−巨大図書館−

円形の構造で広く、壁一面にも多種多彩な古い書物から新しい書物が並び
簡素な椅子と机があるだけの膨大な書物に埋め尽くされた図書館
夕月
置きレス
うちの方こそ、いけず…意地悪してしもたけど、あんさんみたいに挑戦してくれはるお人は好きどすえ。…あんじょう使てはる思います。せやけど、真似されるんをえらい嫌がるお人もおりますよって。(少しの申し訳なさを含みながらも笑みに歪む唇に人差し指を添えてつられるようにどことなく弾む声で賛辞を向け、意味を伝えたばかりの言葉たちが妙に浮いて聞こえる面白さに更に口元を緩ませ単語の使い方という意味では問題ないとゆったり頷いて応え。好きと言った通りに自分が心からやり取りを楽しんでいることは機嫌よく揺れ動く尾が何より証明しているだろうが、自分自身の経験を振り返り本を持たない方の手で自らの肩を抱くような大袈裟な仕草と共に悩ましげな吐息を零し。素直な疑問を口にする姿には好感が持て自分も自然と真っ直ぐな気持ちで、瞼を下ろし遠く彼の地を懐かしく思うといつにも増して穏やかな調子で正確には生国ではない土地と言葉遣いの名を挙げてから軽く肩を竦ませ、示された本は確かに物珍しいものではないとはいえ描かれた男女と相手とを順に眺めて少し思案の間を置いた後に首を傾げ)人間界の日本いう小さい島国、そん中でも京都いうとこで使われる、京ことば…どす。ただしうちの言葉は偽物やさかい、鵜呑みにしたらあきまへんえ。…意外や、言うたら怒らはります?
ギルカ・アルグール
置きレス
失礼なやつーなんて怒られなくて良かった。…最初はいけそうだと思ったんだよ。でも、あんじょういかなかったからしゃあおへんってやつだ。合ってる?(通じないだろうという予測もあってか相手の笑みを誘えたなら十分らしく安堵を告げる声色はどこか楽しげなもので、相手の笑みの質が変わると戯れるように視線を右上に逃がして最初に聞かなかった理由を語り始めるが、教わったばかりの言葉を早速言い訳に使って続け、再び相手を見た表情は少しばかり得意げに、にっと笑って使用法が正解かどうかを問いかけ。図書館隅での立ち話に花が咲き始めると片足に重心を移して立ち、遠慮せずという言葉をそのまま受け取って最初から抱いていた疑問を投げ。改まった礼には少々照れくささを感じつつ相手の視線に促されるように持っていた本を胸元辺りの高さへ上げると、華麗なポーズを決めた男女の絵とその上に社交ダンス入門と分かり易い書名がついた教材のような一冊を見せ)それじゃあ生まれを聞いてもいいかな。どこの言葉か知りたい。…俺ほんと普通のだよ、踊りの本。
夕月
置きレス
ーーっふふ、楽しいお人やこと。あんじょうは上手い具合に、しゃあおへんは仕方ない、いうとこやろか。なんや平気そうな顔したはるもんやさかい、つい。(ちぐはぐで意味の通らない言葉でも堂々と告げられてしまうと一瞬理解が追い付かず答えを見付けられないことに眉を寄せたものの一拍遅れて状況を把握し溢れる笑みを隠すように手で口元を覆い、笑いを含んで微かに揺れる声音で先程の単語の意味を付け足してから笑みを意地の悪いものへと変えると細まった目はいかにも狐らしく、自分の言葉遣いが難解なものであると自覚した上で敢えて貫くことにした悪戯心を悪びれることなく告げ。元の高さへと戻った相手に自分も身体ごときちんと向き直って今更ながらに断りを入れておき、感謝と共に受け取った本の表紙を撫でてくすりと肩を揺らすと相手の手元に視線を移して緩やかに首を傾け)もうすっかり癖付いてしもて…わからんかったら遠慮せんと聞いとくれやす。…おおきに、ありがとうございます。古い、いうだけで大した本やないんえ。あんさんのそれは?
ギルカ・アルグール
置きレス
……………。そうだな、俺も魔導具をあんじょうしゃあおらへんのがいいと思う。(涼しい顔で対応したのは良いものの、会話が進むにつれて相手の言語は難易度が上がって後半に至っては解読が怪しいレベルになり、そればかりが気になって話の内容についていけなくなると相手の言葉を借りて勝手に混ぜ、響きだけで組み合わせた言葉を穏やかな口調で堂々と返して頷き。選んだ本は無事正解だったようで確認が取れた目的の本を抜き取って手に掴み、今度は重力に従ってストンと着地し一歩下がって相手の方へ向き直ると、先ほどの言葉によって既に高確率で知られてしまっただろう自分の無知を、相手から貰った褒め言葉への返事と一緒に明かして笑みを浮かべ。ふとした興味から相手に渡す前に古めかしい本の表紙を確認すると自分には内容すら分からないようなもので、改めて異文化に接したような、関心した調子で続けながら本を相手へと差出し)役に立ちそうだろ?ただし、キミの言ってる意味が半分くらいしか解らないから、逐一通訳する手間がかかる。…おー…本の方まで何書いてるか分からねーし…随分難しそうなの読むんだな。
夕月
置きレス
足場もどこぞにはおますんやろけど、この格好には向かへんし…。こんだけの量を収めよう思たら高うなるんはしゃあおへん。せやねぇ、誰ぞ魔道具であんじょうやってくれはらへんやろか。(不躾に尋ねたにもかかわらず試してみてくれるのだろう、隣に並んだ姿を見やって目を笑みの形に細めると芝居がかった仕草で袖口にあった手を今度は自分の頬に添え、好んで身に纏っている和服の認知度が低いのを良いことに自らの怠慢に対する言い訳に使って溜め息を零し。仕方がないことだと理解してはいるが本棚の最上段に目をやるだけで少しくらりとするような気がして緩く首を横に振り、他力本願に勝手な希望を宣いつつ相手の指先を視線で追いかけていたものの腕を伸ばしたその延長で浮かび上がる様子はあまりにも自然ですぐには気が付かず、ふとした拍子に床を離れた爪先が視界に映ったときには思わず小さく感嘆の声を上げ。次いで口の端を持ち上げどことなく楽しげな色を乗せた声音と共に改めて相手を見上げ、向けられた問いには頷くことで応え)まあ…。あるいは、あんさんみたいなお人と来なあきまへんなぁ。へえ、その本どす。
ギルカ・アルグール
置きレス
…なるほど…結構上の方まであるもんな。脚立でもあればいいんだけど。(振り向いた女性を見やると柔らかな口調に耳を傾け、その特徴的な言葉尻を聞けば僅かに間をあけつつ相槌を打ち。相手の指差す先へと視線を移し同じように見上げてみると本棚にずらと並んだ古書の列の中にそれらしい色の背表紙を見つけ、女性の問い掛けに応えるように隣へと歩み出て本棚の傍に寄り。借りた本を持ったままの片手は棚に添え、空いた手を目的の本が置かれた上段へと伸ばすと手を上げる動きと共に身体全体を浮かせていき。つま先立ちにも見える足先が床に着いていない以外は自然と手に取るような動作で藍色の背表紙の上部に指二本をかけると、先ほどより高低差のできた相手へと視線を落とし)これであってる?

【ありがとうございます+こちらも大分のんびりペースなのでお気になさらず。時間の許す限りお付き合いして頂けたら嬉しいです。それでは、よろしくお願い致します。】