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過去ログ483 2015/11/7 19:07

☆関西人
FIFAランキング
最新のFIFAランキングについて。

日本は50位だそうだ。
大体、このへんに定着してきたね。
ちなみに韓国が48位でイランが43位だというから、ウチはアジア第3位。
W杯のアジア枠が4.5だとして、3位の日本は普通に出られるだけの格があるということ。
しかし大会の総出場枠は、世界で32ヵ国。
と考えると、FIFAランキング50位前後ぐらいで出場できてしまうのは少し気が引けるんだよな〜。
せめて、ランキング30位前後の定着を目標にしたいところだ。
じゃ、目指すは20ランクアップ?
そんなゴボウ抜き、これから可能なんだろうか…。

それにしても、今回のFIFAランキングで驚いたのはベルギーが1位だったこと。
遂にドイツを抜いてしまった。
ベルギーといえばつい最近まで川島がいた国で(今は小野裕二がいる)、じゃ川島は今まで世界最高峰のリーグに所属していたということか?
という勘違いも出てくるだろう。
ひとつ誤解ないようにしておきたいが、あくまでFIFAランキングはナショナルチームの戦績を表す指標にすぎないんだ。
決して、その国のサッカー水準そのものを表す指標ではない。

ベルギーリーグは、最新UEFAランキングだと欧州9位である。
あとIFFHS発表の世界リーグランキングだと、世界11位である。
もちろん四大リーグよりは下だが、中堅国としてはかなり上位グループなんだね。
ちなみに、JリーグのIFFHSランキングは世界32位。
…あれ?FIFAランキングより上じゃん?
ちなみにアジア最上位はKリーグの24位、次はサウジリーグの29位で、またしても日本はアジアの第三位ですな…。

こんなランキングには何の信憑性もない、と言いたい人は多いだろう。
確かに信憑性はさほどないと私も思うが、しかし一応は主観を排除した計算式による格付けである。
少なくとも、ファンの個人的感覚よりは信憑性ある指標に違いない。

で、なぜベルギーはFIFAランキング1位になれたのか。
それは簡単な話、たまたまこの国は今「黄金世代」で、やたらと代表が強いんだ。
それこそ、プレミアリーグのMVPまでいるし。
代表メンバーの構成を見ても約半分はプレミア所属で、国内リーグ所属選手はほんの数名にすぎない。
つまりこの代表は、国内リーグよりもプレミアリーグの水準を反映したチームといえるかも。

一方、日本代表はどうか。
現時点のメンバー構成を見ると、ブンデス6名、セリエ2名、プレミア2名、オーストリア1名、そしてJリーグ12名。
よって、最も水準を反映してるのは他でもなく、Jリーグである。
ただしスタメン11名に限るなら、ブンデス4名、セリエ2名、プレミア2名、Jリーグ3名となり、最も水準を反映するのはギリギリでブンデスということになるかもしれん。
一応IFFHSランキングで世界5位、UEFAランキングでは欧州2位のブンデス。
そうである以上、せめてFIFAランキングはもう少し上を目指すべきなんじゃないの?

ちなみに、ハリルの祖国ボスニア・ヘルツェゴビナは現在FIFAランキング20位だという。
結構上位なんだね〜。
ただしIFFHSランキングを見るに、国内リーグの格付けは世界98位。
つまりJリーグより遥かに下である。
そこで代表メンバーの構成を見てみると、なんと国内リーグ所属選手はゼロ!
いくら治安が良くないとはいえ、国内リーグは普通に運営されているワケよ。
なのに、そこからゼロってなぁ…。
2015/11/7(土)19:07

☆関西人
ハリル代表の輪郭
おくればせながら、今週発表になったハリル代表新召集メンバーについて。

前々からハリルとトルシエの類似性は指摘されてたんだが、やはり改めてこの二人のコンセプトは似てるんじゃないかと。
フランス語圏って、大体考え方が似てくるのかな?

今回ハリルが召集したサプライズのひとつは、CBの丸山。
この選考は、ハリル自身「左利き」というキーワードを出している。
そういや、アギーレも同じ理由で坂井を選抜したことあったよね。
そしてトルシエも、左利きのボランチ中田浩二を敢えて左CBにコンバートし、最後まで大切にずっと使い続けた。
誰だって左利きのCBは欲しいもんだよ。
モダンサッカーではCBからのフィードは今や絶対不可欠であり、そのフィードにおいて左エリアからのキックは当たり前だけど左足を使える方が絶対に有利だから。
でもCBの左利きって、なかなかいないんだよね…。

特にハリルやトルシエが左利きCBを欲しがる理由は、おそらく3列目ボランチのコンセプトが関係する話だろう。
トルシエは本選で戸田&稲本、そして今ハリルは山口&長谷部というボランチコンビを軸にしている。
どちらも守備力とフィジカルを重視、少なくとも3列目でゲームを創る考え方じゃない。
である以上、その3列目を飛び越して前に球を供給できるだけの4列目が前提なんだよな。
実際、トルシエは「このチームの司令塔はフラット3」と言っていた。
4列目が球をただ3列目に渡すだけのタスクなら、特にCBの利き足にこだわる必要もなかろう。
前方のターゲットを狙えるだけのフィード精度が欲しいからこそ、敢えて配置と利き足に整合性をとりたいんだ。

で、その4列目からのフィードはどこを標的とするのか。
センターFW?
当然それもあるだろうが、今までの試合を見るに、主にサイドだと思う。
フィードのセオリーとして、左CBからは右WGへ、右CBからは左WGへという斜めの展開。
つまり本田や原口(宇佐美)がフィードを受け、そこを起点にするんだな。
このサイドから創るという考え方は、これまたトルシエのコンセプトと同じ。
あのチームも、敢えてサイドに俊輔や小野など司令塔型を置き、そこからゲームを創っていった。
ハリル代表の場合は、特に本田だろう。
まずは効率良く右サイド奥に球を供給したいから、それにはまず左CBのキック精度がカギだね。

基本、ハリル代表は左右非対称だと思う。
それはSBが象徴的。
左は長友や藤春がいてイケイケだが、右は今回酒井宏しかいない。
でもって、遠藤航をまたそこに使う可能性も十分あるという。
遠藤起用となれば、それは明らかにバランス重視。
左がイケイケに前へ行く分、逆に右はバランスをとり中に絞って3バック気味にポジショニングする。
CBでもある遠藤には、まさにうってつけのタスク。
そしてこれまた、トルシエのコンセプトと似てるんだよね。
あの時も左がイケイケだった分、右サイドは明神が中に絞ってバランスを保ってたんだっけ。

で、あとはトップ下。
ここはハリルとトルシエに差が出てくる。
トルシエの時は中田英がセンターで体を張ってたが、今は香川や清武だからそういうタスクを望めない。
どっちかっつーと、トルシエ時でいうところのジョーカー森島みたいなタスクだね。
右で本田(南野)が球を持てばそっちに絡んで援護し、左で原口(宇佐美)が持てばそっちに絡んで援護する。
それこそ敵陣を縦横無尽に駆け回り、森島みたく撹乱すればイイ。
場合により、柏木にそれを期待してみるのもイイさ。
柏木は、少なくとも柴崎より森島っぽいから。

あとは、難しいのがセンターFW。
ブンデスで武藤の覚醒は嬉しいニュースだが、例のハットトリックを見る限り、彼には「エリアで待つ」正統派ストライカーの色が見える。
これ、どうなんだろう。
悪い方に出れば、「エリアで待つ」→「スペースを潰してる」になるよ。
まだ、代表で彼がフィットするかどうかの確信は持てないなぁ…。
一方、金崎はどうか。
ハリルは彼を評する際、「パワー」という語彙を使った。
これ、川又と同じだね。
残念ながら川又はやや空回りだったが、今回の金崎はどうかな。
ちょっと期待したいのは、彼がクラブであの柳沢の指導を受けてるという点。
あの知性あるスキルをほんの少しでも習得できてれば、川又よりはフィットすると思う。

