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過去ログ502 2016/10/12 13:03

☆関西人
オーストラリア戦
はい、結果は引き分けでした。
日本は良かったか悪かったかといえば、良かったところ半分、悪かったところ半分といった感じだね。
もちろん、よく分かってない人ほど「アウェー豪州戦」の意味を理解せず、【勝てなかった】→【ハリル解任すべし】と普通に主張するだろうけど。

今回のチーム、最も誉めるべきところは守備だと思う。
みんなよく集中してたし、ホントよくデュエルしてたわ。
イラク戦から中4日、おそらくハリルの指導はそこに特化したんだろう。
もちろん豪州の調整不足に救われた部分もあるだろうが、決して内容的にも負けていなかった。
あとで聞くと、ボール支配率は【豪州65:日本35】だったんだそうだ。
これは、「日本のプラン通り」だったという。
もちろん、中にはこういうのを許さない人もいるけどね。
たとえばセルジオ越後。
彼は、この試合を「臆病」と全否定している。
おそらく彼には、「日本らしいサッカー」のイメージがあるんだろう。

しかし、私は思うんだ。
「日本らしいサッカー」って何?と。
ファンタジスタたちが華麗なパスを繋いでいくサッカー?
それは、かつて本田たちが固執した「俺たちのサッカー」じゃん。
ブラジルW杯本大会にて、実はザックが指示したサッカーはそれではなかったことが後に証言されている。
しかし当時は本田らがそれに同調せず、最後はザックも折れて結局「俺たちのサッカー」になったワケです。
で、今回ビックリしたのはその本田が1TOPにおさまり、そこでハリル流のサッカー、明らかに本田が嫌いそうなサッカーを忠実に遂行してたワケよ。
なんか、南アフリカ大会の復刻版みたいになっていた。
ある意味凄いよな、と。
中4日でここまで仕上げたこと、うむを言わさず本田に1TOPをやらせたこと、そして反対の声もあっただろうが支配率30%台のサッカーを選手全員にやらせたこと等々、よく考えたらハリルの指導力、強制力は凄いと思う。
それを、評論家が「臆病」というのは簡単である。
しかしああいうサッカーを実行することも、実は難しいことだということを理解せねばなるまい。

ちょっと気になったのは、清武がスタメンを外れたこと。
でもまぁ、前戦で温存した香川をスタメン起用することは、走力を計算するなら妥当な選択だと思う。
ただし、結果論でいうと香川は攻撃であまり効いていなかった。
しいていうなら、守備の方を頑張ってた感じ?
そういや、かつてクロップは香川をゲーゲンプレスのキーマンとしてトップ下に重用してたっけ。
決してボール奪取に優れてるワケでもない香川を、なぜかクロップは守備のキーマンとして高く評価していたという。
ハリルも、ひょっとしたらそういう考え方だったかもしれない。

もし、清武と香川両方をスタメンにしてたらどうなったのか?

・・・本田
原口・香川・清武

なるほど、前線に本職FWがゼロになる。
岡崎が怪我で使えない以上、右は小林にするしかなかったんだろう。
で、その清武はラスト10分ぐらいのところで途中投入された。
すると、やっぱ右サイドからでも良いパス出すんだよな〜。
その時は前線に浅野もいて、十分にカウンターで裏を狙える要素があった。
ただし交代のタイミングが遅く、あまりにも二人には時間がなかった。
あと10分、せめて5分でも長くこの二人を投入してれば、また流れは違ったかもしれない。

そして、おそらく皆さんを激怒させたであろう【原口→丸山】という謎の交代(笑)。
あれは私も意味が分からなかった。
試合後、ハリルは「セットプレー時の守備」の必要からだと語っていた。
本田を下げたことで高さの安全保障が薄くなり、その状況で齋藤さんはさすがにマズイだろ、ということらしい。
事実、アディショナルタイムの最後の最後は豪州のセットプレーだった。
結果論としてそこでの失点はなかったが、しかしサッカーの「if」として仮に齋藤さんを入れてたら、あるいは失点してたかもしれない。
失点しなかったかもしれない。
そんなの、やってみなきゃ分からないのがサッカーなんだけど…。

だから、私的にハリルの解任論の是否は保留ですね。
「臆病」な采配を含め、確かに悪いところはたくさんあった。
本人も、会見で交代のタイミングを反省するような発言をしていたし。
しかしその一方、きっちりと堅い戦術を中4日でチームに浸透させた手腕は認めるべきだろう。
選手全員にデュエルを徹底させていた。
そこは素直に評価すべきだろう。

さぁ、来月はサウジ戦だ。
ホームだし、そこは勝ち点3しかあり得ない。
もし勝ち点1以下なら、もはや更迭以外に道はない。
今回の2連戦では勝ち点4、ギリギリだが及第点クリア、である。
2016/10/12(水)13:03

☆関西人
硬いサッカー
続きね。

じゃ、今度は「柔らかいサッカー」と「硬いサッカー」の具体例をもって説明したいと思う。
やはり観念論では伝わらないと思うから。

まず、今回召集されたメンバーを使って(便宜上、怪我による離脱者も含む)「硬いサッカー」のフォーメーションを表現してみる。
機能を分かりやすくする為、形は442とすることをご了承下さい。

【A】
・・岡崎・・・武藤
原口・・・・・・・本田
・・山口・・長谷部
長友・森重・吉田・酒井

続けて、「柔らかいサッカー」のフォーメーション。

【B】
・・宇佐美・・小林
香川・・・・・・・清武
・・柏木・・・大島
太田・槙野・植田・高徳

「柏木と大島の2ボランチはあり得ないだろ!」「せめて永木だろ!」等のくだらんツッコミは勘弁して。
あくまで、サンプルなんだから。

じゃ、まずは【A】のシミュレーションからね。
仮に、山口が敵からボールを奪ったとしよう。
おそらく山口は、すぐさま最寄りの原口にパスを出す。
そしてパスを貰った原口は、まず得意のドリブルでタテに進む。

【A*】
◯↑↑→FW→FW↑↑↑
原口↑↑↑・・・・←本田
↑↑↑山口・↓長谷部↓
SB←CB←CB←SB

イメージとしては、↑の形である。
ポイントは、原口がショートパスの連携でなく単独のドリブルで球を前に運ぶこと。
彼の力量ならフォローを必要としないので、さほど周囲選手は彼との距離を縮める必要がない。
よって、フォーメーションは↑のように「ワイドな形」のままで攻撃に転じることができる。

一方、それと対極になるのが「柔らかいサッカー」の方だ。
【B】の香川・清武・柏木・大島という中盤では、球を前に運ぶのにショートパスを使うだろう。
各々がタテパス、ヨコパス、フリック、スルー、ワンツーなどを使うので、必然として皆が相互に距離を縮めることになる。

【B*】
↑↑↑→→FW→→FW
柏木↑↑←清武↑↑
↑↑香川◯←大島
SB
↑↑←CB←CB←SB

イメージとしては、こんな感じかな。
選手の配置がどちらかのサイドに偏り、ぎゅっとユニットが縮んだ状態で球を前へ運んでいく。
【A*】が「ワイドな形」だとすれば、【B*】は「コンパクトな形」である。
そしてこの【B*】の方が、日本代表十八番というべき「俺たちのサッカー」なんだろうね。

しかし、この【B*】は敵にかなり研究されてきてると思う。
「日本が縮んでるうちにこっちは素早くブロックを整え、あとは包囲してしまえばシュートは抑えられる」と。
事実、UAEにもイラクにもそういう対応をされていた。
思うに【A*】と【B*】との大きな差は何かというと、それはフォローを必要とせず単独で球を前へ運ぶか、それとも相互フォローを前提とする3〜4人が連携して球を前へ運ぶか、という考え方の違いである。
言うまでもなく、日本が得意とするのは【B*】だ。
しかしそれ一辺倒になると、敵もアホじやないんだから対策がうまくなってくる。
よって、時折【A*】を混ぜることが今後は絶対必要になってくるだろう。
【A*】実現における最大のポイントは、やはりドリブラーである。
フォローを必要とせず、単独で球をタテに運べる能力。
それがあって初めて、周囲はワイドに散ることができる。
ハリルの志向は、本来から【B*】より【A*】の方だと思う。

