
世話人
読書@
早乙女朋子『バーバーの肖像』(1996年1月初版)
すぐれて奇跡的に誕生した少女期の感性。
それとともに、背後に同時的に進行していた悪徳の物語です。
作品について書きたいのですが、すばる賞を受け、
雑誌発表が12月、この単行本が翌年の1月。
この時期、わたしはホスピタルと斎場の間にいて、
また、お別れ会がありました。
世事に気がまわらないうちに見過ごし、
今回初めて単行本で読みました。ちょうど30年が経過しています。
そして、既視感があったのです。
鎌倉、モデルのマザー、老紳士。だれかから話に聞いたような。
それも、この作品にふれるずっと前に。
信じられるか信じられない記憶。
この本を読むまで忘れ、
読んでよみがえる記憶の破片。
(つづきます)