1 ビーチ

またまた木虎

 修がカレーを作った。
 「カレーは一晩置いておけばうまくなるっていうからな」
 と、いうわけで一晩寝かす気だったが忘れてしまい、もう何晩もおいてしまった。
 「んー、においがするな。もうこのカレーはいけないな」
 と、そのとき。
 「待てよ、木虎は辛党だったっけ」

 朝、ジャンパースカート制服姿で登校する木虎に声をかける。
 「木虎、うちにカレーあるんだけど」
 「あら、そう。三雲君の家はどこ?」

 カレーに釣られ、木虎は修の家に来た。
 「辛いもの好きだろ?香辛料をいっぱい入れてやるよ」
 「あら、ありがと」
 これは味やにおいでもう古くなっていることがばれないようにごまかすため。

 帰り道。
 「もう、送ってもらわなくてもよかったのに」
 「そういうなよ」
 木虎を送っていく修。
 「うっ!」
 ギュルルルルルゴロロロロロ。
 明らかにジャンパースカートに覆われたその木虎のおなかから雷鳴が聞こえた。
 同時にその顔がサーッと青ざめる。
 (効いてきたみたいだな・・・)
 木虎はちらちらと街角に建っている公衆トイレのほうをみやっていた。
 (よし、トイレにいかれないように先手を打っておこう)
 修は機先を制すことにした。
 「なあ、木虎。遠慮せずにトイレに行っていいぞ」
 「な、何のこと?」
 「トイレ行きたいんだろ?」
 「ト、トイレなんか別に行きたくないわっ!」
 木虎は顔をそらし、流し目で修を見つつ制服の腰に手を当てる。
 (ふふふ、こういっておけばプライドが高い彼女はトイレにいけなくなるはずだ!)
 「み、三雲君。あ、あれ何・・・?」
 木虎が適当に空を指した。
 修の視線をそらし、その隙にトイレに駆け込もうというアイデア。
 「ふふふ、強がらずにトイレに行ったらどうだ?」
 「だからいきたくないっていってるでしょ?」
 「ほんとに?」
 「ほんと!」
 (ふふふ、いつまで我慢できるかな?見ものだな)
 木虎はジャンパースカートで隠されたお尻を両手で一生懸命押さえていた。
 「木虎、何でお尻押さえてるの?」
 「・・・ただ、気をつけしてるだけよ!」
 「歩きながら気をつけなんてするかなあ?」
 「してもいいじゃない!」
 そして・・・。
 ビチャビチャ
 ブリブリッ。
 お漏らしをはじめた。
 「いやあああああああ!」
 あまりの勢いにパンツがずり落ちた。
[作者、登場人物、概要]
三雲修、木虎藍