73 慶一郎
あの頃に戻りたい

あの頃の僕は臆病で
僕を想う君の気持ち
素直に受け入れられずにいた
開いた心の穴を埋めてくれる
淋しさを忘れさせてくれるそんな都合の良い関係に
ただただ身を任せ
君の想い知らぬ振りをしていた
一緒に行った夏祭り
2人で行った海
手を握り背中に触れた温もりが
僕の胸に火傷を作った
もう一度あの頃に戻れるなら
あの手を強く握り返し
君を抱きしめたい
今でも側にいる君
気付くのが遅かった僕
君の想いは姿を変え
僕はあの頃おった火傷を
静かに胸に秘めていた

痛みと共に..