じゃ、【A*】実現のキーマンは一体誰なのか?
まずは言うまでもなく、ドリブラー原口。
そしてドリブラーとは少し違うが、スピードをもって単独でブッちぎれる浅野。
あと、国際的に通用するかは未知数だが、国内最高のドリブラーとされる齋藤さん。
つけ加えると、今回外れてるが宇佐美、武藤なども単独でイケるタイプだろう。

私は、豪州相手にはある程度【A*】が必要だと思う。
ちんたら【B*】をやってるうちに豪州にブロック作られりゃ、もうそれを破るのは至難の業だよ。
だからブロックを作られるより前に、ワイドに攻める。
味方のフォローを待たず、まずは単独でゴールに向かう。
それこそハリルが耳にタコできるほど言ってる、デュエルってやつだよ。
日本には、苦手なサッカーかもしれない。
しかしそこに挑まない限り、私は豪州戦の勝ち点3は無理だと思うわ。
2016/10/10(月)18:26

☆関西人
柔らかいサッカー
多くの人が、「監督はハリルのままで大丈夫?」と不安になってると思う。
最近では、「アギーレのままの方が良かったのでは?」という声もチラホラ…。

皆さんご存じの通り、協会の当初の計画はアギーレに四年間を託すものだったワケで、それが例の八百長疑惑により急遽新監督探しをしなくちゃならん事態になったワケです。
アギーレの更迭は、やむを得なかっただろう。
その緊急事態の中、短期間で新監督を見つけた協会の頑張りに対しては十分に評価したい。
しかし霜田さんも時間がなくて焦っていたのか、急遽彼の選んだハリルは前任者と全く違うカテゴリーのサッカー志向だったワケね。
アギーレは、メキシコ人を率いてW杯で活躍した人。
かたやハリルは、アフリカ人を率いてW杯で活躍した人。
このメキシコ人とアフリカ人という違いは、そのまんま彼らの指導スタイルの違いに出ていると思う。
今思えば、アギーレはラテン系(スペイン系)のテクニカルなスタイル。
一方、ハリルはもっと直線的で強いフィジカルを必要とするスタイル。
どっちが日本人に合うかって、そりゃアギーレでしょ?
普通に考えて。

誤解してほしくないが、私は決してハリルがアギーレより劣ると言いたいワケじゃない。
ただ、問題は日本サッカーとの相性である。
同じ東アジアでも、たとえば韓国や中国を指導するなら、ハリルはかなり力を発揮すると思うよ。
しかし日本サッカーってのは、彼にとって少し「柔らか」すぎる。
そして彼は、その「柔らかさ」を日本最大の弱点と考えてるフシがあるんだ。

問題は、そこなんだよ。
文化なんだよね。
この文化というやつを、442というサッカーにおける最も基礎的なフォーメーションで考えてみよう。
たとえば、我々日本人は442と聞くと↓のようなフォーメーションを想像するだろう。

・・◯・・◯
・◯・・・・◯
・・◯・・◯
◯・◯・・◯・◯

2ボランチと攻撃的MFとでBOXを作り、また攻撃的MFは2TOPともをBOXを作る形。
BOXによる奥行きを作ることでスペースを確保し、そのスペースを使うことで接触のないプレーを狙う。
これを、私は「柔らかなサッカー」と名付ける。

じゃ、次はそれと対極の「硬いサッカー」の442ね。

・・◯・・◯
◯・◯・・◯・◯
◯・◯・・◯・◯

実に欧州的な、合理的2ラインの幾何学サッカー。
「柔らかいサッカー」に比べ、BOXがなく奥行きがない。
その分コンタクトは増えるが、しかし奥行きという「あそび」がないから無駄なく攻守に動ける。
特に注目すべきは中央のMF二人、「柔らかいサッカー」ではボランチと名付けられるが、「硬いサッカー」ではそうならない。
センターハーフ、すなわちセントラルMFである。
ボランチの機能と同時に、半ばトップ下の機能をも兼ねる。
そして両脇のMFはサイドハーフ。
機能としてはウィングに近く、主に突破できるスピードが求められるだろう。

今、日本は4231というフォーメーションを採っている。
この4231とは、442の「2」をタテ並びにアレンジした変形442とも解釈できるんだ。
じゃ、その442とは上記の「柔らかいサッカー」「硬いサッカー」、どっちなんだ?という話さ。
私は、現状4231は「柔らかいサッカー」の2TOPをタテにした形、と解釈している。
事実、4231の「3」の左右はウィングという割に中に絞ってくるし、スピードで突破する回数は異常に少ない。
あれはウィングじゃなく、攻撃的MFだよ。
多分プレーしてる選手たちも、そういう意識なんじゃないかな?

しかし、ハリルもまたそういう意識だろうか?
私は、そこが疑問でね。
ほら、以前に清武を左ウィングに起用した際、ハリルは「FWの仕事を期待してた」と言い、彼を交代させちゃったでしょ?
その時、私から見て清武はそんな悪いプレーじゃなかったのよ。
だけど、ハリル的にはダメだった様子。
それを見て、私はイメージギャップを感じたんだよね。
あぁ、彼の志向はあくまで「硬いサッカー」なんだな、と。

問題は、そこである。
ハリルと、選手と、そしてファンと、その三者が全くイメージを共有できていないんじゃないか、と。
監督が「硬いサッカー」を目指してる中、ファンがあくまで「柔らかいサッカー」を評価基準にしてたら、そりゃダメ監督に見えるのは当然のこと。
そして監督が「硬いサッカー」を目指してるのに、選手が「柔らかいサッカー」してたらチームが弱くなるのは当然のこと。

今後の課題は、そこをどう埋めるかである。
ハリルとしては、結果を出すことで「俺が正しい!」と証明するしかないだろう。
豪州戦は、彼にとって最大のピンチであると同時に最大のチャンスだ。
なぜなら、今まで日本代表はW杯予選で豪州に勝ったことが一度もない。
もしここで勝てば、彼は一気に評価を覆すことができる。
当然、ロシア本番までハリルでイイよね、と皆が掌を返すだろう。
2016/10/9(日)12:26

☆関西人
イラク戦A
やっぱりというべきか、イラクが「負けたのはジャッジのせい」と怒ってるみたいだね。
で、私はてっきり先制点のオフサイドのことを指摘してるんだと思ってたのよ。
ところがそれは違うみたいで、どうやらアディショナルタイムの決勝点のことを怒ってるみたい。
まず、あの6分という長さに怒ってるのと、あとは「怪我した(?)選手」を審判はさっさとピッチ外に出してしまい、その選手を戻さないまま、つまりイラクが1人少ない状態で日本にセットプレーをやらせたのは許せないらしい。
…いやいや、あれはしようがないんじゃないの?
あの6分の件は、終盤にイラクのGKが突然倒れるなど露骨な時間稼ぎをしてたから当然の裁定だと思うし、あとイラクのCBをピッチ外に出したのも(そして戻さなかったのも)、見てた限り特に不自然な裁定とは思えなかった。
あのCBの為に時間を費やして、仮にそのままタイムアップしたら、そっちの方が裁定としてメチャクチャでしょ。
なんつーか、昔読んだ童話で「オオカミが来た」と繰り返し嘘をついてた少年が周りに信用されなくなる話があったが、今のイラクはまさにそのオオカミ少年。
身から出た錆、自業自得である。
…まぁ、逆に先制点の方は少し同情するけど。

しかし仮にあの先制点が無効だったとしたら、昨日の試合はドローだったということになるワケね?
うわ〜、そりゃマジで崖っぷちじゃん?
我々は、そのことを強く肝に銘じておこう。
昨日の勝利は、単純にラッキー以外の何物でもなかったんだ。

