1 レイナス

街外れの宿『Lucas』

エントランスを抜けると正面にフロントデスク。その両側から一対のカーブを描いた階段が伸びている。向かって右が一般宿泊者エリア、左が長期宿泊者エリアとなっており、目立たぬ立地ながらそれなりに栄えている様子。天井はドーム型の硝子張りで随所に星のモチーフが散りばめられたレトロな雰囲気の宿屋。

『Room V』
円形に伸びる廊下の手前から三番目に位置するレイナスの生活空間。シングルベッドの傍らにカフェテーブル、愛用のバッグを引っ掛けた椅子が一脚置いてあるのみで、手狭なキッチンスペースもグラスがぽつんと置かれているだけ。小型冷蔵庫には日持ちする食材をストックしている。個室シャワーとトイレ付き、空調は一定。

▽手紙・郵便物の受取り可
様々な種族を配慮し昼夜問わず常駐しているフロントスタッフに預けるか、入り口左側にあるロックつきのポストに投函可能。後日当人の元へ手渡される。来客用のドアノッカー有り。
28 メルティーナ
【置きレス】

あはは、わかってるわかってる。無自覚ほど厄介なものもないとは思うけどねぇ。……そういう反応も良い…。ほら、めいっぱい受け止めてくれて嬉しかったというか、普段カッコイイからギャップにキュンってしたというか…まあ そんな感じ!(即座に返る否定が可笑しくて軽快に笑い本気ではないことを改めて示した後に小さく付け足した独り言が相手の耳にまで届くかどうかは兎も角しみじみと。伸ばした腕が引き止められるかと思われたのは最初だけ、お咎めがないことに安心して怖々と遠慮がちに触れるか触れないかだった手にもう少しだけ力を込めて上機嫌で二度三度と髪に指を滑らせてから腕を退き。返答に窮し背けられてしまったその横顔が仄かに色付いていることに気付けば少し前に相手が紡いだのと全く同じ言葉が知らず唇から零れ落ち、素直な誉め言葉であることを伝えようと悩み悩み言い換えてはみるもののそれ以上の言葉を探せば探すほど此方まで恥ずかしくなってきて結局は強引に纏めてしまい。目の前の一皿は勿論、深皿にたっぷり盛られた一皿も客人に出せるレベルに仕上がったのではないかと二皿を順に見やって自画自賛気味な笑みを唇に乗せ、行儀悪くもテーブルの端に両手を添えて相手の口に運ばれるフォークを逸る気持ちに呼応する前傾姿勢で見つめ、程無く聞こえた感想にほっと安堵を覗かせ姿勢を戻して己もまずは控え目な一口を運び僅かな驚きすら含んだ声を上げ輝く瞳を向けて相手と感動を分かち合わんと。その後も調子良く食べ進めながら気軽い口調で雑談に花を咲かせようか)ーーん、美味しい…!わあ、これ誰かに自慢したい完成度かも!私は神界生まれの神界育ち。まあ神界のこともあんまり知らないんだけどね。翼も目も、なんでこんな色なんだろうってずっと思ってたけど…今は好き。ステキでしょ?あ、もし狐さんに会ったらセンちゃんって呼んでみて?きっと渋ーい顔してくれるから。
27 レイナス
【置きレス】

