塩見 鮮一郎公式 掲示板


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Name 世話人

詩人と別れて、


踏切の向こうの米屋へむかった。
このマチでは一軒だけだ。
天保11年創業が自慢。なんども打ち壊しにあったという。
こちらは自慢ではなかろう。
戦時中は配給制度。
いまはスーパに客をとられた。
またぐちぐち愚痴られるか。

零子、待ってろ。

レールに下駄の歯がはさまった。
取れない。
脱げない。
運命の瞬間が。
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Name ヒロキ

一極集中


緑タヌキと自公、膨大な富の奪い合い。
河の対岸の県は、指を咥えて眺めるしかない。
上振れ消費税の分前も入り、富の偏在が著しい。
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Name 世話人

いいです


とこたえた。いやいいです、か、いいですね
の区別が曖昧だ。
それでも、ふたりは「さぼうる」のようなサテンに入った。
下駄履きで着流しでも、ま、無理がない。
「米屋ですか」と、首をもっとふかくかしげた。
「はい。テレビでやってます」とこたえた。
備蓄米のことか、米国在住の孫娘のことか、自分でもはっきりしない。
「古古古ですか」
「はい。コメという字です。十の四隅に米粒を書きます。
米粒なしを口でかこむと田です。米屋の青色ののれんを見に行きます」
 「お茶さめますよ」という。
話に合わせて紅茶を頼んだ。
「猫舌なので」と言わない。書きすぎるのはサイテー。
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Name 世話人

むこうから


詩人がきた。鳥打帽をかぶってる。
おはよう。と声をかけた。
おどろいている。日のあるうちに会うのはめずらしい。
深夜にネットで話すのが普通だ。
「お出かけですか」という。
「まあね」と、零子のことはだまっている。「米屋へ」というと、もっとかんがえこむ。
ハンチングが落ちるほど首をかしげている。
「お茶、どうです」詩人はいった。
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Name SYUPO

エール? 茶々?


お話の腰を折ってすみません。
下駄がぬげなくなった話がとても面白いです。
続きを楽しみにしています。
 Del
Name 世話人

なんとかしたい。


なんとかする。
零子、電子記号みたいな名だ。
だれがつけた。
死んだ息子がきて、子が生まれたという。
女の子だ、という。
なんだ、女の子といってはならない。
テレビで言うと、おしまい。
狂喜したアホが炎上する。
そうだ、そんなことより、零子だ。
米国にいるのだが不味い米しかなかろう。
コメを送ってやろう。
米屋に行く。
下駄履いたままなので、すぐ飛び出せる。
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Name 世話人

零子の返信


じっちゃん、アメリカ狂った。
休講よ。
相対性往還機構原理研究室も壊れそう。
担任ノーベル賞候補の特別かしこい教授もつかまった。
「むかしはいい男だったが、いまはアホでしかない」
と大統領はブログに書いたの。
じっちゃん、飲み歩いてないで、助けて。
どうしたらいい。
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Name 世話人

じっちゃん助けて


というメールが届いていた。
ゾクッとした。
どうする。
どうしても助ける。
零子、れいこ。
外に出るな。
耐えられない、あの男に。

なにか起きるよ、零子。
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Name 世話人

土足厳禁


という板が廊下においてある。
ヘルパーさんが置いて帰った。
なに、かまうもんか、足首を切るわけにはいかない。
テレビを付けた。
二丁拳銃の国が気になる。
孫が留学している。
(continue)
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