−市場通り−

賑やかで活気があり、輸入された小物のアクセサリーや花などの植物
果物や魚介類、野菜などの食材を扱う露店が並ぶ色鮮やかな通り
エヴァン
置きレス
っせえなおい、目立つだろうが。(二者の会話から判明したギルカという名の青年による巧みな工作の仕業だろう、ストレートに耳に飛び込んでくる悲痛な叫びには青年に同じく外方に顎を反して双眸を細め、自ずとボリュームを抑えた声で相手に忠告する。しかし、ただただ流れ行く人々を眺める眼差しすら正しく仇討ち紛いのそれであるからか、既に軽く悪目立ちしてしまっているものの己も一因であるという自覚は無く。程なく隣にお行儀良く着席した相手に"よし"と二音分ちいさく口元を動かしてから、またも却下されてしまった愛称を取り敢えずは渋々引っ込めて、了解の意を込め相手の方へと視線を投げ。そうしてから、何を勘違いしたのか再び果実を警戒し始めた少女の決死の行動をじっと観察、艶やかな果皮に一度人差し指が触れて離れ、もう一度触れようかというその時に) ───……BANG!!!
(不意に体を起こすや深く息を吸い込んで、親指と人差し指を立てた手を上へと跳ね上げ爆発を真似た声を放ってみて。子供騙しにもならなそうな悪戯ではあったが声量も含め元来の低音は市場の一角によく響き、周囲が一斉に振り返る程度には注目を集めてしまうだろうか)>リオ

……ああ。分からん…、くも無い。そうそう人なんて殴んねえよ。約束も出来ねえが。(周囲の反応に気を向けぬまま、起こした背をそのままに共に円卓を囲む彼の方へと意識を戻して、どうやら己の思考の一歩先を行っているらしい疑りの言葉には一応思考を巡らしているのだろう俄に首が傾き沈黙する。深くも考えぬ内にイエスの答えを導き出したがすぐにそれを撤回、生活する上で否応にも大衆が自身に抱いているであろう印象には粗方予想もついていて、更には殴らないを条件されたとなれば碌な事でもないと確信もして横暴な物言いの後に続く言葉を待ち。面と向かって第一印象を聞くという中々出会えぬ機会に興味はあったが、テーブルの下から現れた節足動物の尾にそれは移り。己の思う蠍であれば曲線を描く針先には時に対象を死に至らしめる毒を有している筈、ささやかな便利道具と説明されはしてもすんなりと納得するには未だ親睦が浅く、腑に落ちない調子ながらこれ以上突っ込んだ質問はせずに、一方で開始された謎の勝負事に瞠目してから視線を反らして卓上の果実を整頓する作業を再開し)
……何勝手に決めてやがんだ。水差す様で悪いが味方になんざならねーぞ。>ギルカ
ギルカ・アルグール
置きレス
勿論オレンジの話。…どこをどうって…分かんないのか?………俺が正直に言っても拳で語らないって約束してくれるなら、どう見えてるか教えるよ。(含みのある話題は切り上げられてしまえばそれ以上続けることはなく、果実の話だと収束させて締め括りながら少女が着席する前には尾も退却させて自分の足元で緩い曲線を描いて落ち着かせ。青春について、自分の告げたイメージが不満らしいのは相手の言いようからありありと伝わってきて、本来なら気を悪くさせたと謝罪のひとつも入れるところだったが、相手の発言のほんの少し前、少女の方へと向けた親の仇でも見るような目つきを目撃してしまったために、それは本気で言っているのかと訝しむようなことを言って目を細め。少しの間を挟んだ後再び口を開くと、不服を申し立てる程度にイメージが間違っているのならのんでくれるだろうかとひとつ条件を提示し。それを言い終えれば簡素なテーブル上によく映える色の果実の方へ視線を移し、並べられたうちのひとつへと誘われるように椅子の前へと座り直しやや身を乗り出す形で片手を伸ばす。柑橘類の触り心地の良い果皮が指に触れたところで物騒なものと指摘を受けて手の動きを止め、テーブルの死角から相手に見える位置まで尾先を持ち上げると、一般的な蠍の針の形に似た、掌程度のサイズの尾の先をゆるゆると左右に動かしながら先ほどの使用例をあげて軽く笑い)…ただの尻尾だよ、尻尾。自慢できるようないいもんじゃないんだ。こそっと椅子引っかけるには便利だけど。>エヴァン

