65 駄文書き◆FqvO
私の名前はボロンゴ。キラーパンサーだ。
グランバニア王リュカとは既に13年の付き合いになる。
10年前は、失われし秘技“進化の秘法”を使い、地獄の帝王を一撃で仕留めるほどの力を手にしたこともあった。
そして今。リュカに再び呼び出され、屍の姿でリュカの一行に加わっている。
しかし私はもどかしい。自分の力を十分に発揮できないのだ。
私に出来ることは一つ。呪いの武具をリュカに授けることだ。私は何も出来ない。
呪いの武具の力はすざましく、使い方次第では帝王を一撃で息の根を止めることも可能である。しかし一度使い方を誤れば時を止めてしまう。
そして呪いの力により、リュカ達は魔物を逃げることも許さず切り裂いている。
私は、リュカが光の教団の者達を倒すのをただ棺から見ている。
パパス殿が三つ又の鞭を操り敵を切り裂くのをただ見ている。
リュカは私に「君こそ僕の一番の友達さ。そして君のくれるアイテムはとんでもない力を与えてくれる。君は神の化身じゃないか?」と言ってくれる。
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66 駄文書き◆FqvO
しかし私は彼らの話を聞いてしまった。
スライムのスラりんは「突然でてきたあの人、だれなんだろう?」といっていた。この言葉には悪意はないだろう。
しかしドラキーのドラきちは「戦いもせず馬車の中に隠れているなんて卑怯だにゃー!アイツが渡すアイテムってホントは禁じられてる麻薬じゃないのかにゃあ?だったら最低の奴だにゃにゃにゃにゃあ!」と悪態をついていた。
それに同意するようにピエールは「志を同じくする友に名も明かさないとは卑怯なり。我らは元は魔王の僕であろうとも、真にリュカ殿に忠誠を誓った義の士である。棺に潜み我らに姿も見せないとは信じえないとのドラきち殿の弁、拙者も頷けるでござる」といっていた。
リュカは私を生き返らせてくれるといった。命の木の実を使えばこの状態から抜け出せるらしい。
しかし彼らは私の事を信用しないだろう。それを私は悟った。人々は呪いを利用こそすれ呪いの者と肩を組もうとは思えないのだろう。それも当然の話だ。
私は、今夜一行から脱退しようと思う。“呪いの武具”はリュカの道具袋に入っている。私は用済みなのだ。皆が寝静まった夜。私は皆を、そして何よりもリュカを愛していた。しかし皆は私をよからぬものとしてみている。仲間としては見ていない。
私は『ボロンゴ』に目をやる。彼は私の正体を知らない。後の自分だとは気付いていない。もちろん知らないほうがいい。違う道を歩むかもしれないのだから。

…リュカ。お前とは長い付き合いだったな。チビのお前がお化け退治をしてくれたときは本当に嬉しかったよ。じゃあな。
…ボロンゴ。リュカの一番の友達であれよ。たとえ後に別れても、リュカのこと、ビアンカのことは絶対に忘れるなよ。いいな。


翌日、謎の死体は消えうせたのであった。
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死体バグでリセットすると消えてしまう謎の死体君の心情を書いてみました。ヒロりんの解析により死体=ベビパン説が発見されたのでちょっとたまには小説もいいかなあと思いまして。
リュカというのは小説版の名前、10年前というのはボロンゴ技のこと、ドラきちの口調も小説版に準じています。
皆さんもよければ小説ドゾーです。
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