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過去ログ632 2020/6/7 8:40

☆関西人
無観客試合
欧州では少しずつリーグの再開があるようだが、Jリーグ再開にはまだあと一ヶ月ほどかかる。
待ち遠しいね。
しかし再開したとして、しばらくは無観客試合だろう。
そこは寂しい。

無観客ということについて、今回は「観測者効果」について少し書いておきたい。
観測者効果、読んで字のごとく「見てる人がいることの効果」だが、それは「応援してる人がいると力がもらえる」というような精神論の話ではなく、今回書こうとしてるのは量子物理学で使われる用語としての観測者効果である。

このての理論に詳しい人ならご存じだと思うが、有名な二重スリット実験ってやつ。
観測者を置くか置かないかで、実験結果が変化するという奇妙な現象が起きている。
観測者を置くと光子は粒子となり、観測者を置かないと光子は波状となる、という摩訶不思議な実験結果。
理論上、ワケ分かんないんだよね。
この実験から導かれた、観測理論。
「観測された時に初めて世界は確定される。それまでは確定せず、世界は揺らいでいる」という説は皆さんも一度は聞いたことがあるだろう。

ある科学者は言う。
世界は、我々が観測した時に初めて存在するんだと。
そして、観測するまでは実在していない、と。
夜空に浮かぶ月は観測した時に存在するが、観測してない瞬間には実在すらしていない、と。
観測した瞬間に量子は確定し、そこに出現する。
これ、何だか厨二な発想だと思うかもしれんが、割と量子物理の世界観ではマトモな考え方なんだよね。
コペンハーゲン解釈ってやつだ。

いや、当然のことながら、サッカーの無観客試合と量子物理には何の関係もないんだが、でも観測ってのは必ずや量子干渉があるワケよ。
観測が世界を確定し、観測がなければ世界は確定しない。
そういう量子干渉を想定した時、スタジアムに数万の観測者がいるのといないのとでは、やっぱり何らかの差が出るんじゃないか?
「たくさんの観客の前では緊張する」などとは別次元の話として、そこに干渉が生じないワケがないと私は思うんだよね。
もちろん、スタジアムでの観測だけでなく、テレビでの観測も十分に観測ではある。
しかし二重スリット実験では装置の傍に観測器を設置した時だけ、なぜか量子の構成に変化が起きている。
傍で観測すること。
テレビでなく、スタジアムで観戦すること。
これには、量子に変化を与える何らかの力があるんじゃないかと私は思う。

つまり、言いたいのはこういうことだ。
無観客試合と観客がいる試合とでは、必ずや結果に差が出るということ。
勝てる試合に負けることが生じ、また負ける試合に勝てることも生じる。
単に私の妄想だけどね、無観客試合が増える今季リーグは、おそらくメッチャクチャ荒れますよ。
トンデモない奇跡が起きるかもしれない。
2020/6/7(日)8:40

☆関西人
セカイ系
サブカルチャーが市民権を得たのは、90年代からじゃないかな。
社会現象としてのエヴァンゲリオンが大きかったと思う。
それまでのガンダムみたいなロボット物とは一線を画す世界観がそこにはあり、「セカイ系」なるカルチャーが一気に盛り上がったワケだ。

昨年、日本の映画興行収入ランキング1位は「天気の子」だったらしい。
全世界的には「アベンジャーズ/エンドゲーム」がダントツだったというのに、日本では新海誠の新作がダントツである。
「天気の子」は、「君の名は」に似た感じのセカイ系作品だった。
この作品の中で、「君の名は」の瀧や三葉がストーリーに絡んできたのは胸アツだったよね。
また、昨年のアニメ映画には他にも「HELLO WORLD」や「海獣の子供」など秀作があり、そのいずれもがいわゆるセカイ系である。
こうして考えると、日本人ほどセカイ系が好きな民族はいないかもしれないね。

セカイ系とは何か?
90年代のエヴァンゲリオン、10年代の新海誠作品などがその代表例だろうが、私として一番好きなのは00年代の「涼宮ハルヒ」シリーズである。
これが、サブカルの全てを集約した完成形の極みじゃないだろうか。

・巻き込まれ体質の男子(主人公キョン)
・アスカ的な性格のヒロイン(ハルヒ)
・綾波レイ的な性格の準ヒロイン(ユキ)
・ロリ巨乳、ドジっ娘、萌えキャラの美少女(みくる)
・執事的キャラの美形男子(古泉)

このサブカルにおける必須のアイコン5大キャラクターを押さえ、この5人の高校生がSOS団という同好会を結成して青春を謳歌する物語である。
ラブコメっぽいが恋愛要素は比較的薄く、基本はSFであるところが面白い。
SFファンなら馴染みのある「シミュレーテッドリアリティ説」がベースになっており、分かりやすく言うと「今、我々がいる世界は誰かが見ている夢のようなモノ」という設定なのね。
これはフィクションの世界のみならず、現実世界の物理学者も唱えてる真面目な学説でもあるんだけど。
「マトリックス」や「インセプション」の世界観か。
で、今ある現実世界の実体は涼宮ハルヒというひとりの女子高生が見ている夢のようなモノ。
つまり、ハルヒが世界の創造主。
もしハルヒ自身がそれに気づけば、世界は崩壊する可能性すらある。
それを秘密裏に防ぐべく、それぞれ異なる3つの組織が学園に諜報員を潜入させており、ユキ、みくる、古泉の正体がそれである。
というややこしい設定なんだよね。

少し前に観た「HELLO WORLD」もこれに近い世界観で、主人公はある日、この世界は創られたプログラムなんだと気づく。
「マトリックス」のネオみたいなもんだわな。
で、主人公は超能力を使えるようになる。
あまりにも荒唐無稽な話だと思うかもしれんが、前述の通り、この世界は誰かに創られたプログラムだということを認める高名な学者たちも実際いるワケよ。
人為的に創られていなければ、地球上に生命が生まれ、その生命が進化して文明を持つにまで至る偶然の連鎖なんぞ、自然の成り行きでは絶対あり得ない、と。
絶対誰かがコントロールしてるじゃん、と。