武藤と金崎の二人で、ぜひ岡崎の牙城を崩してほしい。
実は私、岡崎1TOP否定派なのよ。
岡崎は1TOPでなく、そのダイナモっぷりを最大限生かして上記の森島タスクをやらせるべき。
ちなみに私の1TOP理想像は、「決定力のある柳沢」です(笑)。
2015/11/6(金)21:52

☆関西人
お祭り
先週は、ハロウィンだった。
テレビでは東京六本木のパレードが大々的に取り上げられてたが、私の地元でも似たような盛り上がりがあったよ。
心斎橋にゾンビが大量発生してたし…。

もともとのハロウィンは、確か子供が仮装して近所の家を訪れるとお菓子を貰える、みたいなやつじゃなかったっけ?
一体何の意味がある行事なのかはよく知らん。
そこはクリスマスやバレンタインデー同様、本来の意味なんてどうでもよくなってるワケよ。
日本のハロウィンは「子供」とか「お菓子」とかの原型はほぼなくなり、仮装だけをひとつ特化したコスプレ祭りとして普及したんだね。

もともと、これが流行る素地は近年の日本にあったと思う。
アニメ・ゲームなどのキャラに扮したコスプレのイベントは完全に市民権を得てきたし、あとはネット動画の普及がそういうのをさらに盛り上げていったかと。
あとは、ディズニーランドとUSJのプロモーションか。
私は、決して悪い文化ではないと思う。
これを馬鹿騒ぎとして冷ややかに見てる人もいるだろうが、しかし踊るアホウに見るアホウ、同じアホなら踊らにゃ損損、である。

こういうコスプレって、もともとは海外の文化だろう。
向こうではハロウィン以外でも、「仮装パーティー」なるものが普通にあるワケで。
しかし、どっちかというと日本にはあまり馴染みのない文化。
それでもコスプレする人たちは60年代から細々といたらしいんだが、あくまで「変人の趣味」というのが当時世間の評価だったんじゃないかな。

私が思うに、こういうのに風穴を開けたひとつのターニングポイントが、それこそ2002年、日本開催のワールドカップだったんじゃないかと。
別にワールドカップ自体はコスプレと何ら関係ないが、しかし皆が揃いの青いユニを着て顔にペイントなんかしたりして、でもって渋谷やら道頓堀やらで知らん者同士が路上でワイワイやることが一般人(オタクではなく)にまで普及したのは、やはりワールドカップからのことである。

そう、オタクでなく一般人がこれをやれるようになったところに私は価値があると思うんだよね。
【一般人=ニワカ】
オタクは、こういう時だけ路上で馬鹿騒ぎする輩のことを「ニワカ」といって毎回冷ややかに見下す。
ニワカは、あくまで期間限定のフィーバーだからね。
ハロウィン当日までは馬鹿騒ぎをするけど、それが終われば皆何事もなかったかのように去っていく。
ワールドカップでも大会中までは馬鹿騒ぎだけど、大会が終われば「また四年後」とか言って皆去っていく。
あと先日まで安保関連法案反対デモが街頭でかなり盛り上がってたけど、いざ法案が可決しちゃうと、これまた潮が引くようにしてデモは静かになってしまった。
つまり、そういうことさ。
ハロウィンもワールドカップもデモも、根っこは全部同じ、みんな「ニワカ」なんだよ。
ニワカは確信犯的に、期間限定のフィーバーを楽しむ。
たとえネイティブのオタクからは軽薄だとして見下されようが、でも楽しんだもん勝ちでしょ、という軽さこそが彼らの強さである。
ちなみに私は彼らのこと、さほど嫌いではない。
たとえワールドカップ期間限定のニワカであろうと、彼らはホント律儀に四年後帰ってくるんだよ(笑)。
そういう尻の軽さをいちいち侮蔑するオタクの閉鎖的の方が、私は陰湿に思えてむしろ嫌いなんだけど…。

さて、ハロウィンがここまで日本で巨大マーケット化した今、次なるターゲットはもはやイースター(復活祭)ぐらいしか残されてない気もする。
聖書を読まない日本人はイースターの意味すら理解してないもんだが、馬鹿騒ぎできるキッカケになるならそのうちイースターフィーバーもくるかもよ。
もともとの意味なんて、ぶっちゃけどうでもイイのさ。
ちなみに今日は、文化の日。
だけどもともとは明治天皇の誕生日だったなんて、ほとんど誰も知らんだろ?
だけど皆、当たり前に祝日として享受してるワケよ。
案外、そんなもんさ。

ハロウィンが終わると、今度はクリスマスまでの間がサッカー界のお祭り本番ですよ。
Jリーグは2ndが残すところあと2節、それが終わればチャンピオンシップ。
それが終われば、久しぶりに日本開催のクラブワールドカップ。
チャンピオンシップ12/5で決まった日本王者が、すぐさま12/10のクラブワールドカップ開幕戦に出るという怒濤の流れが何ともお祭り感MAX!
またハロウィン同様、DJポリスのお世話になるのかもしれん。
ぜひ、ニワカも思いっきりハジけて下さい。
2015/11/3(火)23:00

☆関西人
世代論A
続きね。

実は、リオ五輪世代は「ダイヤモンド世代」と名付けられている。
もちろんダイヤモンドはプラチナよりも高価であり、これは最上級の名称にも思えるんだけど。
この世代、そんなに凄いの?
何だか、名前負けしてるような気も…。

彼らにこの名称が付けられた根拠というのは、どうやらU17W杯での戦績らしい。
2011年メキシコ大会で、彼らはベスト8入りを果たした。
グループ予選はアルゼンチンに3ー1、フランスに1ー1、ジャマイカに1ー0で堂々の一位突破。
そして決勝トーナメント一回戦は、ニュージーランドに6ー0という圧勝。
残念ながら準々決勝でブラジルに敗れてしまったが、スコアは2ー3だから惜敗である。

「たかだかベスト8」と思うかもしれんが、いやいや、日本にとってU17W杯というのは意外と鬼門なんだ(中高一貫ではない日本の教育制度が一因だろう)。
過去にベスト8進出はこれを含めて二度しかなくて、以前のベスト8は自国開催だった93年大会(中田英がいた小嶺ジャパン)にまで遡る。
それを思うと、このメキシコ大会ベスト8はかなり価値があると言ってイイんだよ。

ただ、この世代はU20のW杯本選切符を逃したことが残念である。
というか、彼らを含めて最近は4大会連続アジア段階で散り、柏木ら「調子ノリ世代」を最後に、以降ずっと本選切符を取れてないという醜態が続いている。
そう、「ダイヤモンド」も「プラチナ」も、U20W杯本選には出れてないんだよ。
一体、何でこんなことになっちゃったんだろう?

これは明らかに、U17からU20にかけての育成環境に何らかの問題があるということさ。
U20がアジアユースでベスト8止まりになったのは08年からのことだが(それまで日本は8大会連続でベスト4入りをできていた)、思えばこれはJでサテライトリーグが廃止されたタイミングとほぼカブるんだよ。
つまり、才能は十分にある若手でも実戦機会が減ると途端に成長が鈍化する、ということだろう。

こういう話をすると、短絡的に「サテライトリーグを復活させろ!」と叫ぶ人が必ず出てくる。
その気持ちも分からんではないが、でもこれを廃止せざるを得なかった背景も少しは理解しなきゃ。
これは決してお上が無理矢理廃止させたワケじゃなく、現実問題としてクラブ側がリーグ運営を維持できなくなった背景があるんだから。
ひとつは、経費的問題。
そりゃ無料試合だし。
あと、日程調整の問題。
あと、「リーグ」としながらも実態はただの練習試合と変わらず、ほとんど形骸化してたという現実。
09年なんてリーグを始めたにも関わらず、最後まで維持できず「途中打ちきり」になったらしいよ(笑)。
現実は厳しいってことだね。

