1 ファル・イデア・フォン・グレン

アパート『306号室』5

古びた煉瓦造りの三階建てアパート・1LDK。その三階の奥に位置する306号室に自室を持つ。
部屋はとくに広い訳では無いが、最低限の家具しか置かれておらず広く感じさせる。
リビングには黒い革製のソファーとローテーブル、木材で大きめの本棚一つと小さな引き出しが多くあるチェストが並んで二つ。寝室にはセミダブルの黒いベッド、木材の一本足テーブルに椅子とクローゼットがある。バルコニーにも白いテーブルと椅子の一式が置かれている。

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100 セリシアーシャ
ふむ。では…きっかけは、悪魔の悪戯めいた行動が、何もせずとも神を善と位置付けたのだろうか?
(苦しめるものが悪、何もしないものは都合よく善へ。興味深い見解だと、問いをひとつ投げ掛けて。)
デート…?勿論だ、空けておこう。ふふ、ファルと一緒ならば、それだけで特別になる。
(彼といられれば、それだけで幸せなのだから二人で出掛けるのならば、それはきっと素敵な日になるだろうと、彼の提案に少しの時間差で目を輝かせはじめたかと思うと、嬉しいと、その想いが弾けるように両腕を伸ばして彼の首に回そうとして。)
99 ファル・イデア
それを見守っていると思うんだろうな。悪魔は誘惑したりしてるし、悪といわれても仕方ないが。
(神は何かを与えたりしない、がしかし、悪魔は干渉するのでそう思われても仕方ない事だとどこか呆れた様子で告げて)
祝うっていっても、大した事は出来ねぇから期待するなよ?俺の誕生日を祝って貰ったんだ…お前も祝わないとな。…なら…21日、大丈夫か?その…デート、でも…するか…?
(嬉しげな様子に期待されるとプレッシャーで、ガッカリされると己も落ち込むので念を押し。己の誕生日を幸せと感じれる程に祝ってくれたので、それに応えようと考えていたらしく日付を確認する。その後の言葉は気恥ずかしいのか、視線を外し頭を掻きながら訊いてみて)
98 セリシアーシャ
ふふふ、神を善、魔を悪とする最たる考えだな。神はただ、高殿から見下ろすだけだというのに…。
(善行に対する守護をするのが神というならば、それこそが間違いだと、神たる自らは強く思う。人間のために何かをしたことなどなく、またそれは他の神にも言えることで。なにより己が支柱の役割を考えれば、介入すべきではない存在ゆえに、なぜ人間はそのように考えたのだろうと、どこか不思議そうに目を細めて。)
…ふむ。火曜以降ならば、調整できたはずだ。…祝ってくれるのか?
(己の言葉に笑みと共に同意が返ってくれば嬉しそうに表情を綻ばせたが続いた誕生日の言葉に、今後の予定を思い出せば14日以降ならば問題ないことを告げつつ、予想だにしない言葉にどこか嬉しげに上目使いに問うて。)
97 ファル・イデア
まぁ、神とは守護して幸いを与えるものだと人間界にも伝わってるからな…そうなんだろう。
(続いた言葉に己の知る情報を述べて、神界を知らぬ者はそう思っているのだろうと客観的に考えながら肩を竦めて)
一緒に?…そうだな。
(頬を撫でられながら一緒と聞けば、確かに一緒に見れたら良いだろうと微笑みながら同意して。天の川の伝承には、男女の話もあったと思い出しつつ)
……あ。そういえば、今月…お前の誕生日だろ?空いてる日、あるか?
(不意に思いだし、確か皇宮に勤める際の書類には相手の誕生日が記してあったので覚えていたのか問いかけてみて)
96 セリシアーシャ
縁起物と言えばそうかもしれん。ニライカナイとは、ある民族たちが神界のことを呼ぶ別称でもある。神とは、人の願いを叶える善良なものだと思われているのかもしれん。
(縁起物と聞こえれば、確かにと頷いて。己の育った神界をニライカナイと呼ぶものたち…それはまるで理想郷としてのイメージが強いだろうか。予備知識として伝えれば、持っていた缶を閉まって。)
…いつか、一緒に見られると良いな?
(頬に触れれば、ゆっくりとそのフェイスラインをなぞりつつ、今でなくても、いつかはと、この空を彩る星の河を己だけでなく彼と共に見られたらきっと幸せで。来年…更に先のことになっても、見られる日がくれば良いと首を傾げて問うて。)