−Neuwelt港−

飛空挺が出入りし、様々な船舶と飛空挺が停泊している観光スポット
灯台・展望台、乗船場もあるので観光船で付近を周遊出来る
ラディアンテ
置きレス
鮮魚…?でも、私は長く生きられないから夢を見るしかないもの。
例え叶わなくても……ぁ、はわわっ!

(こうして話す内に気付けば海面へ向かって落下していく。まるで空が落ちていくような景色を最後に海中へと沈んだが、慌てるより先に彼を助けなくてはと浮上した彼の肩を背から掴もうと試みた。拒まなければそのまま抱き寄せるように密着してから尻尾のヒレと脚を上手く使い防波堤の方へと進んでいくだろう。しかし、落下の衝撃によるものか眼帯を無くしたようだが海のような青い方の目は何も見えていない為それすら気付けておらず、左右非対称の瞳を露わにしている)

ご、ごめんなさい…驚いてしまって。
もう一枚鱗をあげるから…初めから抱っこなりしてくれた方が、私としては助かったかも知れないけど。
……重く…なかった?
ギルカ・アルグール
置きレス
…っふ、あははっ…!いい反応だな。…いやごめんごめん。わかんないってのはいい未来だ。お行儀よく夢を見たって人魚姫は救われない。そうやって迷う方がずっといいよ、生き生きしてて鮮魚って感じが…――ちょっ、わっ…(急に笑い出したのは鱗の効果ではなく失礼にも相手の反応がツボに入ったせいで、狼狽する姿を見て笑うという非道な悪魔の面を覗かせ。注意散漫に相手からの小さな反撃が加わって重心の調整を怠ってしまい、積木が崩壊するように相手もろともぐらりと崩れて再び海原へ、視界に海面が近づくとまぁそれもいいかと歓迎して波飛沫と共に海中へ落下し。海中初心者なため一瞬上下の感覚がなくなり混乱して口から大量の気泡を吐き出すが、しばし脱力していれば仰向けの状態でゆっくりと水面へ浮いてきて軽く咳き込み)
…はー、鼻にはいった。もう少し我慢してくれたら空中で体勢整えたのに。
ラディアンテ
置きレス
大事にしてくれるなら、私はそれでいいの。……?

(何やら呟いているらしいその言葉は耳に届かず、疑問符を浮かべている。しかし、彼の行動を眺めているとその鱗が割られ、更にそれがばりばりと音を立て噛み砕かれたなら呆然としたまま硬直し。食べられてしまった事に、悲しんだら良いのか喜んだら良いのか、怒るわけにもいかずただ訳がわからないと言った様子で今にも泣きそうな表情見せた)

た、食べ…っ、ええぇ!?
えっと、その…ぅ、うぅ…私を食べたいって、事?
わからない…何が起きても知らないわ。

(自身の体の一部でもある鱗を体内に吸収するという意味では、より近い関係になるのではと思ったが頬を赤らめるだけで考えを口にする事はなく。しかし鱗を食べた事から、やはり魚が食べたかったのだろうか、尻尾が美味しそうに見えたのだろうかと眉尻を下げて悩んだ)

ひっ…!
う、浮いて…、ぁ、手首が…痛…ッ!

(背後に回られるも振り向かずに目を閉じたが、海面から上昇する感覚に目を見開き自身が浮いている事に思わず情けない声が漏れる。だが捕まれている手首に水分を纏った己の体の重さが負担となって掛かっているのだろう濡れた冷たい尻尾が揺れて彼の脚を無意識にもぺちぺち叩くだろう)
ギルカ・アルグール
置きレス
おまじないみたいなもんか、随分良いもの貰っちゃったな。……不老不死の肉にまじないの鱗、そりゃ狙われないわけもないか。何もなくたって綺麗なのになぁ…(釣りへの問いかけには勿論と頷いて肯定し、掌の鱗を見遣ると違う価値が付与したそれは魔法のアイテムのように目に映り、改めて礼を述べると相手に聞こえるか否かといった小声で独り言のように呟きを付け足し。どちらの人魚の効能も伝承で知ったものであり真相は知り得ぬところだが、それでも縋りたい人種は多く、利用したい輩なら山ほどいる。夢や恋の言葉に照れている少女の姿が純粋であるほど思うところがあり、僅かに眉根を寄せて表情を曇らせ。しかしそれも束の間、鱗の乗った掌を口へ運ぶと歯で噛んで固定しパキと二つに分け、そのまま鱗を口内に招いて味わうように細かく噛み砕き飲み込むと相手へと笑みを向け)…この場合は?

…それじゃ運んでくけど、ちょっと不安定なのは許してな。まぁ落ちても海だから問題ないだろ。(無重力かのように空中で座っていた体勢を崩しながら相手の背後へと回ると、釣竿を自分の項部分からシャツと背中の間に差し込んで両手を自由にし、代わりに上げられた少女の両手首を掴む。そのまま高度を上げていくと空中ブランコのように相手を宙へと引き抜くことになるだろうが、やはり二人分になると精度は下がるらしく少女の反応によっては海中へ招かれそうでもある)
ラディアンテ
置きレス
そう…楽しいの?
確かに食べる為なら、お店に行く方がいいわ。

(釣りはサバイバルの一つだと思っていたが今、それは娯楽でもあるのだと知り普段釣りをしている人たちの事を理解した)

いいえ、違うの。
私の鱗を貰ってくれる人が初めてで…受け取った人が大事に、ずっと肌見離さず持っててくれたら互いの夢が叶うって、本で読んだわ。
………あと、結ばれるそうよ。

(どんな夢があるのだろうか、びちびちと尻尾を振って飛沫を飛ばしつつ、どちらかというと照れていただけのようで。そして最後にぼそっと一言付け足すが、それよりも彼の要求には恐る恐るといった様子でセクハラされる事はないだろうと両手を上げて)

こ、こう…?
ギルカ・アルグール
置きレス
あの場所でこれを使ってやりたかったんだよ。飛空艇でここ通った時に空から見たんだ。あそこで釣りしてる奴がいてさ、面白そうだなーって。魚食べたいだけなら料理屋行くしな。(既に何日も前の記憶ではあったが、雲の影が泳ぐ青空の下、防波堤に佇む数人の釣り人達の姿を上空から眺めた景色は鮮明に残っていて、それの真似事をしたかったのだと白状し)
え…っ、俺もしかしてセクハラしてる?売り飛ばしはしないけど、もしかしたら故郷の方に送るかも。俺んとこ海なかったから人魚の鱗なんて自慢できるし。(気軽に言ってしまったが相手の表情からしてもしや辱めてしまっただろうかと自分の迂闊な言動に頭を掻き。差し出された鱗は思っていたよりも大きく、釣り針より余程痛かったのではと脳裏に過ったがそこには触れずに鱗を受け取ると、さっそく片目の前に掲げて夕日に透かせば想像通りにより美しい色合いを映し、数秒ほど見つめた後に相手へ視線を移して満足げに礼を告げ)
ありがとう。釣り上げるっていうか、普通に連れてくよ。両手出して万歳して。はい、ばんざーい。