問題は、これからをどうするかだよ。
取り組みは、既に始まっている。
たとえば関西では「ステップアップリーグ」という代替をすぐに設定したし(この対応の早さゆえ、今後若い才能の萌芽は関西>関東だと思うよ)、あとJ3に「U22選抜」を参加させる掟破り措置まで出てきた。
そのうちJクラブも欧州みたく、「Bチーム」を下部リーグに参加させるような流れは必ずできるだろう。
もともと、それはJ3創設の狙いでもあるだろうし。

私は無理にサテライトリーグ復活より、むしろそっちの方が現実的だと思うよ。
「J1クラブは参加必須」としたサテライトと違い、J3案なら余裕ある大きなクラブのみがBチームを派遣できるんだ。
もちろん、これはクラブ間の育成格差を生むだろう。
でもこればっかりは、しようがないと思う。
そこを嘆くより、まずは若い世代の実戦機会を確保したいからね。
特に18〜20歳に、大学サッカーよりもレベル高い実戦環境を与えられたら嬉しい。
2015/11/3(火)10:41

☆関西人
世代論
小笠原と柴崎。
遠藤と宇佐美。
こうして見ると、鹿島もガンバも【黄金世代+プラチナ世代】のカップリングが強みなんだね。

小笠原と遠藤は、言わずと知れた79年組の同学年である(遠藤は早生まれの80年)。そして柴崎と宇佐美も、92年組の同学年。
どちらも「黄金」や「プラチナ」と名付けられてることからして、各々サッカー界では豊作の年度だったんだろう。

なぜ、彼らは「黄金」や「プラチナ」と呼ばれるのか?
まず79年組は、U20でナイジェリア世界ユース準優勝を果たす快挙があった。
そして92年組は、U13で第一回世界幼少年サッカー大会の優勝を果たす快挙があった。
こっちはあまり広く知られてないことだが、ブラジルに5ー1、イングランドに5ー1、フランスに5ー0、メキシコに3ー1、南アフリカに2ー0、韓国に4ー0という内容はぶっちぎりの完全優勝である。
つまりフィジカルのハンデがあまり顕在化しない一定の年齢までは、日本人でも世界と互角以上に戦えるということだ。

で、その79年と92年のちょうど中間地点に該当するのが、86年である。
そして、この86年組に入っているのが、言わずと知れた本田や長友や岡崎。
印象としては「この学年も黄金世代では?」と感じるが、いやいや、とんでもない。
彼らには黄金とかプラチナとか輝かしい名称はついておらず、それどころかユース当時は「谷底世代」と揶揄されてたよ。
だって、この世代はアジアで早々に敗れてU17W杯出場切符を逃し、一応U20と五輪の時は本選出場できたものの、結局その本選で一勝もできないまま日本に帰ってきたんだ。
これじゃ、「谷底」と揶揄されても反論できんわな…。

あの当時の絶望を思えば、まさかこの世代から将来ミランやインテルに行く人材が出てくるとは全く想像できなかった。
でも考えてみりゃ、確かに本田も長友も岡崎も、79年組や92年組に見るようなファンタジスタ系ではない。
どっちかというとその逆、持ち味技術よりも体幹・フィジカル、そして強靭な精神力、何よりトレーニングの鬼である。
これ、「谷底」だからこそ培われた強みかもね。
そう考えりゃ、豊作だけでなく不作の年も案外捨てたもんじゃないさ(笑)。

そうそう、ブンデスでは武藤が遂にハットトリック決めたらしいじゃん。
この武藤も学年として宇佐美らと同じ92年組なんだが、彼って「プラチナ」にカテゴライズしてイイのか悩むところ。
U17にもU20にも入ってこなかった彼を、学年だけで「プラチナ」にするのって私は何か違うと思う。
彼は、あくまで無印だよ。
そして無印だからこそ、いずれ本田や長友や岡崎の域にまで行ける可能性あるのかも、と逆に期待してしまうんだ。
2015/11/1(日)23:15

☆関西人
恐るべし、鹿島
おくればせながら、ナビスコ決勝について。

まさか、3ー0の大差で決着とはね。本来、そこまでの実力差はないだろうに。
しかし、現実として鹿島は強かった。
イメージとして、彼らのサッカーは太い。
彼らと比べれば、ガンバのサッカーですらやや細く感じてしまうのよ。

その差は何かというと、やはり鹿島は敵の良さを消せるのが強みじゃないかな。
一方、ガンバは自分の良さを出すのが一番の強み。
しいて言うなら、ガンバは「立ち技最強」といったところか。
フットワークを使って「蝶のように舞い、蜂のように刺す」モハメドアリのようなスタイル。
一方の鹿島は、スタイルが立ち技に限定されてない総合格闘技系だよ。
ブラジル式というか、少しグレイシー柔術を彷彿とさせるんだ。
敵の強打を封じる為、一気に間合いを詰めて倒してくる。
仮に敵がマウントポジションをとって優位に立ったと思いきや、いきなり下から関節技キメてくる。
ホント、ヒクソングレイシーみたいでイヤ〜な戦い方だよな(笑)。
結局、立ち技最強の宇佐美はロクに強打を出せないまま終わってしまった。

MVPは、小笠原。
確かに彼は、こういう総合系の戦い方を熟知してるよね。
柴崎は良い師匠についたと思う。
そして何より目を引いたのが、FWの金崎夢生。
彼は、既にハリルのリストに入ってるとも聞く。
以前の彼はMF、ドリブラーだったはず。
でもって、かなり気性が激しくトラブルメイカーだったと記憶する。
確か、昔に五輪代表合宿か何かで柴崎と喧嘩してなかったっけ?
それが今こうして鹿島のFWで覚醒するとは、一体誰が予想しただろう。
もはや柴崎との確執はないみたいだね。

こういう金崎を獲るあたり、つくづく鹿島のスカウト部って偉大だと思う。
鹿島は最近ユース上がりのタレントが増えてきたものの、本来の強みは卓越したスカウト力にある。昔からだよ。
高校や大学、あるいは他クラブから、いつも優秀な人材を引っ張ってくる。
その彼らの「目利き」は確かなモノで、ホント感心させられるよ。
最近も「え?何で敢えて金崎?」と周囲は違和感を覚えたはずなんだが、ちゃんと今こうして使いモノになってるあたり、相変わらず鹿島の目に狂いはない。

で、私は思うワケよ。
その「目利き」の鹿島スカウトから見て、ガンバの人材ってどうなんだろう、と。
ガンバはどちらかというとスカウトより育成の方に重きがあるクラブで、宇佐美をはじめ優秀な人材は極めて多い。
たとえば、「最高傑作」とされる宇佐美。
仮に彼が何らかの事情でガンバから放出される時、果たして鹿島のスカウトは彼にオファーを出すだろうか?
私は、そこに興味がある。
Jの他クラブ、あるいは海外のクラブからは当然オファーが殺到するだろう。
しかし私はそれより、まず鹿島からオファーがくるかに興味があるんだ。
なぜって鹿島は「立ち技限定」でなく、「総合系」への適性を見てるだろうからね。
宇佐美も鹿島から欲しがられる才能になってこそ、ホントの意味で日本のエースになるワケです。

そうそう、鹿島は今柳沢がコーチやってるんだよね?
あのオフザボールの達人が入閣してるとは、ますます鹿島は今後侮れない…。
2015/11/1(日)14:17

☆関西人
エース香川
香川が好調だね!
コイツ、やっぱり大したもんだわ。
かつてブンデスMVP獲った頃は、シャドーストライカーとしてのブレイクだったと思う。
瞬殺系のゴールハンター。
だけど、今は明らかに違うキャラ設定でしょ?
ポジションはインサイドハーフ、チャンスメーカーとしての活躍である。
「どっちも似たようなもんでしょ」と思う人も多いだろうが、いやいや、私は見事な転身だと思うけど。

そういや、あのアギーレもまた香川をインサイドハーフ起用してたんだっけ。
あの頃はまだ【香川=点取り屋】のイメージゆえ少し違和感があったが、今こうして香川再覚醒を見るに、やはりアギーレは慧眼の人だったということだろう。

