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過去ログ482 2015/10/10 19:15

☆関西人
中盤の守備
続けて、今度は守備の話。

ボランチについてだが、今は山口&長谷部コンビがファーストチョイスのようだ。
私は、ちょっと気になってるのよ。
仮に上記の二人が不動だとして、じゃ練習で紅白戦をやる時にサブチームのボランチはどうなる?
まさか、柏木&柴崎コンビ?
それ、守備力弱そうやなぁ…(笑)。

と、皆さん思うだろう。
でも、実際はどうなんだろう?
もちろんイメージとしては「守備力弱い」と感じてしまうが、実際その組み合わせを誰かが見た上でそれを言ってるワケじゃない。
あくまで、これは先入観なんだ。
そういう意味じゃ、一回ぐらいは上記組み合わせを現実に試してみるのも悪くないよね?
我々が抱く先入観の為に、最初から組み合わせの可能性を潰してしまうのは少しモッタイないワケで…。

思えば、川崎フロンターレなんて憲剛&大島という2ボランチを現実にやっている。
これも我々のイメージからすれば、守備リスクの高い組み合わせだ。
有り得ない。
でも現実にあるんだから、しようがないじゃん(笑)。
こういうのを見てると、いかに我々のような凡人の先入観が無価値かを思い知らされるんだよね。

そりゃまあ、中盤に一人守備専MFを入れときゃ、確かに安心感は得られるさ。
中盤が、いわゆる「攻守分断」ならばの話。
だけど全てのサッカーが「攻守分断」というワケでもない。
変な話、「守備はムチャクチャ上手いけど足下の技術が全然ダメ」という選手は、逆に中盤を崩壊させることがあるのよ。
球を奪うのがいくら上手くとも、その後パスミスしてロストしてたら何の意味もなさないからね。
そんな選手が敵から狙われたりするのは、よくありがちな話。

日本代表が初めてW杯出場をした時(98年岡田ジャパン)、ボランチは山口素弘だった。
遠藤の師匠になった人ね。
よく山口&名波の2ボランチと誌面上では表現されるが、正確にいうと名波のポジションは3列目でなく2.5列目。
実質は、山口の1ボランチに近かったと思う。
彼は確かに守備力があったが、でも決して屈強なタイプじゃなかった。
決して運動量も多くはなかった。
なんつーか、今考えてもフィジカル面では不安要素のある中盤だったよね?
でも、繋ぎが素晴らしい中盤だった。
中田英いわく、彼にとっては今でもあの中盤が歴代ベストだそうだ。

その後を継いだトルシエあたりから、ようやく「フィジカル」というワードが世間に認知されるようになったかと。
ボランチに稲本が出てきた時代。
02年大会は、彼に加えてボール奪取に長けた猟犬・戸田を先発ボランチに据えた。
ただしそんなトルシエであっても、99年Wユースでは普通に稲本1ボランチ、もしくは遠藤1ボランチで大会に臨んだワケよ。
でもって352、左WBはあの本山だよ?
どんだけ守備の穴がある布陣やねん(笑)。
でも、その大会で銀メダルを獲得した史実は今さら言うまでもない。

こういう点で、サッカーって不思議なスポーツなんだよね。
守備の堅い選手選考をしとけば、必ず守備が堅くなるってもんでもない。
球を奪うより前に、パスミスしてロストしないことを徹底した方がよっぽど守備効果がある、という考え方だってあるだろう。
あと、守備固めの采配として守備専MFを一人途中投入したのに全然守備が好転しない、という場面は皆さんも一度ぐらいは目撃したことがあると思う。
実際、そういうもんなのよ。
たった一人の個の守備能力で、試合をコントロールできるほど実は守備って甘くない。
結局、みんなでやらないとそれは機能しないのが現実だと思う。

話を、もう一度柏木&柴崎に戻すね。
正直、私はこれもありだと思うんだわ。
ただし、その分FWも攻撃的MFも全員守備を頑張る、という前提で。
つまり日本が生きる道は「攻守分断」でなく、むしろその逆にこそあると私は思うワケです。
2015/10/10(土)19:15

☆関西人
関西人
やっぱ、今のチームの司令塔は本田だな〜、と再確認できたシリア戦だった。
彼がセンター気味にポジション修正した後半から、チーム機能はグッと向上したし。
終盤にはパサー清武が入ったからどう変化するかなと思ったが、あまり変化なかったね(笑)。

いっそ、本田はトップ下に固定した方がイイのかもしれん。
昔は前田や大迫などキープできるセンターが常にいたけど、今のセンターは岡崎が軸だからそれをあまり期待できない。
だからこそ、トップ下には昔以上にキープ力のニーズが生じてきてると思う。
機能のロジックとして、ゴールに背を向けた状態でプレーできる選手がせめて一人は欲しいんだ。
今だと岡崎にせよ香川にせよ、みんな前を向かなきゃ力を発揮できない奴ばっかりじゃん?

一方、本田自身はどう考えてるかというと、自分以外の「ゴールに背を向けてプレーできる選手」をあまり求めてない印象がある。
たとえばの話、今まで彼と相性が良くないという説が出たのは、大迫、豊田、ハーフナーなど、いわゆるそういうタイプのFWだ。
逆に、彼から絶賛されたFWといえば、まず柿谷、岡崎もそうだろう。
あと、香川に対しても常に高い評価を示している。
要するに、彼は自分とキャラのカブらないアタッカーが好きなんだよ。
これは自分ができないプレーへのリスペクト、ってところかな?

そしてシリア戦を見てると、宇佐美も相性悪くないな〜と思った。
それほど旧知という関係ではなかろうに、二人は即席にシンクロしてワンツーとかやってるんだよ。
凄いな、と思った。
よく、会ったばかりの相手と即興でセッションして凄いシンクロするミュージシャンっているけど、まさにあんな感じ。

なるほど、本田と宇佐美はサッカーのシンコペーション、体内ビートがよく似ているんだろう。
もちろん、香川や柿谷や岡崎も同じく。
仮に彼らが奏でるリズムは基本か16ビートだとして、あるいは大迫や豊田あたりのプレーって8ビートぐらいに違うのかもね。
すると、なかなかシンクロせず、セッションがうまくハマらない。
外から見てる我々には全く分からない世界だが、彼ら演者にしか分からない感覚なんだろうよ。

セッションのコンダクターは、依然本田である。
そして、彼は大阪府出身の関西人。
宇佐美と柿谷も大阪府出身の関西人。
あと、香川と岡崎も兵庫県出身の関西人。
つけ加えると、乾も滋賀県出身の関西人。
なんつーかな、こういう関西ビートというか関西シンコペーションというか、そういうのってあるんじゃないかな。
シンクロしやすい、セッションしやすい感性、とでもいうべき?
こういうの、きっとブラジル人でもあるだろうね。
今日初めて会ったはずの二人が、まるで旧知のパートナーのように即興でシンクロしてしまうとか、ありがちな話である。

