−劇場『Perle』−

ゴシック建築の古城のように繊細で美しく、荘厳でいて豪華な構造の劇場
オペラ・コンサート・演劇 etc...
佐奈 玖郎
閣下って上司だよね?…うーん……この世界にも手軽に買える、電子ピアノとかあれば良いんだけど…。本気でずっと続ける気なら買うのも有りかな?
(先程から閣下と出てくるのは上司なのだろう。そして、その者からクレームが出てるのであれば練習してるのは推測するに職場。集中して出来ないだろうし、練習したい時にも出来なければ周りに気を遣うであろう事は明白。だからといってピアノを買うのは高額であり、嗜む程度なら手軽の方が良いのだか続けるならピアノがあれば強制的にも続けるしかなく、それも良いかと宙を見上げて口から漏らし)
自分の音というか…アルバもこうやって弾けるようになるよ。今のはコードで、君が右手である程度弾けるようになったら次に覚えるものだから。そしたら、一人で奏でられる。
(無事一曲弾き終えた相手が目を輝かせてこちらを見上げてくる仕草に視線を向ければ子供のようでクスリと笑い、鍵盤から手を離して相手へ向くと己の弾いたのは相手が次に覚えるものだと。己が奏でる音が特別ではなく、音が重なれば綺麗に聴こえるものだと可笑しそうに笑いつつ頑張ってとでも伝えるように頭を撫でようとしてるのか手が延びて)
アルバ
だって、…折角なら、ちゃんと練習したいでしょう。今のままだと、閣下に直ぐ止められてしまうもの。
(問われた内容に、まだ思案段階ではあるものの、自由に引ける環境欲しさゆえのため。はじめたばかりで早いだろうかと首を傾げ。指を止めるなと言われれば頷く代わりに演奏に集中して。やがて自分のではない音色が織り重なれば、それはとても素敵なものでこんなことが出来るのかと、弾きながら楽しくなり。最期まで弾ききると目を輝かせながら、直ぐに彼を見上げて。)
凄い!今のはなあに?あんな風に、一緒に弾いたり…凄く素敵な音色になるのね。玖郎の弾く音は、私が弾く音とは全く違うものに聞こえるんだもの。
佐奈 玖郎
え…ピアノ買うの?
(気落ちしたように項垂れたかと思えばピアノを置こうかという言葉に驚いて視線を向け、簡単に買えるようなものではないので本気?と問うような眼差しを送る。鍵盤を描いた紙の上でも練習は出来るが、やはり音があった方が上達が早いかとも思えばそれも言葉に出来ず思考のみ巡らせて)
大丈夫、自分の弾く音に集中して……手、止めないでね?
(こうして教えるのは初めてであり緊張するのは当たり前で、柔らかな口調で言うと弾き始めた相手の手元を眺めて。そろそろ緊張も解れてきた頃合いかと思えば驚いて手を止めないよう一言添え、左手を鍵盤に置くと相手のメロディに合わせてコードを奏で始めて)
アルバ
…やっぱり、仕方ないものなのね。自由に練習するためには、もっと慣れなくちゃ。…お家に小さなピアノでも置こうかしら。
(確かに彼の言うとおり、つかえたり音を間違えたり、今回のようにリズムに乗り続けることは出来なかったり。…初心者故に仕方ないものだが、今後練習していくためにはある程度の向上が必要かと項垂れて。心置き無く弾くためには自室にピアノでも置くべきかと真剣に考え始め。)
え、…今?改めて言われると、…緊張しそう。
(面と向かって弾いてほしいと言われると、それはそれで指先に緊張が走り。真横で見られるとなると、失敗が怖く。一度は怯みつつおずおずと鍵盤に指を乗せると、失敗したらその時はその時だと意を決し鍵盤を指が弾き始めて。)
佐奈 玖郎
そうなんだ。でもまぁ、耳障りというか、練習してるのを聞いてるともどかしくなるし…最初は仕方ないよ。
(練習してると聞けば、熱心に繰返し弾いている姿を想像して笑みを溢し。そうであるなら、聞いている側は音がつっかかる度にもどかしくなるのだろうと思い至ってフォローをして)
もう一回、始めから弾いてみて?
(相手が促されるまま椅子に座ると左側に寄り添うように立つと鍵盤の方を向き、慣れるためにももう一度弾いて欲しいと相手を見下ろして言葉を投げ掛け)
アルバ
嬉しい!実は結構練習してて…。閣下は下手くそな曲は耳障りだって、聞いてもくれないもの。
(褒めの言葉が返ってくれば、こんな嬉しいことはないと両手のひらを胸の前で併せ。しかし練習すると決まって己の上司からのクレームがあったために、どうしても上達に関しては自信がもてず。椅子に座るように促されると最初はなんだろうかと首を傾げたものの、とりあえず言うとおりに近づいて腰を下ろして。)