だった彼は、それこそ「スラムダンク」でいうところのゴリだと思う。
確か、あの漫画でもゴリが負傷しちゃうシーンあるよね。
なんとなく、それを思い出した。
ただ、「スラムダンク」もメンバーはゴリ・流川・三井・宮城・桜木の5人だけじゃないんだよ。
6人目の重要な選手として、メガネ君がいる。
作中では、その彼が試合を決める殊勲者となるシーンもあった(陵南戦)。
果たして三浦弦太がメガネ君かは知らんが、彼、なかなか頑張ってたよね?

今後は、中1日の連戦。
おそらく、召集メンバーは全員使われることになるだろう。
岩波だけじゃなく、亀川まで担架で運ばれたみたいだし。
この苦しい持ち駒の状況、手倉森ジャパンにもメガネ君みたいな才能が発掘されることを切に願うよ。
地味にメガネ君って、守備から攻撃まであらゆるポジションをこなせるユーティリティプレイヤーなんだ。
まさに、理想の補欠である。
2016/5/22(日)12:23

☆関西人
今夜からトゥーロン国際
今夜、トゥーロン国際のパラグアイ戦が中継される。
NHK総合で23:45〜25:30だというから、もっと深夜遅くを覚悟してただけに嬉しい話だな。
そもそも、トゥーロンなんて地上波生中継しないことだって十分有り得た話だよ。
この大会、過去に日本の最高位は02年の3位らしいんだが(松井大輔がベストエレガントプレーヤー受賞した時)、私はこの時の中継を見た記憶が全くない。
どっちかというと、あまり権威あるタイトルとは言えないんだろう。

そのせいか、大会日程がムチャクチャだよね。
日本は今夜が初戦として、以降の試合は全て中1日の間隔で実施される。
そんな過酷な4連戦、一応の救済あり。
というのも通常交替枠は3のところ、ひとつ増やして4になってるらしい。
だからって、それで楽になるかといわれたらビミョーなんですけど…。

ちなみに、今夜当たるパラグアイは一昨日ひとつ試合を終えている。
つまり、ちょっと中1日でバテてるか、あるいは主力を温存したサブメンバーで今夜はくるかもしれない。
仮にそれを相手に日本が勝ったとして、あまり素直に喜べないことはあらじめ理解しておいてほしい。
また、日本側もどこまで本気でいくかは怪しいんだよね。
もちろん選手たちは本気だが、手倉森さんは五輪本大会の敵国のスカウティングをかなり意識してるらしい。
ここでは、あまり手の内を晒したくないと思ってるだろう。
だから仮に今夜負けたとして、そこで大バッシングするのもまた的外れだと思うんだ。

それでも、このトゥーロンは意義のある大会だと思う。
なぜって、選手たちのタフさを測る絶好の機会なんだから。
中1日で4連戦。しかも舞台はフランス。
普通、こんな機会はなかなかないよ。
ほら、たまにいるじゃん?
国内では極めて優秀な選手なのに、なぜか海外遠征に出るとイマイチな奴。
遠征中に風邪をひいたり、熱を出したりする奴もいる。
きっとそういう選手って、枕が変わると熟睡できないタイプじゃないかな(笑)。
水が変わると、すぐ下痢するタイプだったり。
だけど今のU23世代はあまり遠征経験が豊富といえず、彼らのうち誰が「遠征に強いタイプ」で誰が「遠征に弱いタイプ」かという把握をまだ十分できてないと思うんだ。
その把握、大事かと。
だってさ、リオ本番のBグループは会場間の移動距離が長く、かなり過酷な環境でしょ?
気温や湿度の落差も激しいかと。
そんなところで、タフじゃない選手はお荷物である。
風邪ひいたファンタジスタは、健康な補欠に劣る。
とにかく今大会では、タフな選手を発掘してほしい。
たとえばチームメイトが全員下痢してるのに、なぜか一人だけ下痢しない奴は有望株だね。
オナイウとか、そういうタイプっぽいけど…(笑)。

そういや、2年前にA代表はブラジルの環境を経験してるんだよね。
確かあの時も会場間の移動距離が長く、灼熱や多湿もあって、ザックや技術委員会はかなり悩んでたと記憶する。
その悩んだ結果、最終的に採った策は避暑地をベースキャンプ地にして、試合を終えるたびにそこへ戻って体力の回復を図るやり方だった。
お陰で逆に移動距離は倍増することなり、当時としても賛否両論あったと思うけど。
私自身、いまだあの策が良かったのか悪かったのか判断がつかない…。

技術委員会は、あれをどう総括してるんだろうか?
彼らが何らかの結論を得て、それを現委員会に継承してることを期待したい。
こういうのは、総力戦である。
戦うのは選手たちや監督だけでなく、それをサポートする委員会もまた同じなんだよ。
2016/5/21(土)13:30

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