塩見 鮮一郎公式 掲示板

過去ログ4334 2023/3/14 0:24

▼世話人
読書3⃣
ふしぎな小説ですが、
作者の好みが、ゆるがない一本の鋼(はがね)の線としてあります。
詩歌や寸言が、コラージュのようにちりばめられています。
言葉や音符が数珠のようになっていて、脳内万華鏡のよう。

そして、いちばん重要なのは、
日本軍人や征服米兵が、悪として出てこないことです。
たぶん、日本で書かれたオキナワ戦では初めての視点でしょう。
天皇の軍も米兵も出てきますが、
登場する個人は、いずれも、やさしくて礼儀正しい。
音楽を愛しています。

そのことで、この本にあふるリリシズム増幅しています。

HP

▼ヒロキ
カタストロフ
世界野球大会の国で、資本主義が呻き始めている。
大恐慌から90年かけて繼ってきたが、また、銀行が逝き始めた。
資本の増殖の矛盾が、止揚される時が近いのかもしれない。


▼わかけん
西口御大が
40年にならんとする文芸に関わった濃厚な時間が、主人公片岡に乗り移って、語らせているのかな。とも思いました。鶴見の店はモデルがあるのかしらん。ということは、152頁の「指」の記述は、鈴木しづ子の句から作者が連想した個人的な思いなのかしらん、もしかして、知らんけど。


▼わかけん
風邪で
昨日から寝込み、今日は職場放棄してしまいました。
昨日は電話に出るのも億劫なくらいでしたが、今日は少しマシなので、朝から『相思樹の歌』を読み続け、先ほど読了。
そうですね、おっしゃるように、戦闘の場面はなし。主な人物のほとんどは沖縄戦の中で亡くなるのでその場面は書かれますが、大規模な戦闘シーンは後景に退かれます。
印象的なのは、様々な日本の詩歌が引用されること。メジャーから、鈴木しづ子、ハマのメリーなどもちらと出て来ること。リリシズムを守る、ですか。なるほど。


▼世話人
313
先週
335

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HP

▼世話人
読書2⃣
いまの「日本文学』は、賞小説です。
芥川とか直木とか、各種新人賞。
これらの業務に携わる編集者、選考委員の頭をしばっているのが、
既成の受賞作など先行事例です。
目指すは、話題になりベストセラーになること。

おのずから作品の形はきまります。
ひまわりの女子が出てくれば、悲劇的な最期が強調され、
戦闘場面がヤマ場になります。

それが『相思樹の歌』にはありません。見事です。
小説の中ほどに、3行、「ひめゆり学徒隊の女性たちは、
(死者数)犠牲になったという。」

くそリアリズムにしないことで、リリシズムを守るのです。

HP

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