げ、変なイメージ持つのヤメテ。違うから…!でも一応お礼返しとく、どういたしましてー…──ってなに笑って……あの、さ…そっちはすごく複雑なんだけど、…っ……(軽口とは分かっていても良からぬ印象には透かさず反応を示して否定の言葉を列ね。小さなトマトの欠片すら残さぬよう綺麗に取り分ければ、外食でお目にかかる様な適度な量の一皿と、大盛を遥かに越えた特盛パスタの二皿が仲良く並んで完成。片付けは相手が帰宅した後に進めるとしてフライパンをシンクに手離せば大人しく次なる最終工程を待っているものの、己の年甲斐もない喜びように笑われているなど思い至らず相手を見やって首を傾げ。そして伸びてきた手を反射的に拒否するべく咄嗟に腕を持ち上げたが、一度触れてしまえばその手先が相手に当たることなく停止し、やがておずおずと降下していく。戸惑いがちに素直には受け取り難い形容に渋り不満に双眸を細めながらも、どう対応して良いかわからず柔く朱色の注した顔を背けて押し黙ってしまう始末。それでも間もなく温もりが離れていけば無意識に己の髪に触れ呆然、それも一瞬の事ですぐに現に意識を引き戻してはふたつのグラスに冷蔵庫から取り出したアイスティーを淹れて両手に持ち、仕上げを終えて運ばれていくメインディッシュを追いかけグラスを設置した後に己も着座するべく椅子を引いて。直接話した事はなくとも街で聞き込めば一発でヒットしそうな変な話し方の狐たるキーワードを記憶に刻んで腰を下ろせば、両脚にそれぞれ手をおいて相手に敬意を表した一礼を。雑談を交わしつつどうしても想定より多く巻き取られる多量のパスタを口に運んでは率直な感想が零れ、それが自惚れでないことを確かめるよう相手を窺い)契約の身だったから俺も広くは知らないけど、今見たら違う世界が在るんだろうな。メルは神界の生まれ?珍しい羽の色だよね。…変な喋り方の狐さんも探してみよう。ではでは早速いただきます。──…あ、超美味い……よね?しょっぱくはないはず…
26 削除済
25 メルティーナ
【置きレス】

…つまり、女たらし?なーんて。照れるけど、一応お礼は言っとこうかな。ありがと。……っ、く、ふふ…ほんとだし、レイナスならできると思うけど、今のレイナスはカッコイイよりかわいいって感じ。(己にとってはレベルの高い誉め言葉たちが本音だとするならばとわざとらしく首を傾けて軽口を、続けて言葉通りに照れた表情を少しでも隠す意味も込め相手ではなく手元に目を向けたまましっかりと礼を伝え。胸に浮かんだままを声にしただけの何気ない一言に思いの外大きな反応を示す相手に驚きが先行して一瞬頭が追い付かずにきょとりと瞬いて、一拍置いて最初こそ口元を手で覆い何とか肩を震わせるに留めていたもののすぐに堪えられなくなった笑いを溢れさせ年上の男性に向けるべき単語ではないと理解していながら正直に口に出しどうにも大型犬に見えて仕方がない相手の頭上につい手が伸びて叶うならば結われた髪を乱さないように注意しながらそっと頭を撫でようと。自分は口ばかりで結局は大部分を相手に任せてしまった感が否めず現状でも十分に"料理の出来る男"と呼べそうな相手が多量のパスタを前に考えを巡らせるのを大人しく見守り、全てをフライパンに投入する大胆な手段で料理を完成へと導いた姿に感嘆の声を上げぱちぱちと拍手を送り。最後に重大な任務を担う流れで一気に気が引き締まり、赤と緑と白のバランスに注意しながら具材を乗せてどうにかそれらしく見えるように飾りつけることに成功すれば嬉しそうに目は細まり機嫌良く軽やかな足取りでカフェテーブルへと運び)おー、なんかちゃんと美味しそう!レイナスさっすがぁ。…へぇ、私は行ったことないからちょっと気になるなー、人間界。確か東だって言ってた。変な喋り方の狐だからきっとすぐにわかると思うよー。お礼なんて言わなくても全然大丈夫だけどね?ーーよし、じゃあいただきますしよ!(話に聞くだけの人間界への小さな憧れを吐露しつつ、知人に関して簡単な特徴を伝えれば直接会ったことはなくても思い当たる何かがある可能性もあるだろうか。当人に代わってひらりと手を振り感謝するほどのことでもないと示しつつそそくさと椅子に座り両手を胸の前で合わせて声を上げ、最初の一口は相手に譲る心持ちでそわそわと様子を窺い)
24 レイナス
【置きレス】