あぁ、それを考えるとまた一人、楽しみな才能がいるよね?
南野拓実、彼もまた大阪府出身。
まだ二十歳の若手だし、いきなりは無理でしょ〜、と皆さんは思うかもしれん。
いやいや、そうとは限らんぞ?
彼もまた、そういうシンコペーションを持ってるはずだから。
ところで、原口や武藤や柴崎は今後うまくフィットできるのだろうか…?
ちなみに、柏木もまた兵庫県出身の関西人である。
2015/10/10(土)12:34

☆関西人
シリア戦A
続きね。

個人的な見解を言わせてもらうと、左が原口か宇佐美かという選択肢なら、私はイラン戦も先発原口がベターだと思う。
トータルの才能としては宇佐美の方が若干上回ってると感じるが、でも守備力、運動量等は原口の方に分があるかと。
サイドのプレーヤーとして、それはかなり大事な要素でしょ。

原口は、顔で損してるかもしれない。
どこからどう見ても、「守備しない顔」なんだよね。
それは宇佐美も同じにせよ、ただし宇佐美の場合は確かに守備をしない、仮にしてもヘタクソ、という点で矛盾しない整合性があるんだ(笑)。
でも原口の場合は、結構ちゃんと守備をする。
私は彼の性格をよく知らんのだが、ああ見えて実は真面目なのか?
以前に暴力事件っぽいことあったけど、悪童のクセに守備をするなんて、私はあまり納得できない(笑)。

ただ、ドリブルに特化した選手はスタメンに最低でも一人常備すべきだと思う。
昨日の試合、序盤は繋ぎにかなり苦しんでいた。
あれは敵のプレスに圧されたというより、純粋に芝の状態がおかしかったんだと思う。
特に日本のパスワークは球の走りが前提ゆえ、あの引っ掛かる芝だとどうしてもリズムに乗らない感じ。
じゃ、その場合にどうすりゃイイのかって、私はドリブルをもっと選択すべきと思うのよ。
そりゃドリブルだって芝が悪いと当然やりにくいもんだが、そんなこと言ってたら何も始まらない。
事実、岡崎の得点なんて香川の素晴らしいドリブルありきだったじゃん?
原口もまた、ああいうのは絶対できるはずだよ。

実はあの2点目のパターンこそ、私が今後一番磨いていってほしい形。
PAにヨコから中へ侵入していくドリブルのパターンね。
あの時の香川は敵の股を抜くラストパスという超難しいのを敢えてやったが、別にあんな股抜きまでしなくとも普通にマイナスのパスを出す選択でも構わない。
大事なのは、敵の盾が一番防御しにくいヨコから剣を刺すこと。
すると敵は盾の角度を変えざるを得ず、対応すると今度はタテに隙間が生じる。
そこまでできれば、あとは岡崎あたりの得意分野。
彼、隙間への侵入はとにかく上手い選手だし。

そうは言うものの、ああいうヨコから入るのはやはり難しいというのなら、残る道は中央で誰かが敵を背負いながら体を張るしかない。
一ヶ所に敵の盾を引き付けて、一瞬できた隙間を別の誰かが突く。
こういう役割、今のチームでは本田あたりしかできないよね。
残念ながら、今の日本攻撃陣にはセンターで敵を背負いながらキープできる駒が少なすぎる。
それをできそうな本田以外の候補者は、なぜかハリルに召集されてないし。
体躯的に武藤はそのへん十分ポテンシャルあるにせよ、まだそういう持ち味を代表では全然見せてないし。
肝心の岡崎は…。

でもさ、岡崎って何気に体重が凄くない?
試合前に選手データが画面に示されたんだが、それによると岡崎は身長174cm 体重76kg。
…え?体重76kg?
これ、本田より2kgも重いじゃん?
どんだけ中身の詰まった筋肉デブだよ(笑)。
身長がほぼ同じの柴崎と比較しても、体重は12kgも岡崎が上なんだってさ。
じゃ、もっと頑張って体張ってくれよ。
それが無理だというなら、体重は本田より重いというデータは詐称数値と認定するけど。
2015/10/9(金)20:30

☆関西人
シリア戦
昨夜の試合は自分として珍しく、前半の終わりぐらいで寝落ちしてしまった(笑)。
そのぐらいグダグダでつまらない内容だったということだろう。
あと、実況解説も睡魔を誘ったんだよ。
いつもなら松木安太郎が騒がしくて全く睡魔を寄せつけないんだが、今回は闘莉王がボソボソとトーン低く喋ってるので全然テンションが上がらない。
で、深夜3時ぐらいにハッと目が覚めて、「あのままスコアレスでは?」と焦ってネットニュースを確認したら、意外にも3ー0。
一応録画してあることを確認し、安心してまた寝た。

それにしても、よく後半立て直せたもんだな。
それほど前半は酷かったよ。
ボールロスト頻発で、全然ポゼッションできない。
かといって防戦一方かといえばそうでもなく、シリアもミスを連発でお互い様である(笑)。
とても1位vs2位の戦いには見えない凡戦。

ハーフタイム、ハリルは選手のポジショニング修正を指示したらしい。
前半は敢えて左右ワイドの布陣だったらしいが、するとセンターの香川らは孤立して完全に消えてしまう。
よって、後半は攻撃のブロックを中央に寄せ、ややコンパクトにしたんだそうだ。
当然そうすると繋ぎに手数が増えるから、理想の「速いサッカー」ではなくなる。
でもこの方がまだ機能するとして、ハリルとしては現実に対処したんだろう。
ワイドにいくかコンパクトにいくか、速くいくか手数をかけていくか、この理想と現実の葛藤は間違いなく今後も続くよね…。

意外だったのは、宇佐美が良かったことだ。
最近の彼は疲労の蓄積か、決して調子が良くない。
だから原口先発は納得だったんだが、それが途中投入されると宇佐美は原口より機能したんだ。
私が思うに、もしワイドにいくなら個の仕掛けに特化した原口がベターだろう。
でもそうじゃない形でいくなら、少なくとも周囲の駒を使うことでは宇佐美に一日の長がある。
宇佐美はウィングというより、本質はトップ下に近いキャラだしね。
あとは、彼らの3列目との相性も見ておきたかった。
今回山口&長谷部は最後まで不動だったんだが、もしそこに柏木、あるいは柴崎でも入っていれば必ずしも【原口<宇佐美】ではなかった気もするのよ。
何となくだけどさ。

要は、使い分けである。
AプランBプラン、両方をもっておけばイイ。
次はイラン戦、今度こそ完全アウェーだぞ。
ハリルがどっちのプランをファーストチョイスにするのか、注目である。
しかしどっちのプランにせよ、最近は落ち目と揶揄されてるセリエコンビだけは外せない気がするなぁ…。
右のキープは本田、左のキープは長友、彼らのキープ力を上回る人材はなかなかいないのが現実。
2015/10/9(金)12:20

☆関西人
結果と内容
明日の最低限ノルマは、ドローだと思う。
アウェーゆえ(厳密には中立地だが)、勝つのは言うほど簡単じゃないかと。
仮に勝てたとして、おそらく僅差じゃないかな?