もし、ホントに世界が誰かに創られた(神に?)プログラムだとしたら…。
涼宮ハルヒは世界プログラムの創造主ゆえ、「こうなってほしい」というイメージがそのまま現実世界で具現化する(本人はそのことに気づいてないが)。
こういうハルヒみたいなのはさすがに極端としても、私はこういう世界改変が現実に100%ないとは言い切れないと思うんだよね。
「疑うことなく信じれば叶う」みたいな奇跡は世の中にあると思うし、それって立派に世界改変でしょ。
ちなみに「天気の子」は、天候を操る世界改変能力の物語だった。
セカイ系…。

仮に個人の精神が世界プログラムに干渉するとして、サッカーの世界でも当然あることだと思う。
誰よりも強く勝つと信じた奴が、やっぱり勝つ。
2011年ワールドカップのなでしこ優勝なんて、全くもってあり得ない奇跡の連鎖だったでしょ。
あれは世界改変、澤さんのセカイへの干渉だったんじゃないかと思える。
鹿島アントラーズがJクラブでダントツの20冠を成し遂げてるのも、あれってチーム内に誰かセカイへの干渉者が潜んでるんじゃないか?
そして日本代表にしても、98年以降ずっとワールドカップ出場権を得て、出場6回のうちの半分、ベスト16を3回成し遂げている。
絶対に誰か、セカイ系の人物が日本にもいるよね…。
2020/6/1(月)11:12

☆関西人
サブカル
なぜ、日本はアニメ大国となったのか?
それは当然20世紀に手塚治虫という巨人がいたことが大きいだろうが、それだけでもあるまい。
もともと、日本はサブカルチャーの国だったんじゃないだろうか。

それは、メインのカルチャーに対するサブの興隆というのが江戸時代にも既にあって、たとえば短歌や俳句に対する川柳や狂歌とか、絵画においては浮世絵、特に春画なんてエロ文化は明らかにサブカルだろう。
文学においても十返舎一九などの滑稽本の興隆があり、落語が生まれ、また滝沢馬琴の「里見八犬伝」のような伝奇物が一世を風靡した。
こういうのを見てると、日本は江戸時代からして大衆文化にかなりサブカルの匂いがするのよ。
だから戦後に漫画が興隆したのは不思議でも何でもないことで、アニメが興隆したのも不思議でも何でもないことさ。

江戸時代の芸能人といえば、歌舞伎役者だったらしい。
このへんは分かるとして、なぜか女性はそこに入ることができず、わざわざ男が女形を演じるドラァグクイーン文化があったことが現代にも近くて面白いね。
じゃ、女性芸能人はいなかったのかというと、これに該当するのは芸者、花魁だったらしい。
「JIN-仁-」でいうのところの野風さん(中谷美紀)か。
野風さんは吉原のナンバーワンとはいえ、今でいうと風俗嬢である。
風俗嬢が芸能人扱いっておかしな話と思うかもしれんが、でもよく考えたら、今だって人気AV女優がスーパースター扱いだもんな。
案外、今と変わらんのかもしれん。

江戸時代のスポーツといえば、やはり相撲が中心かな。
蹴鞠も町人たちの間で流行ったらしい。
昔は蹴鞠といえば貴族の遊戯だったのに、江戸時代になると町人たちがやってたというのが興味深い。
もう、その頃には古代貴族の優雅なニュアンスでなく、いかに難しい技を成功させるかという曲芸みたいなニュアンスになってたみたい。
曲鞠と呼ばれたそうだ。
今でいうリフティングか。
球をゴールに叩き込む球技ではなく、球を延々と蹴り続ける曲芸という形で発展したあたりが、いかにも日本っぽいよな。
今なお日本サッカーの核になってるのは、この曲鞠、オープンスキルのシュートではなく、クローズドスキルのリフティングかもしれないね。

欧州におけるフットボールの起源は古代ローマ帝国の軍事トレーニングだったらしいが、それは戦争シミュレーションゆえ、フィニッシュ、敵の大将のクビをとることが何にもまして優先される。
でも曲鞠には敵の大将など存在せず、もっと平和な遊戯、大道芸である。
江戸時代には見世物として曲芸がかなり水準高かったらしく、幕末には海外公演に出る一座もあったらしい。
そういうDNAが、今の日本サッカーにも受け継がれてると思う。

いまどきのサッカーは曲芸をやれば「軽いプレーをするな」と怒られるもんだが、日本サッカーの本質は曲鞠、おそらく軽いものだと思うよ。
一種のサブカルである。
2020/5/14(木)12:04

☆関西人
実写化
日本はアニメ映画が強い文化土壌だけど、映画クリエイターにしてみるとアニメは表現媒体として最強だと思うんだよね。
なぜって、映画にはまず絵コンテがあるでしょ。
実写だと、その絵コンテに合うロケーションを探し、絵コンテに合う役者を探す作業をしなくてはならない。
だけどそれって、なかなかイメージに合うのを探すのは大変だと思うのよ。
だって、2次元⇒3次元という次元をひとつ上げる作業だから。
その点でいうと、アニメは2次元⇒2次元。
絵コンテをそのまま絵で表現できるんだから、割とクリエイターのイメージを忠実に再現できると思うんだ。
役者にしても、その容姿は絵で表現し、声は声だけの声優をチョイスできるんだから、これもイメージに極めて近い形で表現できると思う。

