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今夜もどんなドラマが
1 管理人

一瞬の夏

それは8月13日の夏の出来事でした。

僕は欠伸をしながら窓を開けると『ビュ〜ビュ〜』と風が入ってきた。
『朝なのになんだこの突風は?』と思い朝刊を見ると台風が接近中!と見出しに書いてあった。
僕はその朝刊を見た途端、『ラッキー!』と叫んでしまったのだ。
何故かって?
それは今日、恋人の良子と伊良湖岬の赤羽根でサーフィンをする約束だからである。
今日は格好イイところを見せないと…

朝、10時に良子を迎えに行きそのまま赤羽根へと向かった。
車内では浜崎と長瀬のことで盛り上がっていた
仕事よりも愛か??
あのふたりはどうなるのか?
(P901iTV/FOMA)
2 管理人
時より突風が吹き、車が流される。
ハンドルを強く握りしめながら運転していると前方に赤羽根が見えてきた。
僕はハンドルを左に切って下道に降りていく
車から降りて海を見ると
『なんじゃ〜この波は?』
海水は濁っていて波が4〜5mといつもの3倍ぐらい高いのである!
僕は正直、少し震えてきた
しかし彼女の手前、『いい波じゃないか?』と強がってしまった!
良子は『拓哉!本当に大丈夫?』と労いの言葉をかけてくれたものの、もう後には戻れないのが男なんです。
僕は顔で笑って心は泣いていた。笑い
こんな波が
(P901iTV/FOMA)
3 管理人
ウェットスーツに身を包みサーフボードを持って波のポイントまで進む

途中、数人のサーファーが波に呑まれて悪戦苦闘している
僕も波が来ては戻されて前に進めないのだ
そして30分程、悪戦苦闘している時だった
4m級の波の中にサーフボードの先を向けて突っ込むと不思議なことに映画の『十戒』のように通りすぎてしまったのだ
そして僕は必死に手でパタリングをしてポイントまで進み良い波を待つのだが4m級の波が次から次へと押し寄せてくるのでもう生きてる気がしない…

そしてふと後方を見た時だった。
そ、そんな!
(P901iTV/FOMA)
4 管理人
超メガトン級の波が後ろに迫っていた。
僕はその波が後方2mのところに来た時、ボードに膝を当て立とうとした瞬間だった!
波の渦に呑まれてしまいボードごと巻き込まれてしまったのだ
パワーコードは切れてボードは視界から消えていく…

波の渦は凄く、体が回転していて体が身動きできない
まるで人が足を引っぱっているようだ…

僕は必死にもがいて渦から逃げ出そうとするが全く駄目である。

海底に沈む…
意識が薄れていく中で
僕の頭には良子のことが浮かび『短い人生だったけど本当にありがとう』『先祖様、神様、江原様、助けて?』と唱えた時だった

あんなに激しい渦が消えて急に海水の中が穏やかになってきた…
海面が見える
(P901iTV/FOMA)
5 管理人
海面に顔を出すと不思議なことにサーフボードが横に浮かんでいるのではないか?
僕はサーフボードに手を掛けて落ち着いたところで良子を探すものの何処にもいない
すっかり沖に流されてしまったのだ…

海面は穏やかに

僕は米粒ぐらいになった砂浜をめざしてパタリングをする
砂浜めざして…

ふと気が付くと砂浜に寝そべっている
『僕は一体?』
『どうやって此処へ?』

そして横を見ると良子はまだ寝ていた。


翌朝、顔を洗っていると左足が痛いのだ
よく見ると左足に傷が!
あの時の人の手が?
(P901iTV/FOMA)
6 管理人
《解説》
愛知県の赤羽根はサーフィンのポイントですが年間2〜3人は行方不明になります。

8月13日はお盆でよく海に入ると霊に足を引っ張られるともいわれます。

夏になると今でも左足が痛くなります…

そして良子との出会いも夏とともに一瞬でした…
(P901iTV/FOMA)