じゃ、仮に1ー0か2ー1で勝ったとしよう。
すると、必ず超サカはバッシングで沸くはずだ。
勝ってもバッシング。
引き分けなら、もっとバッシング。
負ければ、すぐにハリル解任論、香川不要論、本田不要論など言いたい放題になるのは目に見えている。

だけどね、まだ日本が救われるのは、たとえ負けても内容次第で擁護論を展開する人が必ずいることだよ。
もちろん、そんな人はごく少数。
だけど、少数ながらもそういう人がいることは心強いわ。
また、逆パターンもあるね。
仮に日本が大差をつけて勝っても、内容次第で選手や監督をバッシングする人も必ず出てくる。
アマノジャクと言えば確かにそうなんだけど、私はこういう人たちの存在は大切だと思う。
ああ、中には結果だけでなく内容をちゃんと見てる人たちもいるんだな、と。
場の空気になんか流されず、ちゃんと自分の脳で考えてる人もいるんだな、と。

これは何を言わんとしてるかというと、また本田発言のことである。
多くの人のように、彼の発言を「ロクに結果出せてない奴が何言うとんねんwww」程度に小馬鹿にしてるようじゃ、私はダメだと思うのね。
だってそのスタンスこそ、本田が見下す「勝てば拍手するし」という結果しかモノサシのない低能なサポーター像そのものじゃん?
みんな、あれは単にイタリアのサポに向けた発言として他人事に思ってるんだろうが、果たしてそうかな…。
彼は、サポがどのタイミングで拍手をするのかを、ちゃんと見てる人なのよ。
それはミランでだけでなく、もちろん日本代表でもそうだろう。
そのうち、彼の牙は我々に向けられる可能性だって十分あるんだよ?
そこを肝に銘じて、明日の試合はちゃんと「内容」を見ようぜ。

もともと、イタリアは結果至上主義の文化土壌だろう。
「ウノゼロ」という言葉をよく聞く。
昔からイタリア人は、1ー0の勝利が好きなんだそうだ。
このへんが私には理解できない。
1ー0って、超守備的で堅実な試合じゃん。
あれだけ陽気で女好きで派手な色使いのファッションを好むイタリア人が、なぜサッカーに限っては渋くて堅いのを好むんだろう?
これがドイツ人なら、まだ分かるんだけど。

そういや、かつてイタリアの知将カペッロがレアルの監督に就任し、いきなり初年度でリーグ制覇したことがあった。
なのに、レアルは「ウチに合わない」としてカペッロを更迭したのよ。
久々の優勝をしたのに。
おそらく、スペイン人にはイタリアのウノゼロ文化が理解できなかったんだろう。
守備的だろうが勝てばイイんだ、というカペッロを彼らは許容しなかった。
本田が言うところの、「勝てば拍手するし」というサポじゃなかったんだね。
内容ありきだ、と。
…あぁ、そうか。
もともと本田は、レアルに憧れてる奴だったな。

さて、日本の文化土壌はどっち?
イタリア?スペイン?
私は、どっちかというとスペインだと思う。
1ー0の勝利より、3ー0の勝利が好き。
0ー1の負けより、2ー3の負けが好き。
かつてトルシエは「日本に守備の文化はない」と言ってたっけ。
イタリア人より堅実で地味で浪費より貯金を好む日本人だが、なぜかサッカーは派手なのが好き。
不思議なもんである。

今、なぜ本田はあれほど苛立っているのか?
彼を責める人は、結果を出せない奴は黙っておけと言う。
でもさ、彼だって自身の「結果」を求めたいのよ。
その「結果」とは得点だったりアシストだったり、個人成績のこと。
しかし、選手全員が個人の「結果」を追求したらチームはどうなる?
最近の本田は、そういう歪みのあるチームの為に敢えてバランサーになってたんじゃないの?
その前提を理解しないで、「ロクに結果出せてない奴が何言うとんねんwww 」は、あまりにもお粗末。

さあ、シリア戦は本田に注目しよう。
明日の彼は、どっちのプレーを選択するのかな?
2015/10/8(木)0:28

☆関西人
練習不足
明日、シリア戦である。
その5日後に控えるイラン戦とどっちが大切かって、そりゃ間違いなくシリア戦の方さ。
だって、W杯予選だし。
一方イラン戦はたかだか親善試合なワケで、本来なら試運転としてイランと先にやりたかったよ。
聞けば、召集メンバーが全員揃ったのは昨日のことなんだって?
で、明日が本番?
これ、またしてもシリア戦は調整不足じゃん…。
ハリルを少し同情する。
本来なら、彼はもっと練習時間をとりたいだろう。
だけどそれができない。
つくづく代表監督って、スケジュールとの戦いだよね。

ところで、最近話題のラグビー日本代表。
よく言われてることだが、彼らは「世界一の練習量」をこなしてるという。
そういえば一昨日にやってたNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」、ちょうどラグビー日本代表ヘッドコーチ・エディージョーンズの密着取材だったのよ。
私はそれを見たんだが、確かにエディーの課す練習量はかなり多そうだったな。
トレーニングは早朝から始まり、驚くことに日没まで練習をやっていた。
まさか、合宿は毎回あんな感じ?

一方、サッカーの練習時間は一日せいぜい2時間程度と言われている。
ラグビーに比べればヌルいと思われるかもしれんが、おそらく試合予定日から逆算してコンディション調整する考え方なんだろう。
それこそ一日8時間の特訓なんかしてたら、週末の本番まで疲労回復は間に合わなくなってしまう。
肝心の本番にスタミナ残ってなきゃ、まさに本末転倒だしね。

ただ、それはあくまで「常識」「一般論」の話。
サッカーだって、私は練習量が多いに越したことはないと思うよ。
だから、できれば長期合宿を組めた方がイイ。
強化の理想をいえば、私は古い話だが韓国におけるヒディンク監督のやり方が挙げられると思う。
ヒディンクは、Kリーグの有力選手をクラブから強奪・隔離し、彼らを長期間拘束してイチから鍛え直すという方法論をとった。
当然そんなことされると、困るのはクラブだ。
おいおい、ウチは主力抜きでしばらくやらなきゃならんのか?と。
選手の所有権は本来ウチだぞ、と。
それは全くその通りなんだが、それでもその無理を強制執行できたのは鄭夢準の権力だろうね。
現実、その後ヒディンクは選手を2ヶ月ほど拘束し続けたという。

日本でもそれをやれ、と私は言うつもりはない。
というより、無理だろ。
日本サッカー界は、韓国みたく独裁者の命令ひとつで戒厳令を執行できるような土壌じゃない。
どっちかというと、リベラル体質。
じゃ、クラブと代表が協議しながら妥協点を見つけていくしかないよ。
クラブだってホントは、ACLの為に中韓のようなお上の戒厳令執行を期待してるんだが、そこはまだ我慢してるんだ。
お互い様である。