実際、「進撃の巨人」実写版の立体機動はクソだったけど、アニメ版の立体機動はスパイダーマンを超えるクオリティだったでしょ。
やっぱ、アニメは最強なのよ。
宮崎駿にせよ、押井守にせよ、庵野秀明にせよ、新海誠にせよ、彼らがアニメで表現してきたものを実写で表現できるかというと、それはやはり無理じゃない?
現実として、日本のクリエイターはかなりアニメに流れてると思うんだ。
日本も、かつては黒澤明や小津安二郎がいて世界屈指の映画王国だったんだが、それはアニメがまだ無かった時代の話である。
特に80年代以降、明らかに実写⤵アニメ⤴という流れが確定してしまった。
気がつけば日本は世界No1のアニメ王国となり、しかしその代償として、実写映画では隣国の韓国にもかなりの差をつけられてしまっている…。

ところで最近、私は韓国映画で「EXITイグジット」というのを観たんだ。
これは韓国で昨年大ヒットした作品なんだが、内容は超シンプルで、街に毒ガスが撒かれました、さぁどうする?というだけのストーリーである。
毒ガスを撒いた悪と戦う等のサスペンスは一切なしで、ただひたすら主人公はガスから逃げる、走る、隣のビルに跳ぶ、高層ビルをよじ登る、それだけである。
だけど、役者はかなり危険なクライミングにもチャレンジしていて、これがまた手に汗を握るのよ。
もうね、役者の頑張りがハンパないわ。

なんていうかさ、日本サッカーがなかなか韓国に勝ちきれない意味が、このへんに通じると思うんだよね。
今の日本サッカーに足りないのは、実写化するパワーなんじゃないかな、と。
日本サッカーはややアニメ的というか、2次元的というか。
絵コンテを忠実に再現しようとするあまり、綺麗にまとめちゃう癖があるというか、ある意味で声優的なのかもしれないね。
もうちょっと、実写感を出した方がイイのかも。
たとえば「EXITイグジット」なんて、アニメ化をしても全然面白くないと思うんだよ。
あれは人間が生でやるからこそ、手に汗を握るワケで。
というか、アニメ表現のヘタクソな韓国は、肉体を資本にした実写しかできないんだろうけどさ。
逆に、日本の声優レベルは世界屈指なんだろうけど、その代償として俳優のレベルにはリミットを作ってるかもね。

思えば、今の日本サッカーの興隆は「キャプテン翼」という2次元からのスタートだったもんな。
日本サッカーの原点は、やはり一種の絵コンテなんだと思う。
2020/5/13(水)10:41

☆関西人
クレヨンしんちゃん
今月、Abemaで「映画クレヨンしんちゃん祭り」をやってて、名作「オトナ帝国」をはじめとする映画シリーズが幾つか無料配信されている。
そうそう、先月に野原ひろし役の声優、藤原啓治さんが癌で亡くなったんだよね。
藤原さんは「アベンジャーズ」シリーズの主役トニースタークの声優でもあり、昨年にスタークが「エンドゲーム」で亡くなり、それを追うようにして藤原さんが亡くなったのは何やら感慨深いものがある…。
ご冥福をお祈りいたします。

それにしても「クレヨンしんちゃん」の映画、どれも面白いよね。
国民的アニメとしては、これ以外にも「サザエさん」「ドラえもん」「ちびまる子ちゃん」「名探偵コナン」など色々あるけど、映画シリーズとしては「クレヨンしんちゃん」が頭ひとつ抜けていると思う。
これの何が凄いって、野原一家の団結力がハンパないんですよ。
サザエさん一家あたりと比べても、一家の団結力では野原一家の方に軍配が上がるだろう。

この野原一家は悪の組織と戦って地球の危機を救ったことが数知れず、そういう意味ではアベンジャーズとも少しカブるんだが、しかしアベンジャーズはもともとスーパーヒーローの集まりであるのに対し、野原一家は凡人たちの集まりである。
ひろしはただのサラリーマンだし、みさえはただの主婦だし、しんちゃんはただの5歳児だし、ひまわりはただの0歳児だし、シロはただの雑種犬だ。
誰ひとりとしてスーパーヒーローじゃないのに、それでもこの一家が鉄の結束で悪を蹴散らしていくところにカタルシスがあるんですよ。
野原一家、まさに理想の家族である。
ひろしは現代における理想の父像であり、みさえもまた理想の母像でないだろうか。
あと、ひまわりがやたらカワイイ。

でも、テレビの「クレヨンしんちゃん」は視聴率が2%台にまで落ち込んでいるという話もある。
地上波テレビ離れの今の傾向からしてやむを得ないと思うが、でも映画の方はちゃんと安定した興行成績を記録している。
これ、「しんちゃん」の映画は面白いという認識がもう完全に浸透してて、新作が出たら家族みんなで見にいくというルーティーンが出来てると思うんだよね。
普通、親の立場からすると子供向けの映画に同伴するのは面倒なことなんだろうけど、「しんちゃん」はどちらかというと大人が楽しめるテイストが強いじゃん?
特に「オトナ帝国」なんて、ああいう昭和ノスタルジーは逆に子供が理解できない世界観で、むしろ大人しか楽しめない作風でしょ。
大人ほど泣くよね。
ああいうのを一度やられると、その後は大人が積極的に子供を引っ張って「しんちゃん」の映画に行く、という循環ができたと思うんだ。
うまいマーケティングだと思うよ。
子供はひとりで映画館に行けないんだから、子供向け映画は親のハートを押さえるのが先決である。
家族サービスとして、映画に行くってのはディズニーランド行くよりかなり安上がりなんだし、きっと今後も「しんちゃん」の映画は安定して興行収入を得ていくんだろうよ。

それにしても日本の映画市場はちょっと特殊で、昨年の映画興行収入TOP5のうち、4つがアニメなんですよ。
世界的には「アベンジャーズ」や「スターウォーズ」がどの国でも必ずTOP5に入ってるのに、日本ではそのふたつともがTOP5に入ってないんだ。
どんだけアニメ強いねん…。
いや、だからそういうことなのよ。
アニメ映画は子供に両親が同伴する構図、つまり単位が個人でなく家族ゆえ、単価を稼げるってことでしょ。
ファミリー向けコンテンツって、やっぱり強いんですよ。

