1 レイナス

街外れの宿『Lucas』

エントランスを抜けると正面にフロントデスク。その両側から一対のカーブを描いた階段が伸びている。向かって右が一般宿泊者エリア、左が長期宿泊者エリアとなっており、目立たぬ立地ながらそれなりに栄えている様子。天井はドーム型の硝子張りで随所に星のモチーフが散りばめられたレトロな雰囲気の宿屋。

『Room V』
円形に伸びる廊下の手前から三番目に位置するレイナスの生活空間。シングルベッドの傍らにカフェテーブル、愛用のバッグを引っ掛けた椅子が一脚置いてあるのみで、手狭なキッチンスペースもグラスがぽつんと置かれているだけ。小型冷蔵庫には日持ちする食材をストックしている。個室シャワーとトイレ付き、空調は一定。

▽手紙・郵便物の受取り可
様々な種族を配慮し昼夜問わず常駐しているフロントスタッフに預けるか、入り口左側にあるロックつきのポストに投函可能。後日当人の元へ手渡される。来客用のドアノッカー有り。
16 レイナス
【置きレス】

……!…く、ははっ、食べられれば何でも、か…なら腹壊すときは一緒だ。好き嫌いも特に無いからメルが平気ならじゃんじゃん入れよう。今日は君としか会う予定ないしね?(料理の完成度に対し寛大すぎる心構えを見せる相手に刃物を持っている手前最初は堪えたものの笑いを吹き出して。それによって張り詰めていた緊張の糸は和らぎ、辛うじて胃に収まった際の万が一の責は手紙に記した通り連帯責任だと顔をくしゃりとさせて笑い掛ければ一心に観察せんとしていた相手と視線がかち合うだろうか。技術こそ向上しないが肩の力が抜けた分作業能率は些かアップ、再び手元に集中し四つに分断したトマトを賽の目状に切り分けながら背後から投げられる問いに答え。味の決め手といっても過言ではない香り高い食材は魅力的ながら、その香りを引きずる代表格でもあるそれに彼女が構わないのであればと戯れ言混じりにつけたし、壺のみに対する反応に首を傾げて唸るように。雑談を交わしながらも、所々に緑色の欠片を交えたトマトを端に退かし無事に怪我なく任務を終えては場所を譲って次なる指示を仰ごうか)変な壺は買って良いから、知らない人に付いてくのと転ぶのだけ気を付けようか…?…でも、帝都は楽しい事で溢れてるから足元なんて見てらんないよね。……おっし、でーきた!包丁使う?他に切るもの無ければパスタでも茹でようかな。
15 メルティーナ
【置きレス】

あはは、よろしくお願いしまーす。お客さんに出すわけじゃないし、食べられれば何でもだいじょーぶ!(大仰な返答に思わず声を上げて笑い、対する己は緩く間延びした口調で告げて。不慣れな手つきと宙に浮いた言葉たち、相手がトマトと格闘する姿には微笑ましささえ覚えて隣でただ眺めていたい衝動に駆られながらも気楽さを全面に押し出した声を掛けるに留めて何とか視線を引き剥がし、ティーワゴンに歩み寄ってそこに揃う装備に目を向けて。必要なものを越え結構なあれこれを用意してくれているのを確認して目を細めながら雑談に興じ、不服そうに堂々と胸を張って最後のひとつをはっきりと否定し、逆に言えば残りは明確に否定できないからこそむきになった子供っぽさを露呈しているのだがそこには無自覚で。調理器具の中からフライパンを選び取って空いている方のコンロへと乗せ、今度は自分で紙袋を覗き込みながら問いを投げ)私だって、変な壺買ったりはしないもん。ちゃんと変じゃないの判断できるもん。……あ、ニンニク使ってもヘーキ?
14 レイナス
【置きレス】

トマトね、了解了解。大役仰せつかまつった。……言っとくけど、俺は何もないとこでは転んだりシマセン……躓くだけデス。メルこそ転びそうだし、知らない人に付いていきそうだし、変な壺とか買わされそうだしなんかもう色々心配だし…、えっとそれから…(畏まった姿勢のまま頭をもたげてチラと前方を確認すると狼狽える相手の手元が視界に入り、つい笑いから小さく肩が揺れ。それでもちゃんと与えられた指示は頼れる頼れないは別としても純粋に嬉しく了承の声を意気揚々と弾ませ示された紙袋を漁りはじめて。トマトをひとつずつ集めていく最中、空いたスペースからコーヒーや菓子類といった一見パスタとは無縁そうな物品を見つけ、まさか投入するつもりかと一瞬手が止まったものの、今は与えられた任を完遂すべくトマトに集中。それらをさっと水で洗い、キッチンの中央に位置する手狭な調理スペースにカッティングボードと包丁を用意しヘタを下に食材をセットしたところで春の件は誤魔化さんと会話の続きを切り出して。むっと口元を歪め大人げなく言い返してやるつもりが列ねるに連れ単なる己の心配事に移行していきながら、手元に意識を移せばその声も次第に小さくなっていき。水滴をはじく真っ赤な表面に刃先を当てて暫しの沈黙、覚束ない手つきで切り始めたなら次いだ途切れがちの言葉は完全に独り言で)……こう?これで、あってる?…あー、ヘタって先に取った方が良かったのか……いや…別に後でも取れるよな…?だよね。うん、ごめんごめん…
13 メルティーナ
【置きレス】

