塩見 鮮一郎公式WEB 掲示板

過去ログ2497 2014/8/20 7:53

▼わかけん
背は低いが
超スローボールを駆使したピッチャーが延長の末敗れたり、
優れたセカンドプレイヤーが、判断ミスでサヨナラを献上したり。
剛腕豪打で圧倒する野球より学生っぽくて楽しめます。
今日は沖縄が出て来ますね。
8/20 7:53

▼世話係
中醉
高校野球を見ていても、なんですか、
負けたチームの口惜しさにばかり、
気持が移って行く。
受験と同じで、弱肉強食か。
そういえば、選挙もそうだし文学賞も然りか。
でも、落伍して唐の詩人が生まれたか。
8/20 3:13

▼世話係
プチマリ 15
真昼の街路を走る霊柩車。白い骸骨。ひとにぎりの灰。その灰はおばかオレか。死。おそれしりごみする私を、そいつはひんづかみ、死。なぜ人は死なねばならないのか。死。世界は無。その時、人生は価値を失うのか。
 私のような者にそんな大金を使ってまで病気をなおす必要はないわ。私にとって死ぬことはなんでもありません。
 なんということだ。
 十五万円の手術費。資本家や俳優や流行作家やスポーツ人が一日でもうけ、一日で使う小遣い。十五万円のためにおばは死ぬ。私は死んでもかまいませんよ。夫よ、あなたは心配しないでください。
 手術費がないため死を待つ。私は死にます。日本中にそうした人がウヨウヨ。青ざめて、おそれて、血を吐こう。苦痛に肌をかきむしろう。首相は外国で女の裸踊りを見て、シャンペンで乾杯しよう。一機四億円のロッキードは飛んでいる。
 病人にも収税人はくる。
 シーザーのものはシーザーに返せ。
 二十世紀後半。なつかしきギロチンの音。
 妹の青い唇。その唇がつき出される。
 三十前の女の先生。先生の白いうなじ。うなじにはえるうすい毛。突然、私は目をうつす。私は血色の悪い先生のうつむいた顔を見つめる。うそだ。ウソだ。そんなことがあるはずがない。
 マリエッタにかぎって、絶対に、そ、ん、な、こ、と、が、マリエッタの白くて長い脚。
 ほこりにまみれた無数の足が広場をうめる。彼らは叫ぶ。平和を。安保改定反対。パチンコの音は悲鳴だ。安保改定はどんな障害があっても絶対に実行する、と叫ぶ首相。パチンコの玉が釘にはじかれ、はじかれたのちにのみこまれた暗い穴。虚無。
 プチマリの白い肌。彼女は笑う。笑うと、上の歯の左側の一枚が少しとびだしているのが見える。私は死にます。おばの声がする。
 ぼくは所詮、自分のためにだけは生きられない。人間はみじめで、くさくて、善良だ。プチマリの笑顔。おばの声。ぼくは何もできない。ぼくは何かしなければならないと思うほど……絶望する。
 ミジンコキャラメルのネオン。
 甘くておいしいミジンコキャラメル。
8/19 23:38

▼世話係
プチマリ 14
わしの一生のお願いだ。
 私のシャツをつかんだおじの手に力が入る。おじの手は私の首を圧する。おじの目から涙があふれている。
 なあ、かしてくれるだろう。
 待ってください。
 なにをいう。待てもくそもないはずだ。こいつめ。あまやかせばいい気になって。
 待ってください。このお金はぼくだけのものじゃあないんです。
 なんだと。じゃあその金は誰のものだ。お前が誰かと一緒になって盗んできたとでもいうのか。
 結婚するんです。
 結婚? 誰が? お前が? は、は、は。うそもいいかげんにしろ。さあ、お金をかしてくれ。
 かせません。そんなにお金がほしければ、おじさん、どこかから盗んでくればいいでしょう。
 何を! 生意気な。こうしてくれる!
 おじはその太い手で私の首をおさえた。おじの指に力がこめられてゆく。おじの目に汗が流れこんでいる。
 殺してやる。
 私はおじが本気で首をしめていることを感じる。私は足でおじの体を無茶苦茶にけった。が、おじは死に物狂いで私ののどをしめあげる。私はむせる。目に涙があふれる。苦しくなって意識が遠くにかすむ。
 やめて! あなた! やめないのなら自殺してやる。
 おばの悲鳴に近い叫び声がした。おじの手がゆるんだ。おばは出刃包丁を自分ののどにあてて立っていた。私はおじをはねのけた。 妹が走って来て私にすがりつき泣いた。
 きちがい! さあ、出てお行き。
 おばはいった。
 おじはその晩、帰ってこなかった。
 私は妹をなぐさめた。
 私は歩きはじめた。橋からは暗い水面しか見えない。
 私は歩こう。いつまで立っていてもしょうがない。このところ、私はすっかりまいっていた。私の中にあった何もかもが、私から逃げていくみたいだ。今晩あるはずの安保研究会に私は出なかった。それほど私の受けたショックは大きい。
 妹の丸顔。色は白いほうだ。目は大きいほうだ。短いスカートから伸びた細くてしなやかな二本の脚。私が何かいうと、はじけるような高い声で笑っていた妹だ。
 ああ、私は行かねばならない。
 たまらなくゆううつだ。
 おばのやせおとろえた青白い頬。力のないにごって血走った目。おばの病名は癌。おばの死。のけぞりかえり、けいれんするおば。真昼の街路を走る霊柩車。白い骸骨。ひとにぎりの灰。
8/19 1:51

▼蜘蛛
はい、自虐私観同士
傷を舐め合いたいです(笑)

龍さん、ありがとうございます。
龍さんもお元気そうで何よりです。
8/18 18:32

▼水前
岡坊さん
ご無沙汰致しておりますがお元気そうで何よりです。東京に来られた時になかなかタイミングが合わず失礼しております。今度は何とか是非一献。
8/18 18:11

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