結構本心なんだけどねえ。……うっそ!?ほんとに?わー…ならこれからちょっとは頑張ってみよっかな。(確かに調子に乗ってる節は否定出来ないものの嘘偽りを並べ立てているわけでもなく笑いの余韻を残しながら、ふつふつと煮立ち始めたトマトの果汁を眺めて半ば独り言のように。しかしながらそれまでの落ち着いた調子も格好いいなどとあまり言われる事のないワードを聞き付けるや、ぱっと声音は跳ね上がり、自身が犬であったなら間違いなく尻尾を大きく振っているであろうあからさまな喜びを見せてしまえば、願ってもない賛辞からは残念なまでに遠ざかっているだろうか。彼女が居てこそ今が成り立っている現状に料理が出来る男となるべく今後の向上心を覗かせつつも、鍋から麺を掬い上げる行動を恐る恐る見守って。小さく頷いた姿に一度は安堵し、提供されるがまま従順に塩と胡椒を適当に振りかけたが次いで現れたパスタの量に驚き目を見開く。パスタの膨張率を甘く見ていたが故の失態ながら目測でいけば無謀な挑戦ではないはず。機転を利かせて急遽味付けを濃い目に設定し潔く麺を投入、些かトマトが少なく感じられるが隣で着々と生みだされる緑と白のアクセントでどうにか誤魔化せないこともないだろうと。回収されていくマイナス要素に知らずと表情は真剣味を帯びながら、もうひとつの問いの答えに興味を惹かれて表情は少しだけ緩み)…パスタって、思ったより増えるんだ……や、いける、大丈夫…!…名前と雰囲気でそんな気はしてたけど、人間界かー…俺も生まれは神界だけど帝都に来る前は人間界に居たんだよ。島国っていうと東の方かな…いつか巡り会えたら、その人にもお礼言わないとだね。…できた、と思う!盛り付けよう、そして食べよう。腹が限界っ…(この国で過ごしていればきっと出会えるだろう顔知らぬ相手の知人に感謝を示して、炒め合わせる時間を最小限におさえ最後に板上から千切られたチーズとバジルを半量弱つまんでフライパンに落とし軽く熱を通したところで火を止め。集中が切れて途端に空腹が限界を迎え、相手用のパスタ皿と自分用にカレー皿に近しい深皿の二つを並べてトングを装備。見よう見真似で渦巻くように盛り付けては残った具材の飾りつけは彼女のセンスに任せるつもりで)
23 メルティーナ
【置きレス】

うわあ、穴があったら入りたいってこーゆーことかも…。調子良いことばっかり言ってメルちゃんで遊ぶなんて、そっちこそ意地悪度が上がってる気がする!ーー料理できる男の人ってカッコイイよね。(笑いの気配を含んだ声に羞恥と不満を募らせ更に続いた一言が追い打ちとなって熱を増した頬を覆い隠すように左手を添えて緩く首を横に振り、当初に比べて気軽にあれこれ頼んでいるのは否めないが相手からの扱いがその原因にあると言わんばかりに子供っぽく言い訳しておいて。自分も他者の料理風景を見ること無く育った身であり鼻唄を交える余裕を持って軽快に調理を進める姿にトマトを切っていた手元など忘れて感心し、料理の完成が近いことを実感させる香りに自然と頬を緩ませて。しかし上機嫌が一転、問いに対して明らかに顔色を変えるのを見て取ると自分のことは棚に上げて唇を三日月に、悪戯っぽく首を傾げてみせる間にもパスタには次第に火が通っていく。菜箸で鍋から一本掴み出し数回息を吹き掛けてから口に運べばアルデンテこそ通りすぎてはいるが幸いにも茹で過ぎとまではいかず一人小さく頷いて全てザルへと開けたところで腕を組み首を捻って想像していたよりも些か量が多く見えるそれとフライパンとを見比べぽつりと呟き、然り気無く塩と胡椒、ザル一杯になったパスタをコンロのそばに置けば意図は伝わるだろうか。自分は紙袋からモッツァレラチーズとバジルを取り出し適当な大きさに千切るという簡単な作業を選ぶことで相手がパスタと奮闘する様子を見学しようと画策しつつ、夜空を映した封筒を思い中に記されていたもうひとつの問いへの答えを織り交ぜた言葉を返し)…たいちょー?顔色悪くない?…ん?これ、大丈夫かな……。ビャクダン、樹の名前なんだって。人間界のちっちゃな島国が第二の故郷だーっていう知り合いに教えてもらったお店で、私もまだ数えるくらいしか行ったことないけど…もう迷子にはならないから大丈夫!