−中庭−

北側皇宮『外廷』の中心にある緑豊かな中庭
草花が華やかに育ち、遠方には聖域となる皇帝の愛す樹林の森が覗く
セリシアーシャ
そういうところは、相変わらずだな。
(考えても分からない様子に思わずクスクスと小さな笑みをこぼしたものの、変わらないでいて欲しいところはそのままであることへの喜びを含んでもいて。座った彼が向けた視線に小さく頷いてから、ゆっくりとした口調で紡ぎ始めて。)
ファイエのことなのだが、どうやら私よりもヴィアの方が師事には適していたらしい。ヴィアのような歌姫になると指標もたち、ヴィアもファイエを正式に弟子にするようだ。…私も近く、ファルの元に戻ろうと思っているのだが…。
(己の義姉を指標とし、その義姉もそれを承諾した。直ぐにというわけではないし、周りももう少しバタついていそうだと明確には戻るとは告げられず、それでもその日はとても近いと最後は言葉を濁しながら伺うように彼を見つめて。)
ファル・イデア
………そうか…?
(礼の一つ。この短いやり取りでの事で何が変わったのか己では分からず、僅かに眉を寄せながら思考を巡らすも分からずに終わる事で。先に座った相手から手を引かれると引かれるままに隣へと腰を下ろし、月の思し召しと聞いて月にそんな力は無かろうと肩を軽く竦めて見せるも伝えたい事と聞けば何だろうと視線を相手へと向けて)
伝えたいこと?何かあったのか?
セリシアーシャ
…変わったな、ファル。
(労いの言葉に感謝が返ってくれば満足そうにして。彼が納得するかは分からないものの、率直に思ったことを伝えて。ガゼボへと到着すれば椅子に座り、彼にも座ってもらおうと少しばかり手を引っ張って暗に伝えようとし。視線が絡めば大袈裟だと言いつつも彼が笑みを浮かべてくれることが嬉しく、穏やかな眼差しとともに目を細め。)
月夜の思し召しとは、あながち嘘ではなかろう?こうして会えたのだから。それに、ちょうど伝えたいこともあったのだ。
ファル・イデア
あぁ、ありがとう…。
(返した言葉に安心したような表情を浮かべるのを目にすると、知らぬうちに心配を掛けているのだと自覚すれば労る言葉に礼を述べ。そして手を取られると一瞬は何だろうと疑問に思ったが相手がガゼボへと歩み始めるのに合わせて歩を進め、空を仰ぐ仕草に釣られるように己も視線を夜空へと向ければ優しく輝く月が目に留まる。確かに良い月夜であり、季節を感じる夜風に納得して視線を下ろした先には相手の瞳と重なり)
…大袈裟だな。でもまぁ、確かに会えるとは思ってなかったから最初は目を疑ったが…。
(感謝の事を大袈裟といいつつも、目を疑いはしたが会えて嬉しいのか口許には僅かに笑みを浮かべて)
セリシアーシャ
そうだったか。…お疲れ様、ファル。
(仕事が一段落したと聞けばどこか安心したような表情を浮かべてから、労いの言葉をかけ。彼の前で立ち止まると彼の手を片方取ろうと手を伸ばしつつ、もしもその手を取れたのならガゼボへと再び移るべく歩み。己のことを聞かれるといい月夜だとばかりに俄か天を見上げ、直ぐに彼を見直せば微笑んで。)
夜もだいぶ温かくなったし、なにより美しい月夜に惹かれて散歩がてらにな。おかけでこうしてファルに会えたのだから、今夜の月には感謝しなくてはな。
ファル・イデア
(相手も同じような事を思ったのだろうか、目を丸くした表情に確かに己のよく知る恋人なのだろうと確信を得る。己が思わず立ち止まったせいで向こうから歩み寄ってくる様子に、休んでいたのに悪いことをしたと遅れながらも歩みを進め)
いや、仕事が一段落したから休む前に外の空気を吸おうと思ってな。お前はどうした、こんな時間に…?
(質問に対して、ずっと室内に引き込もっていたから出てきたのだと答えると相手の姿を上から下へと見る。私服であるなら仕事終わりではないのだろうか、それならこんな時間にどうしたのかと同じ質問を返して)


【それは良かったです+ではでは、時間の許します限り宜しくお願い致します〜】