塩見 鮮一郎公式 掲示板
過去ログ4333
2023/3/13 0:26
▼世話人読書2⃣いまの「日本文学』は、賞小説です。
芥川とか直木とか、各種新人賞。
これらの業務に携わる編集者、選考委員の頭をしばっているのが、
既成の受賞作など先行事例です。
目指すは、話題になりベストセラーになること。
おのずから作品の形はきまります。
ひまわりの女子が出てくれば、悲劇的な最期が強調され、
戦闘場面がヤマ場になれます。
それが『相思樹の歌』にはありません。見事です。
小説の中ほどに、3行、「ひめゆり学徒隊の女性たちは、
(死者数)の犠牲になったという。」
くそリアリズムにしないことで、リリシズムを守るのです。
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▼世話人https://kakuyomu.jp/works/16817330648150755526HP
▼世話人読書1⃣『相思樹の歌』西園徹彦著、左右社、2023年3月刊。
知友の本です。西口徹さんが書きました。
知友だからで、批評が甘くなるといけません。
映画のひめゆりで使用されていたのが、この歌だと
最後に書いてあります。
本土から沖縄に渡った少尉が作詞し、
島の音楽教師が作曲した。
医師の父の赴任にともない一青年がやってきます。
ひとり最後まで生き残る「狂言回し」の役どころです。
ときは敗戦間際、場所は首里城のあたり。
片岡草志という青年は、
詩人と音楽家、両人の感化をうけて成長する。
青春小説でもあり、教養小説でもあります。
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▼ヒロキ地鳴り早朝の揺れ。
忘れるのが得意なこの国の人々に、地の底からか、天からか、
この日の揺れ。