名無しの、飴ちゃん

何故かな、何故か、今更になって君の事を思い出したんだ。あの頃の俺は酷くお節介で、まるで知った風な口を利いて、君の全てが理解出来たらなぁ……なんて妄想を抱いていた。

ねぇ、君は、まだ一人ぼっちなの?それとも、もうその傍らには、誰かが居るの?
どっちだって良いんだ。君が、笑って楽しいって、思っているのならばそれで良い。

でも、俺は久し振りに飴ちゃんと話がしてみたくなったんだ。
今君がこっちの世界に居るのかは分からない、から、殆ど絶望的な賭けになるだろう。
それでも、あの雨の日に見付けた飴の様な偶然を願ってみるよ、飴ちゃん。

もしもまた、会う事が出来たなら俺はまた――