1 市松

宿屋の屋根裏部屋

古くて小さな宿屋の屋根裏部屋
毎日水汲みをしてくるという条件でただで滞在している

宿屋自体は古い造りのものの室内は清潔に掃除されているが、屋根裏部屋に至っては手を付けておらず蜘蛛の巣や埃が多く、明かりは蝋燭のみなため極めて薄暗い
窓が一つの3、4畳しかない部屋には毛布や衣服などを詰めた段ボール箱と、愛育しているチューリップの鉢がある

【郵便受付可】
5 市松
(段ボール箱の前に腰掛けて白い布にはさみを掛けていたが、豪快に大きな金属音を一つ響かせて手に持っていたはさみを段ボールの上に置き)うむ、完成じゃ(満足気な面持ちで小さく呟くと立ち上がって白い布を両手いっぱいに広げてそれを見やり嬉しそうに口角を引き伸ばして笑み)おばけじゃおばけ
(布を頭から被り穴の開いていない袖に腕を通して、その手で布を下に引っ張って大きな穴から顔を出しパタパタと腕を叩き。布に付属されている大きめフードを両手で頭に被せると悪戯げな笑みを浮かべ、ダラリと垂れたローブに足を引っ掛けないようにと裾を持ち上げて足早に部屋の扉から退室し)>退室
4 市松
(背中に広げた翼をはばたかせながら空を浮遊していたが、開け放たれた窓へと降り立ち翼を収納するとブーツを脱いで窓から室内へと侵入し窓を閉め。ブーツを部屋の隅に放り投げると捲くし上げていた袖を下ろして頭を乱暴に掻き毟り)ふう。今日の水汲み、終了(一息吐き出すと両手を頭上に上げて欠伸と共に力一杯背伸びをし、両目を片腕で乱暴に擦りながら段ボール箱に歩み寄り箱の中から毛布を引っ張りだすとその場に静かに腰を下ろし、毛布に小さく包まって寝そべり)おやすみ(ぽつりと言うと直ぐ様寝息を響かせ)>入室
3 市松
(蝋燭の明かりと月の光だけが差し込む室内で小さく畳んだ毛布を座布団代わりにして正座し、段ボール箱を机の代わりにさせて古く薄汚れた帳面に小さくなった鉛筆で不恰好な文字を書き記していき)うむ!(一枚の紙に文字を埋めつくし終えると鉛筆を段ボールの上に置き両手を頭上に上げて大きく伸びをし、帳面を手に取るとそれを見て満足気な笑みで一つ笑み)今日の日記、書けたぞ(言うと立ち上がって鉛筆と帳面、毛布を段ボール箱に詰め込んで開けっ放しの窓に駆け寄り翼出現させ)お月さまじゃ(空を一度見上げてから目尻下げて笑み、窓に手足掛けて身を乗り出し空に向かって飛び立ち)>退室
2 市松
(窓から差し込む太陽の光を避けるように毛布に包まっている体を捩って小さくなり)んー…(伏せている目を強く瞑り眉間に皺を寄せ、薄らと瞳を開き眩しそうに瞼を片手の腕で擦り)…水汲みしてくるかの…(まだ覚め切っていない頭のままポツリと呟くと一つ欠伸をしてから立ち上がり、小さな窓を開けて身を乗り出し翼を出現させ。虚ろな瞳のまま空へと飛び立ち水汲み場へと向かい)>入室