仮に代表が今のように練習期間を十分に確保できない流れが続くとして、じゃ、やるべきことは一日当たりのトレーニング濃度を上げるしかないだろう。
え?エディーみたく朝から晩までシゴキ?
…う〜ん、それが正しい選択なのかどうか、私には正直分からん。
確かに、高校や大学の体育会サッカーでは朝から晩までのシゴキはあるだろう。
あと、海外でもマガトみたくシゴキで結果を出す奴もいる。
でもそれは、あくまで代表じゃないからね。
仮に代表が一週間ほどしか選手を拘束できない前提だとして、そこで負荷の高い練習を課すことは逆効果になる可能性も高い。
でも、量を確保することはあながち間違いでもない。
…難しいなぁ。

できることなら、一回ハリルとエディーのミーティングを実施してほしいよ。
何か、ヒントになりそうなことをエディーが提言してくれるかも。
もともとラグビーとサッカーって、ルーツが同じ競技じゃん。
もっと指導者が交流をもって、助け合うべきさ。
そういや、岡田さんの「接近・展開・連続」はラグビーの戦術に学んだらしいね。
ちなみに「プロフェッショナル」を見てると、エディーは選手のタックルのスキルを上げる為、元レスラーの高阪剛(あのヒョードルに勝った人)にコーチを依頼してるんだ。
そういうの、ハリル代表にも欲しいわ。
繰り返すが、仮に選手の拘束期間に限界があるというなら、あとは限られた練習時間の密度を上げていくしかないんだから。
2015/10/7(水)18:48

☆関西人
本田の毒舌
最近、本田はずっとバッシングされている。
ミラン低迷で、みんなイライラしてるんだろう。
先日、監督から「ダメなサムライ」とまで言われる始末。
いくらジョークにせよ、かなり酷い表現をする指揮官だよな…。
で、さすがの本田もカチンときたのか、試合後のミックスゾーンでかなり過激な発言をしたらしい。

「(試合に出れなかったことを質問されて)というか、何で出れなくなったのかも分からないんで。こういった戦いをやってて、出るチャンスがない方がおかしいでしょ?」

「誰が良いとか誰が悪いとか、この試合で話し合う時点でまずナンセンス。ある程度、誰がやっても無理ってことはもう分かったと思う」

「選手が気付いても、このチームは変わらない。やはり経営陣が気付く、監督が気付く、そして選手たちが気付く、と同時にファンたちも気付いていかないと」

「ファンの拍手のタイミング見てても、勝つことだけに左右されてるファンだな、というのは凄い感じる。内容など見ないし、勝てば拍手するし」

「ホント、イタリア自体が危ない」

…本田節、全開ですな〜(笑)。
チーム批判、監督批判、サポ批判、そして最後はイタリア批判にまで及んだ内容。
発言の最後は
「また散々叩かれるんでしょうけど」
というフレーズで締めくくったところを見ると、ある程度確信犯的なニュアンスもあるんだろうけど。
彼一流の炎上商法か?
意図して自分を追い込んだようにも見える。

というか、ここまでズバズバ言われると逆に私は痛快だけどね。
本当にコイツ、日本人か?
普通の選手なら、今の不甲斐ない成績を恥じて、まずサポに詫びるべきシチュエーションだろう。
でも彼は、敢えてその逆をいった。
上記の発言は、「お前らサポにも責任があるだろ?」に近いニュアンスだと思う。
私にとっては、かなり新鮮な切り返しである。

確かに、サポ自身は自分の責任なんか普段あまり考えないもんだ。
意識の多くは、「お客様」でしかないんだろう。
俺はカネ払ってるんだから【お客様=主権者】で、俺を満足させられないサービスしか提供できないお前を罵倒するだけの正当な権利があるんだ、というところかな?
まぁ、それも確かに大筋では間違いじゃないだろう。
でも仮に【サポ=主権者】だとして、その主権者に迎合することは本当に正しい道なんだろうか?
一口にサポと言っても、ピンからキリまでいる。
それこそ本田の言うように「勝つことだけに左右される」「内容を見ない」人たちの数が世の中にどれだけ多いことか…。

あとね、「お客様」と「クレーマー」の差なんて、ホント紙一重なのよ。
「クレーマー」自身は自分のことを「お客様」だと思ってるがゆえ、結局は一番タチが悪い存在になる。
ほら、この業界ってブーイングが妙に正当化されるじゃない?
ブーイングがチームを育てる、バッシングが選手を育てる、ってやつ。
私も基本、そのロジックに異存はない。
ブーイングもバッシングも、確かに必要なモノだろう。
でも、この行為はあまり過大評価してもダメなのよ。
だってさ、本来ブーイングにせよバッシングにせよ、実際それを発してる人たちに「育ててあげよう」なんて理性、その時にほとんど働いてないでしょ?
あれは理性でなく、あくまで感情。怒り、苛立ちといった人間の生理的衝動。
そんな生理の吐露である以上、それは掲示板の名無しによる「荒らし」とほぼ同義でしょ。
荒らしは、理性的に「選手を育てる為」やってる美しい行為なの(笑)?
んなワケあるかい。
そんなのもこんなのも全部引っくるめて、ブーイングはチームを育てる、バッシングは選手は育てる、と馬鹿のひとつ覚えで自らを肯定してる奴、たまにいるよね。
そういうサポ、私は「お客様」どころか、サッカー界の害虫でしかないと思うぞ。
つーか、そんな害虫に主権を渡してどないすんねん?

一応、今回本田は監督とクラブに喧嘩を売ったよね。
そこはイイんだ。
この喧嘩、実体ある者同士のバトルになるんだから。
だけど一方で、今回本田はサポにも喧嘩を売ったワケよ。
ここがややこしい〜。
だって、サポには実体がない。サポとは、本質が匿名の群衆である。
彼らは実体ある選手とも監督ともフロントとも異なり、全く何の責任をとらないで済む「捨てハン」みたいな存在である。
一番卑怯な存在さ。

まぁ、仮に今回の彼の発言が単に感情の吐露だとすれば、そこは忌むべき「荒らし」サポと全く同じステージに堕ちたことになるんだけどね(笑)。
でも私は、捨てハンとは次元が違う責任感みたいなモノをむしろ感じるんだけどな…。
2015/10/5(月)21:20

☆関西人
ハリルの新機軸C
今回、ハリルは南野を召集している。
会見では、彼がどこのポジションをやるかは触れられていない。
左右どちらかのWGだと見る人は多いだろう。
確かに、そうかも。
でも私は、彼が香川のリザーブとしてトップ下の可能性もあるんじゃないかと見てるのね。
だって現メンバーの中で、彼こそが最も香川のイメージに近いプレーをする選手だから。
香川vs南野、セレッソ新旧エース対決だな。

一方原口と宇佐美は、左WGのオンザボール対決でイイと思う。
どちらが技巧派NO1か、このポジションで争ってもらおう。
そしてセンターFWは、岡崎vs武藤。
マインツの先輩後輩対決だね。
あとボランチは、まず攻撃型が柴崎vs柏木。
守備型が、長谷部vs山口。
対比がこれだけに絞られたってことは、もはやボランチも「守備型+守備型」が鉄板じゃなくなった、と見るべきじゃないかな。

次はDFラインね。
CB枠の争いは、吉田vs森重vs槙野。
あれ?丹羽は?と思うだろうが、彼は上記3名より「CB兼右SB枠」で塩谷と対決してもらおう。
あと、「SBを右だけじゃなく左もできるよ枠」で、高徳vs米倉。
ここでの勝者が、いずれ長友への挑戦権を得る。

