―紅海―

そこは夕暮れでも無いのに真紅に染まる海
様々な物が流れ着き、守るように水属性の強い魔物や怨霊が現われる
メルティーナ
入室
(白いワンピースの上に黒いワンピースを重ね足元は素足、足首の少し上まで真紅の海に浸かる辺りを砂浜に沿って上機嫌に進み。潮風に揺れる髪を片手で押さえつつふと足を止めれば波打ち際へと視線を向け、行ったり来たりを繰り返す小さな黒い影を見つめて思わず笑みを零し)そんなに水が嫌ならなんでついてきたの?ノア(波に合わせて進んだり飛び退いたりしながら声に答えるようににゃーにゃーと鳴くその影にわかんないよと笑みを深め、己が歩めば海には入らないながらもついてくる黒猫を時折振り返りながら砂浜や沖合いに点在する躯は既に意識の外でのんびりと歩を進め)
ラクシャーサ
退室
(球体の中で水が徐々に鳥の形をとる頃にはうっすらと額に汗が浮かび、その鳥がパキリと凍り羽ばたこうとした瞬間、外側に引き寄せられるように形を変え、球体は粉々に砕け散って)
…っ…ててて…
(破片で切ったのか頬に走る一筋の紅い筋を親指で拭い、深く溜息吐く)
…はぁ〜…疲れた…今日はもぉ帰ろ♪
(気分を変えるように明るく言って、ぴょんっと腰を上げ、パタパタ砂をはたくと来た時同様にカバンを斜めに掛けてその場を後にし)
ラクシャーサ
待機
(やがて上方の一点から砂時計の砂が流れるように細く、するすると水が球体の中に流れ込みはじめ、それは球体の中でゆっくりと丸く溜まり)
…は…ふ…
(中の状態確認すると集中を途切れさせないよう浅く息を吐き、ペロッと唇舐めて潤し再び息を詰めるて見つめると球体の中で水は形を変えはじめ)
ラクシャーサ
待機
はぁ…ここに来るとのんびりしたくなるね…
(思わず苦笑浮かべるが、キュッと口元引き締めカバンをごそごそすると、そこからソフトボールより一回りほど大きな透明な球体取り出し、それを両手で持って意識を集中させ始める)
ラクシャーサ
入室
(いつもの白いローブ姿、大きめのカバンを斜めに掛けて黒いマントをふわりと風に遊ばせながら歩いてくると持っていたカバンを静かに置いて)
…ふぅ…
(自分も腰を下ろすと眼前に広がる紅い海をぼんやりと見つめて)
エスペラント
退室
(分裂する魔物を炎で蒸発させることに成功すると小さく息を吐いて残った部分をガラスケースに入れると疲れた表情で無言のままその場から消え)