−市場通り−

置きレス
………でも、ヒトデの方がオシャレよね。

(出来上がったなまこの反応がイマイチだったのもあるが、くしゃっと平らにしてから星形に形成していき。火がついたような集中力、気付けば観客の目線すらも気にせずに作業に没頭しており尻尾の動きも垂らしたまま動かない程だ。しかし二方向からの視線になるとどうにも気になって仕方がないらしい、時々助けを求めるような目を反対側の彼の方へと向けるが…)

ぁ、あの…買って下さったお客様…ぁ、あ、有り難う…ござい、ます。

(それよりも自身の弱々しい声でも購入意欲を見せてくれる観客へと頭を下げ、トドメと言わんばかりに笑顔を作って見せたがやはり恥ずかしいらしい、たたたと彼の元へと駆けていき一言添えて戻るだろう)

こ、こんな感じでイイのかしら？
…頑張れそう、な気がするわ。

【了解しました！なまこはイマイチでしたね←
では、明日からも宜しくお願いします！】

置きレス
…忘れてないって。おお、言ってなかったのに宣伝するなんて偉いな。(人魚姫の宣伝の言葉が小さく響き渡るも最前列を獲得した男性客らはその場を離れたがらず、その宣伝自体に効果があるのかは分からないが、集まった人が人を呼び少しずつ少女の周りと露店の方へと人が流れていけば人魚姫推薦の露店の商品に興味を示す観光客もちらほらと増え始め。少女の元へ一度近寄ってから返事をすると、元々客足も悪くなかった店であり更に客が増えれば忙しそうに対応する魚屋主人の元を横切って自分の雪山の方へと歩いていき)
さてと…俺も始めるかな。(休憩所で自分の剣を手に取ると、少女の方からは、なま…こ…？なまこだ…と謎のどよめきが漂っており、大丈夫かなと遠巻きに心配しつつも作業を始め)

【そろそろ眠気が漂ってきたため置きレスに移行させていただきますね…！何が出来上がるのか楽しみにしております＋明日から暫しの間お付き合いよろしくお願いいたします。】

…〜っ……勝負、忘れてないでしょうね？

(時々雪を固める手を止めて肩越しに振り向くと多くの、それも男性客が多い事に気付くと今すぐにでも穴があれば入りたいという程に体が震える。それでも、これは魚の美味しさをアピールできる良い機会だと、弱々しい声で観客達へ一言)

お、お魚…美味しい、ので…その、買ってくだ、さい…っ！

(たかが数人だろうと大勢いるといつもの勢いは微塵もなく、声を掛けると直ぐ様顔を隠すように雪を固める作業に移る。腰を上げた状態で前屈みになったりしつつ作業は進めているが、尻尾はしっかりとエプロンドレスの内側が何とか見えないような動きを果たしている)

まずは…出来た。
…………なまこ。

(海底をイメージしているのだろう、土台だけでもまるで海底の砂のように波紋を描いているが小さな丸い雪玉が転がっている。どうやらそれも作品の一部らしいが…)

さっき言ったろ。ギブアップしたくなったら言ってくれていいから。(客へと背を向ける少女の肩をぽんと叩いてからその耳元に小声で告げると、相手の元を離れて興味本位に集まり始めた観客の方へと歩んで行き。少女が自由に動けるようやや余裕をもった距離に看板を置くとビッと蠍の尾を横に伸ばし、ここが近寄っていい境界線だと客へ教え)
ご覧のとおり、人魚姫は大層な恥ずかしがり屋。隠れてしまわないよう節度をもってのご観覧と、優しいご声援をよろしくお願いいたします！もちろんお触り厳禁、姫君へ無礼を働くお客様には魚介屋主人からのアツい鉄拳制裁のプレゼントとなっております！(演説のように張った声で説明をすれば、聞いているのかいないのか、客の視線、特に男性客の視線は揺らめく尻尾と小さな背中に注がれており。人魚姫の肩書きをつけた少女が雪を固める何気ない動作にも、おお〜〜と謎の野太い歓声が上がり)

モデル？……まさかね。
もう少しプロポーションに自信があればしていたかもしれないけれど…なんて。

(問いには疑問符浮かべて暫く考えるも、冗談で返して両手を己の腰に添えてみる。どうみても身長やら胸やら色々足りていないことだろう、いつもの表情でふっと鼻で笑ってから先ずは雪の山の底を土台にするべく固め始めたが視線は彼の持つ看板へ)

ちょっと、ギル…それ何……って、えぇ！？
え…ぁ、あのあの…！ちょ、ギルっ！？

(魚屋の露店前を行き交う人々の視線が一斉に店の方を向くと自然と此方にも注目が集まる。動揺を隠し切れず、顔を真っ赤にすると恥ずかしそうに観客側へ背を向けるようにして雪を固めていく。エプロンドレスの裾から覗く尻尾のヒレはまるで観客の視線を煽るように揺れて)

……っ、仕方ないわ…やり遂げてみせる。

…なら良かった。何でも屋って聞いてたけど、モデルでもやってんのか？
(呟いた言葉はしっかり耳に届いていて、安堵が伺える語調でそう言うと続けて疑問を投げかけ。抱えていたコートをクーラーボックスの上に畳んで置き、自分の男性用エプロンをそのまま服の上から巻くとニット帽だけ取り外して畳んだコートの上にバックと一緒に放り。荷物の陰から『人魚姫の雪像パフォーマンスショー』とでかでかと書かれた看板を手に取ると相手と同じ方向へ歩みながら、すう…と深く酸素を吸いこんでから声を張り上げ)

雪景色をお楽しみ中の皆々さま〜！これより始まりますは、人魚姫による雪像アート！魚介屋による本日だけのパフォーマンスショーとなっております！深海より来訪した可愛らしい姫君の雪遊び、お見逃しなきようぜひお近くでご覧くださ〜い！
(腹に力を込め市場に響き渡る大声でそう紹介すれば、近くを通りすがる客はもちろんあの雪山は何だと遠巻きに伺っていた人々や休憩中の観光客が視線を魚屋の露店へ向け)