塩見 鮮一郎公式WEB 掲示板

過去ログ2097 2013/6/7 9:22

▼小梅村
訂正
すみません。「おえりゃあせんのう」の誤りです。どうにもやりきれないということですか。
6/7 9:22

▼世話係
14-1
十四、三原の霊力

酔いにまかせて、ふかくふかくねむりこみたい。おきているとつらい。恥ずかしくていたたまれない気持ちになる。前後不覚にねむりこんだときだけ、あれこれの心配からのがれていられる。思いだしたくないことから解きはなたれる。
 不意に圧迫があった。
かたいものではない。やわらかいものがやってきた。気配のようなものがおもさをまし、よこたわる全身にふりかかってきた。てんじょうが頭上三尺までおりてきたみたいだ。
だれかがいる。
殺意をいだいた者がいる。
早くしゃんとしなければならない。なにがおきたのか、だれがなにをしようとしているのか、早くたしかめたい。わが身とお多可のうえに、こわいことがおころうとしている。
 みしりと根太(ねだ)が鳴った。
 「だれだ」
 さけんだが、まだ声にならない。すこしずつ覚醒しているが、まだもやのうちにいる。春の赤穂の海がいちめんにもやり、瀬戸内の島影もさだかでなくなったときのようだ。船かげをさがしていらいらしているが、なかなかはっきりとしてくれない。
もうろうと混濁している。
いきなり、かけぶとんがめくりとられると、あたたかい空気がにげて、つめたい夜気につつまれた。
「なにをしやがる」
やっと目をあけた。
まっくらだ。くらやみのなか、目でさぐっていると、うす明かりが頭のほうにあった。見世への出口の土間だ。まだ夜のはずなのに、はや朝なのか。日ごとに夜明けが早くなってくる季節だ。よくねむったので、もう朝になったのか。
ほのかな明かりをうけて黒い輪郭が浮きでていた。
なんとしたことだ、庄左衛門の体をまたいでいる。のしかかるように腰がある。頭ははるか上方で、これはやみにとけこんでいた。
 「な、なに者か」
仰天してさけんだが、まだ声にならない。
そのとき、第一撃がきた。
 「あっ」
 腹に激痛があった。勃然(ぼつぜん)とした怒りが、ねむりほうけている頭蓋のうちではじけた。反射的に上半身をおこし、危害をくわえた相手を引きたおし、八つ裂きにしてくれよう。庄左衛門は手をのばして相手をつかもうとしたが、爪が相手の股引(ももひき)の足をかすめただけだ。そのとき、敵の得道具(えどうぐ)が垂直におちてきた。第二撃だった。
6/7 6:17

▼世話係
プロク゜には、
おえん。おえりゃあせんのう。
 → だめです。だめだなあ。
6/7 0:51

▼世話係
難解
どえりゃは、
非常に、ですが、
せんのうとは。
不明。
とてもやりきれないかな。
6/7 0:47

▼小梅村
岡山弁
「どえりゃあせんのう」とはどういう意味でしょうか。
6/6 16:15

▼世話係
深川入船町
これにて終わります。
あす7日から、いよいよクライマックスです。
どうぞ、ご贔屓に。
6/6 0:15

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