このままでいって、私は来週の豪州戦に勝ち点3を取れるとはとても思えない。
特に日本の際立った弱点、セットプレー時の守備は昨日もダメだったし。
もちろんその弱点は十分自覚してて、昨日もみんなでマークを確認し合って集中して臨んでいたと思う。
なのに、失点した。
そして困ったことに、よりによって次はイラクよりさらに優れた体躯の豪州が相手だ。
ハッキリ言おう。
豪州戦の無失点は、おそらく無理だ。

じゃ、こっちとしては豪州に得点で上回るという以外に勝ち点3を取る策はない、ということだね。
だからこそ、次は攻撃陣をどういう組み合わせにするかが全てのカギとなる。
イラク戦で良かったのは、清武と原口だ。
しかし、二人とも90分(というか100分近く)をフルに走ったゆえ、やはりコンディションが気になるところである。
おそらく、次は昨日温存した香川を使うことになるだろう。

香川と清武はよく似たタイプの選手だが、敢えてその微妙な差異をいうと、清武の方がややレジスタの色が強く、香川の方がややアタッカーの色が強い。
レジスタといえば、昨日は柏木がイマイチだったよね?
これは、トップ下との組み合わせの問題だったと思う。
柏木は典型的なレジスタゆえ、どうしてもトップ下に清武みたいのが入ると少し役割を食われちゃうんだよな?
柏木としては、トップ下は香川の方がイイだろう。
じゃ、次は柏木が先発?
…それは分からない。
なぜって、今回山口蛍が大活躍しちゃったから。
しかしトップ下香川、ボランチ山口+長谷部って組み合わせ、私は中盤のレジスタ色が薄くて、あまり良いと思えないんだよなぁ…。

それでも守備の優先からボランチを山口+長谷部とするなら、せめてレジスタのニーズから2列目に清武と香川を共演させるのはどうだろう?
それはUAE戦でやったけど、なかなか連携は悪くなかったと思うよ。
あの時は、左に清武、真ん中に香川、右に本田だったかと。
しかし今は左の原口が妙に良いので、左に原口、真ん中に香川、右に清武というのはどうだろう(真ん中に清武、右に香川も可)。

…え?本田がベンチになるじゃん?
うん、ベンチでイイよ(笑)。
やはり彼、調子良くなさそうだから。
もしくは、FWでなら使うのもありなんだよね。
というのも、最近の彼は妙にヘディングを武器にするようになってきたから。
イラク戦を見てても、彼のエリア内における決定的プレーの大半はヘディングだったでしょ?
もはや、彼の強みはキックじゃなくなりつつある。
しかし今なお体躯とパワーだけは強みとして残っており、本人もそこを自覚してるのか、積極的にヘディングを磨いてるようだ。
よく「本田はWGとして限界、だからボランチに」という声も聞くが、それはやめといた方がイイよ。
キック精度が落ちてる選手を敢えてボランチに転向だなんて、そんなの自殺行為である。

で、私としては↓のような布陣を考えている。

・・・・・本田
原口・・・香川・・・清武
・・山口・・・長谷部
太田・森重・・吉田・高徳
・・・・・西川

え?岡崎ベンチ?
うん、確かに岡崎はよく走るけど、豪州相手に前線でのキープは難しいんじゃないかと。
やはり前でキープできる奴がいてこそ、初めてトップ下の香川を活かせると思うんだ。
彼を活かすのは、何のかんの言っても本田なんだよね。
原口と清武は、昨日消耗したのであまり多くを期待するのは酷である。

【疲れた原口・清武<フレッシュな香川】

おそらく、あまり同意いただけないだろう(笑)。
しかし、今回ベンチになったことで、豪州戦の香川は異常な本気を出すと私は期待します。

ところで、長友がアクシデントで離脱みたいだね?
次は酒井宏も出場停止で、微妙にSBがピンチ…。
一応、↑の布陣では右に高徳、左に太田にしておいた。
しかし、個人的には左に槙野もありだと思っている。
守備の優先、特にセットプレー時の守備を考えると槙野の起用はあり。
最近見てて思うんだけど、「デュエル」って最低限のサイズは必要だよね。
本田をなかなか外せないのも、正直それがあるんだよなぁ…。
2016/10/7(金)22:16

☆関西人
イラク戦
いや〜、ヤバかった!
薄氷の勝利である。
流れ的には、完全に引き分けだった。
普通アディショナルタイム6分ってなかなかないし、でもこの6分をとってくれたことで我々はギリギリ救われたワケです。

まさか、山口蛍のアレが決まるとはね。
本人も「いつもはフカす」と言ってたが、あのシュートは5本打って1本決まるかどうかの高難易度だろう。
ゴール前は大渋滞してて、針の穴ぐらいの僅かな隙間を通さなくちゃならなかったんだから。
難しいといえば、先制点もそうだわ。
清武のラストパスは確かに良かったけど、それよりあれを「おしゃれヒール」で押し込んだ原口も凄いのよ。
普通に打とうとしたら、まず間違いなくGKに止められてたはず。
かなり難しいキックだったよね?
あれも、5本打って1本決まるかどうかの高難易度だったと思う。

つまり今の日本は、誰かが超絶に巧いフィニッシュをしなければ、ヘタすりゃ無得点に終わっちゃうチームだってこと。
スタンダードに得点できなくなってるんだよ。
普通に「ごっつぁんゴール」なんて期待しない方がイイ。
要するに、もはやアジアで日本の攻撃スタイルは丸裸にされてるということだ。
これは単純に攻撃力が落ちたというより、研究されて無力化されてると言った方が正しいだろう。

その証拠に、「日本らしくない攻撃スタイル」にトライすると逆に効いたりするワケよ。
たとえば、今日も終盤に吉田をターゲットマンにしてガラでもないパワープレーをしたら普通に効いてたじゃん?
そういやUAE戦もタイ戦も、意外とヘディングが得点パターンになってたし。

岡崎や本田など、長くやってる選手ほど丸裸なんだろう。
その点、今回香川を珍しくスタメンから外したこと、本田を途中交代させたことは勇断として評価すべきだと思う。
しかし吉田をFW起用するぐらいなら、最初から空中戦に強みのあるFWを用意しておきたいよね。
最近、やたら本田がヘディング要員になってる気がするし。
次の豪州戦にはもうこのメンバーにいくしかないにせよ、ハリル、そろそろ大迫呼んでくれよ…。

ところで、気になるのは日本の1点目。
テレビは何度もリプレイして華麗な連動を絶賛してるが、しかし見れば見るほど、本田のパスを清武が受けた位置はオフサイドポジションである(笑)。
なぜか審判は見逃してくれたみたいだけど。
あと、イラクの「中東戦法」、お馴染みの時間稼ぎを無力化したアディショナルタイム6分という裁定。
実は色んな意味で、今回は審判に救われたんじゃない?
ありがとう、韓国審判団。
彼らの裁定がなければ、日本は1点目も2点目もなかったワケです。
つまり、ヘタすりゃ負けてたということ。

というワケで、我々は今回のラッキーに感謝しつつ、危機感は維持していかねばなるまい。
「勝ったからイイじゃん」で済ましてはならない。
このままでイイのか?
やはり、このチームにはもっと変革が必要だよ。
2016/10/6(木)23:11

☆関西人
意外と悪くない流れ
明日はイラク戦。

主力の欧州組が皆揃ってクラブでホサれ気味とあり、一部で悲観論が起きている。
しかし、流れは悪いことばかりじゃないさ。
今日は敢えて、チームが良くなった要素を書いておきたい。

一部報道を見ると、今回からハリルはミーティングをやや抑制してるみたいだね。
前回はミーティング中に寝てる選手がいたとのことで(時差ボケ?)、ハリルも選手をミーティング漬けにするのは逆効果と気付いたみたいだ。
「ミーティング中に寝るとは論外!」と怒ったファンも多いだろうが、でもよく考えてみてよ。
ハリルって会見でも分かるけど、話が異常に長いじゃん?
ダラダラと喋る人だ。
しかも言葉はフランス語だし、聞いてる側は通訳が喋り始めるまでず〜っと待ちの姿勢である。
集中しにくいよね。
私でも、ああいうタイプに長いミーティングされたら途中で寝るよ。