【アギーレ代表(アジア杯)】
・・・・岡崎
・乾・・・・・本田
・・香川・・遠藤
・・・長谷部
長友・森重・吉田・高徳
・・・・川島

今改めて見て、なかなか良い布陣だと思う。
これでアジア杯決勝トーナメント一回戦敗退というのは、イマイチ納得いかん。
きっと不運もあったんだろう。少なくとも、グループリーグまでは磐石だったもん。
おそらく無失点でグループリーグ突破したのって、史上初だったと思う。
彼の更迭はコンプライアンス上やむを得なかったとはいえ、個人的にはもう少し行く末を見たかったなぁ…。

なぜ、アギーレは香川をインサイドハーフで起用したのか?
このポジションはゴールからやや距離があり、エリア内で仕事してナンボの香川が活きるのか?と最初は私も懐疑的だった。
ただ、プレッシャーのキツいトップ下よりはマークされにくく、球を触る回数は増やせるだろう。あと、常に前を向いた状態で球を持てる。
難しいのは上がるタイミングだと思うが(実際かなり苦労してたよね)、そのコツさえ掴めばスピードに乗った状態からのプレー精度が本来彼の真骨頂。
このアギーレ代表を一度経たことが、ひょっとしたら今の香川を支えてるのかも。

今、香川はハリル代表でトップ下を務めている。
別に、「クラブと同じポジションをやらせるべきだ」とまで言うつもりはないよ。
とはいえ、クラブの癖で彼はやや下がり気味のポジショニングになりがちかもしれん。
それはそれで構わないと思う。
敢えて、トップ下を空けるんだ。
「見せかけのプンタ」ならぬ、「見せかけのトップ下」。
で、空けたそこに入るのが「見せかけのWG」、本田だね。

【基本ポジション】
・・・・岡崎
・原口・香川・本田
・・山口・長谷部
長友・槙野・吉田・高徳
・・・・西川

【シフトチェンジ】
・・・・岡崎
・原口↓本田←←←
・・香川・・・↑
・・山口・長谷部→
長友・槙野・吉田・高徳
・・・・西川

こんなイメージさ。
これのメリットが何かって、本田が前で香川が後ろというレアなタテ関係を構成できるところ。
キープ力あって体躯のある前側選手と、運動量あってスペースに飛び込むセンスのある後ろ側選手、というタテの組み合わせ。
イメージとして私の頭に浮かぶのは、かつてのセレッソ黄金コンビ・西澤&森島である。
あれを1列目+1.5列目の組み合わせでなく、今回は2列目+2.5列目の組み合わせで再現するのさ。
本田をセンターの装甲盾にして、その背後から香川がスペースに飛び込むイメージ。
できれば原口も交えて、トライアングルの連携でいきたいね。
もちろん香川なら飛び込むだけでなく、後ろからパサーとして本田や原口を走らせることもできる。
色んな引き出しのある彼だからこそ、こういうニュートラルなポジショニングをさせたら非常にサッカーが面白くなるんだ。

一方、このフォーメーションの課題は右サイドの厚みかな。
本田が中に絞ると、↑の図のように右エリアがスカスカになる。
歴代の代表が敢えて両サイドにWGを配置してきたのは、攻撃もさることながら守備バランスの意味があったんだから。
↑のシフトチェンジだと、敵の左SBは完全どフリー、しかも彼の目前には攻め込めるスペースがたっぷりある。
もし球を奪われて即に一発サイドチェンジでも入れられたら、一転してウチの薄い所にカウンターを食らう大ピンチだよ。
だからボランチには、ポジショニング勘の良い駒が必ず一枚必要。
あと、右SBには守備のできる駒が必須だね。
そのへんのニーズが関係してるか不明だが、ハリルは右SB候補に塩谷やら丹羽やらストッパー系をちゃんと召集している。
一応、ロジックは成立してるんだな…。
2015/10/28(水)0:51

☆関西人
リズム
続きね。

最近、私はブラジルサッカーのことをよく考えている。
なぜ、ブラジルはサッカーの才能をあそこまで大量に輩出するのか?

まぁ、競技人口の多さはひとつの根拠だろう。
あの国のサッカー人口は、確かに1300万人以上もいるという。
しかしFIFA資料によると、サッカー人口の第一位は中国の2600万人、第二位が米国の2400万人、第三位がインドの2000万人、第四位がドイツの1600万人。
ブラジルは、それらに次ぐ第五位ということらしい。
ならば、人口だけの問題じゃないよね。

じゃ、人種としての身体能力の問題か?
これも違うと思う。
だって、ブラジル人は人種として雑多だもん。
それこそ黒人やら白人やら日系やらヒスパニックやら、色々な血統が混在しててよく分からんし。
そもそも人種としてのフィジカル優位性を根拠にするなら、アフリカあたりがもっと強豪国になってなきゃおかしいでしょ?

よって、ブラジルの強さはそういう根拠じゃないんだ。
しいて言うなら、一番の根拠は「文化」だろう。
ブラジルのラテン文化、そのものに強さの秘訣があると思う。
そこを突き詰めると、彼らの「リズム感」じゃないかと。
たとえば、サンバ。
たとえば、カポエイラ。
そこから派生した、ジンガ。
これらは、ブラジルにサッカーが伝来するよりずっと前から存在してた、ネイティブのカルチャーである。
サンバはダンス、カポエイラは格闘技、そしてジンガはそこで使うステップ。
そのいずれにも共通して、ブラジル独特のリズムがある。
日本人にはとてもマスターできそうもない、極めて変則のリズムだよ。
あれをドリブルなんかに応用されると、もう手に負えない。
ロッベンのような純粋なスピードによる突破ならまだ理解できるが、ブラジル人のはそうじゃなく、緩急だけでスルスルっと抜いてしまう。
え?何で逆をとられたの?と見てて不思議になるんだが、これはリズムの構造が我々とは根本的に何か違うのかもしれん。

多分、彼らとは幼少の頃からリズム教育が違うんだと思う。
もともとあそこはカーニバルの国だし、物心ついた頃には子供がもう変則ステップ踏んでるんだよ。
思えば、南米ではアルゼンチンも同じくタンゴという独特のステップがある。
これも、ジンガに劣らぬ変則的な足さばきが特徴。
聞けばタンゴって、その発祥を辿ると元は「ダンスに見せかけた暗殺術」から始まったんだそうだ。
そしてブラジルのカポエイラも、その発祥は奴隷が看守にマークされないように発案した「ダンスに見せかける格闘訓練」だったという。
どうやら南米って、ダンスと音楽と格闘術の境界線があまりないんだね(笑)?
さらに付け加えると、それらとサッカーの境界線もあまりない。
全部、融合しちゃってるんだ。
何か、ブラジルとアルゼンチンが欧州をも凌ぐサッカー強豪国になったのも理解できる気がするわ〜。

もちろん、我が国は彼らのような変則ステップ文化を持っていない。
とはいえ、その文化の違いを恨んでもしようがないよね。
じゃ一応、最後に希望的側面も書いておこうか?
最近、我が国の小中学体育必修科目として、遂にヒップホップダンスという新たなカリキュラムが入ってきたという話。
これ、文科省にしては珍しく良い改革だと思う(ちゃんと先生が指導できるかは別として…)。
そういうダンス教育って、カリキュラムの中に「リズムの裏をとる(裏拍)」とかが必ず基礎で出てくるはずなんだ。
遂にそのてのリズム感にまで学校教育が着手したことは、意外と今後にデカい影響及ぼすと私は思うよ?
…ただ、これは今始まったばかりの新しい教育だからね。
その効果が出るのは、早くとも十年以上先の話になるだろう。
ここはひとつ、長い目で見ていきましょうよ。
2015/10/25(日)20:37

