−中庭−

北側皇宮『外廷』の中心にある緑豊かな中庭
草花が華やかに育ち、遠方には聖域となる皇帝の愛す樹林の森が覗く
セリシアーシャ
置きレス
そうか?穏やかで優しい子供に育ちそうでいいと思うのだが。…私は…ファルの側にいることがお前の想いに応えられる術だと思っている。勿論、私自身も。だから婚儀にはあまり重きを置く必要もない、と、私個人では思っているのだが……それでは周りが納得しないのも、よく分かっている。
(難色の色を示す彼にそういう不器用なところも良い所だと思っているため、悪くないと不思議そうにして。今後の意向を問われれば少しの間で頭を整理し自らの考えをゆっくりと言葉にして。個人で言うのなら当然彼という一個人と式を挙げたいのだが、彼が皇帝であることを伏したとして今度は己の公爵という立場が弊害となることも分かっていて。あくまでも意向だと暗に伝えて。)
…………、……欲がないのは、私よりもファルだろう。
(何もないと聞けば初めは不満そうに口を開いて見上げたが、現状に満足していると抱きしめてくる腕に俄に力を込められれば幸せに想ってくれているのだから不満など言えなくなり。ふ、と小さく息を吐きだしてそれならそれで良いと思うも、それだけでいいと言う彼のほうが余程に謙虚だと思えて。だいぶ赤みも収まった頰を寄せながらも呟いて。)
ファル・イデア
置きレス
俺?いや……俺に似たら大変だろ…。やる事…やる事か……セリア、お前は式どうしたい?それによっては、お前の立場とか変わるんだが…。
(耳に届いた言葉に視線を戻すと何故か頷いている相手に、それを云ったら無愛想で不器用な己にこそ似ると苦労しそうだからダメだろうと眉を寄せ透かさず否定して。続いた相手の言葉が切っ掛けで思い出したことがあり、婚約したもののそれに関する事を話していなかったと意向を知るため訊ねてみる。己個人なのか皇帝の皇妃なのか、それによって結婚式も立場も変わる大切な話のため相手の瞳を見つめて返答を待ち)
………ないな。何も思い浮かばない…。現状に満足してるんだろ…。
(咳払いと話題を変えた気遣いに感謝しつつ、切り替える為にも問われた事を考えてみるもあっさり無いとの一言。先程の心理から恋人に望む事は好意の強さという意味になるのだが、それでも人付き合いの経験が少ない己には何をどうしたら良いのか分からない。それに恋人が傍にいる現在が幸せで、それ以上のことはないだろうと告げれば抱き締めている腕に少しだけ力を込めて)
セリシアーシャ
置きレス
そうだな、私にも想像はできん。…が、性格は私ではなくファルに似た方がいいかもしれんな。とはいえ子供の前にやる事もある。当分先だろう。
(本当に漠然としているため具体的にと言われるとやはり想像ができず。けれど性格は頑固な己に似るのは良くないかとそれだけは分かる、とでも言いたげにひとり大きく頷いて。しかしそれ以前に現時点でやらねばならないことも少なくはないため、だいぶ先になるだろうとも思っていて。)
………う、む。………それで、ファルはないのか?私にしてほしいことだとか、そういったことは。
(礼を告げられると、何もしていないと思いつつぎこちなく返事をして。お互いが恥ずかしがって微妙な空気が漂ってしまうのを振り切るように一つ咳払いをしてから、口を再び開いて問うたのは己のように甘えたくなったり頼みごとはないのだろうかということで。)
ファル・イデア
置きレス
…そうだな……それは俺も同意見だ。それに、俺に子供とかまだ想像もつかないしな…。
(二人が良いという相手の気持ちは照れ臭いものの嬉しく、己も同じだと頷いて。加えて相手は良い父親になりそうだと云ってはくれたが、己では全然そうは思えないしもう暫く先の話だろう…だがいずれはと思いを馳せるように空を見やり)
……そ……そういうもの、なのか…?…そうか……それはなんというか……まぁ、ありがとう……。
(最初こそ答えたくなさそうに黙っていたが、少しすると紡がれていく言葉は思いもしない内容で知らずとはいえ、問うた己にとんでもないカウンターとして返ってくる。甘える行動にそんな心理があるものなのかと疑問には思うが、本人が云うのならそうなのだろうと納得しては己も気恥ずかしくなり視線を逸らせば最適な言葉を探してみるも見付からず、しかし嬉しくはあったので取り敢えず礼を述べてみて)
セリシアーシャ
置きレス
別にそういうわけではない。ただ何となく思っただけだ。いつかはそれも良いかもしれんが…今はまだ、ファルと二人が良い。
(欲しいのかと問われれば深い意味はないと首を横に振り、それでもいつかは家庭が出来ても良いかもしれないくらいの漠然とした想いで。それよりも今はひとりで彼を独占できるため二人で過ごす時を優先したいと本心を告げて。)
…………………ファルから見て、私が…甘えるようになったということは、私がそれだけファルを好きだと、包み隠さず態度に示しているということだろう。
(聞き返すな、そんな思いから少し黙ってみたものの、その声音は意図しているものではなく純粋な疑問であることは良くわかっていて。これで赤くなった理由は分かるだろうと、それでも自分が言っていて恥ずかしくならないような言葉を必死に選びながら、絶対に彼を見ようとはせず。)
ファル・イデア
置きレス
……子供………俺には分からないが……欲しいのか…?
(守られるのも悪くないと、変わる事に対してもどこか楽しそうに笑う様子に変わるのはそんなに良いものなのだろうかと考える。すると相手から思いもしない言葉が発せられ、何を示して良い父親なのかは不明だが『子供』という言葉が出てきたならそういう思いもあるのだろうか…多少なりと苦手意識のある己に子供など想像もできず、少し戸惑い気味に訊ねて)
……なんで赤くなってる……??
(問いには何でもないと答えるも明らかに様子が可笑しく、そして一瞬目があったと思えばその顔は赤くなっており驚いて僅かに目を丸くする。それもつかの間、その顔がそっぽを向いてもそちらを見たまま何で赤くなっているのかと不思議で。相手の心境など露知らず、疑問を口にしてしまい)