(持ち主の許可は得ないままオレンジを取って体勢を戻すと、悪戯を仕掛けた少女から盛大なリアクションが届いて鼓膜を揺らし。落ち着いた態度は崩さないままではあるが、その豪快な声量から少しでも遠ざかるべく相手がいる方向とは逆の方へと頭を傾けて瞼を閉じ、続く抗議の叫びが出尽くすまで沈黙で受け流して。少女の元気な声が収まってから漸く目を開けて頭の傾きを戻し、相手の方へと視線を向ければ、仕向けた椅子の場所へそのまま座ってしまう素直さを微笑ましげに見届けたあとに持ち上げていた尾も下して反論を始め)
なーにが汚いだよ。囮にされるってわかってて大人しく従う者などいない…裏切り者には死の制裁が我らの掟だ。あ、俺はギルカっていうんだけど、別におにーさんでもいいよ。
(指差す代わりにオレンジを掴んだままの手を相手へ向け、悪役の演技を中途半端に引きずりつつ今この瞬間に作った謎の厳しい掟を掲げるが、そのまま口調をころっと変えて便乗する形で名乗り。エヴァンと名乗った男性に取り入るという相変わらずだだ漏れの作戦内容には横から賛成の一票を投じると、少女の言うところの虎にあたる人物にはいい迷惑であろう提案を続け)
そりゃ良い案だ。ただ、二人が結託するのを黙って見てるわけにはいかねーな。どっちが先に味方につけられるか勝負しようか。>リオ
リオ
置きレス
確かにあの触り心地と暑い皮からでもわかるイイ香り…あっ、これちょー美味しいヤツだ!

(爆心地という表現には今更思い出したように感触が良かった事を伝え、彼を目で追っていると席のポジションを先に取られてしまったならやっちまったと言わんばかりに絶望感溢れる皺くちゃな表情浮かべて頭を抱え)

オーッマイッガァー!
酷いよおにーさん、か弱い女の子を餌に自分だけ安全な位置取りキープするなんて、汚い!おにーさん汚い!

(失礼にも思いっ切り恐れられている男にも聞こえるような声量で言い、先に椅子へと腰を下ろしている彼へ人差し指をビッと向けて。恐る恐る、紙袋を抱えている男の機嫌を確認するべく彼の顔を見上げつつ足は椅子とテーブルの方へと向かっていき)

こーなったら別の作戦だぁ!あのこわーいお兄さんを味方につけてやれば怖いものなしよ!名付けて、虎の威を借る狐作戦!げへへ。>ギルカ


エヴァン?
じゃあリオって呼んで?ちまっこいのじゃなくて。
座る座る!今から座るよほーら!

(二人が椅子に着席したのを確認してから勧められた席へと座ろうとするが、座ることによって自身より目線が低くなると余計に恐ろしく見える彼の眼差し。一瞬ぴたっと硬直したがまだ警戒したままの様子でゆっくりとした動作で丁寧に座り、膝を揃えて己の両手は堅苦しくも己の太ももに添えて)

え?どーゆうこと?食べたら爆発するとかないよね?ないよねー!?

(果物は食えるのかどうかで問われたようだろうがあまりよろしくない頭では本当は爆弾でした〜な展開かと緊張を走らせており。テーブルに置かれた水々しい果実の一つへ恐る恐る右手人差し指を近づけて行き、つんつんと指先で小突こうと試み)>エヴァン
エヴァン
置きレス
(言動と体を覆っている琥珀色の毛足が浮き立つ様子にこの小動物らしい少女は未だ己を警戒していると実感しつつ、軽やかに隣を抜けていった青年に先を越されながらも円卓の上で紙袋と果実を手離して。一人がなにやら早々にセッティングを済ませて陣地を確保したなら、不自然に二つ並んだ椅子の一方を大きく引いて己も腰を落とし。やや前屈み気味に、脚を肩幅に開いて簡素な椅子の窮屈さに頬杖を付いた姿勢で構え、男二人に掛けられる"おにーさん"というワードにひらりとその手を振っては)エヴァン。間怠っこしいからそう呼んでくれ。……何だ、座らねえのか。
(偶然の重なりによって奇妙な出会いを果たした三者の様相は実にちぐはぐであり、中でも幼い少女が男性陣をお兄さんと呼称する姿は、端から見てもきっとおそらく、絶対に怪しい光景として民衆の目に映るのではないだろうかと名を名乗り訂正を試みて。そして自ずと最後に席に座るであろう相手をずんと下がった目線から睨むような眼差しで見上げ、己の隣の席を盛大に勧めてからオレンジに興味を示したらしい獣人の生態を把握するべく問い掛け)
そもそも食って大丈夫なんだろうな、コレ。>リオ