あまり表立っては言わないけど、一部選手は「アギーレ監督の時は代表が楽しかった」とオフレコで語っている。
アギーレには、やり方として「選手を飽きさせない」指導コンセプトがあったようだ。
一方、ハリルはとにかく熱血である。
その熱意は認める。
かなりデータも細かく準備してるようで、それを手取り足取り全部を選手にレクチャーしたいタイプなんだろう。
よって話が長くなり、かえって論旨がボヤけて結局言いたいことが伝わりにくくなってしまう。

そういや、だいぶ前のことだが「プロフェッショナル仕事の流儀」で森保一監督の特集をやってたのよ。
いまやJ屈指の名将とされてる森保さんだが、彼なんて決して話は長くなかったよ。
簡潔だった。
というより、彼は全体ミーティングよりも選手と一対一の対話を大切にしてるみたいで、トレーニングの合間にさりげなく選手に近づき、彼の方から歩み寄る形でコミュニケーションを図っていた。
あぁ、なるほどな〜と思ったよ。
そして、森保さんは負けてる時でもあまりピリピリしてない。
あまり起伏がなく、いつもテンションが同じ。
多分、ハリルと森保さんは対極のタイプだね。
ハリルは負けが続くと、思いっきりピリピリするタイプだ。
かなり起伏が激しく、部下としては「今日の機嫌はどうかな?」と、ついつい顔色を伺ってしまうタイプの上司だよ。
これが正直どうなのかな〜、と思って。

そりゃ昔はね、「上司」ってのは大体がハリルタイプだったさ。
いわゆる熱血型、威圧型。
まさに私が新入社員だった頃、部長・課長など管理職の人たちのほとんどがこれだったね。
ところが時が流れて、最近は会社に求められる管理職モデルも大きく変わってきた。
熱血は別にイイにしても、しかし威圧的なスタイルは「パワハラ」と否定される時代だから。
部下にとって話かけづらい上司は、今は良い上司とされない。
たとえ、メチャクチャ仕事がデキる人でもね。

そういう意味じゃ、森保さんなんかはイマドキの「理想の上司」モデルに近い。
一方、ハリルは昔風の上司スタイルだと思う。
あるいは彼の母国だと、森保スタイルなんて「生ヌルい」とされるかもしれない。
そのへんの国際規準までは知らんが、しかし少なくとも、今ハリルが指導してるのは日本人である。
一応、日本人に受け入れられやすい上司モデルは彼も知っとく必要あるんじゃない?

で、今回からひとつプラスの要素として、コーチに手倉森さんが入ったのは非常にありがたいことである。
少なくとも彼は、ハリルより日本人のメンタル構造を知ってるから。
彼の加入以降、チーム内の雰囲気は明るくなったと聞く。
笑いが増えたらしい。
意外と、そういうのは大事だよね。
あと、第3GKに川島が入ったのも確実にプラスだと思う。
今まで選手側のリーダーシップは全て長谷部に丸投げで、見てると長谷部が少し可哀想だったよ。
その点、ミスター兄貴肌の川島が帰ってきてくれたのは長谷部も助かるだろう。
この二人の加入により、おそらくチームの空気は多少なりとも改善されたに違いない。
思うに、先月のUAE戦・タイ戦はハリルが気負いすぎ、変なオーラでチームに重圧を与えてたんじゃないかと。
今回はミーティングも減らし、過剰な重圧からは解放している。
流れは、決して悪くないと思う。

多分、明日は普通に勝つだろう。
2016/10/5(水)16:36

☆関西人
木と石A
続きね。

仮にハリルが「普遍性ある欧州型サッカー」を標榜する監督だとして、そうじゃないタイプの監督は今まで日本代表にいただろうか?
…私は、いたと思う。
その代表格が、「日本サッカーを日本化する」と謎めいたスローガンを掲げていたオシムだよ。
この「日本化」というのが、当時としても分かりにくかった。
それまではトルシエが代表の「欧州化」を推進し、その次のジーコは「ブラジル化」を推進。
まぁ要するに、後進国の日本は先進国のサッカーを模倣していくのが強化の近道、という流れがあったワケよ。
なのにオシムは、よりによって「日本化」という全く逆のことを言い出したワケね。

で、「日本化」とは何か?
それを考えた時、↓に書いた日本の木造建築のイメージが当時も何となく湧いたのさ。
たとえば、法隆寺とか。
法隆寺は、今から約1400年も昔に建てられた世界最古の木造建築と言われていて、よくもまぁ長いこと崩壊せずに持ち堪えたもんだね。
日本の宮大工、恐るべしだ。
日本は地震が多い国だが、法隆寺がそれに持ち堪えたのは木造だからこそ、という話がある。
頑丈な石造りとは違い、しなやかであるからこそ揺れを吸収して耐えられる、ということ。

オシムの言う「日本化」は、そういうことなのかもしれない。
じゃ、まずはオシムジャパンの基本布陣を思い出してもらおう。

・・・高原
山岸・遠藤・俊輔
・啓太・・憲剛
駒野・・・・加地
・・阿部・中澤
・・・川口

パターンは色々あったが、代表的なのはこれだと思う。
特徴は、右サイドにはっきり出てるよね。
【俊輔+遠藤+憲剛】で構成される逆三角形。
なんと「しなやか」であることか。
まさに高級ヒノキの天守閣だ。
で、オシムの抜かりないところは、その「しなやか」な部分の周りを高原や啓太や山岸など、やや「石」っぽい素材でコーティングしてること(笑)。
で、最終ラインは【阿部+中澤】という組み合わせで、時に【闘莉王+中澤】という組み合わせもあったんだけど、オシム的にはどっちかっつーと阿部の方を優先してた気がする。
城の石垣なら【闘莉王+中澤】の方が強固だと思うが、オシムはここにも「しなやか」を求めたのかもしれない。
木材の重用。

そしてこのチームの攻撃における特徴は、単独ドリブルでグイグイいく選手がいないということだ。
パサーが多い。
それもロングパスというよりは、ショートパスだね。
要するに、パワー系ではない。
というか、このへんはオシムも分かっていたんだろう。
「木」で「石」を倒すには、パンチ一発でKOは無理だよな、と。
だからこそ、できるだけ手数を多くしようとした。
手数をかけて敵の体勢をまずは崩し、ここぞというポイントに集中砲火を浴びせる。
一人じゃ無理だから二人、それでも無理なら三人、あるいは四人、というようにどんどん後ろから人が飛び出してくるサッカー。
オシムは、そういうリスクチャレンジを奨励していた。

その裏返しが、守備におけるマンツーマンDFという保守的な戦術に繋がっている。
だって、リスクチャレンジとして後ろの選手がどんどん前に出ていったら、いざ逆襲を食らって守らなきゃならない時、当然だが後ろは枚数の不足に陥る。
枚数が足りないシチュエーションでは、ゾーンDFのブロックなんて作れないワケよ。
そこはゾーン云々でなく、まず対人にいかなきゃなるまい。
おそらく、そういう意味からくるマンツーマン導入だったかと思う。
守備の意味というよりは、攻撃の必要から生じたマンツーマンDFじゃないかと。

しかし考えれば考えるほど、このオシムの「日本化」は面白い。
私は、いずれは今の日本にもまた「日本化」のニーズが出てくると思うよ?
だって、我が国における「石」の象徴というべき本田が、もう風前の灯火なんだから。
柱となる「石」を失った時、また日本は「木」に回帰するような気がする。
思えばオシムが「日本化」が提唱したのは、あの中田英寿が引退し、やがて本田が台頭してくるまでの間、その僅かな「石」の空白期間における出来事だったんだよね。
2016/10/4(火)21:22

☆関西人
木と石
昔に比べて、国際Aマッチデーは減っている。
そしてAマッチデー以外、代表が選手を召集することなんて論外という空気だ。
実際、五輪本大会ですら久保を呼べなかったもんね…。

今に至るまでFIFAとUEFAには熾烈な綱引きがあり、その結論としてクラブ保護の傾向は今後もずっと続くと思う。
もはや、代表はじっくり時間をかけて強化していくような時代ではない。
特にUEFA管理下にいる選手は、Aマッチデーの時だけ直前合流して終われば即帰る、という対応しか許されないだろう。