☆関西人
サッカーと野球
ACL準決勝が終わり(無念…)、これからJリーグもいよいよ佳境を迎える。
本来ならサッカーが最も盛り上がるべき時期なんだが、一方で野球もまたやたら盛り上がってるんだよね。
日本シリーズ、ドラフト、そして監督交代。
特に関西では、最近阪神金本監督の話でもちきり。
なんつーか、相変わらず野球人気は根強い。
「野球なんて、もう落ち目だろ?」と思ってる人もいるだろうが、実はそんなことないんだ。
聞けば、今年はプロ野球全球団の観客動員数が前年実績を上回っているという。
私は思うんだが、やはり野球って日本人の気質に適した競技なんじゃないかと。
投手が投げて、打者が打つ。
試合は、ひたすらこの繰り返しである。
サッカーでいうなら、キッカーが蹴ってGKが止める、PKをずっと繰り返してるような構造だよ。
だからつまらんのだ、と言いたい人も当然いるだろうが…。

日本人は流れの中でのプレーより、PKやFKのように止まった状態から球を蹴るプレーの方が得意なんじゃないかと思う。
事実、俊輔のFKは普通に欧州で通用してたもんね。
ラグビーでも、五郎丸選手のキックはW杯で普通に通用していた。
こういうセットプレーで球を蹴るような技術のことを、「クローズドスキル」という。
対して、流れの中でのプレーのことは「オープンスキル」という。
基本、日本人のクローズドスキルはそこそこレベル高いんだよね。
野球でいうと、投手が球を投げるようなプレーはクローズドスキル。
メジャーでも日本人投手が普通に通用してることから見ても、やはり日本人の強みはクローズドスキルの精度だと思う。

ただ残念ながら、サッカーは野球と比べてクローズドスキルの発揮シェアが高いスポーツではない。
むしろ、オープンスキルがほとんどを占めるスポーツなんだ。
そこが問題。
オープンスキルというのは基本、敵に邪魔をされるプレー。
日本人というのは仮に高いスキルがあっても、ちょっと妨害されると途端に脆さを出すのが一番の弱みである。
オープンスキルとは、言い方を変えると即興のアドリブ対応だろう。
対して、クローズドスキルとは台本のあるプレー。
つまり我々日本人は、台本ある漫才はそこそこ上手いけど、バラエティ番組に出るとフリートークで思いっきりスベる芸人みたいなもんだね(笑)。
サッカーはアドリブのスポーツ、そして野球は台本のスポーツ、と言ってしまうのは少し乱暴だろうか?

サッカーで最も大量に才能を輩出する大国といえば、やはりブラジルである。
先日のACL広州を見てても、あれもブラジル人を攻撃の軸にしたチームだった。
ブラジル人監督フェリペの考え方は、「守備は教えられるものだが、攻撃は教えられるものじゃない」だそうだ。
だから、そこは敢えて台本を作らない。
なんか、ジーコの指導を思い出すよね〜。
一方、野球はというと対照的に管理型の方が結果を出してるし、ひとつひとつのプレーにベンチからブロックサインが出る。
投手もまた、捕手のサインに従って球を投げる。
もともと野球って、そういうもんだ。

悲しいかな、我々日本人はそういうのにずっと慣れてきた経緯がある。
基本、【台本>アドリブ】。
多分、ブラジルってそうじゃないんだろうなぁ…。
逆に野球やらせたら、アイツら超ヘタクソかも(笑)。
そう考えると、まだ日本でも比較的アドリブの利く地域って関西なんだよ。
もともと、国内では最もラテン色の強い地域性。
特に笑いには厳しい文化土壌でもあり、会話でアドリブのきかない奴は確実に蔑視される風土だ。
それが関係してるかは知らんが、サッカーでは「関西閥」が一大勢力になってるだろ?
本田、香川、岡崎、乾、柿谷、宇佐美、南野などなど、特に攻撃に偏って才能があとを絶たない。
これ、きっと関西の【台本<アドリブ】文化土壌が関係してる話だと思うんだ。

ああ、そう考えると、プロ野球で阪神がず〜っと弱かった意味も理解できるよな?
【台本>アドリブ】でなきゃならん競技で、彼らはそれをあまり守らなかったのかもしれんぞ(笑)。
2015/10/25(日)12:22

☆関西人
4231の価値
続きね。
じゃ、今度は日本代表お馴染みのフォーメーション、4231について考察してみよう。

この4231には諸説あるんだが、有力な説として生みの親はあのヒディンクだと言われている。
これが流行り出したのは、確か90年代終盤?
その当時は「日本人に1TOPは無理だ」として敬遠されがちだったものの、なぜか今じゃすっかりロングセラーとして定着している。
思えば、これを日本でイチ早く採り入れたのは、やはり原博実だったな…(笑)。

で、なぜこのフォーメーションは日本で愛されるようになったのか?
私が思うに、その答えは4231の「二義性」にあるかと。
まずひとつは、守備のモダンさにある。
この4231は、守る時はWGが下がって中盤にフラットラインを構成し、最終ラインと距離を詰めて4+4の2ラインブロックを構成できるのがミソだよね。
もちろん4+4の2ラインブロックはサッキミランに始まるモダンサッカーの基礎であり、これは最も中盤プレスをかけやすいとされる形状。
つまり、4231は守りやすいんだ。

そして、もうひとつは攻撃のラテン性。
欧州ではフラットラインで守ると同時に、そのままフラットラインで攻めることが多い。
つまり、中盤はスピードある両WGとパワーあるセントラルMF2枚、というフラットライン構成。
しかし日本人には、正直これの実現が厳しい。
というのもスピードあるWGはいないこともないが、問題はセントラルMFの方だよ。
これが、ハッキリ言って皆無。
まだ日本人の場合、セントラルMFを「ボランチ」に置き換えた方がリアリティが出てくるさ。
つまり欧州型のフラットライン中盤でなく、南米型のBOX中盤というラテン。
ぶっちゃけ、これの方が日本人には適性あるだろう。
その点で、4231は実に便利なシステムなんだ。
攻める時はWG(本田ら)がセンターに絞り、実質442BOXを構成できる。

「442BOX?いまどき古臭いな〜」と思われるかもしれんが、これを馬鹿にしちゃいかんよ〜。
サッカー大国・ブラジルでは、いまだ442BOX信仰消えてないんだから。
このフォーメーションの利点は何かというと、それは創造性あるセンタープレーヤーを多く使えることに尽きるだろう。
ならば、これこそ日本に適性あると思わない?
本田にせよ香川にせよ、古くは中田英にせよ俊輔にせよ小野にせよ小笠原にせよ、サイドでなくセンターで強みを発揮する才能が多いのは日本の特徴である。
だからこそ、かつてジーコは日本代表で442BOXを選択したんでしょ?

じゃ、話をまとめる意味で一度図解しておこう。

【基本型4231】
・・・岡崎
・ウサミ・香川・本田
・山口・・ハセベ
長友・槙野・吉田・酒井
・・・西川

【守備時4231(4411)】
・・・・岡崎
・・・・香川
・ウサミ・山口・ハセベ・本田
長友・槙野・吉田・酒井
・・・・西川

【攻撃時4231(4222)】
・・岡崎・香川
・・ウサミ・本田
・・山口・ハセベ
長友・槙野・吉田・酒井
・・・・西川

守備時はブロックのメカニズム重視で欧州型、攻撃時はショートパスとワンツー重視のブラジル・ラテン型。
どちらにもスムーズに移行できるという意味で、4231は極めて便利なフォーメーションだということね?