もちろん、Jリーグもそのてのファミリーコンテンツである。
どうしても欧州サッカーになると個人向けコンテンツになるだろうが、しかしJリーグは単価稼ぐ意味でも家族をターゲットの単位にすべきであり、家族で楽しめる内容にすべきじゃない?
たとえスーパーヒーローがそこにいなくとも、凡人たちが鉄の結束で悪を蹴散らす野原一家みたいな活躍をそこで表現できれば、きっとJリーグも「しんちゃん」並みに安泰なんですよ。
Jリーグにはトニースターク並みのヒーローはいないにせよ、野原ひろし並みのヒーローは確実にいるよね。
2020/5/13(水)9:07

☆関西人
エクストラキッカー
時代により戦術は常に変化し、ファンタジスタを使いにくくなってるのは間違いないと思う。
たとえば、中村俊輔。
もし全盛期の彼が今いれば、使うか否か。
使うんじゃないだろうか。
だって、一番うまい選手だから。

ただ、どこで使うかが難しい。
トップ下?ウィング?インサイドハーフ?
どこで使うにも、硬度とスピードが足りない。
でも、イイじゃないか。
そういう俊輔がそこにいる、という前提で周囲を固めればイイんだから。
水を運ぶ人、である。
オシムも言ってたが、エクストラキッカーはふたりまで。
これ、裏を返して言えば、ふたりぐらいまでなら多少の弱みもチームの中で消化できるということだと思う。

今の代表の中で、そういうエクストラキッカーの扱いをされてるのは中島かな?
守備意識が低い、と。
でも、リオ五輪を見てた人なら分かると思うけど、中島って決して走らない選手じゃないんだよね。
ならば、なぜ中島が守備の穴とされてるのか。
それは、マンツーマン守備の意識だろう。
彼は代表でウィングをやってるワケで、そこでは敵サイドバックのマンマークをしなければならない。
ゾーンではなく、マンツーマンだ。
中島って、体小さいからマンツーマンはヘタクソっぽい…。

だけど、そこに目を瞑っても余りあるほど彼のドリブルのキレは凄いワケで、こういうエクストラキッカーを使うか否かでチームの個性が設定されると思うのよ。
教則本から、いかに崩すかがポイントである。

一番分かりやすい例は、トルシエジャパンだったよね。
俊輔、本山、小野、そういうのを左ウィングバックに使うという完全な教則本破りをトルシエはした。
でも、あれはあれで何とか形になってたと思う。
それは、「左ウィングバックの守備は期待できない」とメンバーの皆が最初から理解してたからだ。
トルシエは、左センターバックに中田浩、服部などボランチ系の選手を必ず使ってたし。
座頭市は目が見えないという障害があるんだけど、それを補ってか、聴覚は凄いんですよ。
で、強い。
こうして、座頭市的に戦うやり方もあるということさ。
というより、目の見える座頭市の戦いなんて面白いと思うか?

フィールドプレーヤー10人が全て攻撃値50ポイント、守備値50ポイントという攻守バランスがあったとして、するとチームトータルでは攻撃500、守備500となる。
しかし、その中にひとりだけ攻撃80、守備20の選手がチームに入ってたとしても、代わりに攻撃20、守備80の選手を入れれば一応ツジツマは合うんじゃない?

私はエクストラキッカー大歓迎だし、水を運ぶ人も大歓迎である。
2020/5/12(火)11:31

☆関西人
361⇔433
いまどきはハイプレス戦術が普及してきて、センターバックから前にクサビを入れることすら簡単ではなくなってきている。
昔より、遥かにビルドアップで苦労する時代だ。
だからこそ、サイドバックがインサイドに入ってくる「偽サイドバック」なるものが出てきたりしてるんだろう。
最近3バックがまた増えてきてるのも、これは最終ラインからのビルドアップをしやすくする目的からきてるのは間違いないね。

森保ジャパンが基本型を361としてるのも、まさにそれ、ビルドアップの為である。

【東京五輪代表】

・・・・小川
・・久保・・堂安
遠藤渓・・・・・相馬
・・中山・・田中碧
・板倉・冨安・渡辺
・・・・大迫

ビルドアップの時、板倉、冨安、渡辺の3人がワイドに開く。
やはり、3バックの方が4バックより後ろからの繋ぎは絶対やりやすいんだ。
パスコースを確保しやすいから。

で、クサビがうまく入ったら、そこからは可変ですよ。

遠藤渓・小川・・相馬
・・久保・・堂安
板倉・-田中碧-・渡辺
・・中山・・冨安
・・・・大迫

433ね。
結局、これが一番トライアングルの数を多く作れるのでパスを回しやすい。
大事なのは、後ろを4バックにすることでSBを設定し、そのSBの押し上げからWBの遠藤渓と相馬をWG機能にすることである。
これ、攻撃の意味もあるけど、もうひとつ大事なのは遠藤と相馬を敵SBとマッチアップさせること。
ここはデュエル。
裏を返せば、そこにポジショニングすることで敵のビルドアップ封じにもなるんだよね。
一応、433への可変は攻撃シフトということになってるけど、それだけじゃなく、ハイプレスへのシフトという解釈もできるんじゃないかな。

A代表の方でもシミュレーションしておこうか。

(361)
・・・・大迫
・・鎌田・・南野
原口・・・・・・伊東
・・柴崎・遠藤航
・畠中・吉田・三浦
・・・・権田

(433)
原口・・大迫・・伊東
・・鎌田・・南野
畠中・・柴崎・・三浦
・・吉田・遠藤航
・・・・権田

森保さんの可変は、守備時541になると言われてるけど、それはウチのWGが敵SBにマンツーマンDFをしてるからこその顛末で、もし敵SBがオーバーラップしないなら無理して5バックにしなくてもイイと思うよ。
メインは、361⇔433の使い分けでイイんじゃないかな。

