塩見 鮮一郎公式 掲示板

過去ログ4329 2023/3/8 9:32

▼わかけん
これを
時間軸で説明する論にうなずいています。いわく、短期間での等価交換は計測可能だが、むしろそれは歴史的には例外中の例外だと。多くの交換は等価では測れません。福祉のようなケアの現場、教育、社会、環境、様々な曲面での交換は、むしろ贈与の方が説明がつく。落語なんて、贈与だらけです、ってなわけで、大川に身投げしようとする青年に五十両渡しちゃう噺が紹介されたりします。


▼わかけん
等価交換
『資本論』は、商品の等価交換の議論、価値形態論から分析を始めるわけで、しかもそこがキモというわけでして、ならば贈与はどうなんだと、なるわけです。世話人さんのように、最初期の物々交換は等価だったのか、など、貨幣の起源論にもなります。
ケアを等価交換でやると失敗します。福祉の現場ではだいたいそうですね。商品経済が浸透した市民社会ではそうでもないと思われていたようですが、今や綻びだらけですね。


▼わかけん
贈与
「贈与」は「利他」などと共に今後、重要な概念になると、なるといいなと、思いつつ様々な本を読みます。
コスパとか効率化とか生産性とか、いつ頃からですかね、身近で、生活、労働の場で、しょっちゅう触れるようになりました。それらの対抗軸、アンチとして出てきてる訳ですが、なかなか浸透していかないのは、理屈が先に立つからでしょうか。でも、コスパだって計算だから理屈なんですけどね。そこで「ケア」という言葉が出てくるようになりました。デイケア、ケアマネの「ケア」、もともとは福祉用語ですが。


▼SYUPO
訂正
4つ前の記事、本文2行目「民俗学者」→「民族学者」でした。
*もしよろしければ、この本を塩見様にお送りいたします。


▼SYUPO
追記
また、本文の締めくくりに、1P分ほどですが、カフカが24歳から38歳まで「ボヘミア王立労働者障害保険協会」に勤務した時のエピソードが示されていました。
「この人たちはなんておとなしいんだろう。この人たちは協会にお願いしにやってくる。協会を襲って何もかもぶち壊そうとするのではなく、協会にお願いしにやってくる」(カフカ)


▼SYUPO
(承前)
例えば、南太平洋で、首飾りなどをリレーのようにつなぐ「クラ」という慣習だとか、北米の先住民の間で行われた「ポトラッチ」、さらにはヨーロッパ中世から始まる「保険」の歴史など、紹介される事例は多岐にわたります。
しかし、それらが丁寧に紹介され、かつ読者のことを考えた簡潔な文章なので、僕にも分かりやすく、非常に刺激的な内容でした。
終わり近く、カミュの『ペスト』を紹介する中で、筆者は言います。
「なぜ、保険がないと生きていけない時代になったのか(略)それは、われわれ現代人が、オランの町の住人のように、強制的に閉鎖され外部から遮断された空間に閉じ込められたからである」


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