あともうひとつ、忘れちゃならん大事なポジションがあるよね。
それは右WG、本田の定位置である。
ここは、清武を本田にぶつけてみたいと思う。
本来トップ下枠であろう清武だが、ここにきて南野が召集されたことにより、彼をサイドに回すチャンスが出てきた。
確か清武って、ロンドン五輪の時もザック代表の時もポジションは右サイドが主だったでしょ?
彼の持ち味のひとつはクロスゆえ、黄金の右足を外角に置ける右サイドでの起用は有効だと思う。
もちろん、本田vs清武はキッカー対決でもあるしね。

代表だって、いつまでも現状維持を継続できないのよ。
やはり盛者必衰というか、ここにきて本田や長友が所属クラブで結構ヤバくなってきてるじゃん?
もちろん代表では替えのきかない二人なんだけど、でもその「替え」を考えなきゃならんところに実はきてると思う。
次は難敵シリアが相手になるんだけど、私は敵との対決なんかよりも、まずはチーム内対決の方に俄然興味あるよ。
2015/10/4(日)23:41

☆関西人
ハリルの新機軸B
続きね。
今度は最終ラインについて。

ガンバで右SBをやってる米倉が、何でハリル代表では左に回されるのか?という謎があるよね。
以前から不思議である。
私なりに、そこを考察してみたいと思う。

その本題に入る前に、まずは逆サイドについて。
ハリルいわく、右SBは高徳と塩谷なんだそうだ。
以前スタメンだった酒井宏は?と思ったら、彼は怪我だという。
よって、塩谷が入ったのかも。
もともと、右は人材不足だとハリルが以前に嘆いてた。
で、その時は丹羽のことも右SB候補だと言ってたっけ…。

ここで、あることに気付く。
左右兼用の便利屋である高徳はともかくとして、酒井宏・丹羽・塩谷といった右候補者たちは、いずれも高さがあるということ。
つまり、そういうことなんじゃない?
なんせ、左の主軸はあの長友だ。
彼は基本、オーバーラップしてナンボの選手。

【基本型】
長友・森重・吉田・塩谷

【攻撃型】
長友↑
↑森重←吉田←塩谷←

ということで、右から中に絞るスライドの変則3バックを作るワケね。
この場合塩谷が右CB、つまり所属クラブとほぼ同じタスクを担うってこと。
3バックの右には慣れてて、もともと高さのある彼はゴール前で十分に仕事をできる。
あと付け加えると、仮に↑の3バックなら、左は森重より槙野の方が適任に思えるよね?
だって槙野は、所属クラブで3バックの左だし。
なるほど、そういうことなんだわ。
当初はCBを森重&吉田コンビじゃなく、槙野&吉田コンビにしてたことの謎もこれでようやく解けた。
思えば前任アギーレの場合は、攻撃時にアンカーを最終ラインに吸収することで変則3バックを形成してたよね。
これは、アギーレなりのカウンターに対する危機管理だった。
一方ハリルの場合は、右からのスライドでそれと同じ機能を作る。
これはシンメトリーで構成するアギーレと、アシンメトリーで構成するハリル、ってところかな。

じゃ、話を米倉に戻そう。
なぜクラブで右専門の彼が代表では左なのか、という点だが、やはりこれは↑のハリル式アシンメトリー機能を踏まえてるんだ、と見るべきだろう。
彼を右で使うと、逆サイド長友との組み合わせとして、最終ラインの機能がシンメトリーとなるじゃん?
それじゃなかなか3バックにできないし(普通に2バックとなる)、無理して米倉を右から中に絞らせたところで、やはりゴール前の高さは担保できない。
じゃ、いっそのこと米倉みたいな駒は長友のリザーブにしといた方が無難だよね、という判断に至ったのかと。
決して、米倉自身に左の適性があると見てのコンバートじゃないよな(笑)。

ところで、今夏に手術した内田がリハビリ終えた後は、ハリル代表に彼の帰る場所はあるんだろうか?
仮に右は「半SB半CB」というのがハリルのニーズなら、もう内田は帰る場所ないじゃん?
まぁ、それはその時に考えるとしよう。
今どうこう言ってもしようがないし…。
そういや、かつてザックは自分の指導の後悔として、「酒井宏をCBとして仕上げられなかったこと」を真っ先に挙げてたんだよね。
多分、彼も今のハリルと根底では同じ思考があったんだと思う。
「左は長友が上がるから、右はもっと中に絞らせなきゃ」って。
それゆえ、内田と異なり高さと体躯の強さがある酒井宏を「半SB半CB」で使うアイデアは当時からあったんだと思うよ。
2015/10/3(土)23:41

☆関西人
ハリルの新機軸A
続きね。

今さら何で柏木…?と思った人も多いだろう。
そりゃ日本屈指の左利きMFには違いないが、ただ俊輔・本田・名波あたりと同列で語るには印象があまりに小粒である。
「調子ノリ世代」のエースだった頃は、次代を背負うファンタジスタとして期待されてたんだけどね〜。
彼は北京五輪世代の年少組に該当し、年長組には本田や岡崎や長友がいたワケだ。
ただ当時の本田は、司令塔ではなく左サイド。
じゃ司令塔が誰だったかというと、ガンバ家長が多かったと記憶する。
そして柏木は、その家長から一時期レギュラーを奪うほどのスーパールーキーだった。

実は五輪で年少組の司令塔って、なかなかあるもんじゃないよ。
だから柏木には当時大きな期待が寄せられたが、でも結局は本大会で外されたワケね。
あの軽快なパス&ムーブの動き、周囲が対応しきれないところは正直あったと思う。
それまでは家長がタメを作るタイプの重厚な司令塔で、それと比較すればギャップが激しく、柏木はあまりにも「軽い」という印象が残った。
今から思うと、さほど悪くなかったんだけどね。
あと、怪我もあったっけ?

それはさておき、今回ハリルは彼をボランチとして起用するみたいだな。
柴崎が攻撃的MFで、柏木が守備的MFという解釈はよく分からん。
ただ、柏木は3列目からの飛び出しと組み立てが持ち味と見られてるんだろう。
いわゆるインサイドハーフという解釈?
それなら、あるいは4231でなく433のフォーメーションもあり得るかもね。

たとえば、こんな感じ。

・・・・岡崎
香川・・・・・本田
・柏木・・・清武
・・・長谷部
長友・森重・吉田・塩谷
・・・・西川
(清武の位置は柴崎でも可)

つまり、遠藤不在はW司令塔という形で埋めるワケさ。
敢えて、2列目と3列目を【右利き+左利き】で組ませるのがポイント。
付け加えると、2列目には得点力を求めて左右とも利き足を内角に配置。
逆に、3列目にはパス能力を求めて左右とも利き足を外角に配置。
…なるほど。
↑に「柴崎が攻撃的MFで、柏木が守備的MFという解釈はよく分からん」と書いたが、改めて考えると3列目にも左利きを配置することは実に正しいロジックだよ。
こうして両インサイドの利き足を外角にすることで、ポゼッションをよりワイドな角度に広げられるワケじゃん?
あくまで理論上だが、これで中盤のビルドアップは相当やりやすくなるはす。
なぜ柴崎でなく柏木の方を敢えてボランチ起用なのか、その正解は「彼が左利きだから」なのかもね。