理論上、森保戦術は結構完璧なシステムだと思うよ。
森保戦術というよりペトロビッチ戦術なんだけど、ペトロって、なかなか凄い戦術家だよね。
システムは良いんだけど、問題はそれをうまく使いこなせるかなんだけど…。
2020/5/11(月)1:07

☆関西人
現代守備
基本、守備ブロックは中盤の4枚+最終ラインの4枚で作る方陣である。
たとえば、基本陣形が4231なら、

・・・H
J・・I・・F
・・G・C
B・E・D・A
・・・@

[守備ブロック]

・・・H
・・・I
J―G―C―F
B―E―DーA
・・・@

こうやって8点を繋いだ網の目を作る。
網の目に入ってないフィールドプレーヤーは、HとIである。
このHとIが、ひとつポイントだと思うんだよね。
方陣の要員じゃないからこそ、HかIのどちらかにファンタジスタを使えるんだ。
たとえば、ロベルトバッジオ。
たとえば、柿谷、宇佐美など。

とかノンキなこと言ってられたのは、少し前の話。
今は、HにもIにも一定の守備力が求められる時代だからなぁ…。

いや、今は前線でHとIの2枚が敵DFに寄せる守り方では足りないと思うんだよ。
そのへんを、ちょっとシミュレーションしてみようか。

まず、敵のセンターバックが球を保持してる場面を想定してほしい。
そのセンターバックからのパスコースは?

【A】相棒のセンターバック
【B】サイドバック
【C】ボランチ

この3つのいずれでもなくロングボールを蹴るという選択もあるが、それはまた別の話。

まず、H番が動くべき守備は【A】に対してだろう。
H番が相棒センターバックへのパスコースを切りつつ、ボールホルダーのセンターバックに寄せていく。
で、【B】を抑える役割はウィングのF番とJ番。
そして、【C】を抑えるのはI番。
ただし、敵ボランチが2枚の場合は必ず片方が空いてしまう。
ならば、G番がフォアに出るべきだね。
イメージを図解すると、こうなる。

・・・▽・H・▼
▽J・・・・・・・F▽
・・・I・・・G
・・・▽・・・▽

こうやってボールホルダー(▼)からのパスコースを全て切る。
これって、どう考えても433だよね。

J・・・H・・・F
・・I・・・G
B・・・C・・・A
・・E・・・D
・・・・@

なるほど。
スペイン型の433は、敵陣でパスコースを切る戦術に適してるんだな?
「なぜ、いまどきのサッカーはどこも1TOP(3TOP)なの?」と疑問を持つ人もいるだろうが、その答えは割とシンプルで、前線が3枚じゃないと敵のパスコースを切りきれないからだろう。

大体のメカニズムはご理解いただけたと思うが、問題は、こういう守り方をウチもされる側に回ってしまうことの恐ろしさである。
ボールホルダーのセンターバックがふと前を見ると、パスコースが完璧に消されてた、なんてこともあるかもしれない。
そんな時、どうする?
全部マークされてしまったのなら、私はそのボールホルダーが自ら持ち上がるのもありだと思う。
おぉ、それってリベロ、ベッケンバウアーの再来じゃないか。

やはり、時代はループしてるようだ。
2020/5/10(日)16:56

☆関西人
必然の才能
これまで外国人指導者は、日本代表を指揮する際に何とか日本の良さを引き出そうと努力してくれた。
その多くが、中盤を生かす、MFの攻撃の才能を生かすという形じゃなかっただろうか。
トルシエしかり、ジーコしかり。
だけど、そのMFたちの攻撃力を生かそうとすると、裏返して守備が難しくなるという壁にいつもブチ当たってきた。
その中でザックがトライしてくれたアプローチは、セリエ式の本格派ゾーンプレスを導入することだった。
大昔に加茂さんがトライしたマガイモノじゃなく、今度はホンモノのやつね。
これには一定の効果があったと私は思う。

しかし、アギーレを挟んで次はハリルとなり、そのハリルがやったアプローチはザックとはまた違う形だったんだ。
ゾーンプレスというより、ややマンマーク寄りにチームのベクトルを設定したワケね。
彼の連呼する「デュエル」とは一対一のこと、つまりマンツーマンであることをまず理解してほしい。
これはハリルが特殊な指導者だったというより、世界サッカーのトレンドがややそっち側に向かっていたということだと思う。

一番分かりやすくそれが出た形は、ハリル最大の正念場とされた2017年8月のオーストラリア戦。
そこでハリルは、敵DFにマンマークをつけた。
これは、ザックまでのアプローチと全く異なる。
それまでの日本は、「シールド」を中盤+最終ラインのブロックという形で張ってたんだよ。
しかしハリルの張った「シールド」は、そうではなく最前線+2列目だった。
ここ、大きな修正ポイントね。

そう、世界サッカーはどんどん変貌してきてるワケさ。
中盤で勝負するのでなく、そのひとつ前、中盤に球を供給する入り口で勝負を仕掛ける。
そこは、一対一、デュエル、マンツーマンの世界なんだよ。
ある意味、一周回って昔のサッカーの世界観にまで戻ってしまったのかもしれん。
ただし、昔のようにフルコートのマンツーマンではない。
前はマンツーマン、しかし後ろに行くにつれてゾーンとなるグラデーション構造である。

特に、最終ラインの選手に求められる要素は大きく変わったんだ。
トレンドとしてDFにはFWのマークが付けられるもんだから、DFにはそのマークを無力化して球を前に運べるだけの技術力が求められるようになり、もはやDFは守る人じゃなく、司令塔なんだよね。
逆に、守る人は前の選手の方かもしれない。
完全に逆転現象が生じている。
トップ下に司令塔を置いていたのは、もはや懐かしい時代の話だよな…。

