1 セリシアーシャ

Celia

私はヒトリ。

掴めぬ自由を夢見て

必死に手を伸ばしていた。

世界の意味も知らずに

足掻くように走り続けた。

いつだって

私はヒトリ。


そう


たったヒトリで

生きてきた。

だから

私の名前は

誰にもあげない…。
2 Celia
「セリ」
それは誰にでも許された私の名前。
長ったらしい私の名前を、簡単に呼ぶための、ただの呼称。

だから、私にとって何だって良かった。
私の名前は、識別のためのものだから。
意味などない。

だから、自分にも無頓着。
ただひたすら、下された命を遂行する。
英霊の魂を導き、今という時を紡ぎ続ける。
それが私の役割―…。

だから、密かに願っていた。
いつか私を見てくれる誰かを。
私という存在を認めてくれと。
ありのままを愛されたかった。
本当は、ずっと願っていたんだ。
こんな下らない世界から、自らの足で駆け出して。

いつかでいいから
私を抱締めて
「大丈夫」だと囁いて
私を愛してくれる
誰かを
自らも愛し続けて
そんな未来を
夢見て

ありったけの愛しさを込めて、呼んで欲しい。
きっとその時
初めて私は
私の名前を好きになれるから。

だから呼んで
私の名前を。


「セリア」って…。

Fin
3 アトガキ
いきなり思い浮かんだSS。
セリアが名前に拘る理由。
矛盾した思いを抱えながら昔は生きていたのですよ。
ババアなこの女も、中身は乙女だったんだね…+
我が娘ながらビックリです。
セリアは動かしやすいから、小説もガンガン書けるけど、他の二人は…ははははは。


お目汚し謝;
呼んで下さった皆様に、感謝を…。


蓮華