塩見 鮮一郎公式WEB 掲示板

過去ログ2718 2015/8/24 1:14

▼世話係
読書
ゾラ『居酒屋』

読んでなかった。
ルネ・クレマン監督で、マリア・シェルが
ジェルヴェーズを演じた映画で、すましたらしい。

このメンバーなら、再度見てみたい。

読みやすいという人もいるけれど、
ひとつ場面の描写がすごい密度なので、
たいへん。ゾラの筆力があってこそ、立ちどまる私を
引っぱって行ってくれた。

ひろい洗濯場や鋳物工場、飾り職人、クリーニング店、場末の下町。
ダンスホールや葬儀。
明治維新のころのパリの暗黒が描かれる。

タイトルは、「ラソモワール」で、その日本語訳である。
「ソモワール」は、安酒(火酒)を出す居酒屋のことをいう。
この小説での「居酒屋」は、底辺労働者にとって
不可欠の慰労の場であるとともに、
飲酒による弊害の源泉でもある。

泥酔した男は家庭にもどると、妻子を蹴飛ばし、腹を踏みつけ、さらにすべての家具や
衣裳を質屋に入れて飲んでしまう。
「翌日になると、二日酔いも醒めぬうちに
また出かけてゆき、あちこちの飲み屋の戸を叩いては、また狂ったように飲み回った」(新潮文庫436p)

そして、ついにアル中で狂死する。一家離散、主婦や娘は、
乞食か淫売になる。
「あたしのものをあたしが勝手にするだけじゃないか。すくんくともだれにも迷惑を
かけないのだから。腹がへって死にそうなとき、理屈をこねてもはじまらない」(669p)

この小説は、
近代の理性が資本主義勃興期の社会を
科学的に見つめた
「自然主義文学」ということになっているが、
どこに目がついていたら、
そんなふうに言えるのか。

よこしまな理念を廃すれば、
リアリズムと言える描写もあるけれど、
これでもか、これでもかという描写が
いつしか「自然」をこえて、「モンスター」になって行く場面はおおい。
現実にはありえない妄念の都市に生きた、破壊された人間。
「小説」とはそんなものだろう。

残念なのは、
前半では、場面が確立され、
徹底的に細部まで描写されるのだが、
後半は、しだいにモノローグ、人物の吐きだす「呪詛」が多くなる。
かなり不満です。

8/24 1:14

▼歩を係
読書
ゾラ『居酒屋』

読んでなかった。
ルネ・クレマン監督で、マリア・シェルが
ジェルヴェーズを演じた映画ですましたらしい。

このメンバーなら、再度見てみたい。

読みやすいという人もいるけれど、
ひとつ場面の描写がすごい密度なので、
たいへん。ゾラの筆力が立ちどまる私を
引っぱって行ってくれた。

ひろい洗濯場や鋳物工場、飾り職人、クリーニング店。
ダンスホールや葬儀。

タイトルは、「ラソモワール」の日本語訳で、
ソミワールは、安酒を出す居酒屋のことをいう。
この小説の居酒屋は、底辺労働者にとって
不可欠の慰労の場であるとともに、
飲酒による弊害の源泉でもある。

泥酔した男は家庭にもどると、妻子を蹴飛ばし、腹を踏みつけ、さらにすべての家具や
衣裳を飲んでしまう。
そして、ついに中毒で狂死する。一家離散、
乞食か淫売になる。

近代の理性が資本主義勃興期の社会を見つめた
「自然主義文学」ということになっているが、
どこに目がしていてたら、
そんなふうに言えるのか。

よこしまな理念を廃すれば、
リアリズムと言えるパーツもあるが、
これでもかこれでもかという描写が
「自然」をこえて、「モンスター」になって行く場面はおおい。
現実にはありえない妄念のパリ、
破壊された人間が描かれている。
これぞ、我が思う「小説」か。
いや、ほめすぎました。

残念なのは、
前半では、場面が確立され、徹底的に描写されるのだが、
後半は、しだいにモノローグ、人物の吐きだす「呪詛」が多くなる。
かなり不満です。

8/24 0:47

▼世話係
10
見境もなく貼り付けてきますね。
いらいらしますね。
強要罪というのもあるよ、マイク。

10にした人でも、「ダダ、カンタン」が
出てくるとしたら、「うるせいや、やめた」となるでしょうね。。
8/23 17:04

▼世話係
3日には
神田大庄水産で食えますか。
がっこは、仲原小紀子『夜の動物園』です。
8/23 1:33

▼わかけん
はい
秋刀魚はハラクミさんの美技で食すのが最高の贅沢です。
丸々と肥えた秋刀魚が来週あたりから南下してくる気がします。
8/22 15:28

▼世話係
秋刀魚か
タツ原でなく、
クミ原の出番だな。
8/22 12:50

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