塩見 鮮一郎公式WEB 掲示板

過去ログ2487 2014/8/6 16:19

▼小梅村
写真コメント
駅名の解答が判らないままでした。送信できました。
8/6 16:19

▼世話係
プチマリ 1
 ぼくはこの目で見た。ぼくが、八つの時、ぼくはこの目で見た。
 ぼくはおそろしさに無我夢中であった。ぼくは裸足で駈けた。寝巻きのすそがともすれば足にもつれた。ぼくの手は、力まかせにひっぱられた。防空壕にとびこむと、ひざまで水がたまっていた。飛行機が近づいてくる。ぼくの手足はふるえる。女の叫びがする。ぼくは父の手をいよいよ強くにぎりしめた。
 防空壕をはい出ると、どろまみれになって駈けだしていた。ぼくをぐいぐいひっぱっていた父の手が突然ぼくをひきもどし、ぼくはそのはずみをくらって、ひざ小僧を力いっぱい地面にぶつけた。
 ぼくはこの目で見た。
 父が母の上にかがみこんでいた。父は母の手から妹をとりあげると、ぼくにわたした。ぼくは妹をひっつかんだ。妹は泣いていた。妹はその時二歳だった。
 父がなにかいったか、
 父が泣いたか、
 ぼくは忘れた。 母の体から手を離して立ち上がった父が奇妙な格好をして、恐ろしい叫びをあげ、くずれおちたのを、ぼくはこの目で見た。
 ぼくは妹をひっつかんだまま走り出していた。


   第一章

 水を下さい。
 部屋の奥に一人座っていた中年の男がいったが、ウエイトレスまで聞こえなかった。
 男の近くにいた青年が叫んだ。
 おい、彼女、おひやがいるんだって。
 私とマスターの話を聞いていたプチマリがウォータージャーをとりにカウンターの方に行った。
 ねえ、マスター、お願いです。
 私は頭をさげた。プチマリが、そばを通った。
 困るね。とマスターはいった。
 中年の男は水のつがれているコップに目をやったままいった。どうもすみません。
 先程叫んだ青年の声がした。なにもすまんことはないよ。おっさん。この人がうっかりして水を持ってまわるのを忘れただけだ。
 プチマリがもどってきた。私がふりかえってみると、彼女は笑っていた。
 最初の約束とちがうね。困るよ。とマスターはいった。
 どうしてもだめですか。と私はいった。
 マスターは立ち上がって、ジュークボックスの方に歩いた。ズボンのポケットから十円をとりだすと、それを穴に落した。そしてボタンを押しながら私にいった。困るね。
 夜の遅いガランとした喫茶店に音楽がなった。
 若い娘は、お色気ありそで、なさそで、ほらほら黄色いサクランボ。
8/6 7:40

▼世話係
はて
わたしの場合は
「画像認証」のローマ字を
下の欄に写すだけですが。
8/5 18:52

▼小梅村
写真
今更ながら、写真にコメント欄があるのを発見し、入れようとしましたが、「認証コードが一致しません」とでます。URLに何か入力するのですか。
8/5 17:02

▼世話係
ああ
まだ、やってるよ。
十数枚の原稿だが、意外に
手間取った。
8/5 4:23

▼SYUPO
長野のせんせ様
こちらこそ、いろいろと楽しいお話をありがとうございました。
手袋が気になっておりましたので、夏炉冬扇ではありますが、無事にお返しすることができて良かったです。
*会費の件はいつでも結構ですよ。
8/4 14:20

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