あと、本田以外の左足キッカーはもともと必要だったと思う。
だってさ、たとえば↑のスタメンで身長180cm以上は吉田と森重と本田以外フィールドプレイヤーに誰もいないのよ?
どう考えても、本田はゴール前から外れてCKなんか蹴ってる場合じゃないでしょ?
でも右からのCKは、そりゃ左足キッカーの方が有利なのは事実。
だからこそ、本田以外の左足キッカーがチームには必要だったということ。
それが柏木のニーズである。
今まで代表ではイマイチ不遇な男だったんだが、そんな彼にもいよいよ大きなチャンスが到来したと思う。
2015/10/3(土)20:34

☆関西人
ハリルの新機軸
ハリル代表の新召集メンバーが発表された。
まぁ、悪くない人選だよね。

彼の会見は、かなり情報量が多い。
ここまで丁寧に詳細を解説する監督は今までいなかったと思う。
だから会見内容をチェックしただけで、ある程度チームの輪郭が見えてくる。
たとえば今回分かったこととして、武藤はセンターFW起用。
MFは香川・柴崎・清武が攻撃担当で、長谷部・山口・柏木が守備担当。
SBは相変わらず米倉が左担当で、塩谷が右担当。
このへんは、ハッキリ明言している。
ここまで最初から明確に言われると、選手たちにも迷いがなくなるだろう。
なぜ米倉が左なのか、なぜ塩谷がSBなのか、などの疑問はあるにせよ。

ところで、今回私が気になるのはボランチである。
普通に考えれば、ここのスタメンは長谷部&山口だろう。
しかし、今回ハリルは山口にコンディションの不安があることをわざわざ言及している。
ということは山口がスタメンじゃない可能性も十分あるとして、じゃ一体誰が彼の代わりをやるのか?
柏木?柴崎?
どっちにしても、山口の持ち味とは全然違うタイプじゃん。
なぜか今回は遠藤航も谷口も米本も召集されてない。
これは、たとえ守備を弛めてでもビルドアップの方をまず改善したい、とするハリルの新機軸だと思う。

確かに、今までの試合を見てると山口の課題はそのビルドアップにあった。
もともとボランチというのはチームで最もボールタッチ数の多いポジションであり、ビルドアップにおける軸。
そのビルドアップに長けた適材が皆さんご存じ遠藤保仁だったが、思いきってハリルは彼を切ったワケね。
長谷部&遠藤コンビから、長谷部&山口コンビへ。
するとどんな現象が起きたかというと、ビルドアップの軸がボランチじゃなくなったんだ。
では誰がゲームを創るようになったかというと、私が見る限り、右サイドの本田である。
きっと皆さんもお気づきだろう。最近の本田が昔のようにギラギラしたゴールハンターでなく、どっちかというとチャンスメイカーになってきてることを。
私は、これが今のハリル代表における大きな課題だと思うんだよなぁ。

それは別に、本田にゲームメイクの資質がないと言いたいワケじゃない。
その資質はあるよ。
だけど、彼の使い方としてそれはモッタイないんだ。
なぜって、今の日本アタッカー陣において本田は唯一身長180cmを超える素材、唯一敵の激しい潰しにも耐える素材じゃん?
どう考えても、敵陣深い位置に置いとくべき素材なのよ。
ところが最近の本田は、あるいは遠藤の穴を埋める意識があるのか、ゴール前からやや遠ざかってゲームメイクしようとする動きが頻繁に見えるのね。
それはいかがなものか、と。

もともと左利きの彼が右サイドに配置された狙いは、シュートを期待されてたからのはず(右サイドからのシュートは左足で打つ方が得点が決まる確率は格段に上がる)。
逆にパスやクロスは、右サイドでは左足を使いにくいもんさ。
内角の足を使うからね。
そして内角の足を使うことは、敵DFの位置に近い側の足を使うことでもある。
だからロスト率も高まってしまう。

「だけど、俊輔だって左利きだけど右サイドだったのでは?」と思う人もいるだろう。
そう、確かに俊輔は右サイドの名手。
でもそれは、彼のスタイルがタッチライン際の敵陣深い位置(フラッグ付近)で体をヨコ向きにするがゆえの話だろう。
その体の向きだと、当然のことながら左足はゴールの内角でなく外角となり、案外パスもクロスも上げやすいんだ。
要するにポイントは、ポジショニングの高低。
岡田さんやオシムは、俊輔が高い位置取りすることを前提にして彼を右サイドで使った。
逆にトルシエは、俊輔が低い位置取りすることを前提にして彼を左サイドで使った。
このへんのロジック、ご理解いただけるだろうか?

で、話を本田に戻すが、要はシュートを打つにせよパスをするにせよ、左利きが右サイドでプレーする以上はポジショニングは基本下げちゃダメなのよ。
なのに、今の本田はあまりそれができていない。
その最大の要因は「ビルドアップできるボランチの不在」、すなわち遠藤の不在だと私は思うのね。
ビルドアップに長けたボランチって、前の選手をヘタに下がらせない効果があるってこと。
で、長谷部&山口コンビはそこが心もとない。
よって、今回ハリルがビルドアップに長けたMFを召集した流れは、私として大歓迎なのさ。
本田に、改めて高い位置で体を張ってもらう為にね。
2015/10/2(金)23:33

☆関西人
恐るべし、広州恒大
ガンバの対広州恒大戦は、結局1ー2で負けてしまった。
残念だが、あの内容でアウェーゴールひとつとれたんだから、むしろラッキー。
正直、もっと大差になっててもおかしくない内容だったと思う。

広州は、やっぱり強かったね。
ただし、やってるサッカーはあくまでシンプル。
ポゼッションでガンバを大きく上回ったが、それは技術で上回ったというよりはパワーで上回ったという印象。
彼らのパス回しは割とシンプルなんだよ。
足下にパスを出す、それをトラップする、キープする、という連鎖。
そこがガンバと何が違うかというと、受け手がしっかりトラップして慌てずキープできるところにあると思う。
ほら、ガンバだとタテパスを受けた選手がワンタッチで捌いて、もっとテクニカルにやるじゃん?
広州にはそういう軽快さがなく、どっちかというと質実剛健。
でも、ガンバほど簡単に球を失わないんだよな。
その保障となってるのは、やはり私は体躯の強さだと思った。
仮に敵にコンタクトされようが、体勢を崩すことなくパスを足下におさめられる。
日本人が苦手とする分野だが、逆に広州はほとんどの選手がそれをできる感じ。

