−市場通り−

賑やかで活気があり、輸入された小物のアクセサリーや花などの植物
果物や魚介類、野菜などの食材を扱う露店が並ぶ色鮮やかな通り
クー
(自身の身長よりも高い雪の山ばかりに気を取られ、休憩所に気付いたのは彼に手招きされてから。そちらへと向かい、出されたエプロンドレスを見ればそれを手にしようと両手は伸びて)

これ…?寒さは問題ないわ。
此処で、着替えるのね?

(早く勝敗を始めたい勢いで返事を聞くよりも早く早速手袋を外し彼が目の前にいようとモッズコートを脱ぎ始めようと試み。中に着込んでいるのは黒の生地に桃色の柄でイルカが描かれたキャミソールと赤のミニスカート、コートが脱げていたなら更にスカートにまで手を掛けるがそこは彼が目を瞑るか背けるかするのを確認してから脱ぐつもりで)

ギルは着替えないの?
ギルカ・アルグール
(露店の雪山の横には、その店で雪飾りを作った際に使用したのであろうシャベルや脚立といった道具一式と、その少し後ろに休憩所らしき小型ストーブと椅子が置いてあり。驚く相手の顔を見れば急いで前準備したかいもあったと既に半ば満足しつつその外から丸見えの簡易休憩所の方へ移動すると、クーラーボックスを置いて一息つきながら少女へと手招きし)
向かって右の雪山がクーで左が俺のな、逆でもいいけど。(店主から貰った袋の中へ手を突っ込み取り出したのは、どこかから借りてきたエプロンドレス。黒地のスカートにフリルのエプロンがついたよくあるものだったが胸には鮮魚店の名前が書かれたバッチがつけられていて)
多分寒さには強いんじゃねーかなと思ってたんだけど…もしかしてこれだと寒い?
クー
……!
そうね、そうだわ。

(何を考えていたか、顔を赤くしていた自分が馬鹿だったと思い知った。魚屋の店主よりも左右の雪の山を見ると思わず口を空けて驚き、これで勝敗を決めるとなれば少し自信を無くしつつもやる気はあるようで。彼が魚屋の店主とコンタクトを取るとお辞儀だけ済ませて)

え?着替える…?
わかったわ。何に着替えるのかしら。
ギルカ・アルグール
…――いいや違うな、ライバルだ。忘れたのか?今日はどっちが敗者かを決める日だ!(つれない言葉が返ってこなかったことに内心ほっとしつつ、顔をにやりと笑みに変えれば不意に触れた手をガッチリと掴みそのままその手を天高々に上げ。着いた場所は色とりどりの魚介が並ぶ魚屋の露店前、その鮮魚店の左右には露店を挟むようにして2mほどの雪山がひとつずつ作られており、店では魚屋主人の中年男性がいつも通りの威勢の良い接客を行っていて。掴んだ少女の手と一緒にその中年男性へと片手を振ると、示し合わせたかのように店主も手を振り返してきて)

おじさーん!話してたのこの子な。作業始めるから道具借りるよ。…あと、前言ったやつ借りれた?(魚屋主人へ話しかければどうやらそちらも準備万端といった様子で中身の入ったバックを投げて寄越してきて、慌てて少女の手を放しその手と胸板でバックを受け止め。少女へと顔を向けるとにっと楽しげな笑顔を作り)
早速だけど、着替えてもらっていい?
クー
わかったわ。

(時折目が合うと、はぐれないように気を遣ってくれているのがわかる。相手が拒まなければそっと空いている手を取ろうとし、動揺を期待していたものの落ち着いた返事をされる事で逆に地震が自身が動揺してしまい)

えっ?べ、別に……困らない、わ。
と、友達よ!友達に見えるのよ!

(彼とは違い照れ一直線の自身は顔真っ赤、尻尾の揺れも素直な反応を示しているかのように動きも早くなる)
ギルカ・アルグール
持ってきてないのか…。じゃあギブアップの時はいつでも言えよ。(雪飾りとイルミネーションに彩られた市場はいつも以上に人で賑わっていて、歩くのに支障があるほどではないものの、はぐれないよう時折少女の方へ視線を戻しながらゆっくりと通りを進んでいき)
それらしく…釣り人と獲物みたいってことか?そりゃ男女二人で歩いてれば友達か恋人か…兄妹もあるか。俺とクーじゃどう見ても兄妹には見えないからな………俺とそれらしく見えたら困る?(斜め後ろから聞こえた声にはうーむと少し考えて冗談を返し、恐らく並んで歩く姿を見れば、異質で異色な2本の尻尾が並んで揺れているはず。見てはいないがそれを想像しつつ、チラリと相手を振り返り疑問と共に顔を向けると照れとも困り顔ともとれる表情を浮かべていて)