ただ、例外はある。
たとえば、先月にウチが負けたUAE。
確かあのチームは、試合前に約1ヶ月の長期合宿を経てから来日していた。
約1ヶ月かよ!
そんな夢のような強化環境、あるところにはあるんだね。
かなりハリルは羨ましがっていた。
おそらくUAEがそれをできたのは、代表選手の多くがUEFAの管理外だからだろう。

まぁ、ウチも欧州組中心でなく国内組中心にすれば、それも不可能じゃないんだけどね。
もちろん、国内組だけで長期合宿やるにしても協会(田嶋さん)とJリーグ(原さん)の話し合いが必要だが、少なくとも欧州クラブの首脳と話し合うよりは決着がマシだろう。
で、問題は今さら代表を国内組中心にシフトできるかどうかだ。
多分、難しいと思う。
「最後の最後は個のレベル」というのがW杯の本質であり、Jサポには悪いが個のレベルでいうと【欧州クラブ所属>Jクラブ所属】は否定できない。
できるとして、多少比率をイジるぐらいのもんさ。

よって、日本代表監督は今後も悩み続けることになる。
ハリルだろうが、彼以外の監督だろうが根本のネックは変わらないよ。
欧州クラブ所属の選手が直前合流し、終わればさっさと帰るという構図は変わらない。
拘束期間が短いので、あまり込み入った特殊戦術はとれない。
あくまでシンプルに、あくまで普遍性のあるサッカーをやっていかなくちゃならんのだ。
中盤からプレスをかけ、攻守切り替えの早いサッカーをベースにしていく。
なぜならそれが今の世界規格であり、欧州クラブ所属選手はみんなそういう戦術下でトレーニングしてるんだから。
彼らに日本代表の時だけ特殊なサッカー(昔でいえばフラット3とか)を求めようにも、それを習得させるだけの選手拘束時間が今はない。
だからどうしても、普遍性ある欧州型サッカーしかやりようがないんだよね。

しかし思うんだ。
フィジカルで劣る日本人は、ひょっとしたら普遍性ある欧州型サッカーには適していないんじゃないか、と。
ハリルはJリーグを見て、レベルが低いと言う。
それは単純なレベルの高低の問題というより、フィジカルの方の問題でしょ。
日本人同士は日本人のフィジカルを前提でサッカーをしちゃうから、そのギャップのことをハリルは「レベル低い」と言ってるワケで。
で、彼は代表で欧州型サッカーをやりたいがゆえ、Jリーガーを中心に使うことにはやや否定的。

あと、彼がJリーグに否定的なのは東アジア杯の結果があるだろう。
この大会は国際Aマッチデーではなく、欧州組を呼べず国内組だけで臨むことになった。
その結果、1敗2分け。つまり1勝すらできず。
韓国・中国・北朝鮮相手に1勝すらできないって、一体どういうこと?
ハリルはこの黒歴史があるゆえか、決して国内組を中心にしようとはしなくなった。

じゃ、この大会はどれほどショボいメンバーが召集されていたのか?と皆さん思うだろう。
メンバーは↓の通り。

【GK】
西川・東口・六反
【DF】
森重・槙野・丹羽・水本・太田・米倉・藤春・遠藤航
【MF】
柴崎・武藤雄・山口・谷口・米本・藤田
【FW】
興梠・川又・宇佐美・永井・倉田・浅野

何だよ。そんなショボくないじゃん?
この顔ぶれなら、むしろ勝てそうなもんだけど。
ただ、現実ハリルはこのメンバーで1勝すらできなかった。
要は、使い方の問題である。

言うまでもなく、ハリルは欧州人だ。
建築物を作るのに、硬い石(レンガ)を積み上げていくことを常識としている。
しかし日本の建築物は、木材を組んで作っていくやり方。
「それじゃ頑丈な建物は作れないじゃないか!」とハリルは言いたいんだろう。
冗談じゃない。
我が日本には、この地震や台風がある環境で1000年以上も崩壊せずに残ってる木造建築物があるワケよ。
要は、作り方の問題だ。
そりゃまぁ、確かにJリーグには硬いレンガが少なく、軟らかい木材ばかりかもしれない。
でもさ、それならそれで木材を活かした建物を作ればイイじゃないか。
しかしハリルは、木材をレンガ造りのやり方で積み上げて建物を作ろうとする。
それじゃ、かえって脆い建物になってしまうよ。
で、実際東アジアカップは最悪の結果に終わった。
で、「やっぱレンガが必要!」となり、欧州組偏重のコンセプトができた。

基本、ハリルは石工職人なんだろう。
今さら石工職人に軟らかい木材を扱えと言っても、それは難しいことなのかもしれない。
あと付け加えると、世界規準でいえば木材建築の方は非主流であり、確かにハリルが求める石材の方が主流である気がするよね。
じゃ、今後は頑張ってJなりの石材を探すしかないのかなぁ…。
2016/10/4(火)15:36

☆関西人
スタメン見直し
イラク戦・豪州戦に向けて、私なりに勝てるフォーメーションを考えてみようと思う。
まずは手っ取り早く、フォーメーションを↓に示す。

・・・・岡崎
原口・・柏木・・小林
・・山口・長谷部
高徳・・・・・・酒井
・・槙野・・森重
・・・・西川

はい、敢えて本田も香川も長友も外してみました。
この布陣は「原口システム」なのよ。
今、欧州でマトモに活躍してるのは彼だけだからね。
で、先日テレビのインタビューで原口自身が「自分が一番活きるのは左サイド」とハッキリ明言してたのを聞いて、こりゃ左WG先発しかないな、と。
そして原口左WGをまず前提として、そこから逆算して周りの選手を決めていく。
なぜ柏木がトップ下?と思うかもしれんが、原口を使う場合トップ下は左利きがイイのよ。
左利きは左足で球を扱う分、必然として左側に視野をとりやすい。
つまり、原口の動きがよく見える。
確か、今ヘルタベルリンのトップ下は左利きじゃなかったっけ?
さらに言うと、原口の浦和時代におけるトップ下は柏木だったと記憶する。
そう考えると、彼の相棒は香川や清武より柏木がベストなんじゃないか、と。

対角の右は、なぜ本田じゃなく小林なのか。
そりゃ左が原口である以上、原口はまずドリブルするタイプだからキープは左エリアに偏るワケよ。
よって右サイドは敵DFにとっての背後、死角のゾーンになる。
そういうシチュエーションを活かして仕事できるタイプ(つまり死角からエリアに侵入するタイプ)は、私は本田じゃなくて小林だと思うなぁ。
左を起点として右に供給される球に対し、ニアは岡崎が飛び込み、ファーには小林が飛び込む。
この形、メチャクチャ得点の匂いがするんですけど。

ボランチは、とにかく守備とフィジカル重視だ。
今のところ、その点で最も安定するのは長谷部+山口だろう。
左右SBは、W酒井にした。
なぜ長友を使わない?とツッコまれそうだが、少なくとも今は実戦勘でいうと高徳の方が上である。
それに長友はドリブルが多すぎ。
ヘタすりゃ、原口得意のドリブルを抑制してしまうかもしれん。

最終ラインは、敢えて吉田を抜いてみました。
ひとつは、原口を活かす為に槙野を使いたかったという狙い。
西川⇔槙野⇔柏木⇔原口というのは、旧浦和ユニットとして活きると思うんだ。
あともうひとつは、クラブで実戦勘の欠けてる吉田を外しておきたい、という意味もある。
吉田の売りは日本の全CBの中で最も高身長という空中戦の優位性にあるが、私が思うに、今の日本は高さよりむしろ速さの方でやられるシーンが目立つじゃん?
じゃ、速さに欠ける吉田を外すという思いきった選択も正直ありなんだよね。

まぁ、本田も香川も長友も吉田もいないチームは、どうしても小粒に見えてしまうかもしれない。
でも、今の時点で私が考えられるベストはこれだなぁ。
長期的な話は別としても、少なくとも今は原口のキレに賭けるしかない。
2016/10/3(月)20:46

