1 殺伐
女性

JCの苦難

〜ある町に、『秋野 楓』という少女がいた。楓は今、中学1年生である。私立の中学に行っているため、電車通学をしている。〜

朝の7時。
「ヤバッ!もうこんな時間?遅刻しちゃう!!」
寝坊したことに気づいた楓は、急いで着替えて朝食も食べずに電車に乗り込んだ。

電車にはギリギリ間に合った。
が、しかし…。
(あ、ヤバ…トイレ行きたい…。朝急いでて行ってなかったじゃん!!!どうしよ…あと15分も我慢できるかな?)

電車に揺られながら5分が経った。
(…結構行きたくなってきた…マズいよぉ…でも、耐えなきゃ…『お漏らし』だけは避けなきゃいけないの!)

10分が経った。
楓はすっかり中腰になり、足をクネクネさせていた。
(本当に漏れそう…あぁ…)

15分後。駅に着いた。
(ヤッタ〜!!!間に合った!!!)
足早にトイレに向かう…がしかし、改札機の前に来たとき。

「あれ、秋野じゃん!おはよう。良ければ、一緒に学校まで、どう?」

楓の好きな人…『竹内 純』に誘われてしまった。

「あ、竹内くん…いいよ。」
(まさか、トイレなんて言えないし、かといって他に理由なんてないし…)

楓はおしっこを我慢したまま一緒に歩いた。

(どうしよ…本当にマズイ…)
(あ〜漏れちゃうよ〜!漏れちゃうよ〜!!!)

なんとか耐えて学校に到着。準備を終えてトイレに行こうとしたが…

キーンコーンカーンコーン

チャイムだ。授業が始まってしまった。勝負は50分延長だ。

(えっ!?もう本当に無理!!!)

授業中。

(あと45分も…無理ぃ…)

(あーもう、無理〜!!!)
楓は、もう限界だった。しかし、男性教師に「トイレ行っていいですか?」とは言いにくい。

ジョロッ
(ヒィ!?わ、わ、チビっちゃったよ〜!!!)
楓は慌てて股間をおさえた。

(あと35分…)
ジョロロッ
(ハゥ!!さっきよりもやっちゃったぁ…)

(本当に漏れる…どうしよ…)

楓は頑張った。
(あ…あと…5…分…)
しかし、先生は無情にも、楓を指名した。
「秋野!ここにきて、この問題を解いてみてくれ。」
「あ、は、はい…」
(何で私なの!?立てないよ!!!立ったら漏れちゃうよ…。)

漏れそうなのを耐えて黒板に来た。しかし、難しくて解けなかった。その瞬間、波がきて…。

ジョロロッ…ジョロロロ…
「あ、あ、あ…」
(と、止められない!?も、も、もしかして…)

ジョロロ…シャーーーーーーー

教室に響く水流の音。

(お…お漏らし…しちゃったぁ…)

楓は泣いた。
泣きながら保健室に行っていると…
「秋野。」
呼び止められた。そう、<楓の好きな人>…純だった。

「あ…竹内くん…」
「ごめんな、朝。あのときもう、行きたかったんだろ?」
「気にしないで。寝坊した私が悪いんだから…」

突然、ギュッと抱き締められた。
「俺、お前のこと好きだから。」