思えば、もともと日本は「二義性」のサッカー土壌さ。
地理的にも欧州と南米のちょうど中間地点に位置してて、我々の先生は欧州人(クラマーさんやベンゲルやオシム)であると同時に、またブラジル人(ジーコやオリベやクルピ)でもあるワケで、いわば我々のサッカーは混血、ハーフってことじゃない?
そういう意味で、4231ってシステムのハーフ性が我々に合ってるんだと思うよ。
今後も、大事にしていきたいフォーメーションだ。

そして現監督ハリルに求めたいのは、こういう日本サッカーのハーフ性に対する理解である。
なぜ、ザックが速攻を求めたのにチームに根付かなかったのか?
そのへんは、選手のワガママという安易な総括で終わらせちゃいかんよ。
もともと、我が国のサッカーに欧州サッカーの100%純度を求めても難しいのさ。
と同時に、ブラジルサッカーの100%純度を求めてもダメってことは、ジーコがちゃんと立証してくれたよね(笑)。

ということで、例の「ゲーゲンプレス」。
くれぐれも扱いには気を付けて下さい。
2015/10/20(火)17:32

☆関西人
蛇行する日本
続きね。

じゃ今回は、近年における日本代表の守備戦術変遷をざっとおさらいしてみたいと思う。

【加茂ジャパン】
言わずと知れた「ゾーンプレス」のチームである。
これはサッキミランを理想としつつもプレスは加茂さんの独学による部分が大きく、後にベンゲルから「これはゾーンプレスではない」とダメ出しをされるほどに不完全な戦術だった(笑)。
やがて、自滅した…。

【岡田ジャパン(第一次)】
ジョホールバルの時は442ダイヤ型だったが、岡田さんは本大会これじゃ通用しないと思ったんだろう。
やがて、ふたつのマイナーチェンジ案を試した。
ひとつは、4バックの後ろにスイーパー(井原)を配置した532。
もうひとつは、4バックの前にフォアリベロ(服部)を配置した4312。
最終的には前者を採用し、かなり古典的な堅守カウンターチームになったけどね。
トップ下に中田英を配置し、そのキラーパスからFWに裏を狙わせるというスタイル。
正直、城と中山には荷が重かっただろう。

【トルシエジャパン】
フラット3でラインDFを確立し、岡田ジャパンより高い位置で球を奪う守備スタイルを目指した。
攻撃では、前線にポストプレーヤーを配置。
FWよりMFの攻撃力を活かすことに主眼があったかと。
コンパクトな中盤、フィジカルコンタクトをいとわないプレス、オフザボールの動き、少ないタッチでのパス回しなどなど、今の「常識」が代表で出揃ったのはこの時代からだね。

【ジーコジャパン】
厳格に組織重視だった前代表から、今度は個の尊重の方に大きく舵を切ったのがジーコである。
守備は、オーソドックスなゾーンDF。
ただし引いて守るというより、ポゼッションすることでできるだけ守備の時間帯を減らすことに主眼があったかと。
そしてポゼッションの大敵はカウンターゆえ、守りはスペースのリスク管理が徹底された。
一人が前に出たらもう一人は残る、「つるべの動き」がチームの基礎。
この安全志向ゆえ、逆に攻撃で数的優位を作ることは非常に難しかった。

【オシムジャパン】
リスクを嫌ったジーコと異なり、リスクチャレンジを奨励したのがオシムだった。
時に、2バックすら珍しくない。
このリスクチャレンジを前提にして、守備ルールをできるだけ明快にする為にこそマンツーマンDFを採ったんだと思う。
ただ識者によると、いずれはゾーンDFに移行する予定だった、と。
残念だが、その新ステージに進む前にオシムは倒れちゃったんだけど…。

【岡田ジャパン(第二次)】
当初は、オシムの攻撃志向を継いだチームだった。
ところが土壇場で、遠藤・長谷部とあともう一人、阿部を追加した3ボランチにマイナーチェンジしてブロック守備を強化。
最終ラインは中澤+闘莉王。この二人なら、ラインを下げて守ることができる。
このチームの守備の堅さは間違いなく歴代最高レベルだが、一番の問題は前の枚数が足らないこと。
このへんは、第一次岡田ジャパンの時とあまり変わってない。

【ザックジャパン】
今度は3ボランチから2ボランチに戻し、攻撃の駒を一枚増やしたワケよ。
それでも守備力を落とさぬよう、本場セリエ仕込みの組織守備が導入された。
最終ラインは中澤+闘莉王のような引いて受けるタイプを外し、フォアに出る今野が新たなDFリーダーに。
ポジショニングから体の向きに至るまで、ここまで細かい守備ルールが刷り込まれたのはトルシエ以来だろう。
しかしスタメンを長期固定したことの弊害か、最後の最後は選手の意思が監督の意思を曲げるほどのチームとなった…。

【アギーレジャパン】
まず、アンカーが設置された。
布陣は433だが、しかし3ボランチではない。
事実、インサイドハーフには香川が入ったワケで。
攻撃時にはアンカーが最終ラインに入り、布陣は343となる。
ザック時代には全く機能しなかった343なのに、なぜかアギーレ体制下ではスムーズに移行できていたことが今思うと不思議。
実は、かなり指導手腕のある監督だったんじゃないかな?
ただし、守備についてはザックほど厳格な指導じゃなかったらしい。

【ハリルジャパン】
基本、この人は堅守速攻だろう。
速攻の意識の強さでは、おそらく歴代最高じゃないかな?
とはいえ、あの遅攻イメージの強いザックですら、本当は選手に速攻の多用を奨励してたワケよ。
しかし、なぜか頑としてそれに従わなかった日本代表。
ハリルも絶対、今後苦労するよね(笑)。

【総括】
さて、こうして改めて変遷を検証すると、つくづく振幅が激しいよな?
これは前代表であぶり出された課題を、次の新代表がカバーしていくスタンスだからしようがない。
右に大きく振れると次は左に、また左に大きく振れると次は右に、という蛇行ループになる。
できれば、そろそろ真っ直ぐ走ってみたいんだけど。

ところで皆さんは、どの監督が好き?
ちなみに私は、比較論でいうとハリルは上位じゃないな…。
2015/10/20(火)0:25

☆関西人
ゲーゲンプレスA
続きね。

一時期は、ゲーゲンプレスの生みの親・クロップを次期日本代表監督に切望する声がかなり多かったと思う。
特に我々日本人にとって彼は、香川の師匠として非常に馴染みのある監督だしね。
事実、香川の上手い活かし方を誰より知ってる人だと思う。

クロップの香川評として興味深いのは、実は香川の守備能力をかなり高く評価してるという点だよ。
え〜っ?ウソ〜?と思う人多いかも。
どっちかというと、我々は香川のことを守備のヘタクソな選手と捉えてるから。
でもクロップにとっては、そうではないらしい。
「ゲーゲンプレス」の監督が実際そう言ってるんだから、実は香川ってプレスが上手いんだろう。
確かに、本当に守備ができない選手ならファーガソンの目にとまることもなかったはず。
きっと爺さんだって、香川をパクチソンの再来みたいなイメージで獲ったんだと思うよ。

そういや、彼ってセレッソでは最初ボランチじゃなかったっけ?
元々から守備の素養は一応あったんだと思う。
ただし守備ができると言っても、決して一人で敵攻撃を潰せるようなタイプじゃない。
あくまで、できるのはプレス。それは一人でやるもんじゃないからね。
普通2〜3人が連動して仕掛けるもんだし、香川はそのユニットを前提にすれば優秀な守備パーツ、という意味なんだと思う。
でなきゃ、ドルトムントのトップ下はできないって。
もちろん世間には【トップ下=守備免除ポジション】というイメージもあるだろうが、少なくとも「ゲーゲンプレス」ドルトムントはそうじゃないはず。

で、こういう香川みたいな「優秀な守備パーツ」って意味なら、他にもそういうタレント結構日本人にいると思うんだわ。
特にブンデス組は、ほぼ全員がそうじゃないかな?
さすがに潰し屋、ストッパーみたいな機能まではないにせよ、プレスのパーツとしてなら十分に守備能力があるというタイプ。
それでも世間が「○○選手は守備ができない」とか安易に見下すのは、あくまで個人能力としてストッパー機能を持たないという方の意味でしょ?
それはそれとして、プレスの方はまた別で考えてもイイと思うんだよね。
レジェンドのシャビだってイニエスタだって、ストッパー機能は限りなくゼロに等しいけど、一応プレスのパーツとしては計算できてたワケよ。

