‐枢密院‐

枢 密 院 以 外 立 入 禁 止
セリシアーシャ
退室
(己の性格上、これ以上は無理だと結論付けると手にしていた書類をテーブルに置く。どのみち今夜は他に誰もいない。一旦気分を入れ替えたほうが余程効率よく仕事もこなせるだろう。そう結論を出すと立ち上がり、その後の動きは早く。)
広場に寄って、その後市場にも寄ってみましょう。
(この帝国は深夜には深夜の楽しみ方が満ちている。活気が戻ったとはいえ、完璧ではない。以前の様相…それ以上のものにすべく、夜の帝都も見ておこう。そう意気込むと手早く書類をまとめ、枢密院を後にして…。)
セリシアーシャ
(椅子から一度立ち上がると大きく伸びをする。それから深呼吸すると、再び座り直して、テーブルへと向かい、書類を手に取り目を通す…つもりだったのだが、気になるのは帝都軍に課した新プログラムのこと。いちから鍛え直すと宣言したものの、脱落者が出まいかなどと考えてしまい。)
…ああ、もう…こんな時に。
(大きく首を横に振り、集中しようと試みて。)
セリシアーシャ
入室
(最近は帝都の警備などで袖を通す機会が極端に減っていた公爵正装に身を包み、自らに宛てがわれた机に向かう。頬や見えない箇所が殆どではあるものの裂傷に手当されたためのガーゼが貼られており。帝都に明るさが戻ったのは日中に確認したものの、今までの損壊についての報告や先日捕らえた者たちの書類、その他諸々が溜まっており。ハイスピードでとりかかってはいたものの、果たして終わるのだろうか、などと考えるあたり恐らく集中が切れたのだろう。)
…雑念がちらつく。少し、休みましょうか。
セリシアーシャ
退室
(どうにも思考が追い付かないようで、どうしても集中が途切れてしまい。致し方なしと立ち上がりながら開いた首もとを閉め直し。)
少し、外の空気を吸いにいきましょう。
(こういうときは無理矢理仕事をしても意味がない。背もたれに掛けたケープを羽織れば、ゆっくりとした足取りで部屋を出て、さてどこへ行こうかなどと考えながら去っていき…。)
セリシアーシャ
(書類や何かの資料。そういったものがデスクには置かれており、コーヒーを啜りながら始めに着手すべきはどれかと思案して効率へと結びつけようと。小さな音をたててコーヒーカップをテーブルに戻して。)
今夜は久々に徹夜、か。
(新たな領地の資料や報告書。来月から始まる新たな行事。久々に立て込んだものだと、静まり返った室内で誰に言うでもなく呟いて。)
セリシアーシャ
入室
(公爵の正装に身を包み、しかしてケープは背もたれに掛けられており、己はデスクにて深く椅子に腰かけて書類に目を遠し。デスクには冷めてしまったコーヒーがひとつ。それを隔てた向こう側には部下が一人、こちらを緊張した面持ちで見つめており。部屋に響くのは書類がめくられる音のみ。そうしてどれだけ経ったろうか顔をあげると薄く笑みを浮かべ。)
書類に不備はないようです。このまま取り掛かりなさい。
(言えば礼の言葉と共に深く頭を下げる部下は、その後足早に部屋を去り。それを見送れば大きく息を吐き出して、正装着の首もとを鎖骨下まで開けば冷めきったコーヒーを手にとって。)