☆関西人
A代表の心配
いよいよ、次の木曜日にはイラク戦である。
その後は、最大の難関というべきアウェーの豪州戦。
この2連戦、勝ち点3以上は絶対条件である。
もしも2以下なら、ハリル更迭は必至だろう。

とはいえ、またしても召集選手の怪我による辞退が出てきて流れは決して良くない。
おまけに、代表の主軸となるべき本田・香川・長友・岡崎らがクラブでホサれるようになってきた。
向こうでマトモにレギュラーといえるのは、原口とW酒井ぐらい?
マズイよなぁ…。

ハリルも、そのへんはよく分かっている様子。
会見では、そんな本田らを召集することの弁解に苦慮していた。
彼は「ほな、他に誰がおるっちゅーねん?」と発言。
Jリーグを軽視してるのか?という問いに対しては、「フィジカルのレベルが低い」みたいなアンサーをしていた。
相変わらず、ややJを見下している。
ファンたちが推すJの有望選手たちも、「それはあくまでレベルが低いリーグの中での活躍であり、国際規準で通用するかはまた別」というのがハリルの考え方だと思う。

難しいところだよな。
ハリルの考え方にも一理ある。
確かにJで活躍できるからって、国際試合で活躍できるとは限らんのだ。
ただ、我々は思う。
「そんなの、やらせてみなきゃ分からんだろ?」と。
問題は、そこである。
我々凡人の目から見れば「やらせてみなきゃ分からん」にしても、一方で玄人の目から見れば、「わざわざやらせるまでもなく分かるよ」というニュアンスも必ずあるはずなんだから。

そういう玄人の慧眼を持っている人の例が、たとえばスカウトという立場である。
そのての人は、我々のように試合で活躍した選手を見て「コイツは使える」と判断するような仕事ではないと思う。
結果を出した選手をチョイスするだけなら、そんなのは我々素人でもできる仕事なんだから。
おそらく玄人はそうじゃなく、もっと別のところを見ていると思う。

有名な話、幼少の頃にネイマールは名門サントスのスカウトの目に留まったとされているが、それは彼がサッカーをしてる時の話ではなく、たまたまスタジアム観客席の階段を上り降りするなどして走り回ってる姿をスカウトが見て、「この子は凄い」とクラブに連れて行った、とされている。
なぜかボールに全く関係ないところで、彼はスカウトの目に留まったんだ。
こういう話を聞くと、やっぱ玄人の目って凄いなぁと思うのよ。
我々の目とは、ちょっと違う。

で、問題はハリルの目がどうなのかという点だ。
玄人なのか、それとも我々素人とさして変わらんレベルなのか、あるいはそれ以下か(笑)。
私は、玄人であってほしいと思う。
じゃ仮に玄人であるとして、そのプロの慧眼に留まる人材は今のJにはいない、ということなんだろうか?
言われてみれば、宇佐美も武藤も原口も南野も浅野も出ていった今、欧州スカウトの熱視線を浴びてる人材はそれほどいないような気も…。
ひと昔前の方が、正直もっと熱視線があった気がする。
言っちゃ悪いが、オイシイところを既に抜かれた出涸らし状態?

出涸らしかはともかくとして、現実に今人材がいないんなら、もはや育てるしかないよね?
たとえば中島、矢島、武蔵、野津田、関根、鎌田、伊東純、大島、井手口、遠藤航、喜田、植田、岩波、奈良、中谷、室屋、松原、伊東幸、中村、櫛引、このへんの人材を今後積極的に育成していくしかないじゃないか。
そもそも代表は欧州組を中心にしてる限り、練習時間からして十分にとれてないだろ?
レギュラーは試合の数日前に飛行機でやって来て、時差ボケを残しつつ試合に出て、試合が終われば解散・即帰国、という繰り返し。
それじゃ、チームの練度を高めようにも難しいさ。
私は、ここまできたらAマッチに関係なく国内組だけで代表合宿を組み、チームの練度を高めていくべきだと思う。
欧州組は、プラスαのパーツぐらいに考えておいて、チームの土台はあくまで国内組で作る。
「Jリーグはレベルが低い」と文句を言うぐらいなら、監督のあなたが育ててレベル上げなさいよ。
少なくとも現コーチの手倉森さんは、そうやってU23代表をアジア選手権優勝にまで導いた人なんだよ?

いっそ、↓のチームで一度合宿をしてみてはどうだろう。

・・・・興梠
中島・・・・・・矢島
・井手口・・・大島
・・・・遠藤
藤春・・・・・・室屋
・・植田・・塩谷
・・・・中村
(監督・手倉森コーチ)

どこかで見たことあるチームだが、気にしないでくれ。
で、このチームを強化して、いずれ↓のチームと対戦させる。

・・・・岡崎
宇佐美・香川・・本田
・・柏木・長谷部
長友・・・・・・酒井
・・森重・・吉田
・・・・西川
(監督・ハリル)

さて、どちらが勝つだろう?
そりゃね、もちろん現時点ではハリルチームだよ。
だけど来年には、今の実力差がどうなってるかは怪しいもんさ。
2016/10/2(日)20:48

☆関西人
守備の心配
久保建英くん、見事U17W杯出場切符を獲得できました。
この世代じゃ「飛び級」ながら、攻撃の軸になってるから凄い。
見た感じ、意外とちゃんとしたプレーをする選手なんだね?
もっと軽業師みたいのかと思ってたが、あの感じならJでも早いうちにデビューできる気がする。

さて、一方のレアル中井くん。
彼の場合は久保くんより映像が少ないのでよく分からないが、私が見た映像では思いっきり軽業師だったよ。
メチャクチャ足裏使うし、エラシコするし、ドリブルが変態だし、まるでサーカスを見てるような感覚に陥った。
レベルとして、かつての小野や宇佐美をも凌ぐサーカス。
テクニックだけなら史上No.1かも?
ビジュアルも美少年で、リアル「キャプテン翼」といえる。
ただ、球をコネて奪われないけど、意外と前に進んでいない(笑)。
どうかな〜、使いモノになるかはまだ全く分からない。
見ててワクワクする点では、久保くん以上だけど。

まぁ何にせよ、日本人の才能でいうと攻撃陣の将来を私はあまり心配していない。
今だって仮に本田や香川がダメな時でも、一方で清武や原口が活躍してるし。
その下の世代には久保裕也や南野や浅野だっているし、最近中島あたりもJでスタメン張るようになってきたし。
むしろ問題は、守備の方のタレントだと思う。

たとえば、今DFリーダーが吉田になってるが、あまり試合に出ていない。
森重も、年齢的にいつ下り坂に入るかと心配。
若い世代には昌子や植田や岩波がいるが、まだ覚醒には至っていない。
…あぁ、そうだ。
スペイン2部にいる鈴木大輔はどうなの?
噂じゃ、レギュラー掴んだと聞くけど。

「日本で欧州のような鉄壁のCBを求めること自体、ムリですよ」という意見もある。
ならば、前線・中盤・SBを含めたトータルの守備力を上げるしかない。
特に、守備的MFは大事だろう。
今は長谷部と山口と遠藤航がいるが、長谷部については年齢もあって明らかに下り坂だと思う。
遠藤については、クラブでボランチをやってないのが痛い。
今の起用法だと、ボランチとしてはなかなか伸びないんじゃない?
じゃ、消去法でJ2山口か…。

ハリルは、井手口や橋本拳に目をつけてるとも聞く。
井手口がまた試合に出るようになってきたのは好材料にせよ、橋本はまだ出たり出なかったりだね。
米本は怪我してるし…。
マリノスの喜田はどうだろう?
このあたりの球を奪える選手、早いことA代表で使っていくべきだと思うけど。
攻撃的ボランチ大島を召集するより、まずはそっちが優先だと感じるんだけどなぁ。

あと、SB。
長友は出場機会を失い、いよいよ今後下り坂に入るだろう。
そして内田は、もう諦めた方がイイ気がする。
よって、今のところW酒井を軸に考えるしかない。
左はあと太田がいるし、川崎の車屋もいるし、まだ何とかなる気がする。
よって、心配は右だね。
早くも、室屋を召集すべきだろうか?
あるいは、鹿島の伊東?新潟の松原?

