塩見 鮮一郎公式 掲示板


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Name 世話人

読書F


早乙女朋子『バーバーの肖像』

バーバーと少女の関係性の逆転があっても、
作品におおきな乱れはなく、
さり気なく日常がすぎて行きます。
そのことで、悪徳の物語に堕すはずのところが、
静逸をたもちます。
老いた父たちは死に、娘たちは結婚します。
少女の心を満たしている
老紳士の優雅さはたもたれたのです。

そして、
このむずかしい「家族の肖像」を、結晶化することに成功しました。
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Name 世話人

読書E


早乙女朋子『バーバーの肖像』

ネタバラシしなければ、批評になりません。
やがて少女は知るのです。
大事なバーバーが詐欺師で前科四犯で、結婚詐欺なども。
さらに、母を500万円で、材木商の鍋島に売ったのでした。

さらに少女にとって衝撃なのは、自分が鍋島の子と知ったことです。
なんという不思議な設定でしょう。
本当の父を嫌い、憎んでさえいたのです。
母を売ったバーバーを快いよい老人に思い、慕いつづけたのです。
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Name 滝川

鎌倉。


乳母車の中は私です。

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Name 滝川

作品


母は絵は描きません。書家でした。
絵は、母の写真をもとに無名の人物が描いたものです。

 MailDel
Name 世話人

母の少女時代の絵


だれが書きましたか。
滝川=早乙女さんが、母の少女時代を知るはずがない。
母自身が描きましたか。
滝川=早乙女さんに似ているように思えます。
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Name 世話人

読書D


早乙女朋子『バーバーの肖像』

この人たちはどのような関係か。
夢のような、
霧のような、
靄のかかった一族。
俗世を離れて親しく歩んでいる人たち。

その尊い人たちに対して、
戦後のブルジョアジーが金貨をにぎりしめて登場します。
なんと脂ぎった男は横浜の少女の家に週2回やってきます。
それはいやな辛い夜です。
大人は少女を抱き上げますが、身を固くしてがまんします。

鎌倉の上品な紳士と鍋島という商人が対比されます。
とてもうまい人物の配置ですが、
さらに飛躍します。(紙数がつきました。種あかしは1日延長します)
 URLDel
Name 滝川

初恋とは怖いもの


母の少女時代の絵です。妖しい宝石。

命の根っことは自尊感情です。
だが、満たされなかった魂は、逆に、のちの自分を豊かにしてくれたのではないかしら。
何を見てもバーバーや母を思い出します。気持ちが叶わなかったことで、いつまでもいつまでも彩りある景色がエンドマークにならないのです。これを初恋と言わずになんて呼ぶのか。

逆に、人生に満足した人間なら、小説を書こうなどと思わないです。

 Del
Name 世話人

読書C


早乙女朋子『バーバーの肖像』(1996年1月初版)

ネタバレと、盛んにいう。ドラマや映画の批評によく出てくる。
便利だから使いますが、ネタバレなどと言わないで、ネタがバレないようにするのがうまい批評だ。
でも、バーバーの肖像ではどうだろう。
隠されたネタに驚きながら読み進める。のに。

バラしてしまえば、かんたんだ。
少女の母は美しい。無邪気で、すこし妖艶だ。
母と姉と少女は日曜日には、鎌倉の老人の借間をたずねる。
英国風ゼントルマンのモダン老人だ。
少女は老人が父のように思える。
父だといいのに。
入れ歯になっていっしょにいたい。

わかりますか、どういう絵解きになるか。
次回、ネタバレ。
これから小説を読む人は警戒してください。
 URLDel
Name 滝川

入れ歯


嬉しいです。ありがとうございます!

生存上の理由で、見たものに擬態する気質だからでしょうが、本当にコップの中の入れ歯は美しく神秘的に見えました。そばに居られるのは羨ましかったです。 Up 4/29 19:47
 Del
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