塩見 鮮一郎公式 掲示板
過去ログ3756
2020/10/17 16:56
▼世話係学問枕草子に出てくるそうですが、
learningとかstudyの訳語にしては、
なんだかオーバーな感じ(漢字)?
いま、学問はどこにあると思いますか。
大学、内閣、文部省、新聞社、岩波書店。
▼わかけんまとまった時間がなかなか取れず、小説読むのが遅れています。
でも、楽しみに取ってあります。
少々お待ちを。
とぎれとぎれ、では小説世界に入り込めないので。
とはいえ、1日のなかで少しずつ読書は進めます。
ブレイディみかこ、ディスイズジャパンを読み終え、斎藤幸平、人新世の資本論にようやくかじりつきました。
今は、アクチュアルな問題ばかりに目が行きます。
『今』が、おかしすぎる。
60年安保、70年安保、水俣、部落問題等をアクチュアルに追いかけていた当時の人びとも、『今』を同じように見ていたのでしょうか。
▼世話係読書B咲恵水『母だから』
女性の家族3人、訪問者2人の、登場の時間差など、
こまかい配慮がしてありますし、5人の性格・年齢・考え方も
はっきりと弁別して書いてあります。徐々に対立が
明るみにさらされ、90枚ほどの長さにうまくおさめられています。
若いふたりの運命を知りたくて、読者は熱心でしょう。
でも、☆5とは、言えません。
遅れてきた「人権の物語」のように感じました。
著者もわかっていて、第二世代の男女を表に出したのです。
親の第一世代が当面した疾風怒濤の差別の横行。
その苦悩と悲劇を、見事、はずしているのです。
(書ききれないのでつづきです)
▼長野のせんせ人名制説明ありがとうございます。人の移動が意外と広範であることがわかりました。
今は以前読み置いた加太こうじさんの著作を読み返しています。未読の『ふたりの昭和史』1964年刊ポケット文春544
先祖がつながる山下肇と加太こうじ共著を読みながら江戸から明治に移るときの人々の歴史に思いを馳せています。
▼世話係読書A咲恵水『母だから』
部屋を片付けて待つ方は、女主人公、その母、その父。
母はいまの父とは再婚で、主人公には義父になる。
仲がいい夫婦で、結婚に賛成している。
客の方は、彼の父親は死んでいて、母とふたりで住んでいる。
母の出自を、父親の実家がきらい、駆け落ちか。
父の死にも、京都の実家からはだれもこない。
両家に、かつての差別のテーマが隠されている。
作者が飛田のことを取材し、そのような作品をすでに書いている。
ここにも、遊郭飛田の、あのきれいな人形のような
可憐な遊女がスケッチされる。(まだつづく)
▼世話係海賊の子孫塩飽諸島は瀬戸大橋の、高松側の橋脚のそばです。
人名制(にんみょうせい)という、めずしい統治様式が
維新後まで維持されます。
秀吉からの朱印状で自治権をあたえられ、650人の船方が、
「人名」という肩書で島民を支配しました。
その中の代表4人が「年寄」として番所につとめました。
西周りの千石船も寄港し、元禄以降、華やぎます。
戦国時代の島民がすべて徳川に引き継ががれたのではなく、
わが先祖のように倉敷の天領に連れてこられたのもいます。
広かった水田は維新後、倉敷紡績の工場になり、いまは赤レンガのホテルです。
墓は正門の向かいの丘にあります。