……──Huh,何の話だ。つーか手前な、この俺のどこを、どう見て、そんなイメージを持ちやがる。(どうやら己の思考が伝わったらしい物言いに眉が微動し、楽の感情が欠如した口元の一端が俄に引き上がる。すぐに言葉を続けようと口を開くもののほんの数秒も無い沈黙の後、息を短く吐き出して自滅しそうな雲行きの怪しいやりとりに区切りをつけ。そして卓上に置かれる水水しい果実が溢れんばかりに盛られた購入物、きらきらと輝く朝日に澄みきった冬の香り、賑やかな人々の声と、こうも健全な条件が揃っていてなぜ拳で語り合うなどという物騒な発想が生まれるのだと不服を露に言葉を丁寧に切り質問を投げて。荷物を整理する意味でも視線は向けずに空いた手で積まれた果実をひとつづつ並べていきながら、歩む最中に見た不自然に動く椅子と視界の端に捕らえた黒く硬質そうな尾の存在を興味本意で指摘して)
そりゃどーも。手前こそ随分物騒なもん連れてんだろ。只の飾りって訳でも無さそうじゃねえか。>ギルカ
ギルカ・アルグール
置きレス
頼めないって…随分慎重に扱うんだな、オレンジってのは。…あー…甘酸っぱいってよりは、拳で語り合う青春してそう。(果実を建前にしてはいるが何かの隠語のように使っているのは明らかな口ぶりで、曖昧にしたまま冗談の延長として会話を続け。小休憩への誘いには言葉で返事こそしなかったが屈めていた体勢を戻しテーブルの方へと歩き出すことでその案に賛成していて、少女と共に後に位置取り長身の背中を改めて眺めると、甘酸っぱいという言葉より先に浮かんだ言葉を告げ。そう言って笑ったのも束の間、少女へと語りかけた内緒話は耳に届いていたらしく威圧的な一言が戻ってくると、駆け足未満の跳ねるような足取りで歩みを早めて相手の横を抜き、相手と同着かやや早いかといった程度でテーブルへ到着すれば、いち早く椅子のひとつに腰掛けてテーブル上をコンと指でつつく。そのまま相手へ顔を向けると、円卓に着いたことで既に話し合いの場に突入したことを主張し)どっちかなって思っただけだよ。いやー穏便に話せる人で良かった。安心した。>エヴァン

それを言うならキミは手の中が爆心地だっただろ。俺より自分の心配を―…(と気遣うような言葉を言いかけるが、次いで少女の口からあっさりと囮に使う発言が飛び出ると言うまでもなく心配をしていたことが直球で伝わってきて、どこか遠くを見つめる表情でしみじみと無常な何かを感じつつ言葉の続きをひっこめ。一足先に円テーブルの一席に深く腰かけた体勢のまま残りの簡易チェアのひとつへと尾を伸ばし針先で引っかけるようにしてズリズリと横へ移動させれば残りの椅子同士を隣接させてしまい、自分以外の二人が並んで座るよう雑な手口で仕向け。椅子の移動が終わると軽いじゃれあいとわかるような悪者じみた口調で言葉を紡いで未だ不安げな少女へと大人げなく対抗してみせ)……残念だがその作戦は成功しない。何故なら俺が椅子の位置を工作しておいたからだ。作戦を口にしたのが仇となったな…先に逃げるのは俺だ。>リオ
リオ
置きレス
うんうん、ほんと爆弾じゃなくてよかったよ。もし爆弾だったらおにーさんも巻き添えだったし!

(拾ったオレンジは既に元の主の手の内に移り、空いた手は曲げたままの己の膝へ。間も無く膝へと軽く体重をかけながら立ち上がり、さらりと恐ろしい言葉を口にして両手を後頭部に組んだなら感謝を述べているのだろうが眉間に皺を寄せている男の顔を見るなり情けない声を漏らした)

…ひぃっ!穏便には済まない気がするよう!いざとなったらおにーさんを置いて逃げる囮作戦がいいと思うの!>ギルカ


(彼の口から放たれた言葉は、いかにも自身の第一声をしっかり聞いていたと出張するかのようなもので、ラッキーを強調されると同時に足元から頭まで順に毛を逆立て滑らかな波を作って。立ち上がってから見た彼の険しい顔を見てから、機嫌を損ねぬよう慎重に言葉を選ばなくては取って食われるだろう等と考え、大人しく流れに乗って従う道を選び)

も、勿論!時間ならたっぷーりあるよ!お付き合いするよおにーさん!

(元気を乗せたその一言は震えており、それでも何かご馳走になれるのではと欲を含めて)

そのオレンジ美味しそうだよね!>エヴァン