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1 ゆうじ

僕らがいた景色

エロ要素ないので興味ない人には申し訳ないです。
文才がないですが細かく書きたいと思ってるので辛抱強く読んでもらえたらうれしいです。


ひっそりとたたずむ景色のなかにあの頃の想い出が散りばまれている。
いつも通勤の時に通る変哲もないただの公園。
砂場、ブランコ、ジャングルジム、そしてすべり台が狭い空間にところせましと置かれているただの公園。
休日の昼間となると子供たちで賑やかにあやどられた風景になっていた。


年が明けて寒さが身にしみる仕事始め。木はカサカサと露骨な音をたて寒さに後押しをしているかのようだった。
そんななか新年早々、朝寝坊をしてしまったおれは身仕度もほどほどにして駅まで向かっていた。
いつも見慣れている公園。ひとりのスーツを着た男がベンチに身をかがめ座っている以外は。
急いでいたおれはそんなこと気にもせず駅に向かった。

「坂本さんがまだきてないんですよ。」

職場に着くなり不穏な空気が流れていた。
状況を聞いたら、今日づけで転勤してくるはずだった部長が出勤してきていないらしい。

その日は前任がまだいるということで場をおさめていたみたいだが連絡もきてないというからピリピリした空気が流れていた。

そんなこともあって早く帰りたかったおれは急ピッチで仕事をすませ同僚の誘いも蹴り逃げるように帰宅したのだ。
いつもの公園を過ぎたあたりであることに気づいた。
朝ベンチに座っていた男がこちらに背中を向けたまままだ座っている。
驚いたおれは凝視してしまい振り返った男と目が合ってしまった。

同時に自分の心臓が急激に強く波打ちこの感情を全身に伝えるのがわかった。

おれは名前もなにも知らない彼に一目惚れしてしまったのだ。