今じゃ日本の中盤の防波堤みたいな信頼を寄せられてる長谷部にしても、思えば彼の浦和時代は攻撃的MF、ドリブラーだったかと。
それがいつの間にか、遂にここまでの守備的MFになったんだから選手のポテンシャルは分からんもんである。
彼の例を見ても、やはり攻撃の駒に守備を仕込む方が、守備の駒に攻撃を仕込むよりは全然イケるんじゃないのか?
だから私は、日本の守備にまだまだ希望を捨てる必要ないと思うよ。

個人的には、あの宇佐美ですら仕込み方次第で優秀な守備パーツになると思う。
実際、イラン戦ではちゃんと守備をしようとする気持ちが見えたし。
ただ彼の場合は、技術的なことより問題はスタミナの方だろう。
特に今は披露の蓄積があるのか、コンディションがやや不安定。
ちゃんと飯食ってるのかな?
最近は体脂肪を気にして、炭水化物の摂取を控えてるという話もよく聞く。
それ、彼のスタミナ不足の要因にもなってないか?
逆に武藤なんて、最近は炭水化物の摂取をむしろ増やしてるらしいじゃん。
一回の食事で、必ず二品目以上の炭水化物(米+麺とか)をメニューに入れてるとやら。
。そういや香川も、うどんばかり食ってる奴だったわ。
つまり「ゲーゲンプレスをするには、まず炭水化物を摂取」ということだね?
宇佐美、まずはそこからだぞ。
2015/10/16(金)19:11

☆関西人
ゲーゲンプレス
↓に、ハリルは今後代表にゲーゲンプレスを導入するプラン、と書いたが、それについてちょっと補足をしておきたい。

まず、ハリルの発言内容をキチンとチェックすると、彼自身は「ゲーゲンプレスを導入する」とは一言も言ってないことに気付いた。
じゃ、実際はどう言ってたのかというと、
「下がりながら守備をするのではなく、前に行きながら守備をする。これはラジカルチェンジという」
だってさ。
メディアは、この「下がりながら守備をするのではなく」の文脈からリトリートしないドルトムント型守備戦術をイメージしたらしく、皆に分かりやすく【ラジカルチェンジ=ゲーゲンプレス】と説明したワケね。
なるほど。
だけど↑の発言からだけじゃ、彼の真意がドルトムント型守備なのかどうかなんて全く分からないよ。

とりあえず、この「ゲーゲンプレス」が何なのかを知らない人の為に、ここで少し説明しておこう。
このコンセプトは

「球をロストしたら、5秒以内に敵を囲んで再奪取する」

「奪取したら即、全員が攻撃に転じてフィニッシュまでいく」

ポイントは、主にこの二点かと。
なぜ↑のが「5秒以内」なのかというと、敵もボール奪取してから数秒間は、まだ繋ぎの体勢が整っていない。
これは守備体勢から攻撃体勢に転じようとする、まさにどっちつかずの中途半端な「空白」が敵に数秒間だけ存在してる、というロジックさ。
そして、この「空白」こそが逆にこっちにとっては狙い目。
奪いやすく、また同時にショートカウンターを仕掛けやすいウッテツケの瞬間だからね。
変な話、球をロストすること(ただし高い位置で)をまず前提とし、そこをプレスの好機として攻撃に活用するという、コロンブスの卵的発想だと思う。
昔からよく言われる「球を奪ってから10秒以内にフィニッシュ」みたいな考え方もパッケージとして一体化してるから、基本はチームのポゼッション率が低くなりがち。
事実、ドルトムントが勝つ試合は支配率40%台が多かったよね。

しかし、この戦術が欧州サッカー界を席巻したのは、今から2〜3年も前のことである。
少し前からゲーゲンプレス攻略法が顕在化してしまい、いきなりドルトムントが勝てなくなったのは皆さんもよくご存じだろう。
もはや、これ自体は決してトップモードではなくなっている。
そういう前提をまず理解しておかないと、
「ゲーゲンプレスの申し子・香川を活かす為にも最良の戦術だ!」
とかノーテンキに考えてるようじゃ、救いようがない。
そういうこと言ってる人に限って、クロップの漠然とした名将イメージを盲信してるだけのことでしょ?
正直言わせてもらうと、私はゲーゲンプレス導入には断固反対の立場である。

ただ、誤解しないくれ。
私だって、「リトリートしない守備」というのには基本賛成なのよ。
ただ、それを速攻とパッケージにするのが日本の適性にはそぐわない、と考えるだけで。
よく考えてほしい。
もともと、ゲーゲンプレスの構築においてクロップがまず参考にしたのは、バルサの守備戦術である。
確かに、バルサも「リトリートしない守備」だよね。
球を奪われたら即に敵を囲み、再奪取する。
これは今に始まった話じゃなく、きっとミケルス時代からの伝統だろう。
ここでバルサ型とドルトムント型の決定的な違いは、球を奪い返した後のアプローチなんだ。
ドルトムントは、まず速攻。
しかしバルサは、必ずしも速攻ではない。
奪い返した球を一旦ピボーテに戻し、体勢を整えてからまた繋いでいくことが多い。
同じ「リトリートしない守備」を標榜しても、バルサはポゼッション率が高く、ドルトムントはポゼッション率が低い。
またバルサは体の小さな選手が多く、ドルトムントは体の大きな選手が多い。
全く似て非なる両チームなんだよ。

さて、話を元に戻そう。
冒頭に書いた通り、ハリルは「リトリートしない守備」を明言しつつ、しかしそれがゲーゲンプレスだとは明言していない。
つまり、ここで考え方はふたつ出てくるんだ。
ドルトムント型か、バルサ型か。
繰り返すが、私は無理にドルトムント型を導入してほしくはない。
速い攻撃がうまく機能しないのは、ハリル就任以降の試合で明確になってるじゃん?
それでも無理にやろうとすると、日本のストロングポイントすら消してしまうことになる。
そりゃもう少しぐらいマッチョな要素は欲しいんだけど、それでもせめて細マッチョぐらいで抑えておくべきだと思う。
ゲーゲンプレスって、ハッキリ言ってゴリマッチョ戦術の究極形だよ?
これは、「守備こそ攻撃」というアイデア。
だから、意図してポゼッションを放棄する。
一方、バルサは「攻撃こそ守備」というアイデア。
だから奪われたら即に奪い返すという戦術も、ドルトムントと違ってポゼッションを継続したいからこそのニーズさ。
ずっとポゼッションしとけば、敵はシュートすらできない、ってね。
…私は、後者の方が日本には絶対合ってると思うんだわ。
2015/10/15(木)15:57

☆関西人
イラン戦
なんか、不完全燃焼だったね…。

いや、結果だけを見ると、さほど悪くないのよ。
こっちはFIFAランク55位で、向こうは33位という格上。しかも、アウェー。
今まで敵地のイランに勝ってないのを踏まえても、失点がPKのみのドローはむしろ悪くない結果なのかもしれん。
…でもねぇ。
そりゃ確かに、イランはそこそこレベル高かったよ。
特にフィジカルは完全にウチが負けていた。
ただ、今まで日本はそういう相手と戦うことに慣れてたじゃない?
常に2〜3人が連動して、トライアングルを作るような繋ぎでそれに対抗してきたじゃん。
ところが今回は、その繋ぎ自体が全然ダメ。
なんか、日本の良さが昔より失われた印象すらあった。

まぁ、昨日のハリルの采配は勝つことを主眼にしてなかったとは思う。
いつもなら下げない香川も本田も、今回はやけにあっさりと下げたし。
事前練習では、宇佐美・武藤・清武・柴崎・南野の五人を集合させて檄を飛ばしたらしい(←原口や柏木はここに入ってないんだな?)。
ある程度ハリルの頭の中で、この五人が代表世代交替のキーマンなんだろう。