そんな中、冨安という傑出したDFが日本に出てきたのは非常に良い流れなんだよ。
老師オシムも、冨安を見て驚いてたらしいね。
あと、中山や板倉もDFながら司令塔の色が強い逸材である。
彼らは、たまたま運良く出てきたのか?
いや、そんな都合の良い話ではないだろう。
彼らはいずれもユースから出てきた才能であり、これは世界サッカーの潮流を知るクラブが、敢えて若者たちに英才教育を施してきたと見るべきじゃないかな。
つまり、彼らは必然として出てきた才能なんだよ。
2020/5/10(日)12:34

☆関西人
アギーレ
アギーレジャパン、今思うとモッタイなかったなぁ。
八百長疑惑の件さえなければ、良い監督だったのに。
なんせ、原さんの大本命だったんだから。
それにヤットも「今までの代表監督の中で、アギーレの練習が一番」と語っていた。
カリキュラムが完璧に計算しつくされていて無駄がなく、練習中の待ち時間が全く無かったらしい。
なるほど。

彼の日本代表監督の成績は、6勝2敗2分けとなっている。
勝率60%、まずまずである。
2敗の対戦相手は、ブラジルとウルグアイ。
そりゃ負けるわ。
あれ?
アジアカップで負けた試合は?と思ったら、あのUAE戦は1-1ドローのPK戦負けだったので、引き分けでカウントされてるみたい。
ということは、アギーレってアジアカップ無敗だったということだね。
無敗だけど、決勝トーナメント初戦で敗退。
運が悪かったな…。

【アギーレ代表最終形】

乾・・・岡崎・・本田
・・香川・・遠藤
・・・-長谷部
長友・森重-吉田・高徳
・・・・川島

うん、なんか凄くバランス良いのよ。
人選と配置が絶妙じゃない?
香川には欧州で慣れたインサイドハーフをやらせ、さらにコンビで実績のある乾と左で組ませている。
また、ザック時代には不動のトップ下だった本田を右サイドに回し、これも彼にとってはミランでの定位置である。
そしてヤット+長谷部のボランチコンビは、ヤットが前、長谷部が後ろと役割を分かりやすく整理した。
さらに、ザック時代にはサイドだった岡崎を真ん中にして、本職のストライカーとして起用。
なんか、フォーメーションが凄く自然体なんだよね。
無理がないわ。

結局、成績の問題ではなく疑惑の方の問題で解任されたんだが、その後、彼はUAEのリーグで監督をやっていた。
裁判は抱えてたんだろうけど、監督業はできたんだね。
ちゃんとタイトルも獲ったらしいよ。
その後はエジプトの代表監督をやったらしいが、僅か1年で解任。
どんだけ成績悪かったのかと思ったら、9勝2敗1分け。
全然成績悪くないじゃん。

結局、アギーレの裁判はどういう判決が下ったかというと、無罪だったそうだ。
と言ってもシロというより、証拠不十分で立証できなかった、みたいなオチ。
クラブ会長には有罪判決が下ったらしいので、八百長があったのは事実なんだろう。
なんか、モヤモヤする…。
まぁ、どう考えてもあの状況では解任以外の選択肢はなかっただろう。
でも、八百長疑惑もなくアギーレがあのまま継続していたら、かなり強い日本代表になったのでは?と考えることがある。

アギーレの作った代表には、前任ザックに対するリスペクトが感じられる。
ただ、長く続いて硬直化してた4231を433に修正し、より一層適材適所にしたのがアギーレ代表の本質だったと思う。
一方、ハリルのアプローチはザックの否定から入っていて、これまで続いてきた流れがそこでプツンと途絶えた感じ。
ちょっとモッタイなかったな、と思う。
でさ、今改めて↑のフォーメーションを見ると、ハリルの後を継いだ西野さんがやったことは、敢えて代表をアギーレのコンセプトに戻したような感じがするんだよね。
2020/5/9(土)17:16

☆関西人
433
クライフの代名詞は343だが、彼は晩年、
「もし今監督をやるとするなら、343はしない。433だ」
と語っている。

J・・・H・・・F
・・I・・・G
B・・・C・・・A
・・E・・・D
・・・・@

なぜ、343でなく433なのか。
多分、343ではWGの強い今の時代のサッカーに対応できない、と考えたんじゃないかと。
じゃ、343から433に変えた際、どこの駒を削ったのか。
はい、トップ下ですよ。
343でのトップ下は、Hのサポート役、特にクサビを受ける作業を多くこなすのね。
このトップ下が廃された以上、Hにポストプレーヤーを使わざるを得ないニーズが出てきた。
Hは、トップ下が不在により空いた中盤スペースへ頻繁に下がってくる。
いわゆる「偽9番」だね。

あと、3バックから4バックになった場合、SBにはどういう役割を求めてるのか。
クライフは、SBのオーバーラップに否定的だった。
サイドは前半分をWG、後ろ半分をSBという形で折半すべきという考え方で、SBは無理して前に出なくてイイ、と言ってるのさ。
その代わり、中をケアしろ、と。
特に、ピボーテの両脇スペースだろう。
このシステムでのSBは、ちょっとMF的機能があるかも。
いわゆる「偽サイドバック」だね。

それにしても、↑のフォーメーションはトライアングルが多いよな。
△や▽が10個以上あるんじゃない?
どのトライアングルを使うか、コントロールするのはC、ピボーテね。
彼は、そういう役割だから真ん中から動いちゃダメなのよ。
この中では▽の底点、および△の頂点になる選手が極めて重要だと思う。
あぁ、そう考えるとGとI、ここもかなり大事だね。

日本代表で当てはめてみよう。

中島・・大迫・・久保
・・南野・・堂安
中山・・柴崎・・遠藤
・・吉田・・冨安
・・・・権田

ちょっと脆すぎる?
コンセプトは、左SBを中山、右SBを遠藤航にし、ピボーテ柴崎の両脇スペースをケアするのね。
SBの援護もなしでWGはサイド制圧しなきゃならんから、WGはテクニック無双の中島と久保くんにせざるを得ない。
2列目の南野と堂安は、このふたり運動量あって守備でも効くから。

五輪代表で当てはめてみよう。

安部・・小川・・久保
・・齊藤・・堂安
杉岡・・田中・・橋岡
・・中山・・冨安
・・・・大迫

田中碧にピボーテが務まるかは分からんが、彼に託してみたい。
齊藤未月のところは、三好、あるいは森島司も捨てがたいね。

何で日本代表で433を書くのかというと、森保ジャパンの可変システムのひとつが433だからだよ。
もしアギーレが長期政権だったら、これももっと早くに日本で定着したんだけどなぁ。
ところで、南野ってリバプールの433ではどのポジションに使われるんだ?
2020/5/9(土)15:29

☆関西人
ボール狩り
戦術の神様・クライフは守備をどう考えていたんだろうか?