こうして書いてて気づいたが、早くも代表は「リオ世代の守備陣」に期待しなきゃならん現実があるワケよね?
遠藤航、井手口、橋本拳、喜田、室屋、伊東、松原。
A代表コーチに手倉森が入閣したこともあり、このへんの顔ぶれがいきなり呼ばれる可能性も十分あるだろう。
ロンドン世代をひとつ飛ばして、いきなりリオ世代へ。
でも、確かリオ世代って3試合7失点だったはず…。

じゃ、まずはロンドン世代の守備陣を呼ぶ方が先決かもね。
ロンドン五輪は、6試合で5失点。
リオに比べれば、まだ全然失点が少なかった。
で、その堅守の軸になっていたのが、吉田&鈴木のCBコンビだったと記憶する。
じゃ、さしあたって鈴木大輔を次に呼べないだろうか?
彼がスペインで揉まれ、少しタフになってることを期待している。
2016/9/26(月)12:01

☆関西人
本田を超えろA
続きね。

世間には、ハリルの「海外組偏重」を批判する声がある。
まぁ、そういう批判は何もハリルに始まった話じゃないさ。
ザック時代もそうだったし、古くはジーコ時代からそうだったと思う。
その頃から、もっと国内組を重用すべきだという声はJサポたちから上がっていた。

海外組偏重は、日本だけの話ではない。
多くの国が、自国ではない欧州クラブに所属する選手たちを軸にして代表を編成している。
ごく当たり前の傾向といえる。
思えば、国際市場の中で価値ある才能が資金力あるところに流れるのは当然の摂理で、逆にいえば資金力あるところに流れた才能こそが価値ある才能、という解釈もできるだろう。

ただ、日本はユニークである。
南米などは選手の欧州移籍がビジネスゆえ、それは市場原理として理解できるとして、こと日本の場合は必ずしも移籍がビジネスになっていない。
変な話、移籍金ゼロで海外移籍させる例もあるぐらいなんだから。
日本人は、アホなの?
タダで戦力を手離すって…。
このへん、損得の銭勘定でしか物事を考えられない外国人には理解しがたい部分かもしれない。

日本人は誰しも、「日本サッカーの向上」を願っている。
選手が「海外進出したい」と言い出せば、クラブ側は彼を失うのが大きな痛手であっても、何とかしてあげようとする傾向がある。
それは単なる優しさというよりも、「才能ある選手はより高いレベルのところへ行ってさらに上を目指すべきだ」→「ひいては、それが日本サッカー水準向上に繋がる」という公共の意識からくるモノなんじゃないかと。
海外では、そういうの少ないかも。
向こうじゃ「公」より「私」が何より優先であり、利己主義、タダ同然で所属選手をヨソに売り渡すなんて愚の骨頂、という考え方である。

で、日本人選手の海外移籍は一種の「エリート留学」というニュアンスもある。
ひとつ似た例として挙げたいのが、幕末、および明治初期の日本のこと。
当時、日本は200年以上の長い鎖国をしてる間に欧米と国力に大きな差がついていた。
その欧米の帝国主義が次々とアジアを植民地化していく流れの中、こりゃマズイと明治政府は急いで国のシステムを刷新していくことになるんだ。
で、彼らがまずやったのは、欧米への視察・留学である。
大久保利通とか木戸孝允とか伊藤博文とか、皆で米国や英国やフランスやドイツなどを見て回っている。
伊藤博文は、それ以前にも長州藩から「長州ファイブ」で渡欧してたんじゃなかったっけ?
明治時代のエリートって、ほとんどの人たちが海外視察を経験してるんだよね。
でもって、そういう人たちはほぼ例外なく後に大物となり、必ず何かを成し遂げている。
それはただ外国に観光で行ったワケじゃなく、先進国の何かを学んでそれを日本に還元するという崇高なる目的の為に行ってたワケで、彼らのその吸収力たるやマジで驚異のレベルだ。
やがて彼らを中心として日本に憲法が作られ、議会が作られ、軍隊が整備され、銀行が作られ、工場が作られ、そういうのを僅か20年余りで全部やってしまったんだから。
この奇跡の近代化、世界史の中でも他に全く例がない。

そして90年代以降、我らが日本サッカー界が取り組んできたことも、その明治政府とほぼ同義といえよう。
世界に追いつけ追い越せと、「百年構想」作って、W杯招致して、プロリーグ作って、ユース作って、トレセンを整備して、アカデミー作って、ありとあらゆることをここ20年の間にやりまくってきた。
その中でも、特に官民一体になって取り組んできたのが、選手の欧州派遣だと思う。
彼らこそ、日本サッカー界における大久保利通、木戸孝允、伊藤博文、という意味なのかもしれない。
今後の日本を背負ってもらうことを目的として、彼らを欧州へ送り出したといえる気がする。
だから彼らには、もとより「還元」が期待されてるんだわ。
もちろん、代表にね。

仮に「明治元年」に該当する「日本サッカー元年」が、1993年(Jリーグ発足、ドーハの悲劇)だとする。
すると今年2016年は、元年からカウントして24年目か…。
参考までに、明治時代の28年目には、日本は日清戦争を勝利。
目に見えた成果を作った。
そろそろ、日本サッカー界も収穫すべき果実を求められてくる頃かも…。

日本サッカー界では93年以降、「ブラジル帰り」のカズがまず最初にスターとなった。
続いて98年、イタリアに渡った中田英寿がカリスマになった。
そこを皮切りに、一気に花が開いた。
日韓W杯でベスト16、シドニー五輪でベスト8、ナイジェリアWユース準優勝。
この1999年〜2002年をひとつのヤマとするなら、次なるヤマとなったのは2010年〜2013年あたりじゃないだろうか?
南アフリカW杯ベスト16、ロンドン五輪ベスト4、ドルトムント香川のブレイク、そしてマンU移籍。
上記ヤマとヤマの間隔が約11年とすると、次なるヤマが訪れるのは計算上、2021年〜2024年あたりということになる。
あぁ、ちょうど久保建英くんや中井卓大くんがイイ齢ごろになってるタイミングだな?
久保くんはバルサ、中井くんはレアル。
もはや彼らのレベルになると、これまでの「エリート留学」という枠を大きく越えてるよね。
そのヤマを迎えるに、まずはプレとして、私は2020年東京五輪に期待している。
2016/9/25(日)22:32

☆関西人
本田を超えろ
先日に発売された「Number」のタイトルは、「本田を超えろ」になっていた。
要するに、代表はいつまでもベテラン本田に依存するのではなく、そろそろ下の世代が彼にとって代わるべき、と言いたいんだと思う。
それは確かに、その通りだ。
彼もいまや30歳、年齢的にややピークを過ぎている。
それに、今季もミランで出場機会が絶望に近い。
ならば今後さらに実戦勘を失い、おそらく今までのような本田ではいられないだろう。

じゃ、ハリルはなぜ本田を外さないのか?
そこは監督を責められまい。
なぜって、本田はUAE戦まで7試合連続ゴール(日本記録)という結果を出してたんだから。
まぁ、先日のタイ戦で遂に記録は止まったけど。
みんな薄々、彼の劣化には気付いている。
ファンはもちろん、チームメイトや技術委員会も気付いているだろう。
あるいはハリルだって、そして本田自身が誰より気付いているのかも。

私は「アタッカーとして劣化したから、一列下げてボランチに」という考え方には反対である。
それはボランチというポジションをナメすぎだし。
仮に彼のポジションがサイドFWだとして、このポジションはそこまで人材不足なんだろうか?
ここをできそうな人材として、パッと思いつくだけでも清武、原口、武藤、小林悠、香川、岡崎、宇佐美、南野、浅野、齋藤などがいる。
誰一人「本田っぽいプレー」はできないだろうが、でも逆に上記の選手たちは本田にはできないプレーができる強みもあるんだよ。