これはフェリペ云々というより、中国の土壌かと思う。
フィジカルがあるから、あれが可能なんだ。
基本、中国でサッカーは体躯が強い人間がやるスポーツなんだろう。
よく誤解されがちなことだが、我々には体躯面で【中国人>日本人】というイメージが昔からある。
でも実際に統計平均をとってみると、両者にはほとんど差がないそうだ。
じゃ、サッカーに見る中国人の体躯は一体何なんだろう?
これはつまり、体躯ある奴じゃないと中国サッカーでは生き残れない土壌がある、と解釈すべきなんじゃないかな。
たとえばガンバ阿部や大森ぐらいのサイズだと、向こうでは半ば強制的に卓球の方へ回されるのかも…。
考えたら日本でデカくて強い奴は、ラグビー、バレー、バスケ、アメフト、相撲あたりにどうしても人材が回るよね。
少なくとも、サッカーは優先ではない。

あと、中国の場合は国民性なのか、小さな子供が柵の隙間に頭が挟まって出れなくなる、というオモシロ映像がよく報道されてるよね。
おそらく、ああいう形で隙間に入るほど体が小さな人材は社会から淘汰されていくシステムなんだろう。
あそこは10億以上人口がいるんだから、今でも10万人ぐらい頭が挟まって出れないままの人材がいるに違いない。
一方、日本人はあまり柵に頭を挟まない。
だから必然として、小柄な人材がサッカー界にも多く供給されてしまうんだよ。
この差は、大きいと思う。

というのは冗談にしても、人口10億超の中国が肉体資源に恵まれた国なのは間違いないこと。
フェリペも素材に事欠かないと思うよ。
あれだけパワーある人材かいれば、まず守備がやりやすいだろう。
ガンバはあの筋肉の壁を破る為、本来なら左右に揺さぶりをかけて隙間を作りたかったんだ。
だけどフェリペは、敢えてブロックを揺らさなかった。
ヘタに動かず、センターを締めた。
素材として、それだけセンターで跳ね返す自信があったんだろう。

正直、あれをやられるとガンバは一番苦しいよね。
特に後半、チャンスらしいチャンスすら作らせてもらえなかった。
次戦はホームだけど、おそらく今回同様に大量得点はかなり厳しいかと。
あのアウェーゴール1のお陰で次が1ー0ならウチの勝ち抜けは決定となるが、でも逆に1失点でもすると、今度は2点差以上の勝利がウチの勝ち抜け条件となる。
つまり、広州相手に3点以上とらなくちゃならんのか?
それ、ぶっちゃけ無理だろ。

…じゃ、1ー0で勝つしかない。
「広州相手に零封は無理!」と言ったところで、私は広州相手に3点以上とる方がもっと無理だと思うけどね。
幸い、昨日の試合を見て改めて東口は良いGKだと感じたよ。
あと、次は丹羽が戻るんでしょ?
だから、そんなにも絶望することないって。
よく考えたら、昨日の試合で広州は30本近くシュート打って僅かに2ゴールだよ(笑)?
全然決定力ないじゃん(笑)?
というポジティブな解釈を敢えてしておこう。
2015/10/1(木)19:35

☆関西人
正念場
今夜はACL、広州恒大vsガンバ戦。
近年のACLは【東>西】の傾向が強いので、この東エリア準決勝が事実上の決勝戦と考えてもイイだろう。
ガンバにとって、正念場だ。
今夜は死ぬ気で頑張ってほしい。

で、私の予想はどうかというと、おそらく1ー3ぐらいでガンバの負けじゃないだろうか?
…おいおい、非国民かよ?と思われるだろうが、でもぶっちゃけ、広州の方が強いのは動かしようのない事実だろ?
だってあそこはパウリーニョやらロビーニョからセレソン級の助っ人がいて、監督はあのフェリペで、おまけに「得失点差1につきボーナス9600万円」という報道もある。
一対誰だよ?中国経済は破綻しつつあるとか言ってた経済学者は…。
少なくともサッカー界は、相変わらずバブルじゃん。

そういや、何日か前に広州のDF(名前は忘れた)がレアルに行くという報道もあった。
そのDFが今夜出場するのか知らんが、でもレアルに目をつけられるぐらいなんだから相当な守備力なんだろう。
つまり広州は、攻撃も強くて守備も強い。
つけ加えて監督があの人だから、戦術もレベル高いはず。
全く隙がないじゃん?
ましてや舞台はアウェーだし、これでガンバに勝てというのは少し酷に思える。

そしてこの肝心な試合に、長谷川健太監督は前戦の不始末で今夜はベンチ入りできない。
入場パスすら貰えなかったらしいから、一般客と同様にチケットを買ってスタンド観戦になる様子。
大丈夫かいな。
中国人がチケット売ってくれないという可能性はないのか?
まぁ何にせよ、もはや健太はアテにできない。
実質、ヤットが選手兼監督ということになると思う。
思えば前戦も似たようなもんだったけどね。
あの奇跡の勝利の翌日、スポーツ紙には「采配ズバリ!」と見出しがついてたが、それは健太監督の采配でなく、遠藤がベンチを無視して最後に独断でやった采配のことを指してたワケね。
確か、あの時はSBを一枚上げて3バックに変更したと記憶する。
そんな大胆なシステム変更、監督の指示抜きでやっちゃうガンバの自由な風土が逆に凄いな〜、と思って。
そんなムチャなことして健太が怒るのかと思いきや、怒るどころか点が入って大ハシャギして退場になる始末…(笑)。
つくづく、ガンバって面白いチームだ。

いや、仮にガンバが広州に優ってる点があるとするなら、まさにポイントはそこでしょ。
おそらく、ガンバの方が広州より選手の主導権がある。
何たって広州の指揮官はフェリペだし、主導権はあくまでベンチだと思うんだよね。
だけどガンバは、指揮官がピッチ内にいる。
戦術眼でいうと、フェリペにも劣らないほどの指揮官さ。
そういや、以前にクラブW杯でマンUと対戦した時、あのファーガソンが遠藤の戦術眼に脱帽してたよね。
もちろんフェリペもアホじゃないから、まず遠藤を徹底して潰しにくるだろう。
それでも潰せないようなら、あるいはひょっとしてひょっとするかも…。

ただ心配なのは、やはり中国アウェーの洗礼である。
仮にハーフタイム、ロッカールームのシャワーからお湯が出なかったらどうなるだろう?
間違いなく、遠藤は後半崩れるはず。
今夜仕事をしない健太は、せめて簡易シャワーを自腹で購入するなどしてチームに貢献すべきだろう。
今の彼にできることは、多分それぐらいしかないはずだよ。
2015/9/30(水)18:01

☆関西人
立身出世
今回亡くなった、川島なお美さんについて。

この人のことを初めて知ったのは、「お笑いマンガ道場」だったと思う。
ず〜っと私の中ではそのイメージしかなかったんだが、ある時期から突然ヘアヌード写真集出したりして、セクシー路線に大きく舵を切り始めた。
で、アラフォーになってからの遅咲きブレイク。
決定打は、なんといってもテレビドラマ「失楽園」の主演だろう。

