1 ビーチ

ワールドトリガー4

 「月見さん、きれいだよなー」
 「お前、あんな美人と同じ隊でいいよなー」
 ボーダーたちが高嶺の花である月見蓮に関して話していた。
 「月見さんってうんこするのかな?」
 誰かが言った。
 「そりゃするだろ、いくら俺たちのアイドルだからって俺たちと同じ種類の生き物だぜ」
 「いや、月見さんに限ってしないだろ?」
 「するかしないか・・・試してみようか?」
 といったのは同じ三輪隊である奈良坂だった。
 
 「月見さん、和菓子好きだって?」
 「ええ」
 「じゃこれどう?」
 といって出したのは栗饅頭。
 「あら、ありがと」

 その日の戦闘。
 「お遊びでもいいからちゃんと当ててね・・・うっ!」
 ギュルッ。
 「ん」
 奈良坂が反応した。
 (さっき確かにギュルッという音とともに通信が途絶えたぞ?)
 ビュインッ。
 「あ?どうしたことか。奈良坂隊員、ベイルアウト!」

 「う・・・うっ・・・!」
 ぎゅるるる・・・ごろろろろ・・・。
 月見の様子は明らかに尋常ではなかった。
 (さっきの栗饅頭は丸ごと三日間日にしっかり当てて腐らせてある)
 ごろろろろ・・・。
 「ううっ・・・!」
 月見の顔は青ざめ、こめかみからは脂汗をたらしている。
 目からは涙がにじみ、歯は食いしばっていた。
 手はおなかを押さえていた。
 が、オペレーターとしての役目がある限りトイレには行けない。
 「う・・・う・・・っ!」
 あああーっ!
 次の瞬間。
 ぶりぶりぶりぶりぶり。
 という音が三輪隊たちの耳に当てたヘッドギアから聞こえてきた。
 「ま・・・まさか・・・。あの月見さんが・・・!」

[作者、登場人物、概要]
三輪隊