個人的には、この五人の中だと武藤が頭ひとつ抜けていると感じたわ。
え〜ウソ〜、と皆さんは思うかもしれんが、やはり彼の体躯の強さは計算できるよ。
今後のノビシロを考えても、そのうち当たりの強さなら本田を凌駕すると思う。
あと、彼は本田よりもヘディングをよくするよね。
彼は本田が交替になると右サイドに入ったが、そのサイドへのフィードをシンプルにヘッドで落として味方に繋ぐシーンが何度かあった。
あぁ、これはかなり使えるな、と思ったよ。
あと、言うまでもなくスピードは本田以上。
とにかく、彼のノビシロはまだまだあるよ。

あと、中盤について。
今回は2ボランチのうち、長谷部が最後まで代わることがなかった。
というか、この中東2連戦でボランチは山口も柴崎も柏木も試されたワケだが、一方でパートナーの長谷部は常に不動。
ある意味、「長谷部と最も合うのは誰か?」というテストにも見えるイラン戦だったなぁ…。

ブラジル式で表現すると、長谷部は「第一ボランチ」だろう。
ブラジルの定義は「第一ボランチ」が中盤のバランサー、時に最終ラインのカバーも求められる。
あと大事なのは、長短パスによる攻撃の組み立て。
対して「第二ボランチ」は、まず中盤で球を奪うフォアのプレス守備。
あと攻撃では、前に出てアタッカーと絡むことが求められる。
私から見て、山口も柴崎も柏木も各々に持ち味は異なるにせよ、求められる役割は全員が共通して「第二ボランチ」なのよ。
いずれもが、「帯に短し襷に長し」だったけどね…。

思えばザック時代のボランチは、機能として遠藤が「第一」で長谷部が「第二」だったと思う。
ただし、必ずしも遠藤が後ろで長谷部が前というワケじゃなかった。
むしろその逆も多かったし、それほどに二人はイーブンな機能でやれてたんじゃないかな?
そこに柔軟性があったというか、強みだったワケで。
やがてザックが日本を去り、アギーレになると今度は長谷部をアンカーに据え、明確に彼を「第一」としたワケだ。
「第二」、すなわちインサイドハーフの方で台頭してきたのがザック時代に不遇だった柴崎。
このあたりから、中盤の関係性はイーブンじゃなくなったんだよね。
きっと今のハリル式中盤も、その延長線上にあると思う。

聞けば、ハリルは今後代表に「ゲーゲンプレス」を導入するプランだという。
これはどういう戦術かというと、球を奪った瞬間からノンストップでフィニッシュまでを目指す、究極の攻守一体型パッケージさ(今回のイラン戦を見る限りでは、まだ全く着手してないっぽいけど)。
となると、今さら遠藤保仁のニーズはないだろう。
今後のプランで最もニーズあるのは、まず「第二ボランチ」だよ。
つまり、長谷部の相棒となる選手。
ボール奪取できるだけの対人の強さと、そのまま前に出ていけるだけの攻撃センス。
日本がブラジル式だったのはジーコ時代まで遡るが、あの時の「第二」は中田英寿だったかと(「第一」は福西?)。
早い話が、今後はそういう才能が求められるんじゃないかな?
山口がもっと攻撃のスキルを磨くか、柴崎や柏木がもっと対人守備のスキルを磨くか、というのが緊急のニーズ。
まだ残る候補者には遠藤航や谷口もいるんだが、一応「第一」のリザーブだって必要なんだからね。

最後に、DFについても書いておきたい。
妙に私の印象に残ったのが、意外と丹羽である。
なんか、彼が召集されてる意味が理解できた気がする。
あんな短い出場時間だったのに、彼の周りだけ妙にバタバタと騒がしくなかった(笑)?
分かりやすいファイターだよな。
召集が定着した槙野といい、ハリルはああいう気持ちを出すタイプ好きなんだと思うよ。
そのうち、嫌だけど森脇も来るかもしれんな(笑)。
2015/10/14(水)17:33

☆関西人
助けてドラえもん
ラグビー日本代表、最後の米国戦も勝ってトータル3勝1敗。
ベスト8入りはダメだったけど、立派な戦績である。
エディージョーンズは、サッカー界でいうところのクラマーさんみたく、いずれは「日本ラグビーの父」と呼ばれる人かもしれないね。

彼はラグビー強豪国のオーストラリア人だから、日本という国のハンデはイヤというほど理解してると思う。
パワー不足ゆえ、オーストラリアなら簡単に出来ることも日本はなかなか出来ない。
そりゃまぁ、五郎丸選手のようなキック精度の分野に限ればおそらく世界と互角だろうが、問題はトライを狙う方。
こればっかりは、パワー要るもん。
日本のパワーじゃ、容易に敵の防御を突破することができない。
よって、チャレンジ→潰される→密集→チャレンジ→潰される→密集、というのを根気強く何回も何回も繰り返していくことになる。
一回のチャレンジで進める距離なんて、せいぜい1m程度?
それでもその僅かな前進を少しずつ蓄積して、ジリジリとゴールラインへの距離を詰めていく。

いやね、逆に私はこの戦い方が大好きなんだ。
その【チャレンジ→潰される→密集】も最初の数回ぐらいは普通に見れるんだが、回数が10回を超えたあたりから私もだんだん胸が熱くなってきて、もう15回を超えたあたりで完全に涙腺決壊。
コイツら、どんだけ不屈なんだよ(涙)、ってね。
私は、これを「のび太戦法」と名付けたい。
ほら、皆さんもご存じ「ドラえもん」の名シーンとして、ドラえもんが未来に帰ることになった後、のび太がジャイアンと喧嘩する場面があるでしょ?
あの喧嘩、のび太は何度も何度もジャイアンにボコボコに潰されるんだが、そのたびに立ち上がり、また再びジャイアンに立ち向かっていく。
結果、その不屈の闘志に怯んだジャイアンが最後に降参するんだよね。
私にはその姿が今のラグビー日本代表の姿とカブり、どうしても泣いてしまうのよ。
そしてこの「のび太戦法」こそ、弱者日本のとるべき道なんじゃないかな、とも思うのね。

確かに、当初エディーという世界一流の指導者に、日本の「ドラえもん」となってくれることを期待したのは事実だろう。
四次元ポケットから便利なアイテムを日本(のび太)に授け、ドーピングを実現してくれる魔法使い的な存在。
でも実際は、そんな便利なアイテムないのよ(あ、外国人は少し便利だけど…笑)。
なのに、日本は南アフリカに勝った。
この偉業がいかに奇跡的なことかの比喩として、「のび太がジャイアンに勝つような事態」と表現した人もいる。
そう、確かにのび太はジャイアンに勝ったんだよ。
漫画同様に便利アイテムを使わず、どっちかというと根性によってね。

この「のび太戦法」、基本はサッカー日本代表でも同じニーズだと思うのよ。
サッカーでも日本はパワー不足ゆえ、決定力も不足。
決定力がない以上は、チャンスの数を増やしていくしかない。
理論上、分母の数を増やすことでしか分子を担保できないからね。
だから「何度もチャレンジ」、それしかない。
そしてチャレンジ回数を増やすには、ある程度高いポゼッションを維持するしかない。

…いや、これパラドックスだ。
ポゼッションしようとするから遅攻になり、すると敵が引くからウチの決定力は落ちてしまう。
つまり分母は大きくなるが、分子は小さくなる、ってこと。
じゃ逆に、ポゼッションを低くしたら?
すると、確かに敵の隙ができる。
でも守りに時間が割かれる分、どうしてもチャレンジ回数は大きく減るだろう。
つまり分母自体が小さくなれば、分子はますます担保しにくい、ってこと。
じゃ、どうすりゃイイのよ…?

ザックの哲学は、明確に「のび太戦法」だったと思う。
でもハリルの場合は、まだよく分からない。
ひたすら愚直に、倒されても倒されても立ち上がるという考え方よりは、「もっとPKをとれ」というぐらいだから狡猾さを求めてる感じ?
少し、「スネ夫」入ってるよね(笑)?

さて、明日は楽しみなイラン戦。
「のび太」が出るか「スネ夫」が出るか、注意深く見守りましょう。
意外と、「出来杉くん」だったりして……(笑)?
2015/10/12(月)15:04

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