確かに今日はぽかぽかだけどー…。レイナスって意外と何にもないとこで転んだりしそうなタイプに見えない?…はあーい。(確かに降り注ぐ陽光は新しい季節の訪れを感じさせるものではあるが"やっぱり"の示すところが掴めず、不思議そうにぐるりと顔を巡らせてから首を捻り解説を求めて再び視線は相手へと戻り。小さな躊躇の理由も全て見抜いた上での軽口から感じる配慮にふっと体から無駄な力が抜けるようで、倣うように軽やかに応える声は半分本音でもある印象をまるで第三者に同意を求める調子で告げて。宿の内装に意識の大半を持っていかれた完全なる生返事ではあるが離れすぎないように視界の中に桜色を認めることは忘れずに、相手の部屋への扉を潜れば様々な用意が既に施されている様子を感動の面持ちで眺めていたものの、不意の直立からの一連の動作にぽかんと間の抜けた表情を晒すことになり。我に返り大慌てで勢い良く首を横に振りまずは期待値を下げるところから始め、次いで己の買ってきた紙袋を指差して。紙袋の中にはトマトやパスタ、バジルにモッツァレラチーズという食材からチョコレート、コーヒーといった食後の楽しみまでが詰まっていて)ーーわああ、私そんなに料理上手じゃないし!もちろん頑張るけどっ。…ええと、まずはトマトとか、切る?

【今更ながらPL会話が落ちていたことに気付いてこそこそと。初日から遅くなってしまって勿体ない感満載ですが、料理に関する戦力としてはどっこいどっこいな危険さえある残念女子をよろしくお願いします…!/レス不要】
12 レイナス
【置きレス】

……っ…やっぱり春、だね。心配しなくても落としたりなんてしないよ?…なーんて、迷子にならないように、こっち。ついてきて。(偽ったつもりはなかったが、予想に反して戸惑いがちに白い肌を色付かせて初々しい反応を見せた相手に思わず言葉を詰まらせ、その姿を花咲く季節と重ねて先ほど呟いた言葉を改めて声にはしたが今度は照れ臭さが混じってしまい。その後よく知った笑顔で平然と振る舞う相手に後押しされる形で己も気持ちを正せば、手荷物を受け取らんと伸ばした腕に躊躇いを見せたことを指して自信たっぷりに腕へおさまった紙袋を軽く掲げてみせて。やや屈折した解釈は軽やかな口調と足取りで相手が遠慮故に迷ったことをしっかりと理解している上での冗談であると伝わるだろうか。それまで隣を歩いていた彼女との距離が少しずつ開いていくのにクスクスと小さく笑みをもらしながら、迷うような道のりではないものの時折後方を確認しつつやがて自室の前へと。どうぞ、と一声掛けて共に室内へと足を踏み入れたならば調味料の並ぶ横に紙袋を置いて、途端ぴしりと直立。揃えた指先をボトムスの縫い目にそわせて続くお辞儀はぴったり45度。先導はここまで、いざ料理となればこの先の主導権は委ね己は指示待ちの姿勢を取ろうと)……はい、メル先生。指示下さい…!
11 メルティーナ
【置きレス】

……あは、ヤだなぁ、上手いこと言っちゃってー。おはよ、レイナス。お出迎えありがと!(向かい合う形で足を止めて相手の顔を見上げ、まず耳に届いた優しい建前に胸に片手を添える仕草で安堵を示したのも束の間のこと。続いた否定に曇りかけた顔は更に紡がれた言葉によってたちまち赤く染まり薄く開いた唇から何も発することができないまま一旦視線を斜め下へと逃がし、一瞬の空白の後に何事もなかったかのように平静を装って視線を戻し己も悪戯な笑みを唇に乗せてみせ、その後はいつも通りの明るい笑顔で挨拶を返し。伸びてきた腕に少しだけ悩む素振りを見せてから素直に紙袋を手渡して、誘う声に頷いて叶うならは隣に並び立って宿屋へと歩を進ませ初めて足を踏み入れる階段の先では興味の籠った瞳をそこかしこに向けながら歩みも心なしゆっくりになることだろう)わ、ありがとう。それじゃあ、お邪魔しまーす。宿屋さんの奥って行くの初めてかもっ。