塩見 鮮一郎公式 掲示板
過去ログ4543
2024/7/25 22:02
▼しのありがとうございます丁寧に読んでいただき、ありがとうございます。
最後にきっちり着地させて「終わり」を作るのが、苦手。というのを改めて自覚しました。
ジャンルを限定せずにまた長編にチャレンジしてみます。
▼世話人読書C片思いこそ最大の苦痛であり、最高の神秘でもあります。
成就を願うは遺伝子レベルで、破綻を予知しながらも、なおあがいてみる。
死を前にしても、片思いの君に話しかける。
ボクは、ボクは。ボーイズくん。
それはシノハラヤングボーイズの声でもあります。
未完とわかっていても、ストーリーをつむぎます。
ストーリーです。
謎です。
自分で自分に謎をかけるので、
関係性がながく伸びるのです。
伸びてもいい。
それが好きなのです。
物語るのが好きです。
終わりの空白ののちにも、
宇治の10巻を書く。
最後の巻は未完です。
HP
▼世話人読書Bどんな小説にも骨格がある。
背骨、バックボーン、物語の始まりから終結までつながり、
全体を支える構造です。
篠原和子『君といた部屋』は、すこし特殊です。
めずらしい。
こぼしに図示したように線条なのです。
串団子か数珠のようにつらなります。
ミナミがとりあえずの主人公でしょう。
かれは先輩からひそかに想われています。ネタバレ注意。
そのミナミ青年は、同居した美青年にひそかに執着します。
記憶喪失のイケメンは、前にその部屋に住んでいた画家を探していました。その画家は絵の先生とつながります。
全員が片思いです。唯一、成就するはずだったカップルは、その相手が…
ちいさな三角関係が並んでいるともいえますが、
結局はゆるゆるの関係です。
めずらしい。わたしは初見です。
HP
▼世話人読書A全体の感想をさきに言えば、
読み進める快感があって、それはよくできた文章からきている。
忍耐強く練られ、磨かれた文には、もうそれだけで満足する。
人間か。
ひとりの作者が展開する世界はおおきく、それが言葉の振動として届けられる。
27の青年が深夜近く仕事から帰ってくる。夜も更けた道には
街灯がうつむいている。
外付けの金属の階段を登る。錆びた打楽器のように鳴る。
そして、かれの部屋の前にうずくまっているベージュのコートの若い男と出会う。
男の顔を見て息を呑む。美しいのだ。
すばらしい導入部。
HP
▼世話人読書@『君といた部屋』篠原和子
恋する男たちの物語です。
作者はボーイズラブという範疇におさめたいようですが、
小説は社会的通念にしばられない苗代で成長します。
ちなみに、作者の定義では、
「BLものは現実の『ゲイ』の問題を描いているのではなく、女性が結婚や妊娠といったものに囚われず、抵抗なく自分を投影できるフィクション」というものだと聞きました。
よく理解しますし、「結婚や妊娠」を振り切ったところで成立するロマンスとして、女性が専有するジャンルになっているのは、おもしろいです。
男だって結婚や妊娠のことを考えないことはありませんが、考えることが野暮なのでしょう。
抽象界での甘美なプレイにのみ耽溺する。そんなことはできないから、いいのでしょう。
ただ、ここではジャンルを捨象して、小説作品として読みました。
HP
▼世話人妄想地相見島国優位の社会になります。
国家間の軋轢・摩擦が何世紀かつづくでしょう。
国境が四位海の安定性が評価されます。
島国コンプレックスが維新以来の戦争を招きましたが、
閉鎖的自己完結の社会が、列島の未来の安全です。
HP