ここ数年、岡田(南アフリカ大会)→ザック→アギーレ→ハリルという流れにおいて、常に本田はチームの中核だった。
だから本田不在のチームを思い出すには、オシム時代にまで記憶を遡らなくてはならない。
…じゃ、懐かしいオシム時代の基本フォーメーションを示してみよう。

【4231】
・・・・高原
山岸・・遠藤・・俊輔
・・鈴木・・憲剛
駒野・・・・・・加地
・・阿部・・中澤
・・・・川口

【442】
・・巻・・・高原
遠藤・・・・・・俊輔
・・鈴木・・憲剛
駒野・・・・・・加地
・・阿部・・中澤
・・・・川口

06年ドイツ大会をもって中田英(その時まだ29歳)が引退し、まだこの時は本田や長友や香川ら北京五輪メンバーの台頭もなく、当時代表は色々な意味で谷間期、暗黒期だったのかもしれない。
事実、オシム代表は一部の玄人にはウケてたものの、成績はアジア杯4位というイマイチの結果に終わり、とても及第点とは言えなかった。
個人的には、大好きなチームだったけど…。

よくオシムは、選手を表す言葉として「エクストラキッカー」とか「水を運ぶ人」とか、妙な言い回しをしていた。
おそらく、「エクストラキッカー」というのが試合を動かせるだけの突出した個の才能(たとえば俊輔あたり)のことを指していて、また「水を運ぶ人」というのがエクストラキッカーの存在によって生じる組織の歪みを補修する労働者(たとえば鈴木啓あたり)のことを指していたんだと思う。
オシムのサッカーは、全員に走ることを求めた「全員攻撃・全員守備」という平等のコンセプトがイメージとしてあるが、しかし一方で「エクストラキッカー」や「水を運ぶ人」という分類があったことからして、攻撃できる選手と守備できる選手を最初から色分けした攻守分離の発想が根幹にあったんだろう。
そこは、リアリストである。

しかし、このチームにはどこか小粒な印象があったのは否定できない。
少し前までは中田英という大粒をずっと見てきたこともあり、俊輔⇔遠藤⇔憲剛というテクニックに特化したトライアングルは確かに美しいんだけど、一方で脆さみたいなモノを感じざるを得なかった。
その脆さを、「たくさん走ること」「たくさん考えること」でカバーしようというのが当時オシムの考え方だったとは思う。
それこそ、↓でいう「スモールサッカー」だね。
ただ、その試みは彼の脳梗塞により僅か1年半で終わってしまった…。
結局、その完成形はいまだに全体像が謎のままである。

オシムのあとを継いだ岡田さんは、紆余曲折の末にスモールサッカーをリセット。
やがて本大会では、本田・長友・長谷部・闘莉王らを軸に加え、チームはマッチョ化の方向へと舵を切ることになる。
そこからが本田の時代到来となるワケで、みんな彼を「中田英の再来」として大歓迎だったかと。
仮に日本代表には、
カズ(マッチョ)→名波(ビューティー)→中田英(マッチョ)→俊輔(ビューティー)→本田(マッチョ)
という歴代王座の系譜があったとしよう。
ならば法則的に、次なる本田の後継者は「ビューティー」の可能性が高い、ということだよね?
つまり必然として、次はポスト本田というよりはポスト俊輔というべき選手が王座に就く可能性が高い、ということ。

…誰か、そんな選手に心当たりありますか?
2016/9/24(土)13:43

☆関西人
日本化
皆さんは、先日行われたパラリンピック閉会式における日本の「引継ぎ式」を見た?
オリンピック閉会式の方は安倍さんのマリオもあってかなり話題になってたが、今回のはあまり話題にならなかった感じ。
しかし、内容はまたしても素晴らしかったと思う。

演出を手がけたのは、オリンピックの時と同じく佐々木宏さん(CMディレクター)、菅野薫さん(電通)、MIKIKOさん(振り付け師)、そして椎名林檎さんの4人である。
今回はパラリンピックとあって、障害者によるパフォーマンスがメインだった。
義足のファッションモデル、片足のダンサー、車椅子のダンサー、ダウン症のダンサーなどが続々と出てくる。
一歩間違えれば「見世物小屋」のごとく悪趣味になってしまうが、そこはさすがTOKYOのクリエイター、クールでカッコいいステージ。
最後、懐かしの名曲「東京は夜の7時」をバックミュージックに、盲目の檜山晃さんが白杖で地面を叩きながらランウェイを歩き、前述のダンサーたちもそれに続いて歩いていく光景は何とも神々しく美しかった。
それにしても、まさか林檎さんがピチカートファイブの曲をセレクトするとはね(笑)。
私は、少し泣きそうになったよ。

先週のNHK「クローズアップ現代」では、上記4人に対するインタビューが放送されていた。
なかなか興味深い内容だったね。
というのも彼らの話を聞く限りだと、最初は忍者が出てくるような企画アイデアもあったというんだから。
小池都知事がセレモニーで五輪旗を掲げてると、いきなり忍者が出てきて旗を奪ってしまう、みたいな内容だったらしい(笑)。
討議の結果、それはボツに。
なぜボツになったかというと、それじゃ「フジヤマ、ゲイシャ」というお馴染みの世界観にすぎないから。
それが本当に今のTOKYOなのか?というところから、おそらくこの企画は始まっているんだろう。

林檎さんも言っていたが、別に「フジヤマ、ゲイシャ」でなくとも、今のTOKYOには和のテイストがキチンとあるのさ。
たとえばピチカートファイブを聴いてると、なんかよく分からないけど音に「日本」を感じるもんね。
特に最近では、「kawaii」カルチャーが我が国独自のモードとして海外輸出までされている。
それら音楽もファッションも、もともとは欧米から日本に輸入されたカルチャーだっただろうに、不思議なもんで一度日本のフィルターを通すとピチカートになったり「kawaii」になったり、本家の欧米では決して出せない独自の色がついてくるんだね。

これが、いわゆる「日本化」というやつだろうか。
この言葉は、確か以前にオシムが使ってたな…。
サッカーの日本化ってやつ。
こうしたスポーツもまた欧米から輸入したモノながら、やはり日本というフィルター通すと若干カタチを変えるもんだよ。
野球は特に分かりやすい。
あれは米メジャーリーグが基準となるベースボールだとして、日本の野球はよく「スモールベースボール」と称されている。
日本人は犠打、盗塁、エンドランなど、仮に長打がなくとも点を取れるコンセプトに特化しており、その象徴でもある内野安打の達人・イチローは、メジャーでも通用してるからナメたもんじゃないんだわ。
「スモールベースボール」というのは、必ずしもネガティブな意味における表現ではない。

あるいは、日本化というのはあらゆる意味で「スモール化」を指しているのかもしれない。
それはイチローのみならず、ピチカートファイブだってkawaiiカルチャーだってクルマだって科学テクノロジーだって、見方によって日本のは全て「スモール」のニュアンスがあると思う。
そして、サッカーもまた例外じゃないだろう。
日本化したサッカーとは、すなわち「スモールサッカー」。
これは以前、中田英寿が語った言葉である。
彼がこの言葉を、ポジティブな意味で言ったのかネガティブな意味で言ったのかは分からない。
私は、両方じゃないかな、と思う。

また話を本田に戻すが、彼の存在価値はスモールではないところにこそあった。
彼一人だけ、例外的に欧州規準のごとく規格が大きかったんだよ。
ザックもアギーレもハリルも岡田さんも、だからこそ本田を重用した。
ビッグな彼を恒星にして、彼以外の選手たちをスモールな衛星として、いわばひとつの太陽系を作ってたワケね。
じゃ、今の若手たちの中に恒星となれるような選手は存在するのか?
…ピンとこない。
そんなタイプ、実はいないかもしれない。

いや、それならばそれでイイのよ。
よく考えりゃ、ヤットの代替だっていまだいないワケで、いないならいないなりに別コンセプトでいけばイイんだ。
流れとしては、やはりオシムが目指した「日本化(スモールサッカー?)」になるだろう。
恒星を置かない星の群れ、いわば流星群のようなサッカーだろうか?
2016/9/23(金)17:42

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