この人、「失楽園」原作者である渡辺淳一の愛人だったのは有名な話。
川島さん自ら渡辺先生にアプローチしていったらしい。
当時渡辺淳一といえば文壇トップの大文豪なワケで、彼の小説は大体が彼自身の実体験を基にした愛人ネタである。
たくさん映画化されてて、そのキャストについては渡辺先生自身に決定権があったとも聞く。
よって、昔からこの人に対する枕営業は数多くあったらしい。

いやね、私は川島さんみたいな成り上がり方ってありだと思うよ。
聞けば、彼女の枕営業って事務所は止めたらしいじゃん?
全ては本人の判断でやったことだ。
よくありがちな、若いアイドルが事務所の指示で泣く泣く権力者のジジイに抱かれる、みたいなノリとは全く違う。
キャリアある中堅女優が、自らの判断で立身出世のコネを掴みにいったワケじゃん?
そこまで野心ある女優、むしろ私はリスペクトするけどね。
渡辺作品だと、ヒロインはオヤジとの愛人関係を踏み台にして、したたかに次のステップへと進んでいくパターンが結構多い。
まさに川島さんって、その小説を地でいった人生。
そして昨年に渡辺先生は亡くなったんだが、奇しくもその翌年に川島さんも亡くなるって、ホント小説みたいな話さ。

つくづく女って、逞しいよなぁ。
こういうのは男の方がよっぽどナイーブというか、たとえ同じ立場に立たされたとしても、枕営業ってなかなかできるもんじゃないよ。
出世の為に、ジジイと一晩すごせる?
…ムリムリ(笑)。
別に肉体関係とかヌキにしても、もともとコネで出世というの自体がちょっとアレだわ。

でもさ、「実力さえあれば必ず出世できる」のが世の常かといえば、決してそんなことないのもまた事実。
たとえば、ハリル代表を見て「最も実力ある23人」になってるかというと、決してそうじゃないでしょ?
別にハリルに限らず、これはアギーレだってザックだって岡田さんだって同じことなんだが、その選手選抜には必ず何らか監督個人の主観が入ってるもんさ。

本田あたりは、日本人に珍しく立身出世の野望を隠さないタイプである。
昔から「いずれレアルに、そしてバロンドールに」とか言ってるし。
で、彼は一人で監督の部屋に訪問することが非常に多いらしいよ。
もちろん、それは枕営業という意味じゃない。
監督に直談判し、自分の起用法、自分の評価などをしつこく問いただしてるらしい。
そういうことをいちいちする選手は、少ないと思う。
だって少し「あざとい」というか、何となく監督へのアピールがミエミエでちょっと気が引けるもんだよ。
しかし、本田は躊躇なくこういうのをできる選手なんだな。
タイプ的には川島なお美タイプだと思う。
何らかの病気(甲状腺?)を患ってた時も、それを一切公表せずにピッチに立ち続けたメンタルの強さもしかり。

今という時代、野心を全面に出していくことは割と恥ずかしいもんである。
「出る杭は打たれる」というか、仲間内で浮いてしまいかねないし。
それより「コツコツ頑張っていれば、きっと上司はそれを見ていてくれる」というのが我々にありがちなスタンスさ。
…正直、どうなんだろうね?
ホントに上司は、そんなにも「見ていてくれる」ものかな?
2015/9/28(月)14:48

☆関西人
癌A
癌のネタとして、ちょっとだけ個人的な話を書いておきたい。

実をいうと私は、数年前に父を癌で亡くしたんだ。
いつだったか、病院で父の余命宣告を家族全員で聞いた後、衝動で思わず感傷的な「父との思い出ネタ」をこの板に書いた記憶がある。
それからしばらくして、やがて医師の宣告通りに父は息を引き取った。
本人の意思により、抗ガン剤治療はしなかったのよ。
いわゆる尊厳死ってやつだな。

父は、当時よく言ってた。
「癌ほど幸せな死に方はない。余命を宣告されるから、計画的に死ぬ準備ができる」って。
実際、余命宣告を受けてからというもの、しっかり父は死ぬ準備をしていた。
葬儀の前、私は喪主だったから葬儀屋さんと打ち合わせしなきゃと思ったら、その葬儀屋さんは「全部準備できてます」とか言うのよ。
葬儀会場、葬儀で呼ぶ客、葬儀でかける曲、葬儀で私が着る服に至るまで、全部がもう決まっていたんだ。
聞けば、全部父が葬儀屋さんと打ち合わせして決めていてくれたらしい。

もともと気丈な人だったんだと思う。
思えば、余命宣告を受けた時も全く動じなかったし。
末期の癌というと寝たきりの患者を想像されるかもしれんが、私の父の場合は最後までそういうのじゃなかったんだ。
死ぬ数日前にも、私は寿司屋で父と普通に食事をしたのよ。
で、帰りは父が運転する車で駅まで送ってもらった。
別れ際、
「お前と飯食うの、これ最後かもしれんな」
「はぁ(笑)?」
というのが、今思えば最後の会話である。
結局、その翌々日彼は突然昏睡状態になり、その後すぐに死んだからね。

潔い、見事な逝き方だったと思う。
医師いわく「ずっと激痛はあったはず」らしいが、誰一人として苦しむ父の姿を見ていない。
精一杯、我慢してたんだと思うよ。
私の父は、カッコ悪いところ絶対人に見せたくない性格なのね。彼なりのダンディズムがあった。
たとえば、彼は歯が悪く入れ歯を使用していたんだが、その事実が発覚したのすら、実は死後のことである。
母が遺体の口元を触ってて、初めて入れ歯だということに気付いた。
つーか、長年連れ添った女房が気付いてなかってどういうことよ(笑)?

ある意味、幸福な余命だったと思う。
昔は患者の余命を家族だけが知らされて、本人は知らないというパターンをよくドラマなんかで見た。
でも今は、そういうのじゃない感じ。
ちゃんと事前のアンケートがあり、告知するかしないか、また告知するにしてもどういうパターンを望むかを選択することができる。
実にコンビニエンス。
癌との接し方も、もちろん選ぶことができる。
とにかくギリギリまで闘う人は多いだろう。
でも私の父のように、敢えて闘わないという選択もある。

私は、そういう父の息子である。
私は父に似ている。
この妙に理屈っぽい性格も、明らかに父親譲りである(笑)。
だから冒頭の父のセリフ、「癌ほど幸せな死に方はない」にも同意することができた。
敢えて抗わず、死を受け入れた父。
これはネガティブな選択じゃなく、むしろポジティブな意味の選択だったと思うよ。
父は、ちゃんと自分の死を自分の意思でコントロールしたかったんだ。
死をコントロールすることは、裏返して生をコントロールすることと全く同義だからね。

今となっては、死の直前の父とザック代表の試合をテレビ観戦してたのを思い出すよ。
さほどサッカーに詳しくない人だったと思うが(野球派だし)、晩年は私の趣味に合わせて少しサッカーの勉強もしてくれてたようだ。
それっぽい専門用語を交えて、それなりにチームの戦術を批評してたっけ(笑)。
どうってことないコミュニケーションだったが、今となっては、それが実は濃密な時間だったということに気づく。
父は最期にこういう時間を過ごす為にこそ、敢えて癌と闘うことを放棄したのかもしれないね。
2015/9/27(日)0:49

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