塩見 鮮一郎公式WEB 掲示板
過去ログ2018
2013/3/15 16:46
▼咲あっぷアップかなり立て込んだ上期になりそうです、7月〜8月までが。この期は、がっこに作品を出せないかもしれません。う〜、考えるだけで、ストレスがたまりそうです。出さなくても、なるべく行きたいのです。すみません……。
試練のようなものを感じます。越えていかないと。。。
3/15 16:46
▼世話係44「ああ、ちょっとこっちにこねえか」
「いやだ」
「こいよ」
「ここでもきこえる」
「いつまでそうするべえ。お袖のこたあもうよいではねえか。おれがやつをきらってるの、わかっただろう」
「なんだ。話とはそのことか」
「まあな、すこしはかかわるべえ」
「なにさ、さっさといいねえ」
「ああ」
と、口ごもっている。
「じれってえな。わしがぐじぐじしてるやつがだいきらいなのは知っておるだろ」
「だまりやがれ、おれがいおうとしてるのに、おめえがつべこべぬかしてじゃましてるべえ」
「ふん、なんだ」
「先生にだな、『あんな上州のいなかもんはきらいだ』と、おめえ、いったな」
直助はつやのほうを見ないできいた。
「そのことならほんとだ」
「なんだと、ほんとにいいくさったべえか」
「ありゃあ十日ほどめえの晩のことだ。いいかげん酔った先生がな、『つや、おめえ、まさか直助のことを思ってたりはしねえよな』っていったさ。もし、ほんとのこというと、ここから追いだされると思ったから、『あんな、上州なまりの男はすかねえ』といったさ。うそも方便というわ」
「なんだ、そうだっか」
「なんと、おめえさん、そのことでぷんぷんとしてたのか。けつの穴のちいせえ野郎だ、ははは」
と、つやは笑った。
「とすると、なんだ。先生はおめえのうそを真にうけて、あちこちでいいふらしてたのか」
「おめでたくできてるのさ」
「うむ、そうだ。おめでてえ。けれど、そんなことをおもしろがっていいふらしたのはゆるせねえ。下男をかばうのが主人というものだべえ」
「そうだな、ははは」
つやは笑った。
「でも、つや。おめえもぷんぷんとしてたぞ」
「わしもまちがってた」
「お袖のことでか」
「まあな」
「つや、もう仲なおりとしようでねえか。さ、こっちにきやがれ。おめえがこなきゃ、こっちからまいる」
直助がぞうりをつっかけておりてきた。
「いやだ、こんなとこで」
「つや、おこんじょするな」
「おこんじょ」
「おこんじょとは、意地悪ということではねえか」
直助がつやのしりをぎゅっとつかんで引き寄せた。そのとき戸があいて、
3/15 10:27