実はクライフ、モダンサッカーのプレッシングにあまり好意的ではなかった。
意外な話である。
なぜなら、彼は元祖プレッシングともいうべき「ボール狩り」をオランダ代表でやっていたからだ。
アリゴサッキのゾーンプレスは、そのオランダのボール狩りを体系化した戦術である。

なのに、クライフはあまりプレスを好きではかった。
サッカーから創造力を奪う戦術と見たんだろう。
だから、彼はどちらかというとチームにプレスを仕込むより、敵のプレスを無力化することの方に重きを置いた。
それが、バルサの卓越したボール回しの原点である。
フォーメーション上にトライアングルをたくさん作り、そのトライアングルでショートパスを回し続けた。
343という特殊フォーメーションも、そのトライアングルありきの布陣。

多分、これがクライフにとっての守備なんだよ。
トライアングルでパスを回し続けてる限りはプレスの網にかからないし、球を敵に取られない限りは点を失うこともない。
楽観的な思考ではあるが、こういう考え方をする人はいまだサッカー界に多い。
風間さんとか、そっち系じゃない?

クライフがいたオランダ74には、そういうモダンサッカーの要素がたくさん詰まっている。
ああいうのが70年代で出現したこと自体、よく考えたら凄いことですよ。
それこそ、音楽界にビートルズが出現したようなもんである。
だけど、そのサッカーが世界に普及するまでは案外長い時間がかかった。
だって、アリゴサッキがセリエでゾーンプレスを流行らせたのは80年代後半でしょ?
少なくとも、オランダ74のボール狩りが出てきてからゾーンプレスが流行るまで、10年以上かかってるのよ。
おかしな話である。

じゃ、その失われた10年間、世界はどんなサッカーをしていたのか。
それは、きっとゲルマン系のサッカーだと思う。
基本はマンツーマンDFで、ただしひとりだけマークを免除されたリベロを設定するサッカーじゃないだろうか。
80年代、ブンデスリーガが強かったからね。
「キャプテン翼」でも、若林くんはドイツの設定だったでしょ?

多分、これは74年ワールドカップにおいて、オランダ代表がドイツ代表に敗れたことが影響してると思うんだよね。
これが「トータルフットボール」の普及を阻んだ。
何となく、「トータルフットボールは美しいけど脆い、青臭い理想主義だ」というイメージを持たれたと思う。
それは82年、「黄金のカルテット」擁したブラジル代表がイタリア代表に粉砕されたことと併せて解釈され、理想主義サッカーはダメだね、そういうのは結局勝てないよね、と時代に捉えられたと思うのよ。

そもそも、ドイツ代表はオランダ74をどうやって封じたのか。
それは、完全マンツーマンですよ。
トータルフットボールがポジションをぐるぐると変えてきたとしても、マークしてる選手はず〜っとそれに付いていく。
だから、ドイツはDFが最前線にいくこともあっただろうし、FWが最終ラインに入ることもあっただろう。
逆トータルフットボールさ。
シンプルだけど、有効なトータルフットボール潰しである。

そういう屈辱を経て、クライフが90年代に作り上げたのが、バルサドリームチームさ。
どれだけ潰しに来られようが、必ずそれをかわすという信念に満ちたチームだったと思う。
ピッチをワイドに使い、マーカーを嘲笑うようにしてパスを回していく。
そうやって、バルサは欧州王者にまでなったんだ。

いまだ、プレスvsプレス無力化の戦いは世界サッカーで継続してると思うし、クロップvsグアルディオラなどはそうだろう。
でも、ややこしいのはハイプレスの元祖はクライフのボール狩りであること。
なんか、世界サッカーはループしてる感もあるね。
2020/5/9(土)14:05

☆関西人
タテ軸
現代サッカーは、走ってナンボである。
昔のH番はペナルティエリア付近で球がくるのを突っ立って待ったもんだが、今はH番もハイプレスの先鋒役。
ずっと走り続けなくては…。
いまどきは、走る量が多ければ多いほど良いサッカーという解釈もあるかもしれん。

しかし、本当に走れば走るほど良いサッカーなんだろうか?
あるストライカーは「FWが走りすぎて肝心な時にパワーが残ってなかったらどうするんだ」みたいなことを言っていた。
確かに、それもそうなんだよね。
ストライカーがゴール前を捨ててあちこち動き回るのは、ちょっと違うかもしれない。

あと、MFもそうなんだよ。
「日本のボランチは動きすぎる」と、何人かの外国人指導者が言ってたのを聞いたことがある。
動きすぎるがゆえ、危険なスペースを空けているということだろう。
ラテン系の指導者ほど、頻繁にそれを言っている。

うん、確かに戦術としてセンター軸ってのがあるんだよな。
センター軸の選手は、動きすぎてブレるのは良くないかもね。
J番の選手は動きまくってもイイけど、H番の選手は動きすぎないこと。
ボランチもセグンダは動きまくってイイけど、プリメイロは動きすぎないこと。
そういうのは、あるかもしれないなぁ。

