闇の貴公子、…そう、

貴様だ、サタン。



……捜索なんて今更過ぎるか?
何も言うな、‥解ってるんだよ、そんな事。

だが腑に落ちない。
結局仮住所が起こしやがった不慮の事故だったのか否か‥未だに判らない儘。

‥――あれから1年もの月日が経ってしまった。
其れにも関わらず…見ろ、此の様を。

愚かな事に俺は結局忘れられずに居る。
貴様は其れ程に迄デカい存在だった訳だ、……闇の魔導師の名が聞いて呆れるぜ。



*◆key◆*

●出逢いは今は無き某なりきり募集サイトの待ち合わせ掲示板。

●仮住所での遣り取り。
x-mail→xx-mail。

●端末使用不可状況に因り俺が一度貴様を捜索。
…目敏い貴様は直ぐに俺の姿を見付けたな。



鍵なら他にも幾つか有る――‥が、今は此れだけにして置く。



砕けずに居る四ツ葉の水晶、翡翠色に輝く此れを俺は未だ手離せずに居る――‥、……ッは、らしく無いな‥。
更に1年と数ヶ月もの年月が経ったにも関わらず、だ、――…時折思い出しては感傷に浸っている。


貴様の事だ、巷じゃ又下らん事件でも起こしているんだろうな。
…此の残暑の厳しい中、又太陽をデカくされやしないかと警戒してんだがな。ッたく、‥ヒヤヒヤするぜ。


―――…上げさせろ。

ッ、‥望みが薄い事位解ってんだよ。
…懐かしいな。何となく眺めていたらふと貴様の事を思い出した、今となっては良い想い出だな。──…ッは、らしくない発言だぜ。我ながらな。

で、元気でしているのかよ。こっちは今やのんびりだ、気紛れな散歩を繰り返してる。

貴様も息災で在れ。…と、言葉だけは残しておく。じゃあな、サタン。


…?つーか、此れ。sageと入力したが…上がったりしない、よな?大丈夫か?