ヨハンクライフの「タテ軸のサッカー」では、H番とC番を繋ぐタテのラインが一番大事、みたいなことを言っていた。

J・・・H・・・F
・・・・I
・・G・・・E
・・・・C
B・・・D・・・A
・・・・@

動くのは、A、B、E、F、G、Jである。
@、D、C、H、Iはあまり動かない。

Dがセンターバック、Cがピボーテ、Iがポスト役、Hがストライカー。
そういう役割でタテ軸が構成されている。

そしてAとBはサイドバック、兼センターバック。
EとGはダイナモ。
FとJはドリブラー。
これが、クライフの設計図である。

この設計図で日本代表を考えてみたい。

原口・・南野・・堂安
・・・・大迫
・井手口・・山口蛍
・・・・柴崎
畠中・・吉田・・冨安
・・・・権田

変かい?
変だよね。
この吉田⇔柴崎⇔大迫⇔南野のタテ軸を中心にし、その援護役を原口、堂安、井手口、山口蛍、畠中、冨安が担うイメージだ。
EとGの運動量、守備力が生命線かもしれないね。
こういうサッカー、イメージできる?
2020/5/9(土)12:18

☆関西人
理想的な交代
試合の中の交代枠は通常なら3枚が前提として、その3枚にしても「モトをとれる」形で交代したいよね。
モトをとるとは変な表現だが、要は、たくさん走って消耗した選手を計画的に交代したい、ということ。
もちろん、負傷者が出たりなどリアクション的に交代しなきゃならんこともあるが、監督の理想は事前計画通りに交代することである。
で、その交代すべき3枚とは、どのポジションなのか。

じゃ、たとえば東京五輪代表で↓のようなスタメンを組むことを想定してみて。

・・・・前田
・・久保・・堂安
杉岡・・・・・・橋岡
・・中山・・田中
・板倉・冨安・渡辺
・・・・大迫

この布陣の場合、最も動くのは杉岡、橋岡の両翼である。
なんせ森保ジャパンは361⇒433⇒541など可変であり、
433になれば

杉岡・・前田・・橋岡
・・久保・・堂安
・・・・田中
板倉・中山-冨安・渡辺
・・・・大迫

541になれば

・・・・・前田
・・久保・・・・堂安
・・・中山・・田中
杉岡-板倉-冨安-渡辺-橋岡
・・・・・大迫

どう見ても、一番移動距離がありそうなのが杉岡、橋岡なんだ。
事実、森保さんはサンフレッチェの時も両サイドの交代が多かった。
これは事前計画通りの、F1でいうタイヤ交換である。

杉岡⇒遠藤渓
橋岡⇒相馬

じゃ、残った交代1枠をどこに使うかということだが、それは前田、堂安、久保くんのいずれかであり、ある程度スタミナの消費具合を見て決めるんじゃないだろうか。
中山、田中碧、冨安、板倉、渡辺はできれば代えない。
可変で守備連携のあるポジションだし、あまり触りたくないんだ。

理想は

前田⇒小川

だろうか。
両翼を遠藤渓、相馬という形で攻撃力を高めたので、サイドからの球の供給のターゲット役が欲しいからね。

え?シャドーの堂安と久保くんは代えなくて大丈夫?という心配もあるだろうが、彼らの分も先発の前田が守備に走りまくってた、と想定して下さい。
敢えて前田を先発させたのは、フォアチェック要員としてである。

遠藤・・小川・・相馬
・・久保・・堂安
・・・・田中
板倉・中山-冨安・渡辺
・・・・大迫

基本、あとはこの形でいくんですよ。
小川、遠藤、相馬というフレッシュな3枚で猛烈にハイプレス。
そして、前田を上回るであろう小川の決定力に期待。
2020/5/9(土)10:59

☆関西人
交代枠拡大
国際サッカー評議会が、1試合につき選手交代枠を最大5に拡大すると発表した。
今年に限っての臨時措置。
なぜそんなことをするのかというと、今年はコロナ禍のせいで1週間に2試合をこなすような過密日程になることが必至の為、そのままにしとくとチームが疲弊するからだろう。
ありがたい配慮じゃないか。

しかし、5人交代は逆に難しさもありそう。
フィールドプレーヤーの半分を入れ替えることになるんだから。
GKとDFラインはイジらないのがセオリーとして、でも中盤より前はほとんど入れ替えるってことでしょ?
5人入れ替えると、全く別のチームになると考えた方がイイ。
それでも戦力を落とさずに、試合をコントロールできるのか?

この交代枠拡大は、後半30分ぐらいに疲弊した選手を交代させるという今までのリアクション的采配ではなく、もう後半開始から計画的に交代させるという采配に変わっていきそうな気がするね。
「今日の試合は後半プレーしない」と事前に分かってる選手もいて、そういう選手は前半45分だけを前提にしたスタミナのペース配分で走りまくる。
前半から、熱い展開になりそうだ。

そう、フィールドプレーヤー10名は、替わる5名と替わらない5名に分けられて、替わる5名は「走る要員」、替わらない5名は「試合を創る要員」になるワケね。
たとえば433なら

◯・・・◯・・・◯
・・◯・・・◯
・・・・◎
◎・◎・・・◎・◎
・・・・◎

361なら

・・・・◯
・・◯・・・◯
◯・・◎・◎・・◯
・◎・・◎・・◎
・・・・◎

◯が交代のある「走る要員」、◎が交代のない「試合を創る要員」になるワケです。
◯は試合開始から常にハイプレスを仕掛け続け、◎は後ろからバランスをとりながらゲームをコントロールする。
そういうチーム、増えるんじゃないだろうか。
大事なのは◎ですよ。
後ろからゲームをコントロールする、6枚の◎の質がチームの浮沈を決めるのは間違いないさ。

結論をいうと、後ろにゲームコントロールの主導権があるチームほど有利ですよ。
そういうチームが、今年はリーグ制覇をするんじゃないだろうか。
2020/5/9(土)9:37

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